脱話し下手! 初対面で好印象を与える会話術【女性編】

初対面の男性に好印象を与えるにはどうすればいいか?──婚活中の女性なら誰もが関心のあるテーマではないかと思います。
印象をよくするには、メイク、ファッション、表情、しぐさなどに気を使う必要がありますが、会話は特に重要です。「また会いたい」と思われるかどうかは、会話の成否が大きく影響します。
ところが、初対面の人との会話に苦手意識を持っている人は案外多いもの。そんな人のために、初めて会う人とうまく会話ができるようになるポイントを説明していきます。
初対面の人との会話が苦手な理由とは
なぜ初対面の人との会話に苦手意識を持ってしまうのでしょうか? その理由をひとことで言えば、不安だからです。
もしかすると、過去に失敗した苦い経験があるのかもしれません。あるいは、うまくできた経験が少なかったり、そもそもどうやったらうまく会話できるのかがわからないからかもしれません。そういった要素が「またうまくできないのではないか」という不安を生み、それが苦手意識につながります。
さらに言えば、「なんとかうまくやりたい」と強く思う場面ほど、「失敗したらどうしよう」と考えて不安が増してしまい、苦手意識が強くなります。普段なら初対面でもそれほど緊張せずに会話ができるのに、婚活となると気負いすぎて緊張してしまい、何をどう話していいかわからなくなる……なんてことが起こるのはそのためです。
苦手意識を克服するには、「自分にもできる」という感覚を持つことが必要です。それには、会話がうまくいく方法を知った上で、実際に何度も試して成功体験を積み上げることが不可欠です。成功体験によって不安が減っていくと、自然に苦手意識もなくなっていきます。
いい会話とは?
初対面の人に好印象を持たれる「いい会話」とは、ひとことで言えば、「ペースが合った会話」です。ペースが合うと、互いに心地よく、安心してリラックスした感覚になります。
たとえるなら、仲のいい人と一緒に散歩しているイメージです。2人は同じ速度で並んで歩いています。どちらかがどんどん先に行ってしまい、もう一方が慌ててあとをついていく、といったことはありません。何か興味深いものを見つけたら、どちらともなく立ち止まって一緒に眺め、それについて語り合う。長年連れ添った老夫婦のように、まるで2人がひとつになっているかのような感覚になっているのが、ペースが合っている状態です。
初対面同士で最初からペースが合うのは稀で、初めのうちは相手のペースに合わせるように意識しなければなりません。相手がゆっくり話す人であれば、こちらもゆっくり話します。早口の人だったら、同じように早口でしゃべるか、それが難しければ、こまめにうなずくようにしましょう。
相手の話には関心を示してじっくり耳を傾ける。もし興味が持てない話題だったとしても、急に話題を変えたりせず、まずは相手に好きなように話をしてもらうといいです。タイミングよく相槌を入れ、相手が気持ちよく話せるようにしていくと、次第にペースが合ってきます。すると不思議なもので、相手もこちらに興味を示して、いろいろ聞いてきたり、話題をふってくれるようになります。
このようにペースが合うと、会話が終わったあとに、「楽しくお話できた」「また会いたい」と思えるようになり、自然な形で次の展開につながっていきます。
いい会話をする上での心得とは
いい会話とは「ペースが合った会話」だと伝えましたが、ペースを合わせる上で意識したい心得を2つご紹介します。
ひとつ目は、双方がバランスよく自分について話せるようにすることです。よくないのは、アピールしようとして自分のことばかり話してしまったり、逆に質問しすぎてしまったりすることです。どちらかが一方的に話すことになるのは避けるようにしましょう。たとえば、趣味を聞かれたら、自分が答えたあとに相手にも尋ねる。休みの日に何をしているかを話したら、相手にも同じことを話してもらうように質問する。
また、会話の途中で「自分ばかり話をしているな」と気づいたら相手に話をふり、「相手の話を聞いてばかりだな」と思ったら自分のことを積極的に話す、といったように、お互いの話す時間が同じくらいになるように配慮するといいでしょう。そうやっていくと、「私の話をよく聞いてくれた」「相手のことをいろいろ聞くことができた」というふたつの感覚が同時に持てて、「楽しくお話できた」と思えるようになります。
2つ目は、ネガティブな意見を言わないこと。仕事がきつい、いい男性がまわりにいない、毎日つまらない、……といった否定的な話は、聞く人をうんざりさせます。日ごろからネガティブな考えをしていて、友だちや同僚とひんぱんに愚痴を言い合っている人は要注意。無意識のうちにポロっと出てしまう可能性があります。ですので、自分はネガティブ思考だという自覚のある人は、意識的にポジティブな発言を心がけたほうがいいかもしれません。
そもそも物事にはいいも悪いもなくて、それを判断する人が決めているだけです。仕事がたくさんあって忙しい状況を「つらくて大変でイヤだ」と思うか、「貴重な経験ができてありがたい」と思うかは当人次第。ネガティブに考えるクセが身についてしまっていると、いい出会いを逃がしてしまうことになりかねませんので、気をつけてください。
初対面で異性に好印象を与える会話術
ここまでは、初対面の人との会話でに好印象を与えるためのポイントを述べてきましたが、次は、具体的な会話術をご紹介したいと思います。何度か実践していくうちにコツがつかめてきますので、意識的に繰り返しやってみてください。
「イエスセット」を使う
例:婚活パーティー会場にて
女性「今日は暑かったですね」
男性「そうですね(イエス)」
女性「こういう場所って緊張しますよね」
男性「そうですね(イエス)」
女性「参加者がいっぱいいますね」
男性「そうですね(イエス)」
解説:
イエスセットとは、相手が「イエス」と答えるような話をふるテクニックのことです。人はイエスと答え続けることで、相手との連帯意識が芽生えて、急速に心の距離が縮まっていくのですが、その心理を利用したのがイエスセットです。相手も自分と同じように感じていると思う話題を考え、同意を求めるように言葉をかけるのがポイントです。ぜひ試してみて、その効果を実感してください。
心の実況中継をする
例:初めて2人きりになったとき
女性「緊張して何をしゃべっていいかわからなくなってしまいました」「頭が真っ白になってます」
解説:
自分の心の中で起きていることを実況中継するように、そのまま言葉にして相手に伝えるというテクニックです。緊張して言葉がスムーズに出てこなくなったときに、沈黙したままでいるとさらに場の空気が凍ってしまい、もっとしゃべりにくくなってしまいます。そういうときは、心の実況中継をするのが効果的です。自分の状態を声に出して伝えることで落ち着きを取り戻すことができますし、相手もこちらの状況がわかるので、イヤな空気が解消されやすくなります。正直な人、純粋な人といういいイメージを与える効果も期待できます。
肯定的にコメントする
例:相手が自分のことを話したとき
男性「仕事が忙しくて女性と出会う機会がなかなかないんだよね」
女性「仕事をがんばっていらっしゃるんですね」
男性「仕事が終わったあとはジムでトレーニングすることが多いかな」
女性「健康管理に気を使ってらっしゃるんですね」
解説:
相手が話した内容に対して「へ~」「そうなんですね」といった簡単な相槌だけで終わらせるのではなく、ひとこと肯定的なコメントを返すようにします。相手は自己肯定感が高まっていい気持ちになり、言ったあなたに対して好印象を抱きます。「でも、肯定的なコメントをするって難しそう」と思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。よく使うフレーズをあらかじめいくつか考えておいて、それを話の内容に応じて使えばいいのです。たとえば、「責任感がある方なんですね」「前向きな方なんですね」「自分を高めようとなさっているんですね」「思いやりのある方なんですね」「正直に話される方なんですね」といった肯定的フレーズなどは使用機会が多いので覚えておくと便利です。
クローズドクエスチョンを使う
例:会話の冒頭
女性「お休みは土日ですか?」(※クローズドクエスチョン)
男性「はい」
女性「お休みの日はおでかけされることが多いですか?」(※クローズドクエスチョン)
男性「いいえ、家で過ごすことが多いです」
女性「家でどんなふうに過ごしているんですか?」(※オープンクエスチョン)
解説:
質問の仕方には、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンというふたつがあります。オープンクエスチョンとは、WHATやHOWを使った質問で、「何」「どう」といったことを聞きます。一方のクローズドクエスチョンとは、イエス・ノーで答える質問、あるいは、選択肢を与えて選んでもらう質問です。オープンクエスチョンは自由回答なのでいろいろな情報を聞き出すには適しているのですが、何を答えてもいいためにどんなことを言おうかと迷って会話が滞ってしまうことになりがちです。ですので、初対面でまだ会話がぎこちない段階のときは、まずは簡単に答えやすいクローズドクエスチョンから入るといいかもしれません。そのほうが相手が答えやすいので、会話が止まらずに進展しやすくなります。
初対面の人との会話がうまくいくかどうか不安になるより、新しい出会いを楽しもう
お互いのことを知り合うためには対話を積み重ねることが不可欠ですが、婚活では第一印象がよくなければ次につながりにくいので、初対面の人に好印象を与えることは非常に重要となってきます。それがわかっているからこそ、初対面の人との会話に対する苦手意識をなんとか克服したいという気持ちが強くなって、かえって空回りしてしまうことになるのでしょう。
そうならないようにするには、やるべきことをコツコツやって意識を変えていくしかありません。水泳の教本を読んだだけでは泳げるようにならないのと同じで、実際に何度も試してみなければできるようにならないのです。
とはいえ、いったん泳げるようになってしまえば、おぼれないように必死にもがいていたときのことはすっかり忘れてしまうように、初対面の会話も慣れればぜんぜん平気になります。
不安な気持ちにあまりフォーカスせず、「初対面の人といろいろな会話ができたらいいな」とワクワクする気持ちを大切にして、新しい出会いをぜひ楽しんでください。
(笹氣健治)
※画像はイメージです
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