【きのう何食べた?】シロさん、涙の独白。ケンジVSジルベール航のマウントも痛快なクリスマス男子会

テレビ東京で放送中のドラマ「きのう何食べた?」のレビュー。ドラマウォッチャー・チンチロ鈴がお送りします。

【きのう何食べた?】シロさん、涙の独白。ケンジVSジルベール航のマウントも痛快なクリスマス男子会

「きのう何食べた?」11話は、最初から最後までホント、最高オブ最高でした。

師走のある日、シロさん(西島秀俊)は実家に帰り、母・久栄(梶芽衣子)の料理をお手伝い。いつもは口うるさいのに、この日はやけに穏やかな母の献立は、ヒレ肉のトンカツとスパゲッティサラダと、いつものごとく満腹メニュー。シロさんは「だから高校生じゃないんだってば……」とあきれながらも、要領や手際の良さは母親譲りだと実感。俺の料理のルーツはここにあったんだ、としみじみ。大人になって料理をするようになると、母親の影響をかなり受けていることに気づくことがありますよね。チンチロは一度も母から料理を教わったことはないけれど、大人になって何気なく作ったハンバーグが母の味と全く一緒だったときは驚きました。

シロさんと母、そして体調不良で降板した志賀廣太郎さんの代打を務める、田山涼成さんが演じる父・悟朗が食卓を囲んでいます。田山さんも好きだけど、穏やかさのなかに強さを秘めている志賀さんの演技が目に焼きついているから、多少の違和感はいなめません。とはいえ、こればかりはね……。

食事中、しきりにあやしげなアイコンタクトを交わす両親。そして、母が意を決して切り出します。「今度のお正月、彼氏さん、いや矢吹ケンジ(内野聖陽)さんをうちに連れていらっしゃい。あなたたちは結婚してるも同然なんだから、家族に引き合わせるのは当然」。なるほど、先ほどまでの母の穏やかさは、嵐の前の静けさだったのかと理解したシロさんは、曖昧な返事をして、その場をなんとか切り抜けます。

しかし買い物仲間の佳代子(田中美佐子)や、シロさんが勤務する弁護士事務所の所長、大先生(高泉淳子)と話をする中で、親の悩みはゲイもノンケも変わらない、と親心に触れたシロさんに、少しずつ心境の変化が。

そんななか、小日向大策(山本耕史)とジルベールこと航(磯村勇斗)と4人でクリスマス男子会を開催することに。できるだけ出費を抑えたいシロさんが、手料理でのホームパーティーを提案、ケンジも賛同します。2人の定番クリスマスメニューは、第4話でも作ったラザニアですよね♪ 

いよいよ2組のカップルによるホームパーティー当日。シロさんが料理に精を出している間、ケンジは洗面台の手ふきタオルを、普段用からおしゃれなかわいいタオルにチェンジ。ケンジのワクワク感がひしひしと伝わってくる、細かな描写がたまりません。それから寝室に行き、9話でシロさんに買ってもらい、大切にしまっておいた指輪をいそいそと取り出し、左手の薬指にはめます。きっと小日向&航に自慢するんだろうなー、ケンジの乙女心がかわいい!

そして小日向さんとジルベール航が到着。ケンジはさっそく、これみよがしに左手の指輪を見せつけますが、鈍感な小日向さんは全く気づきません。逆に航はすぐに察知し、おもしろくなさそうな表情を浮かべます。そして相変わらず、いや、いつも以上に言いたい放題、ジルベール節全開です。

明太子とサワークリームのディップは“デブ製造機メニュー”、ブロッコリーとアサリの炒め物はアサリの砂がジャリジャリするから嫌い、セロリが入っているからサラダは食べないと、シロさんの手料理にも悪態三昧。隣で小日向さんはハラハラし通し。とはいえ全部平らげているのは美味しい証拠、それがわかるからシロさん&ケンジもにこやかに受け流します。ラザニアを食べて「全部食べちゃったじゃないの、来るんじゃなかった」の皮肉は、完全にほめ言葉ですもん。

そんな毒舌全開のジルベールに「どんぶりいっぱい食べたい~」とまで言わせたのが、シロさんお手製「アールグレイのミルクティー味のシャーベット」。紅茶のティーバッグと牛乳、砂糖、コンデンスミルクだけで作れるとあって、SNSでは作ってみたいの声が続出!

そんなパーティーも佳境にはいり、小日向さんと航から年越しを一緒にと誘われたシロさんとケンジ。ケンジは“シロさんがいいなら”と快諾しますが、シロさんは「正月はケンジを連れて俺の実家に帰ろうと思っているんで」と断ります。ケンジに指輪を見せつけられ、さらに正月に親に紹介すると聞いたくやしさもあったのでしょうか、航は「息子がゲイだってことでショックなのに、その上、髭の生えた恋人をリアルに見ちゃったら親にとってはダブルショックじゃん……」と辛辣な反応。ここでシロさんは気持ちをゆっくり話し始めます。

「俺、ずっと考えてたんだよね。両親は、俺がゲイだとわかったとき最初にどう思ったんだろうって。きっと両親は俺がゲイだとわかったとき俺のことかわいそうな子だって思った。次に俺がこんなふうになってしまったのは、私たちの育て方が悪かったんじゃないかって自分を責めたかもしれない」。声をつまらせ、涙をこらえながらそう話すシロさん。「だからさ、ゲイの何たるかを知ってほしいってことじゃなくて、少なくとも今俺が、両親が思っているよりも不幸じゃないんだってことをわかってほしくて、ケンジをうちに連れて帰ろうと思ったんだ」。

シロさんの独白に涙するケンジ、小日向さんまでもらい泣き。ケンジは「俺、行くから」と答え、ふたりはテーブルの下でしっかりと手を握り合います。キャー、初めてじゃないですか、手を握るシーンは! 帰り道でジルベールは「完全に見せつけられちゃったよ」とかなり悔しそう。そして小日向さんに指輪をおねだりするのでした。かわいい。このふたりのシーンももっと見たかったなぁ。

ついに次回が最終回ですね……。シロさんは、ケンジを連れて実家に帰省。もちろん結末も気になるけれど、心の底から終わってほしくないと感じています。

(文・チンチロ鈴)

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この記事のライター

小学生の頃に放送されていた『ずっとあなたが好きだった』(1992年)に衝撃を受け、TVドラマ好きに。3姉妹の末っ子のため、チャンネル権争いに負けて号泣することもしばしば。一人暮らしを始めてからは、誰にも邪魔されずテレビ独占で、毎日ドラマ漬けの日々を送る。一番好きな朝ドラは『カーネーション』(2011年下半期)。
twitter:@ChenChiroRin




チンチロ鈴 きのう何食べた? レビュー