催促メールのコツ。「すぐにやらなきゃ!」と思わせるには

職場の人間関係の悩み、「言葉」で解決しませんか? コミュニケーション講師の宇佐美陽子さんが、アラフォーシングル女性の職場コミュニケーションの悩みにアドバイスします。第10回は、「催促が苦手……」という悩みについて考えます。

催促メールのコツ。「すぐにやらなきゃ!」と思わせるには

* * * * * * * * * * * * * * * * * *
これまでの連載は<こちら>から
* * * * * * * * * * * * * * * * * *

「オトナノ」読者のみなさん、あけましておめでとうございます! コミュニケーション講師の宇佐美陽子です。盆暮れ正月も仕事が頭から離れない私ですが、新年早々、仕事のことを考えてしまっていた人はよほど仕事のことが好きなのか、仕事のことを考えることで他の課題を後回しにしているのか、のどちらかだと思います。

さて、仕事をする上ではスケジュールを立て、「優先順位」付けをすることが大切。ですが、自分にとって優先順位が高くても、相手にとってはそうでない、ということがよくあります。

自分と相手の優先順位が違うことで生じる問題が、スケジュールのずれ。「メールの返信が来ない」「書類が未提出」ということは皆さんにも思い当たるふしはあるでしょう。

相手に気持ちよく動いてもらうためにはどんな催促の仕方をしたらよいのでしょうか。

相手に気持ちよく動いてもらうための伝え方とは?

こんなお悩みが届きました。

後輩に、クライアントへメールで報告書を送るよう指示したのに、まだ送っていないみたい……。どう伝えれば角が立たないか迷う」(42歳/派遣社員)

指示をした「はずなのに」動いてくれない……。指示をした「つもり」なのに動いてくれない……。伝えた「つもり」になっている言葉に気づき、それをやめない限り、永遠にこの悩みは消えそうもないような気がします。

角を立てたくない……と思うのは、なぜ? 催促相手との関係を見直そう

仕事を「任せる」瞬間に起こるコミュニケーションについて「『仕事を任せるのが苦手!』なあなたに必要なこと」にて触れましたが、今回はその後の「催促」の仕方についてお伝えします。

「催促する」というのは、未完了の行動についてすぐに行動を起こすよう要求することであり、「相手を動かす」ことが必要です。

一緒に仕事をしていて、この人のために頑張りたい! そう思える相手からの催促であれば喜んですぐに行動に移しますが、そうではない場合、腰が重くなるのは明らかです。

大事なのは、日々のコミュニケーションの積み重ねで、相手とどのような関係性ができているか? ということ。角を立てたくない、と思うのは、自分は相手にどう思われたくて、どう思っているからなのか? をはっきりと自分の中で意識してみましょう。

そして、せっかくなので「催促しなくてはいけない」状況をチャンスと捉え、催促する相手との関係性をより良いものにしていくことをゴールにコミュニケーションをとってみましょう。

イラスト:えなみかなお

催促は、自分にとって相手がどんな存在か知らせるチャンス

「催促メール」をはじめとした「催促連絡」は「わかりやすく丁寧にお願いする」がテッパンですが、決まりきった例文は、検索すればいくらでも出てきます。

これからの時代は、人と人の温度が感じられるようなやり取りができる人が重宝され、生き残っていくのではないかと思いますので、そういった、「あなたの力になりたい!」と思わせる伝え方をご紹介していきます。

例えば、クッション言葉としてよく使われる言葉の代表格として「お忙しいとは思いますが」という一文があります。相手が気持ちよく、すぐに動きたくなるためにはどんな伝え方がより良いでしょうか?

△「お忙しいとは存じますが、よろしくお願い致します
○「締め切りは〇〇日です。まだ時間はございますが、よろしくお願い致します。いつもご協力いただきありがとうございます

仕事に対して腰が重い人には必ず「締め切り」を示し、その上でどんなに締め切りが近くても「まだ時間はある」ことを伝えましょう。

「忙しい」という言葉は相手にプレッシャーを与え、余裕を奪いますが、「時間がある」という言葉は相手にほど良いプレッシャーと安心感を与えます。

仕事では、心の状態が仕事のスピードと質に大きく関係します。そして人の行動力はプレッシャーと安心感が半々ぐらいで最も高い能力を発揮できるそうです。「時間がある」という言葉を使って自分にも相手にも心のゆとりを作り出しましょう。

さらに、催促の最後には「いつもありがとう」といった内容を添えることで、仕事は人と人とのつながりでできているとお互いに実感できると思います。

催促をするときの口癖をやめる

新しい一年がはじまったときの清々しさと軽やかさは、自分自身の行動を後押ししてくれます。今年の目標は、「催促のときに使いがちな言葉をやめる」にしてみてはいかがでしょうか。

たとえば「お忙しいとは思いますが……」とよく使ってしまう人は「忙しい」という言葉をやめることを目標に。

「忙しい」が口癖になっていると、心の余裕が持てずイライラしたり、決めつけの言葉を使いがちかもしれません。「忙しい」と言うのをやめてみましょう。そうすれば、慌ただしい行動や、相手を急かす印象を改善できるのではないでしょうか。

他にも「なるべく早く……」と使っている人は「早く」という言葉をやめるようにしてみましょう。代わりに明確な期日を提示すると行動が具体的になるので、自分も相手も締め切りがしっかりと認識できそうですね。

催促を面倒くさがらずに会話のキャッチボールを楽しめれば、今年の仕事のやり取りは軽やかになりそうです。そのためにも、ネガティブな行動につながる口癖をやめてみてはいかがでしょうか。

ネガティブな言葉をやめれば、自然と柔らかい雰囲気になり、あなたと一緒に仕事がしたい! という人も増えるかもしれませんね。

(文:宇佐美陽子/イラスト:えなみかなお)

* * * * * * * * * * * * * * * * * *
「人間関係はあなたの言葉でできている」記事一覧

第1回:他人と比較するクセをやめるには?
第2回:「完璧主義でうまくいかない」から脱却するには?
第3回:「上司に振り回されたくない!」を解決する3ステップ
第4回:後輩との関係づくりに悩んでいる? 「失敗談」と「ペーシング」を意識しよう
第5回:語尾の「ね」がポイント! 苦手な会議を乗り越える魔法のワードとは
第6回:「雑談が苦手」を克服したい! コミュニケーション専門家が教えるコツとは
第7回:「仕事を断るのが下手……」スマートに頼るためのキーワード「KTT」とは?
第8回:「仕事を任せるのが苦手!」なあなたに必要なこと
第9回:初対面で失敗したくない!! 心の距離をぐっと縮める「3秒ルール」
第10回:催促が苦手……! 相手に気持ちよく動いてもらうための伝え方って? ★現在の記事
第11回:悪口が多い職場にうんざり……。スマートに対処する3つの方法
第12回:職場で評価される人、されない人のたった1つの違いとは?
* * * * * * * * * * * * * * * * * *

この記事のライター

TCS認定コーチ、コミュニケーション講師
大学在学時よりラジオDJとして活動。10年やってラジオDJの仕事を休止し、自分は本当は何がしたいのだろう? と30代から「自分探し」を始める。しかし完全に迷子になり、NLPコーチングを学ぶ。「訳アリ」な状況をチャンスに捉えることで好転してきた自身の体験を元に、現在はコミュニケーション講師としてお仕事展開中。愛読書は漫画キングダム。趣味はNetflixタイム、瓶集め。