ROE(自己資本利益率)は、企業が資本をどれだけ有効的に利用し、利益につなげているかを判断するための指標です。
PERやPBRのような、ファンダメンタルズ分析の主要な指標にも関係するROE。株式を購入する判断材料としても、欠かせません。
ROEが高く、収益力の高い企業は、好成績が続けば株価が上昇する可能性も高いです。
そのため海外投資家の多くが、「リターンの大きさ」を目当てに高ROEに投資しています。
この記事ではROEの算出方法と調べ方、ROAとの違い、あわせて調べると良い指標を紹介していきますね。
ROEとは、資本をどれだけ利益につなげているかを調べる指標
ROEとは「Return On Equity」の略で、「自己資本利益率」と呼ばれる指標です。企業の収益性、経営の効率性を測ることができます。
ROEの算出方法を見てみましょう。
(ROE=当期純利益÷自己資本×100)
1株あたりの当期純利益(EPS)は「当期純利益÷発行済み株式数」、1株あたりの純資産(BPS)は「純資産÷発行済み株式総数」で算出することができます。
ROEは数値が高ければ高いほど良いです。
10%以上が目安ですが、なかでも15%以上の企業は優良だと言えます。
決算短信の読み方については「決算短信の読み方」で詳しく紹介しているから、読んでみてくれ!
実績ROEと予想ROEの調べ方!SBI証券がオススメ
先ほどROEの計算方法と目安を紹介しましたが、実はこの数値、自分で計算しなくても簡単に調べることができるんです。
- 証券会社の公式サイト
- Yahoo!ファイナンス
- 会社四季報
ROEには「実績ROE」と「予想ROE」があります。
実績ROEはあくまでも過去の数値なので、それだけを見ていても不完全です。そこで併せて見たいのが予想ROE。
もし高ROE状態が3年以上続くと予想できる場合、その企業の株価は上昇する可能性が大きくなるといわれています。
証券会社の公式サイトでは「実績ROE」を取り扱っています。「予想ROE」も知りたい場合は、SBI証券がオススメです。
SBI証券の口座を持っていれば、ROEだけでなく、そのほかの指標も無料でチェックすることができるんですよ。
SBI証券で口座開設をして、気になる企業の「実情ROE」と「予想ROE」をチェックしてみましょう。
ROEとROAの違いは「負債」が含まれるかどうか
ROEと似ている指標にはROAというものがあります。
ROAとはReturn On Assetの略で、「総資産利益率」と呼ばれる指標。企業の資産運用がどれだけ効率良く行われているかを調べることが可能です。
「自己資本(株主資本)」を使って算出するROEとは異なり、ROAは負債も含めた「総資産」で算出します。
ROAの算出方法を見てみましょう。
ROAもROEと同様に数値が高ければ高いほど、その企業を優良だと判断することができます。
ROAは5%以上が良く、10%以上だと優良企業です。
平均は2%~5%ですが、業種によっても異なるので、同業他社と比較しながらチェックしましょう。
ROEとあわせてチェックそのほかの指標
ROEのほかに、あわせてチェックしておきたい指標が2つあります。
- PER(株価収益率)
- PBR(株価純資産倍率)
それぞれの算出方法を簡単に紹介していきますね。
PER(株価収益率)
PERは株価収益率と呼ばれ、企業の「利益と株価」の関係から株価の割安性を判断する指標です。
PERの算出方法を見てみましょう。
PERは15倍以下であれば、割安です。
しかし過去PERや予想PERによっては、15倍以下でも割安だと言えない場合もあります。
PER(株価収益率)基本的な計算方法や調べ方を知りたい場合は「株価収益率で割安性をチェックしてみよう」、実際の活用法を知りたい場合は「PERを株式投資の銘柄選びに役立てよう!」を読んでみてくださいね。
PBR(株価純資産倍率)
PBRは株価純資産倍率と呼ばれ、企業の純資産(株主資本)から株価の割安性を判断する指標です。
PBRの算出方法を見てみましょう。
PBRが1倍以下だと、その銘柄は割安です。
ただ理論上、PBRが1倍を下回ることはないので、PBRは1.5倍以下なら割安だと言えます。
PBR(株価純資産倍率)の基本的な計算方法や調べ方を知りたい場合は「株価純資産倍率を使って、割安性を見てみよう!」、実際の活用法を知りたい場合は「株式投資をするなら割安性をPBRでチェックしよう!」を読んでみてくださいね。
ROE(自己資本利益率)で企業の収益力を見よう
ROEが高いほど、より優良な企業だといえます。
高ROE状態が3年以上続くと予想できる企業は、特に投資家へのリターンが大きくなる可能性が高いです。
しかし日本企業のROEは平均5%程度。そのためROEが10%以下だからといって、「投資価値がない」と言い切ることはできません。
数値の高低に限らず、ROEだけで株の購入を判断するのではなく、ほかの指標の数値と比較しながら分析してみましょう。