LINEが2016年7月15日に上場しました。しかも14日のアメリカ市場と、日米でダブル上場しています。
親会社NAVERとの方向性の違いで、LINEは今まで何度も上場を断念してきましたが、ついに2016年IPO投資家念願の上場を果たしたのです。
ロイターの発表でLINE上場は2016年最大とも報道され、今回の日米同時IPOで調達できる総額は、なんと約1,127億円とも言われています。
この報道を受けてLINEと代理店契約を締結しているアドウェイズ<2489>など、LINEの関連銘柄は株価が大きく上昇しました。L格安スマホ市場にも参入し、グローバル展開を進めるLINEの株価変動に目が離せません。
LINE(3938)の上場情報
市場 | 東証1部 |
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公開株式数 | 35,000,000株 |
ブックビルディング期間 | 2016年6月28日~2016年7月8日 |
仮条件 | 2900円~3300円 |
条件決定日 | 2016年7月11日 |
公募価格 | 3300円 |
募集期間 | 2016年7月12日~2016年7月13日 |
公開上場日 | 2016年7月15日 |
引受証券会社 | 野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券、みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券、SBI証券、東海東京証券、マネックス証券 |
東証で1,300万株、米市場で2,200万株の合計3,500株を公募しました。企業が届け出た想定発行価格である1株2,800円で算出すると、上場時の時価総額は約5,880億円になります。
なお、この上場でLINEが国内上場から調達できる資金は約364億円となる見込みで、借入金の返済やサービスの拡充、設備投資などに充てられる予定です。
主幹事は野村證券が務めますが、SBI証券やマネックス証券、SMBC日興証券などネット証券も幹事証券会社としてLINEのIPO株が割り振られています。
2015年は日本郵政の上場が話題になりましたが、2016年は間違いなくLINEの上場が一番の大型案件となります。知名度が高く、今まで何度も延期が続いていたため、投資家の間では待ちに待った大注目のIPO銘柄であることは間違いありません。
上場からしばらく経ちましたが、話題のつきないLINEの株価チャートがどうなったか、こちらで確認してみましょう。
なぜLINEがこれほど注目を集める企業になれたのか?その理由について次に説明します。
東日本大震災がきっかけ!?今や必須の通信アプリ「LINE」
LINEは東京の渋谷に本社がある日本企業で、韓国のIT企業「NAVER」が100%出資して立ち上げた子会社です。2011年の6月に無料メッセージアプリを公開し、今ではコミュニケーションツールの代名詞となっています。
LINEがメッセージアプリを開発したのは、あの2011年3月に起きた東日本大震災がきっかけです。被災地を中心に携帯電話回線がパンクし、電話が繋がりにくくなったことが大きな問題になりました。
これを解決すべく通信アプリでメッセージのやりとりを無料で提供しようというのが、LINEのスタートです。
LINEを使わない日はないと言っても過言ではないぐらい人々の生活に浸透し、20代女性会社員も「友達も会社の同僚も、いつもLINEで連絡を取り合っています。新しく友達になった人とも連絡先の交換はLINE IDを使っています。」と話します。
LINEは世界第7位!知名度を上げて海外利用者数の増加を狙う
企業の報告ではLINEは現在世界中にサービスを提供し、そのうち日本、タイ、台湾、インドネシアを主要4地域と位置づけています。
これらの地域の利用者が約1億5000万人と、全体の7割以上をカバーしていて年々成長を続けています。
しかし、それ以外の欧米主要各国ではLINEの成長も行き詰まり、長期的な成長を疑問視する声もありますが、IPOが大盛り上がりするのは間違いありません。
ドイツの調査会社スタティスタ(Statista)が発表した2015年度世界のメッセージアプリ利用者数ランキングはこのような結果になりました。
順位 | アプリ名 | 利用者数 |
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1位 | WhatsApp Messenger | 10億人 |
2位 | Facebook Messenger | 9億人 |
3位 | QQ CALL | 8億5,300万人 |
4位 | 6億9,700万人 | |
5位 | Skype | 3億人 |
6位 | Viber | 2億4,900万人 |
7位 | LINE | 2億1,500万人 |
日本では圧倒的な人気を誇るLINEですが、海外ではまだマイナーな存在なため、成長できる余地は十分残っています。
今回、日本だけでなくアメリカでも上場する理由は、LINEの知名度を上げて海外での利用者を増やす狙いがあるからです。
実は赤字だった!急成長するも遅すぎたLINEの上場
LINEは2014年や2015年にも上場する計画がありましたが、親会社であるNAVERと上場に関する意見の食い違いがあり、計画は延期が続いていました。
冒頭に今回の上場でLINEの時価総額は約5,880億円になると紹介しましたが、実は2014年に東証へIPOの申請を出した際は、時価総額1兆円超えるとの予測もあったほどです。
LINEの業績を見てもわかりますが、2014年は前年度の2倍以上売上高を伸ばしているのに対し、2015年は伸びてはいるものの、明らかに勢いを失っています。さらに2015年は音楽ストリーミング事業に失敗し、118億円もの損失が響いて79億円の赤字に達してしまいました。
1兆円集めれた最適なタイミングは逃したものの、海外に目を向ければまだまだ成長できる余地は残っています。
LINEはすでに日本で十分な知名度がありますが、今回の上場で世界的に見てもメッセージアプリの代名詞と呼ばれる存在になれるよう、知名度が上がることを期待します。
LINEのIPO株を購入できるオススメのネット証券会社
LINEのIPO株を購入するには、ブックビルディングに申し込む必要があります。次に紹介するネット証券会社でLINEのIPOブックビルディングを行われました。
- SBI証券
- マネックス証券
- SMBC日興証券
IPOチャレンジポイントを活用しよう!SBI証券
SBI証券は申し込み株数ごとに抽選を行いますので、たくさん申し込めば当選確率も高くなります。資金力がものを言う証券会社ですが、少額投資家にもチャンスはあります。それがSBI証券のIPOチャレンジポイントです。
SBI証券のIPO抽選には通常の申し込み株数ごとの抽選と、IPOチャレンジポイント数の多い順に当選する2通りありますので、資金が少なく申し込み株数が少ない人は、IPOチャレンジポイントも合わせて申し込みましょう。
今回のLINEですが、2016年を代表する大人気の上場銘柄です。
多くの投資家がLINEのIPO株を手に入れようと競争率も高いため、100ポイント以上は必要だと予想されます。
SBI証券のIPO抽選方法など、詳しくは「人気のSBI証券!特徴から口座開設方法まで徹底紹介します」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
完全平等抽選が嬉しい!マネックス証券
IPO抽選に資金力が必要ない完全平等抽選を行っているのがマネックス証券です。IPO抽選でなかなか当選できないという人は、マネックス証券からも合わせて応募すると当選確率がグンと上がりますよ。
割り当てられたIPO株100%を全て個人投資家向けに回してくれるマネックス証券は、資金力のない少額投資家にとても人気が高い証券会社です。
マネックス証券のIPO取扱実績など、詳しくは「少額投資ならマネックス証券!充実のサービス内容まとめ」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
主幹事経験が豊富!SMBC日興証券
今回のLINE上場では野村證券が主幹事を務めますが、野村證券についでIPOの主幹事を務めることが多い証券会社がSMBC日興証券です。
主幹事はIPO株の配分量が多く、他の幹事証券会社より当選確率も上がります。今回は惜しくも主幹事を逃しましたが、SMBC日興証券は他のIPO銘柄で多く主幹事を務めますので、今後IPO投資を検討している人はこの機会に口座開設しておきましょう。
SMBC日興証券のIPO主幹事引き受け実績など、詳しくは「SMBC日興証券の特徴まとめ!日本を代表する証券会社」の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
便乗して株価が上がる!LINE関連株を紹介します
LINEのIPO株を手に入れたかったら、ここで紹介した3社からは必ず抽選に応募する必要があります。しかし今回のLINE上場に関するニュースは、世の中でもかなり大きく報道されていますし、興味がある人も多く、なかなか当選しづらい状況が予想されます。
もし当選しなくても気を落とさず、LINEの関連株への投資を検討してみましょう。
LINEが上場して知名度が上がれば、LINE関連株にも人気が集まるのに期待できます。
LINE関連銘柄を次に紹介します。
・アドウェイズ<2489>、サイバーエージェント<4751>、GMOインターネット<9449>
・グリー<3632>、ボルテージ<3639>、サイバーエージェント<4751>
・メディアドゥ<3678>、カドカワ<9468>
二年越しの上場!2016年はLINEのIPO抽選に全力で応募しよう
ネット証券ではSBI証券とマネックス証券、SMBC日興証券からLINEのIPO抽選に参加できます。
かなりの激戦が予想されますので、全ての証券会社から応募できるよう準備しておきましょう。
公募株数が多い銘柄は公募割れが懸念されますが、LINEはそれ以上に人気のある銘柄です。初値がどこまで上がるか今から楽しみですね。LINEのIPOで夏のボーナスが少しでもプラスになりますように。