メーガン妃の名言をななめ斬り!「私はこれまでと同じ」

矛盾に満ちた世の中を、レジェンドたちはどう渡り歩いてきたのか。ライター・仁科友里さんが名言をひも解きながら、「女の生きざま」をナナメから考察します。

メーガン妃の名言をななめ斬り!「私はこれまでと同じ」

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私は「間違いだらけの婚活にサヨナラ!」(主婦と生活社)を上梓した関係で、読者のみなさまから婚活相談を受けることがあります。結婚が決まる方もいれば、何年もがんばっているのに、彼氏ができない人もいます。

その違いは何かというと、「男性をどこまで理解しようとするか」にかかっていると思います。こういうことを書くと、「サラダを取り分ける」とか、「オトコはプライドが高いから、立てる」みたいな昭和のセオリーを連想されるかもしれませんが、そんな小さなことが、結婚という人生の大きな選択の決め手になるわけはありません。

女性は結婚にどうしてもロマンティックなものを求めてしまいますが、男性はものすごくシビアに女性を選んでいる。男性のズルさ、冷酷さに気づいて利用されないようにしないと、遊びで終わってしまったり、交際はしても結婚には至らないのではないでしょうか。

さて、打算的な結婚の極みと言えば、ロイヤルウェディングです。かつて、ウェールズ公チャールズは人妻と恋愛関係でありながら、名門スペンサー家のダイアナとの結婚を決めました。名門の生まれで美しく、処女。国民受けするであろうダイアナをエリザベス女王が推したからだと言われていますが、ご存知のとおり、この結婚は破綻してしまいます。

この苦い経験のせいか、はたまた長男がすでに家庭をもうけて王位継承者も多数いるからか、チャールズの次男、ヘンリー王子は自由な結婚をします。相手は元女優のメーガン・マークル。離婚歴のある外国人の元女優が王室入りするとは、前代未聞の話でしょう。もっとも、ヘンリー王子自身も10代での酒や麻薬の乱用、仮装パーティーでナチス・ドイツのコスチュームを着るなど、わりとしょうもない御仁ですので、お母さんのような名門貴族のご令嬢より、メーガンのような苦労人のほうが相性がいいのかもしれません。

この二人の結婚は今年の5月でしたが、昨年のクリスマス、メーガンは王室一家と一緒に過ごしたと報じられています。ヘンリー王子はラジオの取材に対し、「メーガンは家族になじみつつある。これは、彼女が今まで持つことができなかった家族だからだと思う」と発言していました。

でた、王子さまの無神経。すべてを持っている王子さまが唯一持っていないもの、それは共感性です。

婚約してから、メーガンの家族は意図的にメーガンの足を引っ張ってきました。メーガンの異母姉は「The Diary of Princess Pushy’s Sister」(厚かましいプリンセスを妹にもつ姉の日記)を出版しています。また、娘に粗雑に扱われている、ひどい娘アピールでしょう、メーガンの父は紳士服店でスーツを仕立てたり、イギリスのガイドブックを読んでいる姿をパパラッチに撮らせています。パパラッチは写真をメディアに売って報酬を得るのが仕事ですから、“相棒”であるメーガン父にも、それ相応の支払いはあったと見るのが自然でしょう。メーガンの兄は、ヘンリー王子に結婚式の中止を求めるなど、もうしっちゃかめっちゃか。健全なご家庭に育った方は家族の奇行が理解できないかもしれませんが、失うものがない人は無敵ですから、恥も外聞もないことが平気で出来るのです。メーガンは、家族に対して沈黙を守っています。結婚式にも母しか参加しませんでした。

一方のメーガン妃は多少の批判にさらされつつも、王室になじんでいるようです。
そのメーガン妃、こんな発言をしたとされています。
「私はこれまでと同じ。変わったのは周りの目だけ」

プリンスの恋人もしくは妻となっても、調子にのっていない。もしくはプリンスの地位目当てで交際したのではないという意味も含まれているのかもしれません。

私は地位目当ての恋愛や結婚があっていいと思っています。というのは、恵まれている人との交際や結婚は、それなりの困難があるので、覚悟や根性がないとお互いが不幸になると思うから。それはさておき、環境や立場が違っても、人が変わらないことなんてありえないと思うのです。

人は扱われたようになる、というのが私の考えです。周囲の腹の中は別として、プリンセスとして扱われればプリンセスらしくなっていくもの。庶民と同じなんてありえません。

一般人の世界でも、同じことが言えると思います。結婚、離婚、仕事の昇進など、自分もしくは周囲が「上(下)に行った」と見えることはあるでしょう。

もしあなたが「上に行った」という自覚があるのなら、メーガンが家族と距離を置いたように黙ってその集団と離れたほうがいいと思うのです。

「見下していると思われる」「手のひらを返したようで、感じが悪い」と思うかもしれませんが、逆の立場で考えてみてください。自分より明らかに「上」の人とずっと一緒にいて、あなたは疲れませんか? その人に「これまでと同じよ」と言われて「うん、そうね」と心から思えますか? 

変な義理にとらわれて、立場の違う人といると、そんなつもりはなくても「格差」を感じさせてしまいます。その結果、相手には「うまくやった」「自慢している」と思わせてしまうのです。そのモヤモヤが積み重なると、メーガンが家族にされたようにおかしな攻撃をしかけられる可能性はあります。それなら、お互いのために、早めに離れたほうがいいと思うのです。

今年の10月にメーガン妃の懐妊が発表されました。メーガン妃は新しい家族を作りつつあるのですから、もうおかしな家族を忘れていいのです。

女性は「一緒」と言いたがる傾向がありますが、むしろ大切なのは「私たちは違う」と言える勇気なのでは、ないでしょうか。

(文:仁科友里/イラスト:井内愛)


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第6回 メーガン妃「私はこれまでと同じ」

この記事のライター

1974年生まれ。OL生活をつづったブログが話題となり、2006年「もさ子の女たるもの」(宙出版)でデビュー。「週刊文春」「週刊女性」「女性セブン」にタレント論、女子アナ批評を寄稿。2015年「間違いだらけの婚活にサヨナラ!」(主婦と生活社)が異例の婚活本として話題を呼ぶ。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」