東洋経済が出版している四季報は、本だけでなくオンライン版の「四季報オンライン」もあります。
紙版の四季報は約2,000ページあるため、必要な情報を見つけるのも一苦労ですよね。
しかし「四季報オンライン」なら検索機能があるため、必要な情報に絞って素早く取得することが可能。株式投資の情報収集が効率的になりますよ。
「四季報オンライン」のサービスによっては無料で利用できますが、有料会員になれば取得できる情報量や、使用できる機能が圧倒的に増えます。
この記事では四季報オンラインのサービス内容や機能、株式投資への活用方法を紹介していいますので、ぜひ参考にしてください。
四季報オンラインとは?良心的な値段で利用できる強力なツール
企業の業績や株価は常に変動します。株式投資をするなら、最新の情報が欲しいですよね。
しかし紙版四季報は年に4回しか発売されないため、記載情報が最新ではない可能性も。
「四季報オンライン」なら、毎日情報が更新されるので常に最新の情報を入手できます。
さらに「四季報オンライン」は情報量も多く、さまざまな機能を使える便利なツールです。「四季報オンライン」のサービス内容を紹介しますね。
- サイトやスマホアプリで最新の「会社四季報」を読める
- 販売終了した過去の「会社四季報」を読める
- 「会社四季報」発売前に先取り情報を見られる
- 「四季報オンライン」独自の業績予想を見られる
- 各銘柄のさまざまな情報や指標を見られる
- 編集部が独自に作成したランキングやニュースを見られる
- IPO情報を見られる
- 登録銘柄機能を使える
- スクリーニング機能を使える
- 多くのチャート機能を使える
- スマホアプリと連動できる
「四季報オンライン」の活用方法については、「四季報オンラインを有効活用するには?おすすめサービス5選を紹介」の章で詳しく紹介しているので、参考にしてくださいね。
四季報は紙版もオンライン版も、それぞれにメリットがあることを忘れるなよ。
紙版四季報の読み方については「会社四季報の読み方をマスター!株式投資に必要な指標をチェック」の記事で詳しく解説しています。
四季報オンラインのサービスは、ほとんどが有料会員限定です。しかし、どれも株式投資に有効活用できるサービスなので、ぜひ有料会員になりましょう。
有料会員には2種類のプランがあります。次の項目でそれぞれ詳しく説明しますから、参考にしてくださいね。
四季報オンラインの料金は?会員登録をして株取引を有利にしよう!
四季報オンラインのユーザーは「非会員」「有料会員(ベーシックプラン)」「有料会員(プレミアムプラン)」の3つに分類されます。
「四季報オンライン」を株式投資に役立てるなら、有料会員がおすすめです。
「ベーシックプラン」と「プレミアムプラン」の、料金や違いについて紹介しますね。
プラン | ベーシックプラン | プレミアムプラン |
---|---|---|
利用料金 | 月額1,000円(税抜) | 月額5,000円(税抜) |
株価 | 20分ディレイ | リアルタイム |
スクリーニング検索項目 | 151項目 | 262項目 |
登録可能な銘柄数 | 500銘柄 | 1,000銘柄 |
四季報アーカイブ | ✕ | ◯ |
大株主検索 | ✕ | ◯ |
社員&役員検索 | ✕ | ◯ |
業績、企業情報 | ✕ | ◯ |
四季報PDFバックナンバー | 4集分 | 8集分 |
「ベーシックプラン」でも株式投資をするうえで、十分なサービスを受けられます。
株取引を始めたばかりの人は「ベーシックプラン」から始めて、必要があれば「プレミアムプラン」に移行する、という手もありますよ。
四季報オンラインを有効活用するには?おすすめサービス5選を紹介
投資スタイルは十人十色。投資家によって、株取引に利用する機能や求めている情報は違いますよね。
四季報オンラインなら、投資家を満足させてくれる機能と情報が勢揃いです。
この章では四季報オンラインが提供する豊富なサービスの中でも、とくに株式投資で有効活用できるサービスを5つ紹介します。
四季報オンラインのおすすめサービスは次のとおりです。
この中から自分に合った、四季報オンラインの使い方を見つけてみましょう。1から順番に紹介しますね。
四季報オンライン活用術その1、登録銘柄リストを有効活用せよ!
「ベーシックプラン」では500銘柄、「プレミアムプラン」では1,000銘柄の登録ができます。
また銘柄を登録する際、「取得価格」「保有株数」「メモ(20文字以内)」の記録が可能です。
四季報オンラインが提供する「登録銘柄リスト」の真骨頂は、登録した銘柄を、情報や指標別に一覧で比較できるところ。
比較できる情報や資料は次のとおりです。
項目 (表示数) |
詳細 |
---|---|
株価位置 (30銘柄) |
始値、安値、高値、現在値などの表示 |
チャート (20銘柄) |
各銘柄の株価チャートを表示(日中足、日足、週足、月足に切り替え可能) |
指標 (30銘柄) |
ROE、PER、PBRの表示(高い・低い順に変更可能) |
スコア (30銘柄) |
各銘柄の企業スコア※を表示 |
テクニカル (30銘柄) |
ボリンジャーバンドやRSIなど、10種類のテクニカル指標それぞれで「売り」もしくは「買い」のサインを表示 |
業績 (6銘柄) |
売上高、経常利益の表示 |
ニュース | 各銘柄に関係するニュースやランキング記事の一覧表示 |
版情報 (20銘柄) |
版情報の一覧表示 |
ポートフォリオ分析 | 登録銘柄の中で、「保有株数」を入力した銘柄のみを対象としたポートフォリオ分析の表示 |
サマリー (5銘柄) |
上記の「株価位置」「チャート」「指標」「スコア」「ニュース」をまとめて表示 |
四季報オンラインが独自に算出した投資指標のこと。
詳しくは「四季報オンライン活用術その3、企業スコアという独自指標を見る!」の章で紹介しています。
四季報オンラインを有効活用するには、「登録銘柄リスト」を使いこなすことが肝です。
気になった銘柄はどんどん登録して、自分だけの「登録銘柄リスト」を作っていきましょう。
銘柄を探すときは「スクリーニング」機能を使うと便利です。条件を指定して、好みの銘柄を探し出すことができますよ。スクリーニングについて詳しくは、次の章で紹介します。
四季報オンライン活用術その2、スクリーニング機能を使うべし!
「スクリーニング」とは、指定した条件に該当する銘柄を検索できる機能のことです。
四季報オンラインのスクリーニング機能では、約3,600社の上場銘柄から条件に合った銘柄を探すことができます。
そこで「スクリーニング」を使えば、簡単かつ瞬時に「成長企業」や「割安株」を絞ることができます。
- スクリーニングに使う項目を選び、検索条件に加える
- 検索条件に加えたスクリーニング項目の条件値を指定する
- 銘柄の上場市場や業種などを指定する
- 結果表示時に、銘柄を並べる項目と並び順(大きい順か小さい順か)を指定する
このように、使用方法はとても簡単です。
検索項目は「企業価値に対して株価が割安か」「今後の成長が見込めるか」を意識して選びましょう。
検索項目は「ベーシックプラン」が151項目、「プレミアムプラン」なら262項目と多数あります。検索する際の適切な項目や数値がわからない場合は、次の表を参考にしてください。
検索項目 | 概要 |
---|---|
自己資本比率 | ・純資産に占める自己資本の割合 ・40%以上なら優良 |
PBR | ・企業が持つ資本に対して、株価が割安かをはかる ・1倍以下なら割安 |
PER | ・企業の収益に対して、株価が割安かをはかる ・15倍以下なら割安 |
ROE | ・企業が資本をどれだけ有効的に利用し、利益に繋げているかをはかる ・10%以上なら優良 |
それぞれの検索項目に、数値を入力していきましょう。
上記4項目の数値で検索すると、約3,600銘柄が約50銘柄まで絞られます。
絞られた銘柄の企業は、割安株かつ成長性が見込める優良企業である可能性が高いです。
「スクリーニング」は多くのデータをもとに絞るため、検索結果には信憑性があります。
しかし株価は思わぬ要因で変動するため、データ通りに株価変動しないことも。
「スクリーニング」を使って絞られた40銘柄~50銘柄を追加分析して、さらに銘柄を絞っていきましょう。
「スクリーニング」で絞った銘柄は、「登録銘柄リスト」に一括登録できます。スクリーニングは登録銘柄リストと併用することで真価を発揮するので、ぜひ利用してください。
四季報オンライン活用術その3、企業スコアという独自指標を見る!
「企業スコア」では、企業に対して1点から100点までの点数が付けられます。点が高いほど株価は上がりやすく、点が低いほど株価は下がりやすいという見方です。
- 業績
- 収益性
- PER
- PBR
- 財務健全性
- 企業規模
- 企業テーマ
- テクニカル分析
8つの投資指標それぞれに、1点から100点まで点数付けされます。8つの指標で付けられた平均点数が、最終的な「企業スコア」の点数となるのです。
四季報オンラインの「企業スコア」は、70点~80点が高評価とされています。
一方35点以下のスコアは評価が低いとされているため、「企業スコア」が少なくとも35点以上の銘柄を選びましょう。
四季報オンライン活用術その4、IPO情報をチェックしよう!
IPOは高確率で利益を出せるため、多くの投資家に人気があります。しかしIPO株を買えるのは、抽選で当選した人のみ。倍率が高く当選確率はとても低いです。
IPOの当選確率を上げるなら、引受株数(証券会社ごとに割り振られている株数)が多い証券会社で応募しましょう。
四季報オンラインなら、引受株数を簡単に確認できます。まずはIPOのページから、新規上場予定の株式を見てください。
「幹事証券」の証券会社は、引受株数がもっとも多いので要チェック。
さらに、青字になっている「引受証券」にカーソルを合わせるだけで、すべての引受証券の「引受株数」を確認できるのです。
どんなIPO銘柄の人気が高かったのかチェックして、今後のIPO取引に活かしましょう。
IPOについて詳しくは、「IPOとは株初心者でも簡単に利益が出せるお宝株」の記事を参考にしてください。
四季報オンライン活用術その5、スマホアプリと連動させよう!
四季報にはスマホアプリもあります。アプリ版でも多くの機能を利用できるので、四季報オンラインで有料会員になるなら、ぜひアプリをダウンロードしましょう。
アプリ版で利用可能なサービスは次のとおり。
- ニュース記事の閲覧
- 紙版四季報の表示
- 登録銘柄リストの連動
- 株価チャートの表示
登録銘柄リストはWEB版と連動されるため、普段チェックしている銘柄のニュース記事や株価チャートを、すぐに見ることができます。
さらに「株価チャート」では移動平均線やボリンジャーバンドなど、11種類のテクニカル指標をチェック可能です。
このように、四季報オンラインのスマホアプリでは、株式投資に必要な情報がたくさん手に入ります。アプリのダウンロードとログインは、忘れずにしておきましょう。
四季報オンラインのメリットを知り、株式投資を有利に進めよう!
四季報オンラインは企業を多角的に分析できるので、あらゆるトレード手法で役に立ちますよ。
ただし、無料で利用できるサービスは限られています。なるべく有料会員になって、四季報オンラインのサービスを余すことなく使いましょう。
四季報オンラインを株式投資に有効活用するには、「スクリーニング」で絞った銘柄を「登録銘柄リスト」へストック。そして登録した銘柄を分析して、精査していくことが必要です。
この記事で紹介した四季報オンラインの活用術を見て、株式投資を有利に進めてくださいね。