「銘柄選びが難しいので投資信託を始めたい」「だけど購入時期や解約時期に縛られず自由に売買したい」そんな投資初心者におすすめなのが、ETF(Exchange-Traded Fund)。
ETFは「株式投資と投資信託の良い部分を合わせもった金融商品」なのです。
特定の指数に連動するように運用を行うETFは、投資信託の1種。少額で分散投資ができる投資信託のメリットを活かしつつ、通常の株式投資と同じように証券取引所で売買できるので、手軽に資産運用をしたい人には便利ですよね。
そんなETFの中でもおすすめなのが「TOPIX上場投資信託」。ほかのETFと比較して信託報酬が低く、たくさんの人が売買しているので流動性が高いのが特徴です。
この記事ではETFの代表的な銘柄である「TOPIX連動型上場投資信託」について解説していきます。
TOPIX連動型上場投資信託の概要と特徴とは?
TOPIX連動型上場投資信託は、野村アセットマネジメントが運用するETFです。TOPIX※に連動するインデックスファンドが上場したもので、通常の上場株式と同じように売買できます。
東証一部に上場している全銘柄の合計時価総額を対象とした株価指数のことです。
TOPIXについて詳しくは「TOPIXとは?初心者でもわかる日経平均株価の違いと投資戦略」を参考にしてください。
ここではTOPIX連動型上場投資信託の運用会社「野村アセットマネジメント」が公開している投資信託説明書を参考に、TOPIX連動型上場投資信託にはどのような特徴があるかを紹介していきます。
名称 | TOPIX連動型上場投資信託<1306> |
---|---|
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
設定日 | 2001年7月11日 |
目的 | TOPIXに連動する投資成果を目指す |
対象銘柄 | TOPIXに採用されている、または採用が決定された銘柄の株式のみに投資を行う |
運用 | 信託財産中に占める個別銘柄の株数の比率を、TOPIXにおける個別銘柄の時価総額構成比率から算出される、株数の比率に維持する |
分配日 | 毎年7月10日 信託財産から生ずる配当等収益から経費を控除後、全額分配する |
売買方法 | 証券会社を通じて注文する |
売買単位 | 10口以上10口単位 |
信託報酬 | 0.11% |
上場投資信託とも呼ばれるETFは投資信託の1種であり、特定の指数に連動します。
またほとんどの銘柄の最低購入代金は2万円程度。投資信託ほど安くありませんが、株式よりも手を出しやすい金額の銘柄が揃っています。
それではTOPIX連動型上場投資信託が、どのような銘柄に投資しているかを見ていきましょう。
順位 | 銘柄 | 業種 | 投資比率(%) |
---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 輸送用機器 | 3.2 |
2 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 銀行業 | 1.7 |
3 | ソニー | 電気機器 | 1.6 |
4 | ソフトバンクグループ | 情報・通信業 | 1.5 |
5 | 日本電信電話 | 情報・通信業 | 1.4 |
6 | 三井住友フィナンシャルグループ | 銀行業 | 1.2 |
7 | 武田薬品工業 | 医薬品 | 1.2 |
8 | キーエンス | 電気機器 | 1.2 |
9 | 本田技研工業 | 輸送用機器 | 1.2 |
10 | みずほフィナンシャルグループ | 銀行業 | 1 |
続いて投資信託の資金の中から、投資者に支払われる「分配金※」を確認しましょう。ETFは上場していますが、投資信託と同じように分配金があります。
投資信託の分配可能原資から投資家に支払われる金額のことです。通常は決算後に支払われますが、分配可能原資がなければ支払われないこともあります。
非上場の投資信託には分配金と元本払戻金(特別分配金)がありますが、ETFに元本払戻金はありません。またETFにおいての分配金は上場株式の配当金のようなもので、銘柄によって頻度が異なります。
年月 | 金額 |
---|---|
2012年7月 | 1,510円 |
2013年7月 | 1,940円 |
2014年7月 | 2,060円 |
2015年7月 | 2,300円 |
2016年7月 | 2,730円 |
2017年7月 | 2,600円 |
2018年7月 | 3,050円 |
2019年7月 | 3,330円 |
合計 | 33,612円 |
※100口あたり、課税前の金額
TOPIX連動型上場投資信託の場合、分配金額は信託財産から生ずる配当等収益から諸経費を控除した後、全額を分配することを原則としています。分配金が受け取れる日は、決算日から5営業日以降です。
ただし投資信託は運用成果が良くなければ分配金が減額されたり、もらえなかったりすることもあるので注意しておきましょう。
そしてどのような投資信託であっても、投資を決める前に見ておくべき「交付目論見書(投資信託説明書)」という資料があります。投資信託説明書には投資判断に必要な重要事項が記載されているので、目を通しておきましょう。
TOPIX連動型上場投資信託はどこの証券会社でも買える
TOPIX連動型上場投資信託はどこの証券会社でも購入できますので、すでに証券口座を持っている人はその証券会社で購入するのが良いでしょう。
まだ証券口座を契約していない人や証券口座を複数持っている人は、証券会社によって購入手数料が異なるため手数料で選ぶのがおすすめです。
ETFは2万円前後から始められる投資のため、ここでは10万円までの購入を想定し各証券会社の手数料を比較しています。
証券会社 | 手数料(税抜) |
---|---|
松井証券 | ~10万円:無料 |
SBI証券 | ~10万円:無料(アクティブプラン) |
楽天証券 | ~10万円:無料(1日定額コース) |
むさし証券 | ~10万円:75円 |
マネックス証券 | ~10万円:100円 |
なかでも松井証券とSBI証券、楽天証券は、1日の約定代金の合計金額が10万円以下なら、何回取引しても手数料無料!
ETFを売買するのにおすすめの証券会社です。
ETFを購入する前にファンドの特色や方針を確認しよう
初心者投資家におすすめなETFですが、実は銘柄の数は200を越えます。例えばTOPIXに連動しているETFだけでも、「TOPIX連動型上場投資信託」のほかに7種類のETFがあるんです。
同じ指数に連動する投資成果を目指すとは言え、運用会社によってファンドの特色や投資方針はちがうもの。
自分が投資するのに値する銘柄かどうかを判断するために、投資信託説明書(交付目論見書・請求目論見書)には目を通しておきましょう。