「仕事を任せるのが苦手!」なあなたに必要なこと

職場の人間関係の悩み、「言葉」で解決しませんか? コミュニケーション講師の宇佐美陽子さんが、アラフォーシングル女性の職場コミュニケーションの悩みにアドバイスします。第8回は、「仕事を任せるのが苦手……」という悩みについて考えます。

「仕事を任せるのが苦手!」なあなたに必要なこと

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「オトナノ」読者のみなさん、こんにちは! コミュニケーション講師の宇佐美陽子です。最近、自分の未熟さを感じています。私には小学生の子どもが2人いるのですが、お手伝いをさせたいと思い、お風呂洗いやお茶碗洗いなど仕事を「任せ」ます。ですが慣れないことをする子どもたちにとっては時間がかかりますし、危ないこともしばしば。自分がやったほうが早い! と思っても、経験させなければスムーズにできる日など絶対に来ません。そう思ってできるだけ仕事を小さくして任せるのですが、それでも私が思うような結果がでないことに苛立つことも。

自分のタスクを細分化し、相手に任せるメリットは、「自分自身の成長と相手との信頼関係の構築」だと思っているので、今日もめげずに「相手が仕事を進んでやりたくなる工夫づくり」をしています。今日はそんな「仕事はたくさん抱えているが、他人に任せることが難しい」という女性に贈りたいお話です。

本日のテーマ

こんなお悩みが届きました。

同僚に任せることが不安。自分ですべてを把握しておきたい」(40歳/正社員)
他の人に教えるのが面倒で、何でも自分でやってしまおうとしてしまう」(43歳/正社員)

「任せることができない」自分に出会ったときは、コミュニケーション能力を飛躍させるチャンスです。

「任せる」瞬間に現れる自分のコミュニケーションスタイル

仕事において、コミュニケーションが重要になる瞬間のひとつが、仕事を「任せる」ときだと思います。なぜなら「任せる」側が描く“仕事の完成形”と「任される」側が描く“仕事の完成形”が一致するかどうかは、それまでどんなコミュニケーションをしてきたか? という自分と相手との関係性の結果といえるからです。

第3回「『上司に振り回されたくない!』を解決する3ステップ」や第4回「後輩との関係づくりに悩んでいる? 『失敗談』と『ペーシング』を意識しよう」で伝えたことは、まさにこの仕事を「任せる」「任される」ときに出る態度や抱く感情につながります。つまり、仕事を任せる相手や仕事を任された相手とどんな関係を築いてきたのか? が現れるということです。信頼関係が築けていれば、任せるときも、任せられるときもストレスが少なく、スムーズなやり取りができるのではないでしょうか。反対に、信頼関係が薄ければ、相手に不安を感じるかもしれません。

イラスト:えなみかなお

そして、コミュニケーションというのは、他人と行う前にまず自分としているもの。ですから、仕事を「任せる」ときには第1回「他人と比較するクセをやめるには?」や第2回「『完璧主義でうまくいかない』から脱却するには?」にあるように自分自身のコンプレックスを味方につけておきましょう。自分自身との信頼関係も土台がしっかりしていれば「任せた」後、相手が思うように仕事ができずに悩んだときにも、自分自身の経験を踏まえて相手と堂々とストレスなく接することができるようになります。

「任せる?」「いや、任せられない!」を変えていく「Say,Yes!」

「任せられない」自分を変えていくには、自分とどのようなコミュニケーションを行えばよいのでしょうか。

自分とのコミュニケーションは「自分への質問」とも言えます。「明日はどの服を着ようかな?」「あの資料の締切いつだった?」など、人は自分に無意識に「自分への質問」をして行動をしているもの。ですので、まず自分への質問を変えて、「Yes」と答えられる質問をすること。なぜそうするかといえば、人は「No」という言葉には身体的にも精神的にも拒絶反応が起こります。神経はピリピリし、筋肉は硬直。さらに思考も停止状態になります。ですので、「Yes」を繰り返すことで心も体も行動しやすい状態にしてあげましょう。自分が「Yes」と自然と言ってしまう質問は何でしょうか。

例えば「歯磨きした?」「今日、仕事のこと考えた?」「カバンを持って仕事に行った?」など日々の当たり前の行動を3つくらい続けて自分でYesと言った後、「仕事を任せること」について話題を移していきましょう。「仕事って自分でやったほうが早い?」「仕事を任せるときに何から始めればいいかわからなくなることあるかな?」「でも本当は助け合えたらいいなと思っている?」のように、最低でも3つ。

そして思いつく限り続けていくのも、「任せられない」自分自身の本質的な課題を見つけるチャンスです。ただし、とっても気分が落ち込んでいるときや、極度に疲れているときなどは避けたほうがいいでしょう。自然とYesを言える質問を考えられるようになると、今までとは違った角度から問題を見ることもできるので、それだけでも解決の糸口にたどり着くこともあります。

任せるときに具体的な言葉にしたい3つのこと

ほんの少しでも仕事を任せてもいいかな、そう思えたら「任せて」しまいましょう。そのときに準備しておくことを3つお伝えします。

1.なぜ、あなたに任せたいのか? の理由を伝えること
2.最悪の状況を一緒に考え、不安なポイントを明確にして伝えること
3.仕事が完了したら何と言うか、褒め言葉を自分にも、相手にも用意しておくこと


終わった瞬間の褒め言葉を決めておくと、その言葉が仕事を突破する力をくれます。相手への褒め言葉は、例えば時間がかかる仕事なら
「仕事の進め方がすごく良かった! ○○さん、この仕事で成長したね!」
ちょっとした作業なら、シンプルに
「ありがとう! いつも助かっているよ」
という言葉を。自分への褒め言葉は
「仕事をちゃんと任せられた! よくやった」
「自分を褒めたい!」
など。仕事が終わった瞬間の気持ちをイメージして言葉を選んでみてください。ゴールに待っている言葉が、グイグイ引っ張ってくれると行動力も上がるはずです。ゴールにいる自分や相手を楽しく想像してみてくださいね。

(文:宇佐美陽子/イラスト:えなみかなお)

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「人間関係はあなたの言葉でできている」記事一覧

第1回:他人と比較するクセをやめるには?
第2回:「完璧主義でうまくいかない」から脱却するには?
第3回:「上司に振り回されたくない!」を解決する3ステップ
第4回:後輩との関係づくりに悩んでいる? 「失敗談」と「ペーシング」を意識しよう
第5回:語尾の「ね」がポイント! 苦手な会議を乗り越える魔法のワードとは
第6回:「雑談が苦手」を克服したい! コミュニケーション専門家が教えるコツとは
第7回:「仕事を断るのが下手……」スマートに頼るためのキーワード「KTT」とは?
第8回:「仕事を任せるのが苦手!」なあなたに必要なこと ★現在の記事
第9回:初対面で失敗したくない!! 心の距離をぐっと縮める「3秒ルール」
第10回:催促が苦手……! 相手に気持ちよく動いてもらうための伝え方って?
第11回:悪口が多い職場にうんざり……。スマートに対処する3つの方法
第12回:職場で評価される人、されない人のたった1つの違いとは?
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この記事のライター

TCS認定コーチ、コミュニケーション講師
大学在学時よりラジオDJとして活動。10年やってラジオDJの仕事を休止し、自分は本当は何がしたいのだろう? と30代から「自分探し」を始める。しかし完全に迷子になり、NLPコーチングを学ぶ。「訳アリ」な状況をチャンスに捉えることで好転してきた自身の体験を元に、現在はコミュニケーション講師としてお仕事展開中。愛読書は漫画キングダム。趣味はNetflixタイム、瓶集め。