海外投資を検討している方へ、是非オススメしたい国があります。その国とは、ずばりベトナムです。
ベトナムというと、道の両側に屋台がたくさん並んでいて、「フォー」と呼ばれる麺料理や透明な「ベトナム春巻き」などを想像しますよね。
ベトナムは、海外投資家の間でポスト中国として熱い注目を集めている国なんです。
現に日本の企業も日産やホンダ、キャノンなどがベトナムで生産拠点を築き、アメリカのインテルも現地の組立工場に1,000億円もの大規模投資を行っているほど。
ベトナムは仏教徒の国で、穏やかで勤勉、マジメな国民が多いのも人気の秘密かもしれません。
今回はそんなベトナムへ投資を検討している人に役立つ経済情報と、お勧めしたい有望銘柄についてご紹介します。
海外の企業進出から人材育成が重要視されるベトナム
国名 | ベトナム社会主義共和国 |
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首都 | ハノイ |
人口 | 約9,554万人(2017年) |
言語 | ベトナム語 |
日本との時差 | -2時間 |
通貨 | ドン(1円=約205ドン) |
ベトナムの株式市場は時価総額が3兆円ととても小さく、経済的に未発展です。新興国よりも未熟な市場の「フロンティア」というカテゴリーに分類されます。
また、ベトナムの国民1人あたりのGDPは約2,000ドルと東南アジアの中でもとても低い水準です。
ベトナムの人口は現在9,000万人を超えて、東南アジア諸国で第3位、世界全体では第13位の人口を誇っています。平均年齢は約28歳と若く、男性に負けないぐらい女性労働者の就労意欲が高いのが特徴的です。
ベトナム人は勤勉で、近年は教育水準も高くなってきました。外資系企業の進出が広まったことから、ベトナム国内で高学歴者の長期雇用が人気となり、現在は人材育成のための教育が重要課題とされています。
ベトナムは日本と同じ仏教徒が多い親日国家で、とてもフレンドリーで性格も温和な国民性のため日系企業からの人気も高く、海外進出の候補地として選ぶ企業が多いそうです。
ベトナム人に手先の器用な人が多い理由は、昔から刺繍や銀細工が盛んだという理由もあるかもしれないな。
経済成長のバランスが良いベトナムの産業
ベトナムでは2008年の物価上昇率が23.12%と、とても高いインフレが大きな社会問題でしたが、リーマンショックの影響で2009年には6.72%まで下がりました。
その分、株価も大きく下げましたが、インフレ抑制のためにはリーマンショックも好都合だったようです。
ベトナムの経済成長の特徴は、なんと言ってもそのバランスの良さです。
通常、高度成長期を迎える国は、中国などのように工業やサービスを中心に発展するため、第1次産業は置き去りにして、地方との貧富の差が大きな問題になります。
しかし、ベトナムでは、第1次産業、第2次産業、第3次産業のバランスが良く、安定した経済成長を続けています。
社会のバランスが保たれているので貧富の差も少なく、第1次産業も盛んなので農業自給率も非常に高く、良いお手本となるような高度経済成長を続けている国だと言えるでしょう。
ベトナムは米、コーヒー豆、天然ゴム、キャッサバ、カシューナッツ、胡椒などの生産が盛んで、世界でも有数の農業大国です。
1980年代後半、ベトナムは米を輸入する側の立場でしたが、2015年にはタイを抜いて世界第5位の輸出国へ成長しました。
順位 | 国名 | 2014年の米輸出量(単位:千トン) |
---|---|---|
1 | タイ | 10,000 |
2 | ベトナム | 9,000 |
3 | インド | 6,700 |
4 | パキスタン | 3,900 |
5 | アメリカ | 3,500 |
6 | カンボジア | 1,300 |
7 | ウルグアイ | 1,200 |
8 | エジプト | 950 |
9 | ブラジル | 875 |
10 | ビルマ | 800 |
さらに、コーヒー豆の輸出は世界第2位、天然ゴムは第3位、キャッサバは第1位など多くの農作物で世界の輸出上位を占めています。
また天然資源も豊富で、南シナ海にある油田からは日本やアメリカへ原油を輸出しています。その他に天然ガスや石炭、鉄鉱石、ボーキサイト、スズ、金、銅、鉛なども産出しており、これらの資源開発はベトナムの2013年GDPの約9.1%を占めています。
ベトナムの工業については、他のアセアン諸国と比べても発展が進んでおらず、未だに軽工業が中心です。その中でも衣料品の輸出割合が大きく、日本でもたまにベトナム製の服を見かけることがあります。
近年では、携帯電話やその部品の輸出も増え、衣料品を抜いて輸出量トップになりました。
またプリンターなどの電子部品も伸びてきて、ベトナムの工業には外資系企業の力が必要不可欠だということがわかります。
ベトナム産業はまだこれからといった感じで、いま長期的な海外投資を検討している人にとってお勧めの国だと言えます。では、次に投資にお勧めしたいベトナムの有望企業をご紹介します。
ベトナムに投資するなら生活必需品に関係した企業へ
ベトナムは海外との競争力を高める前に、まずは国力を上げる必要があります。そのため、今後伸びるであろう企業として、今回は食品、医療、インフラに関する3社をご紹介します。
どれも大きな実績のある会社で、「フォーブス・ベトナム」の優良企業として取り上げられた世界からも注目を集める企業ばかりです。ぜひ投資先の参考に検討してみてください。
【加工食品】ビナミルク(ベトナム乳業)
ベトナム国民の生活を支えるビナミルクは、牛乳やヨーグルト、チーズ、アイスクリームなどの乳製品を中心にお茶やコーヒー、清涼飲料、ビールなど幅広い事業を展開しています。
ベトナム人の所得水準は今後しばらく上昇傾向にあり、人口も増加していきます。
生活が豊かになれば国内需要も増えて、ビナミルクのような食品メーカーは必然的に売上を伸ばすでしょう。
2015年から2018年までの3年間で、株価が4倍近く上昇しています。
今後もこの勢いは続くと見られ、ベトナム経済の発展や人口の増加から安定した成長を期待できる有望企業としてお勧めの銘柄です。
【医薬品】イメックスファーム医薬品
イメックスファーム医薬品は、ベトナムでは業界第2位の製薬会社。
海外の大手企業からもパートナーシップを求められ生産委託を受ける実績を持つ有望企業です。
医薬品や漢方薬の生産をメインに、医薬品の原料や医療施設、栄養食品の売買なども手掛けています。
ベトナム国内だけでなく、海外企業との連携を深めてそこからの受託生産に積極的に力を入れていて、毎年2桁の急成長を記録しています。今後もこのグローバル展開は広げていき、この勢いはしばらく続くだろうと予想されます。
【天然ガス】ペトロベトナムガス
ペトロベトナムガスは、国営最大のペトロベトナムグループの1つで、ベトナムの天然ガス事業をほぼ独占で行う企業です。
ベトナムは他のASEAN諸国と比べても経済発展が遅く、まだまだこれから。
このような国では電気やガスといった生活に必要なインフラ関連の企業の成長が必須です。ペトロベトナムガスは国営ということもあり、まずは同社に資金が流れていくのは確実だとでしょう。
ペトロベトナムガスは、「フォーブス・ベトナム」の優良上場企業トップ50で第2位に選ばれています。
ベトナム株で迷ったら、インフラ関連企業でほぼ独占のペトロベトナムガスをお勧めします。
ベトナムの株式投資は、まずホーチミン市場の銘柄から
ベトナムにはホーチミン証券取引所とハノイ証券取引所、UPCoMの3つの市場があります。
それぞれ上場している企業に違いがあるのですが、日本で例えるとホーチミンが東証一部、ハノイが東証二部、UPCoMはマザーズというイメージです。
それに対して、ハノイ証券取引所やUPCoMには、これから大化けするかもしれない成長企業や、ハイテク銘柄などのベンチャー企業が多いのが特徴です。
ベトナムへの投資が初めての場合は、まずホーチミン市場の銘柄から狙いましょう。次に、ベトナム株を取り引きできる証券会社について紹介します。
【現地の証券会社】SSI securities corporation
ベトナムには日本語サービスの充実した証券会社があり、日本人ならその現地証券会社に口座を作ることができます。
ここで、そのうちの1つ、SSI securities corporationを紹介しますね。
SSIはベトナムで最大の証券会社です。
さらに外務省とベトナム大使館にてパスポートの認証や翻訳が必要など、費用や手間、時間がかかるのが難点。
日本語を使って電話でお問い合わせも可能ですが、ベトナムに馴染みのない方や、忙しい社会人にはベトナム株を簡単に取り引きできる日本の証券会社をお勧めします。
【日本の証券会社】SBI証券
日本にもベトナム株の取り扱いがある証券会社があります。それはSBI証券。
手数料(全て税抜)は、ネット取り引きの場合、約定代金の2%で最低手数料1,200,000ドン(約6,500円)。電話で注文の場合は、約定代金の2.66%で最低手数料1,200,000ドンです。
現地の証券会社で取引するよりも手数料は割高になりますが、現地で口座開設する手間やコストを考えると、SBI証券で口座開設し取引したほうが手軽・安心ですね。
そもそもベトナム株への投資はある程度の長期保有をお勧めしますので、それほど頻繁に手数料を支払う必要はありません。
「ベトナム株に投資したい」と考えている人は、ぜひSBI証券に口座開設しチャレンジしてみてはいかがでしょうか。口座開設はこちらからできます。
今から海外投資を行うならベトナムがオススメ!
ベトナムは他のASEAN諸国より発展が遅れているため、第1次産業やインフラ関連銘柄に投資するのが確実です。
経済成長の過程を見ても、現在のベトナムは中国の10~15年ぐらい前とよく似ているといった印象がありますが、インフラが整えばその先は日本企業など外国企業の参入も活発になってきますので、今後大化けする可能性は十分あります。
少子高齢化で日本の市場が鈍化する中、経済発展の著しい海外株式に投資するのは自然な流れにも感じますよね。
しかし中国の発展も頭打ちが感じられる今日、次の投資先としてベトナム株を狙うのはいかがでしょうか。