老後資金を貯めるために、確定拠出年金(iDeCo)を始めてみようという方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、どこの金融機関を選べばいいのかわからないという人もいるでしょう。
SBI証券のiDeCoは手数料の安さと取り扱い銘柄の多さが大きなメリット。
iDeCoにおすすめの金融機関の1つです。
この記事ではSBI証券でiDeCoの口座開設をするメリット・デメリットを紹介します。
おすすめの銘柄も具体的に紹介。
iDeCoの口座開設を検討している人はぜひ参考にしてくださいね。
iDeCoは運用益の上がる年金制度!節税効果もあり
まずはiDeCo(イデコ)※について確認しておきましょう。
個人型確定拠出年金の愛称です。毎月積み立てる掛金で、投資信託や保険などの金融商品を運用。将来もらえる年金が増える可能性があるほか、所得税・住民税の節税効果もあります。
iDeCo最大のメリットは「節税効果」。
毎月積み立てた掛金の分だけ、所得税と住民税が安くなります。
金融商品の運用によって得られた利益には税金がかからず、年金の受け取りも一定額までは非課税。
iDeCoをうまく活用すれば、将来受け取れる年金を増やすことができます。
収入が限られている主婦でも節税が可能。詳しくは次の記事を読んでみてください。
SBI証券は手数料がおトク!銘柄も豊富に揃っているのがメリット
SBI証券のiDeCoの1つ目のメリットは、なんといっても手数料の安さです。
SBI証券でiDeCoの運用に必要な手数料は新規加入時の2,571円と、運用期間中にかかる月額154円のみ。
これは楽天証券と並び、業界でもトップクラスの安さです。
手数料が安い!毎月154円(税抜)で運用可能
SBI証券のiDeCoで必要な手数料は次のとおり。
(1)加入、移換時手数料 | 2,571円 | ・新規加入または企業型確定拠出年金から変更する場合に必要 ・ほかの金融機関からSBI証券に変更する場合、手数料はかからない |
---|---|---|
(2)口座管理手数料 | 154円 | ・毎月かかる手数料 ・積立を行わず、過去の年金資産を運用するだけの場合は59円 |
(3)給付事務手数料 | 400円 | ・年金を1回受け取るごとに必要 |
(4)還付事務手数料 | 1,952円 | ・掛金を拠出できない人が、拠出した際、掛金を返還する時に必要 |
(5)移換・運営管理機関変更時手数料 | 4,000円 | ・SBI証券のiDeCoから、ほかの確定拠出年金へ移換する場合 ・金融機関を変更する場合にも必要 |
手数料のうち、(1)(3)(4)については金融機関ごとの違いはありません。
大きく違うのは、(2)の口座管理手数料。
これは毎月かかる手数料ですが、金融機関によっては月々500円以上必要な場合も。
SBI証券の手数料は「楽天証券」や「マネックス証券」「イオン銀行」などに並び、業界でもトップクラスの安さです。
コストを掛けずにiDeCoを始められますね。
ただし投資信託を運用する場合、「信託報酬※」という手数料が別途かかることに注意してください。
投資信託を管理、運用してもらうための費用。投資信託を保有している間はずっと払い続ける必要があります。
信託報酬は銘柄ごとに異なります。
銘柄選びの際は、信託報酬の金額をよく確認しておきましょう。
SBI証券のiDeCoは商品も豊富!iDeCoロボが銘柄選びをお手伝い
SBI証券は取扱銘柄が多いのもメリット。
自分に合う商品を選ぶことができます。
とはいえ、そんなにたくさんの商品の中から選ぶのは難しい、という方もいるのではないでしょうか?
そんなとき活用したいのが「SBI-iDeCoロボ」というサービス。
年齢や投資経験、投資スタイルなどの質問に答えると、おすすめの投資信託を教えてくれるのです。
利用料は無料で、SBI証券に口座がなくても使用できます。
ぜひ一度試してみてください。
SBI証券のデメリット、金融機関への変更には手数料が必要
SBI証券のiDeCoにはデメリットもあります。
- 掛金(積立金)の引き落とし方法に制限がある
- 移換手数料がかかる
次から見ていきましょう。
掛金の引き落とし方法に制限がある
SBI証券のiDeCoでは掛け金の引き落とし方法に制限があります。
人によっては、不便だと思うこともあるかもしれません。
- 掛金の引き落とし口座に証券口座を指定できない
- 掛金の引き落としにネット銀行は使えない
すでにSBI証券で証券口座の開設を行っている場合でも、iDeCoの掛金を引き落とすには、金融機関の指定が別途必要。
ネット系銀行の一部(セブン銀行、ソニー銀行、大和ネクスト銀行、じぶん銀行)などは引き落とし口座として指定できません。
iDeCo口座を移すときに手数料がかかる
SBi証券のiDeCo口座から、他の金融機関にiDeCo口座を移す場合、「移換手数料」がかかります。
移換手数料は4,000円。
なるべく口座を移さなくて済むように、慎重に検討する必要があります。
とはいえ、iDeCoの移換はなるべくしないほうがいいぞ。移換時には資産を現金化しなくてはいけないし、手続きに時間もかかる。金融機関は慎重に選べよ。
iDeCoは手数料と銘柄を基準に選ぼう!SBI証券の具体的な商品も紹介
iDeCoを始めるにあたって、どのように金融機関を選ぶべきか、迷う人もいるでしょう。
ポイントは次の3点です。
- 口座管理手数料が安い
- 信託報酬が安い投資信託が多い
- 商品のバリエーションが豊富
ただしネット証券会社の場合、口座管理手数料などの違いはあまりありません。
商品数 | |
---|---|
SBI証券 | オリジナルプラン:37 セレクトプラン:36 |
楽天証券 | 32 |
マネックス証券 | 25 |
イオン銀行 | 24 |
みずほ銀行 | 15 |
SBI証券のiDeCoには「セレクトプラン」「オリジナルプラン」の2種類があり、ラインナップは豊富です。
次から、SBI証券で扱っているおすすめ銘柄を紹介するので、参考にしてください。
日本国内を対象とした投資信託
国内株式は個人型確定拠出年金(iDeCo)で基本となる運用資産。リスクを取るよりも信託報酬が安く安定した収益が望めるものを選びましょう。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
三井住友DS-三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド(オリジナル) | インデックス(TOPIX) | 0.16% |
ニッセイ-DCニッセイ日経225インデックスファンドA(オリジナル) | インデックス(日経平均株価) | 0.169% |
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド(セレクト) | インデックス(日経平均株価) | 0.14% |
野村-野村DC・JPX日経400ファンド(オリジナル) | インデックス(JPX日経インデックス400) | 0.25% |
レオス-ひふみ年金(オリジナル・セレクト) | アクティブ型 | 0.7600% |
ポートフォリア-みのりの投信(確定拠出年金専用)(オリジナル) | アクティブ型 | 1.55% |
国内株式はアクティブ型よりもインデックス型がおすすめです。
理由は、アクティブ型の商品は信託報酬が高く、運用実績の割にリターンが少なくなる傾向にあるから。
国内株式はリスクよりも安定性を重視するほうが無難でしょう。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
三菱UFJ国際-三菱UFJ 国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)(オリジナル) | インデックス(NOMURA-BPI総合) | 0.12% |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックス(セレクト) | インデックス(NOMURA-BPI総合) | 0.120% |
国内債券を資産配分に組み入れる場合は、信託報酬の安いインデックスファンドがおすすめです。
海外を対象とした投資信託
海外への投資は「先進国型」と「新興国型」に分けられます。先進国型は比較的安定しているのがメリット。
新興国型は成長が期待できます。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
大和ーiFree NYダウ・インデックス(オリジナル・セレクト) | インデックス(ダウ工業株30種平均) | 0.225% |
ニッセイーDCニッセイ外国株式インデックス(オリジナル) | インデックス(MSCIコクサイ・インデックス) | 0.189% |
SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド(セレクト) | インデックス(FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス) | 0.14%程度 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim新興国株式インデックス(セレクト) | インデックス(MSCIエマージング・マーケット・インデックス) | 0.189% |
SBI-EXE-i新興国株式ファンド(オリジナル) | アクティブ型(上場投資信託(ETF)への投資を通じて新興国へ投資) | 0.3485%程度 |
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)(オリジナル・セレクト) | アクティブ型(日本を除く先進国の株式に投資) | 1.33% |
キャピタル・インターナショナル-キャピタル世界株式ファンド(DC年金用)(オリジナル) | アクティブ型(新興国含む世界各国に投資) | 1.42% |
海外株式に投資するインデックス型の投資信託なら「大和ーiFree NYダウ・インデックス」や「ニッセイーDCニッセイ外国株式インデックス」を選ぶのがよいでしょう。
大和ーiFree の場合はNYダウに、ニッセイーDCの場合は先進国22か国の経済指標MSCIコクサイ・インデックスに連動しています。
三菱UFJ国際-eMAXIS Slimシリーズも、信託報酬が安くおすすめ。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
三菱UFJ国際ー三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド(オリジナル) | インデックス(JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド) | 0.52% |
野村-野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)(オリジナル) | インデックス(FTSE世界国債インデックス) | 0.14% |
SBIボンド-SBI-PIMCO世界債券アクティブファンド(DC)(セレクト) | アクティブ型(先進国債券と新興国債券に7:3の割合で投資) | 0.754% |
海外債券なら、FTSE世界国債インデックスに連動する野村-野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)が安定的。
FTSE世界国債インデックスはソブリン債(各国政府が発行・保証する債券)のベンチマークとして国内外の機関投資家に利用されています。
新興国の債券なら「三菱UFJ国際ー三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド」がおすすめです。
新興国債券だけに集中投資するのは危険ですが、アセットアロケーションの一部として組み込むのもいいでしょう。
REITを対象とした投資信託
REITとは不動産投資信託のことで、日本の場合は「J-REIT(ジェーリート)」と呼ばれます。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
ニッセイーDCニッセイJ-REITインデックスファンドA(オリジナル) | インデックス(東証REIT指数) | 0.25% |
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド(セレクト) | インデックス(東証REIT指数) | 0.25% |
SBI証券で購入できるJーREITは2種類で、いずれも東証REIT指数に連動。東証REIT指数とはJーREITの銘柄を対象とした時価総額加重平均の指数です。
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンドの方が運用されている期間が長く、安定的な実績を残しています。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
三井住友ー三井住友・DC外国リートインデックスファンド(オリジナル・セレクト) | インデックス(S&P先進国REITインデックス) | 0.27% |
SBI証券で購入できる海外REITは1種類です。S&P先進国REIT指数に連動。
信託報酬が低水準のため、アセットの一部として組み込むのも適しています。
コモディティ投資の投資信託
SBI証券のiDeCoではコモディティ型の投資信託も購入可能。コモディティ型とは原油や農産物、金といった商品に投資するタイプの投資信託です。
インフレによる物価上昇で利益が大きくなる一方、価格変動が大きいというデメリットもあります。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
三菱UFJ国際ー三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド)(オリジナル・セレクト) | 純金上場信託が投資対象 | 0.9%程度 |
SBI証券のコモディティ投信は、金の価格に連動する「三菱UFJ国際ー三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」のみ購入可能です。
金への投資は社会不安や景気後退が広がると値を上げる一方、利息や配当が発生せず、為替変動の影響も受けるなど、ほかの資産とは異なる特徴を持ちます。
積極的にリターンを取りに行く攻めの投資をする人は、コモディティ投信をアセットに組み込むのもおすすめです。
バランス型の投資信託
バランス型の投資信託は複数のアセットへの分散投資を行うファンド。バランス投資の商品を購入すれば、自動的にバランス良くアセットアロケーションを組むことができます。
資産配分の見直しも自動で行ってくれるので、初心者にはバランスファンドの購入がおすすめです。
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬等(税抜) |
---|---|---|
大和-iFree 8資産バランス(オリジナル) | 国内外の株式、債券、REITに投資 | 0.22% |
日興-DCインデックスバランス(株式40)(オリジナル) | 国内外の株式、債券に投資 | 0.18% |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)(セレクト) | 国内外の株式、債券、REITに投資 | 0.140% |
信託報酬が最も安いのは三菱UFJ国際-eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)。8つの資産へ均等に投資する方針をとっています。
マザーファンド※を通じて各国の株式、債券、不動産へ投資する商品です。
ファミリーファンドと言われる運用方法で使用されます。消費者が購入した「ベビーファンド」をマザーファンドが集約し、マザーファンドが株式や債券を購入する仕組みです。
バランスファンドの場合は、4つの資産や8つの資産に分散投資するものが多く、投資している資産の数が多いほど、高いリスク回避効果が期待できます。
分散投資で安定した収益を目指す「大和-iFree 8資産バランス」
大和-iFree 8資産バランスは大和証券が販売するインデックスファンドです。
主な特徴は次の2つ。
- 8つの資産の投資するためリスクが低い
- 信託報酬が安い
大和-iFree 8資産バランスでは、国内株式や海外株式をはじめとした8つの資産クラスへ分散投資を行っています。
複数の資産(アセット)を組み合わせリスクの分散を図ることは投資の基本。
とはいえ、国内株式の割合を~%で、海外債券は~%など、どの資産にどの程度の割合で分散投資するのかはプロでも判断に悩む難しい問題です。
そんなときバランスファンド※の商品を1つ購入すれば自動で複数資産への投資が可能。
1つの投資対象に偏らず、さまざまな投資対象をバランスよく組み入れたファンドのこと
大和-iFree 8資産バランスの場合は国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、海外REITという8つの資産へ平等な均等配分を行っています。
国内株式の割合も、新興国株式の割合もすべて一律なので、バランスの取れたリスク分散を行うことができるのです。
バランスファンドの中には信託報酬が1.0%を超えるものもありますが、大和-iFree 8資産バランスの信託報酬は低めの設定なのもおすすめの理由。
リスク分散が簡単にできて、手数料も安いおすすめの銘柄です。
バランスファンドについては「バランスファンドのメリットとデメリット、注意点を解説!」をご覧してください。
高い運用実績の「ひふみ年金」
基準価格が5年間で約3倍以上に推移した「ひふみ投信」。
そんなひふみ投信のiDeCo版が「ひふみ年金」です。
高い運用実績が特徴のアクティブファンドで、2019年6月時点でのトータルリターンは33.03%。
多少リスクを取っても、高い成長を求める人に適した銘柄でしょう。
ひふみ投信について詳しくは「高利回りで評判の高いひふみ投信とは?ひふみプラスとの違いも紹介」で解説しています。
信託報酬が安い商品が多く揃っているぞ。プランはあとから変更することも可能だから、気楽に始めるといい。
iDeCoの運用では適切なアセットアロケーションを組むことが重要です。
アセットアロケーションとは複数の銘柄に分散投資することでリスクを回避する方法。
1つのファンドだけに集中投資した場合、その商品が暴落すれば大きな損失になるため、複数の商品へ投資しておくことがおすすめです。
バランスファンドを選べば自動的に複数の投資対象へ分散投資したことになりますが、他のファンドを選ぶ場合は気をつけてくださいね。
iDeCoのアセットアロケーションについては、次の記事で詳しく説明しています。
SBI証券でiDeCoを始めよう!手数料が安くて商品も豊富
SBI証券のiDeCoは手数料が安く、取扱商品が多いのがメリット。
「オリジナルプラン」「セレクトプラン」の2種類がありますが、どちらを選べばいいかわからない場合は「セレクトプラン」を選ぶのがおすすめです。
信託報酬が安い商品が揃っているので、初心者の人も銘柄選びがしやすいでしょう。
おすすめの投資信託についても、具体的に紹介しました。
購入してみたい商品が見つかったら、ぜひSBI証券でiDeCoを始めてみてくださいね。