職場で評価される人、されない人のたった1つの違いとは?

職場の人間関係の悩み、「言葉」で解決しませんか? コミュニケーション講師の宇佐美陽子さんが、アラフォーシングル女性の職場コミュニケーションの悩みにアドバイスします。第12回は、「職場で評価されたい!」というお悩みについて考えます。

職場で評価される人、されない人のたった1つの違いとは?

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これまでの連載は<こちら>から
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「オトナノ」読者のみなさん、こんにちは! コミュニケーション講師の宇佐美陽子です。私はキジトラ柄の猫を1匹飼っているのですが、彼女の自由気ままな態度を羨ましく思っていました。

自分が構ってほしいときは、すり寄って甘えてきて、放ってほしいときは、家の中のどこにいるかもわからないくらい気配を消して寝ていたり。でも、そんな彼女自由気ままな姿が、可愛くて、ますます好きになっちゃうのです。

うちの猫のように「自分がどうしてほしいかを知っていて、それをきちんとアピールできて、自分の望む形になる」。これはシンプルだけど、たくみな技だなと思います。今回のお悩み解決に必要なのではないでしょうか。

本日のテーマ「職場でもっと評価されたい」

こんなお悩みが届きました。

「自分がした仕事なのになぜか同僚が評価された。上司のミスをなぜか自分のせいにさせられたことも。これが積み重なってなんだかモヤモヤ。うまく伝えるには?」(43歳/正社員)

他人の達成したことを自分の手柄にする人や、ミスを他人に押しつける人。どんな現場にも必ずいます。

私も自分のアイデアをさもその人が考えたようにプレゼンされサービス化されたり、上司の失敗をなすりつけられて、「とにかく謝れ!」と謝ることを強要されたこともありました。

こんな状況を作り出しているきっかけから見直していきましょう。

まずは信頼できる同僚、先輩、上司に「モヤモヤ」を言ってみよう

「モヤモヤする気持ち」があるなら、心の中に留めておかずに、率直に言葉にしてみましょう。自分自身が信頼している相手に「ちょっとあなたの意見を聞かせてほしい」という言葉を添えて、伝えてみましょう。それは職場の人でも、友達でも、家族でもいいでしょう。

そのとき「事実+事実に対する自分の感情」と分けて言葉にしてみましょう。
「自分がやった仕事なのに、他人が評価された。悔しい」
「上司のミスなのに、私のせいにされて悲しい」

こうやって事実と感情を別にして言葉にすることで、モヤモヤが少し晴れて冷静になれます。

また、自分自身が「事実」と捉えていたことの中に自分の勝手な解釈が混じっていたりすると、事実が歪んで見えることも。信頼できる相手から、自分の話はどう聞こえるのか? という客観的な意見をもらうと、冷静になって考えるようになるのではないでしょうか。

冷静になって考えることで、自分が本当に求めていることは、「評価」なのか、「理解」なのか、「承認」なのかも見えてくるでしょう。そうすれば、モヤモヤする気持ちが少し和らぐかもしれません。

意思表示を強くするため「ファーストアクションの主導権」を握る

「評価されたい」「ミスを自分のせいにしてほしくない」。誰もがそう思っていますが、その思いが伝わる人と、伝わらない人がいます。その違いは、コミュニケーションで「ファーストアクションの主導権を握っている回数」です。

「ファーストアクションの主導権を握る」というのは、対人コミュニケーションにおいて、自分からきっかけを作り出すことです。

評価が高い人ほど、「コミュニケーションの最初のきっかけ」を言葉にして行動しているといえるでしょう。そうすることで、仕事で直接関わる人のみならず、職場全体でも存在感を残すことができるからです。

また、普段から「自ら関わろう」とする行動は、相手に「あなたの存在を認めていますよ」というメッセージを無意識に発することができます。

このメッセージにより、より良い人間関係の最大の敵である「無関心」を回避し、信頼を積み上げることができます。

そして、その積み重ねた信頼があれば、自分自身が関わっている仕事でいい結果が出たとき、きっとあの人の頑張りなのだろうと感じてもらえるでしょう。

イラスト:えなみかなお

「ファーストアクションの主導権を握る」具体的なアクションは?

具体的なアクションをみてみましょう。

シーン:朝

×自分からはあいさつをしない
◯目が合ったら自分から「おはようございます」を言う
◎「おはようございます」を言った後に軽い話題を添える

あいさつは万国共通の心を開くためのファーストアクションです。そんなの当たり前! と感じると思いますが、この当たり前を丁寧に自分からできているかが、信頼関係を築く第一歩となります。

また仕事で直接関わることがなくても、同じ職場にいるスタッフにすすんであいさつすることも重要。職場全体の明るい雰囲気作りに貢献するので、好印象につながります。

シーン:仕事中

×帰社時間まで誰にも「おつかれさまです」を言わない
◯廊下ですれ違うときや、誰かがうつむきがちなとき「おつかれさまです」と言う
◎ 普段から雑談を持ちかける


以前、「完璧主義をやめたい」というお悩みについて考えました。

どこまでも頑張ろうとしてしまう人が多い職場環境では、作業のメリハリになりうる「ホッとする時間」が生まれづらくなります。

そんなとき「おつかれさまです」という言葉や、ちょっとした雑談は効果を発揮します。
「ホッとした空気を作れる人」になれば、あなたへの印象もアップするでしょう。雑談の仕方はこちらの記事も参考にしてみてください。

きちんと「評価される人」の特徴とは?

このように、きちんと評価されたり、余計な火の粉が降りかからない人の特徴は、面白い話ができたり、話をまとめるのがうまいのではなく、いかに自分から「声をかけているか」といえそうです。

自分から声をかけ続けることで、相手には好印象が残ります。その結果、相手の中にしっかり好印象がインプットされることで、きちんとした評価につながります。

さらに、ときには相手から相談を受けるといった、上下関係だけではない“横の関係”が生まれることもあるでしょう。

実際に私も声がけを続けることで、仕事相手と立場や肩書きを超えた“横の関係”を構築できています。

すでに自分から声がけをやっている、という人はそのときの表情がより柔らかくなるように工夫してみると、さらに安心感を与えることができるでしょう。

コミュニケーションは、「コツコツ」の積み重ね

自ら声をかける機会が多ければ多いほど、職場であなたは爽やかに見えると思います。しかし、自ら発言する機会が「抗議」ばかりでは、伝えたいことは少しも伝わらず、理解されないことでさらにイライラしてしまうかもしれません。

コミュニケーション上手さんは、いつも自分から、より良い雰囲気を作り、自分から心をオープンにして声をかけているものです。

また、「自分からのアクション」の積み重ねによって、「評価」だけではない人間関係の満足感を得ることができると思います。職場の方とコツコツ関わってみてくださいね。

私の連載は今回で最後になります。みなさんの職場コミュニケーションがより心地よいものになることをいつも応援しています。またお会いしましょう!

(文:宇佐美陽子/イラスト:えなみかなお)

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「人間関係はあなたの言葉でできている」記事一覧

第1回:他人と比較するクセをやめるには?
第2回:「完璧主義でうまくいかない」から脱却するには?
第3回:「上司に振り回されたくない!」を解決する3ステップ
第4回:後輩との関係づくりに悩んでいる? 「失敗談」と「ペーシング」を意識しよう
第5回:語尾の「ね」がポイント! 苦手な会議を乗り越える魔法のワードとは
第6回:「雑談が苦手」を克服したい! コミュニケーション専門家が教えるコツとは
第7回:「仕事を断るのが下手……」スマートに頼るためのキーワード「KTT」とは?
第8回:「仕事を任せるのが苦手!」なあなたに必要なこと
第9回:初対面で失敗したくない!! 心の距離をぐっと縮める「3秒ルール」
第10回:催促が苦手……! 相手に気持ちよく動いてもらうための伝え方って?
第11回:悪口が多い職場にうんざり……。スマートに対処する3つの方法
第12回:職場で評価される人、されない人のたった1つの違いとは? ★現在の記事
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この記事のライター

TCS認定コーチ、コミュニケーション講師
大学在学時よりラジオDJとして活動。10年やってラジオDJの仕事を休止し、自分は本当は何がしたいのだろう? と30代から「自分探し」を始める。しかし完全に迷子になり、NLPコーチングを学ぶ。「訳アリ」な状況をチャンスに捉えることで好転してきた自身の体験を元に、現在はコミュニケーション講師としてお仕事展開中。愛読書は漫画キングダム。趣味はNetflixタイム、瓶集め。