会議をスマートに仕切るコツって? 発言の語尾がポイントだった

職場コミュニケーションの悩みを解消するヒント。コミュニケーション講師の宇佐美陽子さんが届けます。

会議をスマートに仕切るコツって? 発言の語尾がポイントだった

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「オトナノ」読者の皆さん、こんにちは! コミュニケーション講師の宇佐美です。先日、友人と話しているときに、「どこまで自分の意見を言うことが正解なのか」という話になりました。その友人は後輩から相談を受けたとのこと。友人の後輩は、上司にとある新しいプロジェクトの件で意見を求められたそうです。これは自分の意見を言うチャンスだ! と思ったその後輩が率直な意見を伝えたところ、その上司に「そんなことは、聞いていない!」と怒られたようでした。後輩はすっかり上司と話すことが億劫になってしまい、このところやる気がなかなか回復しないことを悩んでいました。

この話を聞いて、私も上司に意見を熱く語った後に毛嫌いされ、プロジェクトから外された経験を思い出しました。自分にとっては「やる気」を見せたつもりだったのに、相手にはただの「やりすぎ」に映ったのだろうと、今になっては思います。キャリアを重ねていくとこういった経験が積み重なることから「自分のやっていることは、果たしてこの現場で本当に求められていることなのか」がわからなくなってくるな、と感じました。

今日のお悩みもそんな「自分のやっている仕事はこれで正解なのだろうか?」というものです。

本日のお悩み

こんなお悩みが届きました。

会議がダラダラしていると自ら仕切ってしまうことをやめたい」(38歳/正社員)
なぁなぁな会議に対して、詰めるべきことは詰めたくて、若手を差しおいて発言してしまうことをやめたい」(39歳/正社員)

「会議を仕切ること」「発言すること」ことは一見、会社やチームにとって、業務の効率化を図ろうとする“より良い行動”であるように感じますが、それを「やめたい」と悩んでいる声をたくさんいただきました。キャリアを重ねれば、自分の行動に自信が持てる反面、様々な視点から物事を捉えることができるようになります。それゆえに生まれる「迷い」の中に、自分自身を知るきっかけが隠れているような気がします。

仕切ること、自分が発言することで得られるかもしれない期待と不安

「仕切ろう」と張り切ってしまうときや「自分の発言で議論の曖昧さをなくそう」と思っている瞬間には、とある「期待」が生まれています。もし、自分が仕切ることで何かを期待しているとしたらそれは何でしょうか? たとえば私自身なら、「やる気を認められるかもしれない」「求められる人材だと思われるかもしれない」という気持ちが湧きあがります。

しかし、このような期待が生まれる背景には「できないやつだと思われたらどうしよう」「この会議には必要のない人間だと思われたくない」という不安や恐怖が隠れています。不安や恐怖が自分自身の行動の源になっているとき、それをやめたいと思うのは自然なことです。なぜなら、仕切れば仕切るほど、自分が感じている本質的な不安にスポットを当て続けていることになるからです。仕切るのをやめたい、発言を控えたい、という思いは「不安から逃れたい」のサインなのかもしれません。

愛嬌のある、求められる仕切り屋になるための語尾の使い方

イラスト:えなみかなお

とはいえ、無駄な会議はできるだけ避けたいですし、自分が仕切ったほうが早く、確実なときがあると思います。そんなときにすぐできるテクニックは、自分が使う言葉の「語尾」に変化をつけて、自分自身の表情を変えることで場の空気感を和ませるというものです。

仕切るぞ! 場をまとめるぞ! 今、曖昧なことをはっきりさせるぞ! と意気込んでいるときは、肩や首に力が入り、表情は硬くなっています。さらに語尾は言い切り、語調は強くなりすぎています。

そんなときは、表情を柔らかくし、自分の意見が押し付けがましく聞こえないように、語尾に「ハートマーク」と「ね」の一文字を加えて、疑問形で自分の話を終わらせるようにしてみましょう。

たとえば「これってどういう意味ですか?」なら、「これってどういう意味ですかね(ハートマーク)」と語尾に「ハートマーク」をつけると、声のトーンを明るく、優しい雰囲気にしようとする意識が生まれ、自然と表情も柔らかくなっていきます。声と表情は実は連動しているのです。また「ね」のひと文字の効果は絶大で、「どうですか?」も「どうですかね?」にするだけで話すスピードが緩やかになり、相手が安心して答えやすくなります。

このように、語尾の「ハートマーク」と「ね」を使い、疑問形で自分の会話を終わらせる。これで会話の主導権が相手に自然と渡されるので、自分ひとりで「仕切っている」感が薄まりますし、その場にいる人に対して発言を促すこともできます。自分ひとりが発言した後も、「〇〇さんは、いかがですかね(ハートマーク)」とひとこと添えるだけでも違います。

「ハートマーク」は愛のマーク。語尾につけて話すだけで、会話のモチベーションを「不安」から、相手も自分も気持ちよく発言できるよう気にかけた「思いやり」に変えることができます。そうすれば、「仕切る」自分をやめるのではなく、「不安だから仕切らなければ」という気持ちをやめることができそうですね。ぜひ、“可愛らしい自分”を意識して会議に臨んでみてください。ただし、「やりすぎ」注意です!

次回は「愛嬌のある雑談の作り方」です。お楽しみに!

(文:宇佐美陽子/イラスト:えなみかなお)

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第2回:「完璧主義でうまくいかない」から脱却するには?
第3回:「上司に振り回されたくない!」を解決する3ステップ
第4回:後輩との関係づくりに悩んでいる? 「失敗談」と「ペーシング」を意識しよう
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第6回:「雑談が苦手」を克服したい! コミュニケーション専門家が教えるコツとは
第7回:「仕事を断るのが下手……」スマートに頼るためのキーワード「KTT」とは?
第8回:「仕事を任せるのが苦手!」なあなたに必要なこと
第9回:初対面で失敗したくない!! 心の距離をぐっと縮める「3秒ルール」
第10回:催促が苦手……! 相手に気持ちよく動いてもらうための伝え方って?
第11回:悪口が多い職場にうんざり……。スマートに対処する3つの方法
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この記事のライター

TCS認定コーチ、コミュニケーション講師
大学在学時よりラジオDJとして活動。10年やってラジオDJの仕事を休止し、自分は本当は何がしたいのだろう? と30代から「自分探し」を始める。しかし完全に迷子になり、NLPコーチングを学ぶ。「訳アリ」な状況をチャンスに捉えることで好転してきた自身の体験を元に、現在はコミュニケーション講師としてお仕事展開中。愛読書は漫画キングダム。趣味はNetflixタイム、瓶集め。