つみたてNISA(積立NISA)は2018年1月から始まった、新しい少額投資非課税制度。
この口座から投資すれば、得た利益や分配金にかかる税金が0(ゼロ)になって大変オトクです。
税金がかからないというメリットは現行のNISAと変わりませんが、つみたてNISAならではのルールもあります。
そのひとつが、「投資対象がつみたてNISA対象の投資信託(ファンド)に限定される」というもの。
つみたてNISA対象の投資信託は140本以上あるので、投資初心者の場合どれを選べばいいか迷ってしまいますね。
この記事では、新しい少額投資非課税制度「つみたてNISA」の対象となっている投資信託のなかから、株の初心者におすすめの投資信託を紹介します。
つみたてNISAについての詳しい解説や、iDeCoの併用のしかたについてはこちらの記事を参考にしてください。
つみたてNISAにおすすめ!長期投資にピッタリな投資信託を紹介
つみたてNISAは金融庁により、いろいろな投資信託が対象に選ばれています。
厳選されたとはいえ投資の初心者にとっては、似たような名前の投資信託のなかから選ぶことはなかなか難しいことですね。
そこで当サイトではつみたてNISA対象の投資信託のなかから、おすすめ投資信託をピックアップし、あなたのリスク許容度別に紹介します。
リスク許容度の目安とは、次のとおり。
リスク程度 | 説明 |
---|---|
低 | もっとも安定的。価格変動リスクは低いが、得られる利益も控えめ |
中 | 価格変動リスクは中程度。リスクとリターンのバランスが取れている |
高 | 基準価額の変動により損失が大きくなることもあるが、同時に利益が出たときはリターンも大きい |
あなたが理想とする投資は、どのタイプですか?
自分のタイプに合った投資信託を選んで、理想的な資産運用ができるよう、つみたてNISAを利用してくださいね。
リスクが低め!地道な運用におすすめのつみたてNISA対象商品
ここではつみたてNISA対象の投資信託のなかでも、価格変動が比較的緩やかになるように作られた商品をピックアップします。
「損するのが怖い」「まずは手始めに低リスク商品にチャレンジしたい」というような人に、おすすめの投資信託です。
投資信託名 | 信託報酬(年率%) |
---|---|
DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型) | 0.1728 |
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) | 0.1944 |
ニッセイインデックスバランスファンド4資産均等型 | 0.17172 |
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型) | 0.2376 |
eMAXIS 最適化バランス(マイゴールキーパー) | 0.54以内 |
eMAXIS 最適化バランス(マイディフェンダー) | 0.54以内 |
低リスクな投資信託商品なので、「大儲けしたい」と考えているような人にはおすすめできません。
また大きな利益が期待できる商品ではないので、できるだけ信託報酬が低いものを選ぶ方がいいでしょう。
投資信託の残高から「毎日」引かれる費用だ。
リスク中程度!安定的に運用できるつみたてNISA対象商品
ここではつみたてNISA対象の投資信託のなかでも、価格変動リスクとリターンがちょうど中位になるよう作られたものを紹介します。
「リスクを取りたくない、でも利益はそこそこ欲しい」というような人に、おすすめの投資信託です。
投資信託名 | 信託報酬(年率%) |
---|---|
DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型) | 0.216 |
たわらノーロードバランス(8資産均等型) | 0.2376 |
野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 | 0.54以内 |
野村6資産均等バランス | 0.2376 |
三井住友・DCつみたてNISA・世界分散ファンド | 0.2268 |
三井住友・DC年金バランス50(標準型) | 0.2484 |
SMT8資産インデックスバランス・オープン | 0.54 |
eMAXIS 最適化バランス(マイフォワード) | 0.54以内 |
価格変動リスクが中程度の投資信託には、6~8資産に均等に資産を分散投資するバランスファンドを選んでいます。
株式と債券を同量配分して安定を保ち、そこにリート(不動産投資信託)が加わることで、利益を狙う投資信託です。
自分のリスク許容度がどれくらいなのかわからない、という人はひとまずバランスの取れたリスク中程度の投資信託を購入するのがいいでしょう。
リスクが高め!利益追求におすすめのつみたてNISA対象商品
ここではつみたてNISA対象の投資信託のなかでも、価格変動リスクが高い代わりに大きな利益も期待できるものをピックアップします。
「どうせ投資するなら、リスクが高くても利益が期待できるものを」というような人に、おすすめの投資信託です。
投資信託名 | 信託報酬(年率%) |
---|---|
DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型) | 0.2376 |
三井住友・DC年金バランス70(株式重点型) | 0.2592 |
eMAXIS 最適化バランス(マイストライカー) | 0.54以内 |
ひふみプラス | 1.0584 |
価格変動が激しい高リスクの投資信託には、株式がやや多めに組み入れられたファンドを選んでいます。
上記ファンドの中では、「ひふみプラス」だけが「アクティブファンド」です。ほかの投資信託と比較して信託報酬が高くなっています。
とはいえ、基準価額を安定させるためのリスク管理がしっかりしているため長期保有にも向くファンドです。
ひふみプラスについて詳しい解説は「評判の高いひふみ投信!好パフォーマンス&高利回りのファンドを紹介」を参考にしてください。
つみたてNISAは20年という長期投資になるので、できるだけ景気の変動に大きく振り回される心配の少ないファンドを選ぶことがおすすめです。
つみたてNISA運用ではバランスファンドをオススメする理由!
つみたてNISAでおすすめする投資信託として、当サイトではバランスファンドを中心におすすめしています。
なぜならつみたてNISA対象商品には、「債券」のファンドが選ばれていないから。
投資信託を安定的に運用するにはアセットアロケーション(資産クラスを分けて分散投資するという考え方)が基本です。
つみたてNISAで債券のファンドを選ぶことができないと、結局株式のファンドばかりを選ぶことにななってしまいます。
その結果、「景気の後退」や「円高」に極端に弱い資産運用になってしまう危険性があるのです。
株式にはある程度の債券ファンドでリスクヘッジしておかなければ、長期的な安定運用には不安が残ります。
そのためつみたてNISAで運用するなら、あらかじめ債券やリートが均等に含まれている「バランスファンド」が安心。
さらにバランスファンドを主軸にして、景気動向によって自分なりのアレンジを加えるのがベストです。
リスク管理をしつつリターンを増やすことができるぞ!
つみたてNISAにおすすめのネット証券2社を紹介!
つみたてNISAを始めるには、まず「証券口座」と「つみたてNISA口座」を作ってください。
次からおすすめのネット証券を紹介していきます。
やっぱりSBI証券!取扱商品も多く少額から投資が可能
SBI証券のつみたてNISAには、次のようなメリットがあります。
- 対象の投資信託がバラエティ豊か
- 最低100円から投資可能
- 毎日、毎週、毎月から自由にコースが選べる
- 「カートつみたて」機能で資産状況が分かりやすい
100円という少額から積み立てができるのは、負担が少なく嬉しいサービス。
またSBI証券のつみたてNISAには「カートつみたて」という機能があります。
カートつみたてとは、つみたてNISA投資可能枠の利用状況や保有資産の増減がひとめでわかる便利な機能。
「NISAぎりぎり注文」など、非課税枠を最大限に活かすためのサービスも充実しています。
口座開設数が多い人気のSBI証券には、すでにNISA口座を持っている人もいるかもしれません。
SBI証券でNISA口座を持っている人がつみたてNISAに移行する場合は、同じ証券会社で口座区分を変更するのが手間もかからずおすすめ。
Webサイトから書類を請求し、変更手続きをすればOKです。
これまでSBI証券のNISAを利用していた人も、これからSBI証券の口座を開こうと考えている人も、SBI証券でつみたてNISAを始めることを検討してみてください。
口座開設はこちらからできます。
楽天ポイントが利用可能!楽天ユーザーは楽天証券で決まり!
楽天証券もつみたてNISA口座を作るのにおすすめの証券会社です。
楽天証券のつみたてNISAのメリットは次の通り。
- 対象の投資信託がバラエティ豊か
- 最低100円から投資可能
- 積立代金を楽天スーパーポイントで支払える
- 「まとめてつみたて」機能で設定の手間が省ける
楽天証券のつみたてNISAも、SBI証券と同様、バリエーションがとても豊富。
また、楽天市場や楽天トラベル、楽天ブックスなどの楽天ユーザーにとって、「楽天スーパーポイントを積み立てられる」のはうれしいポイントですよね。
「つみたてNISA」の投資資金として楽天ポイントを利用すれば、投資資金を捻出しなくても自分の資産を増やすことができるのです。
また、楽天証券のつみたてNISAには、「まとめてつみたて※」という使いやすい機能もあります。
設定方法を簡略化し、金額・引落先・引落タイミングまで一括して設定できる機能のこと。
通常の投資信託だと、複数のファンドを購入した場合、各ファンドごとに積立設定をそれぞれ行う必要がありますが、楽天証券ではその必要はありません。
「つみたてNISAの口座開設を楽天証券にしたい!」と考えている人は、ぜひこれを機会に口座開設をおすすめします。
つみたてNISAに選ばれる商品とは?ETFも対象
つみたてNISA対象商品は、金融庁によって対象商品の要件が決められています。つみたてNISAの対象となる投資信託の特徴は次の通り。
- ノーロード(購入手数料が無料)である
- 分配頻度が毎月でない
- 信託契約期間が無期限または20年以上ある
- 長期にわたって積立・分散投資に適している
このように、つみたてNISAの対象商品は、長期的に資産形成をするのに適しているファンドに限定されているのです。
約5,000本もの公募投資信託から約120本程度にまで絞られているので、通常のファンドより「長期投資に向いた信頼度が高いもの」と考えられます。
つみたてNISAはETFも対象!ただしメリットは少なめ
ETFもつみたてNISAで購入可能。対象となるのは次の3本です。
- ダイワ上場投信-トピックス
- ダイワ上場投信-日経225
- ダイワ上場投信-JPX日経400
これらのETFは大和証券のつみたてNISAで購入できます。
ただし、現在ではつみたてNISAでETFを購入するメリットは少ないので注意しましょう。
その理由は次のとおりです。
- 買付手数料が無料ではない
- 信託報酬が投資信託と変わらない
- 配当金が再投資できない
つみたてNISAの投資信託は買付手数料が無料なのに対し、ETFは通常の株取引手数料がかかってしまいます。
また、信託報酬の安さはETFの大きなメリットの1つですが、つみたてNISAの対象商品となる投資信託は信託報酬が安いものが厳選されているため、そのメリットもあまり目立ちません。
ETFは株式の扱いになるため、配当金は受け取りしか選択肢がなく再投資することは不可。
つみたてNISAの投資信託では再投資による複利効果が期待できますが、ETFではそれができないのです。
ETFについて、詳しくは次の記事を参考にしてください。
つみたてNISAを活用しよう!将来が不安だから今こそ資産形成
日経平均やTOPIXなど株式インデックスファンドは、景気が上向きのときは問題ありませんが、景気が悪化したり円高が進むと運用成績が思わしくなくなります。
つみたてNISAの投資期間である20年という長い年月のあいだには、日本の景気は良いときもあれば悪いときもあると考える方が自然です。
そのため長期的に安定した運用をしようと考えるなら、1本で分散投資が完結する「バランスファンド」を主軸に選ぶことがおすすめ。
そして景気が良いと判断されるとき、株式インデックスファンドを追加で購入することで株式比率を増やし、利益を貯えるのもよい方法です。
自分のリスク許容度に合わせ、適切にリスクマネジメントをしながら将来を見据えた資産形成をしていきましょう。