AIに置き換えられにくいスキルって? ホスピタリティ&クリエイティビティを身につけよう

AIに置き換えられにくいスキルって? ホスピタリティ&クリエイティビティを身につけよう

近年、めざましい技術革新により、「AI」というキーワードが盛んに報じられるようになりました。AIの正式名称は「Artificial Intelligence」、つまり「人工知能」のことですが、メディアでは「あと10年もすれば、多くの仕事がAIに奪われる」などと私たちの危機感を煽るような見出しも並びます。

実際にそうなれば、なんの専門的なスキルも持っていない私は仕事がなくなるんじゃないか……」と不安に思う人は少なくないはず。でも、果たして本当に、AIの出現によって私たちの仕事は奪われてしまうのでしょうか。

そこで連載第2回目の今回は、「AIと雇用」をテーマに、マイナビエージェントのキャリアアドバイザー、ヤスコさんにお話を聞きました!

仕事がなくなるのではなく、その仕事に携わる人数が減ると考えよう

AIをそこまで脅威に感じる必要はありません」とヤスコさん。「仕事がなくなるかも?とただ不安になっている人は、もしかするとAIがどういうものなのかをあまり理解できていないからではないでしょうか」とのこと。確かに、36~45歳の働く未婚女性408名にAIについてのアンケートをとったところ、以下のような結果になりました。

7割近くの女性がAIについてよくわかっていないよう。そのため、半数以上がAIの出現を「脅威に思っている」との結果も。一方で、「自分の現在の仕事がAIに取って代わられると思うか」という問いには、約6割が「代替されない」と楽観的に考えている向きもあります。しかし、「AIにより、なくなる仕事は確かにあります。だからこそ、AIについての理解を深め、その上で自分はどのような働き方をすればいいのか、どんなスキルを磨けばいいのかを考えておく必要があります」とヤスコさんは警鐘を鳴らします。

では、結局AIとはいったいどういうものなのでしょうか?

AI=人工知能とは、その名の通り、“人間のような知能を持ったコンピュータープログラム”のこと。ヤスコさんによると、「大量のデータから規則性や関連性を導き出し、その知識・経験をもとに適切な結果を推測するという、まさに人間の脳に近い学習=“ディープラーニング(深層学習)”の能力をコンピューターが持つようになっています」。

「数値を扱う量が多い仕事は、内容によっては淘汰されるかもしれません。確かに“計算”はAIの最も得意な作業のひとつですから、システムさえ整えば、戦略立案や、本当にミスがないかどうかという最後の確認だけ人間が行えば大丈夫という世の中の流れになると想像がつきます。そう考えると、データを入力すれば解決するような、仕組みでカバーできる仕事はAIに置き換わっていくでしょう。ですが、数字を扱う仕事でも、言われたデータをただ作成するだけでなく、顧客が求めるものを考えて工夫を凝らすことは、人間ならではのクリエイティブな能力。顧客の課題をどうすれば解決できるか、提案するならどういう伝え方にするかといったことを考える工夫が大切です」。(ヤスコさん)

ただ逆を言えば、すべてがAIに取って代わられるわけではなく、“戦略を考える”“成果物が戦略通りになっているか確認する”という点で、人の仕事はなくならないということ。「AIをマネージメントする人や、AIが導き出した結果を精査する人は残るので、仕事がなくなるというよりは、その仕事に携わる人数が減ると考えたほうがいいですね」とヤスコさん。つまり、いかに“必要とされる戦力”になれるかが、この先のAI時代で働くためのキーワードになりそうです。

そこで、AIを脅威に感じる一般事務職の40代シングル女性のお悩みを見てみましょう。

AIができるのは“推測”まで、とわかれば怖くない!

このようなお悩みが読者から届いています。

「給料が少ないし、今後上がる可能性も少ない。数年後には仕事もなくなり、失業するかもしれない」(41歳/一般事務)

「一般事務がどんなジャンルのものなのかにもよりますが、単純なデータ入力が主な仕事であれば、危機感を持ったほうがいいでしょう。働き続けるためにも、データを入力するだけでない、プラスアルファのスキルと、顧客の課題に対してスキルを使う応用力を磨きたいものです。

というのも、先ほども言ったようにAIが行うのはあくまで“推測”。その結果をもとに、どんな仕事に活かすかといった“意志判断”や“提案”は人間に委ねられるからです。本来は自分の業務には直接関係がないかもしれませんが、導き出されたデータの根拠や活用法を考えるクセ付けをしておくだけでも、企業に求められる人材になれると思います。これは事務職に限らず、接客や販売といった仕事をしている方にも言えることですね。顧客が求めているものが何か考えて、自分のスキルを発展させていくことが大切です」。(ヤスコさん)

また、今後も事務職としてやっていきたいのであれば、「今以上にPCスキルのアップもめざすべきです」とヤスコさん。

「例えばエクセルなら、データ入力が飛躍的にスピードアップする『VLOOKUP関数』を使いこなせていると転職にも有利ですので、今の職場で働き続ける以外の選択肢も広がります。またパワーポイントも、単にプレゼン資料を作るというよりは、いかに視覚的に説得力を持たせられるのか、どうすれば伝えたいメッセージを効果的に届けられるのか、といったことをロジカルに考えるセンスを磨くようにしましょう」(ヤスコさん)

AIに取って代わられないために磨きたい“スキル”って?

また40代になると、どうしても20代や30代前半のような気力が減り、新しい技術への興味や反応がどんどん鈍くなってしまいがちですが、「計算などわずらわしい作業はAIに任せて、“新しい仕事を考える”“考えを実行に移す”ことが大切」なのだとか。

「今後もますますAIは進化していくでしょうが、それでも人間に取って代わることはできない能力があります」とヤスコさん。ひとつは、“ホスピタリティ”だそう。

「『人と人が対面で会話をしながらお互いに理解を深め、心をつなげていくような仕事は代替できないと思う』(42歳/販売職)というコメントがありましたが、まさにその通りで、人の“ぬくもり”を求められる仕事は絶対になくならないでしょう。それは、ファストフードならシステマティックでいいけれど、細やかなホスピタリティも含めて味わいに行く高級レストランでロボットに接客されるのはちょっと……と思うことにも似ています」。(ヤスコさん)

そしてもうひとつ、AIが向かないのは“クリエイティブ”な作業とのこと。「芸術はもちろん、新たな商品やアイデアを開発するのは人間にしかできません。何度も繰り返しますが、今のところAIができるのは、“推測”まで。例えば、トレンドというのはある程度は推測できても、本当に流行るかといえばまた別の話ですよね。本当に世の中の流れに合っているかどうか、最終的な決断は人がしなくてはなりません。AIにできることはAIに任せ、その分、新しいものを生み出す“思考力”を身につけるようにしましょう。

“新しいものを生み出す”というと、新規プロジェクトなどの壮大なものを思い浮かべがちですが、そんなことはありません。普段仕事をする中で少しでも疑問を持つことがあったら、その疑問の解決方法を考えてみる。そして、考えをもとに実際に手を動かしてみるということが重要です。“考える”と“実行に移す”の2軸を意識してみましょう」。(ヤスコさん)

まとめ

AIは“人間の敵”ではなく、私たちの生活を豊かにしてくれる存在でもあります。
災害時の救助作業など人が立ち入るには危険な仕事を担うなど、人間が安心して暮らすためのツールとして期待が高まっているのも事実。それなら仕事の面でも、脅威を感じて漠然とした不安に苛まれるより、共存する道を探すほうが得策です。
そのためにも、“誰にでも(=AIにも)できる仕事”に甘んじるのではなく、オフィススキルを上げつつ、“ホスピタリティ”や“クリエイティビティ”を磨く努力を少しずつでもしていきたいものですね!

(文:ヨダヒロコ/構成:オトナノ編集部)

「40歳の仕事地図」記事一覧

第1回:人生100年時代に通用する働き方のヒント。シングル女性がこの先身につけるべきスキルって?
第2回:AIに置き換えられにくいスキルって? ホスピタリティ&クリエイティビティを身につけよう ★現在の記事

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この記事のライター

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