<スタイリスト渋谷さん流>捨てずに生まれ変わらせる、洋服“お直し”のススメ

ヘアも、メイクも、ファッションも、カラダの中も。 40歳は「美に対する意識」が変わるとき。 目指したいのは、取り繕うことじゃなくて、これからの自分を大切にしたくなる美容。 ココロとカラダが心地よくリンクする、“ちょうどいい”自分を探しましょう。

<スタイリスト渋谷さん流>捨てずに生まれ変わらせる、洋服“お直し”のススメ

気に入って買ったものの、流行りが変わってクローゼットに眠ったままの洋服、少しほつれたり、汚れがついたりしたまま放置している洋服はありませんか? そんなアイテムをよみがえらせる“洋服のお直し”について、スタイリストの渋谷美喜さんにお聞きしました。

できることは、想像以上にたくさんある。「お直し」という選択肢

渋谷美喜さん(スタイリスト)/文化服飾学院スタイリスト科卒業。アイドルから俳優、アスリートまで幅広いスタイリングを手掛ける。化粧品や家電メーカーなどのCM・広告、映画の劇中衣装も担当。

「実は最近、洋服のお直しがとても注目されているんですよ」と渋谷さん。お直しのメリットはふたつあるそう。

「丈やシルエットを少し変えるだけで、おしゃれ度を上げることができるので、眠っていたお洋服を復活させることができます。もうひとつは、手をかけると愛着がわくので、洋服を長く大切に使うようになること。洋服に限らずモノを大切にできる心って、大人女性としても素敵ですよね」

お直しは、想像以上にいろんなことができるそうで、「基本的に幅を狭めたり、丈を短くしたりなど、“何かをそぎ落とす”ことはできると考えていいと思います。逆にボリュームを増やすのは難しいのですが、場合によっては他の生地を足して、丈や幅を伸ばすことはできますよね。それがおしゃれになれば、一石二鳥(笑)」と渋谷さん。

ほかにも、テーラードのジャケットをノーカラーにしたり、シルエットをタイトにしたりするなど、お直し屋さんでできることはたくさんあるといいます。

捨てるべきか迷ったら……「お直し」したほうがいいアイテムって?

捨てるべきか、直すべきかに迷ったら、「単純ですが、やっぱり長く使いたいと思うものかどうかを考えてみて。思い切って買ったいい素材の洋服や、人から譲り受けて捨てたくないものを、お直しという選択肢でよみがえらせることができます」。

ただし、自分で手を加えるのは注意したいところ。「まず、素材がいいものは失敗するといけないので、お直し屋さんにお願いするのがいいと思います。あと、丈感はすごく難しいので、プロにバランスを見てもらうことが大事。ほんの少しの差で、おしゃれにも、ダサくもなってしまいますから」と渋谷さん。

<実践編>渋谷さん流・自分でできるお直し、プロに頼むお直し

実際に渋谷さんが自分の手でお直ししたもの、プロにお願いしてお直しした洋服を見せていただきました。

自分でできるお直し① 手縫いで小さな穴をカバー

日常的に自転車に乗るので、丈の長い洋服やワイドパンツなんかが、ときどきタイヤに巻き込まれて、穴が開いたり、ほつれてしまったりすることがあるんです。小さな穴であれば、自分の手で縫っても大丈夫。

写真のロングカーディガンは、洋服の色と近い糸で縫っただけ。メリヤス編みの編み目に合わせて、細かめに裏から縫っていけば、パッと見はあまり気にならないレベルになります。

自分でできるお直し② アップリケで難を隠す

ダウンジャケットって、いいものを買うとそれなりのお値段になりますよね。写真のダウンはうっかりストーブの近くに置いて、腕の下のほうを少し焦がしてしまったんです。縫い目~縫い目までのブロックごとにお直しすることも可能ですが、当時、私が聞いたときは1ブロックで8,000円程度かかると言われました。

そこで、家に保管していたアップリケのことを思い出して、自分で縫いつけてみたんです。まわりからは“そういうデザイン”と見られることが多く、私自身も“これはこれでいいな”と愛着がわいて長く着ています。

プロにお願いしたいお直し① ジャケットの丈感チェンジ

数年前に買った“長め”のジャケットをお直し屋さんに持っていき、おしゃれ感があって、自分に似合う丈に直してもらったもの。シルエットは気に入っていたのですが、どうしても丈感に時代が出るので、しばらくクローゼットの肥やしになっていたんです。

でも、お尻の半分くらいが隠れる長さにしてもらったことで、ベーシックなシルエットになり、今ではよく使うアイテムのひとつになりました。

プロにお願いしたいお直し② 靴の裏張り&ソール替え

ヒールが傷んできたり、折れたりしたらお直しに持って行くのでもいいのですが、私の場合は傷む前に専門店に持って行くことがほとんど。

たとえば、靴底が革だと雨ですぐに水分を吸って革がダメになってしまうんですね。なので、買ったら専門店に直行して、靴底の前部分とかかとにソールを貼ってもらうようにしています。あと、ペタンコ靴は足が疲れるので、少しソールの高いものを選ぶようにしていますね。

【Column】“切るだけ”で洋服が復活

「お直しするほどではないけれど、捨てるにはもったいない洋服は、“切る”ことでよみがえらせましょう。デニムの裾を切る、カットソーやTシャツの袖を切るといったことなら、不器用な人でも簡単にできます。ジムで着るトレーニングウェアや部屋着くらいなら、切りっぱなしでも気になりませんし、デニムであればデザインになることもありますよね。捨てる勇気が出ないときは、ぜひ“切る”リメイクに挑戦してみてください」

クローゼットにため込んでいる洋服はたくさんあるけれど、お直しという選択肢って意外と浮かばないもの。その選択肢があるかないかで、洋服の活かし方が変わりそうですよね。一度、“気に入っているけど放置している服”をチェックして、ぜひよみがえらせてください。
次回のテーマは40歳の秋メイク。ヘアメイクの加藤恭子さんが、大人に似合うしっぽりメイクを教えてくれます。

(取材・文:宮浦彰子/撮影:アベユキヘ)

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この記事のライター

40歳は「美に対する意識」が変わるとき。 目指したいのは、取り繕うことじゃなくて、これからの自分を大切にしたくなる美容。 ココロとカラダが心地よくリンクする、“ちょうどいい”自分を探しましょう。各業界のトップで活躍するメイクアップアーティスト、ヘアスタイリスト、スタイリスト、料理家が、さまざまな角度から“40歳の美”を提案します。

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