IPO(新規公開株)で儲けを出すために必要なのは、「初値(はつね)で売る」ことだけ。特別な知識は、何も必要ありません。
ただそれだけにもかかわらず高確率で確実に利益を出すことができ、勝率はなんと7~9割だといわれています。
IPOの勝率については「初値で売るだけで利益300万円!IPO株はこんなに熱い」で解説しています。
当選して初値で売るだけで儲かる可能性が高いのですから、IPO株はとにかく片っ端から応募することがオススメ。
この記事ではSBI証券の画面を例にとり、IPOの応募の仕方を株の初心者でもわかりやすいよう図解します。
IPOに当選したい!抽選に応募し初値で売るまでの流れ
まずはIPOにいつどのように応募すればいいのか、応募の流れを説明します。
IPO応募の主な流れ | 備考 |
---|---|
【1】IPOスケジュールの発表 | IPOが発表される |
【2】仮条件の決定 | 仮条件の価格が提示される |
【3】応募 (ブックビルディング期間) |
仮条件の価格を見ながら、自分で希望価格を決め、応募する |
【4】入金 | 入金しなければならないタイミングは証券会社によって違うため要確認 |
【5】抽選 | 注文株式数が発行株式数を上回った場合、抽選になる |
【6】購入申込 | 当選したら、購入申込をする(ここで購入をやめることもできる) |
【7】上場日 | 当日寄付で成行注文を出し、初値で売る |
証券会社からIPOスケジュールが発表されるのは、上場日の約1カ月前です。
実際に応募するブックビルディング期間までは半月程度。それまでに上場予定企業の特色や財務状況を調査しておく必要があります。
IPOがいくら高確率で利益が出るからといっても、絶対に公募割れ※しないというわけではありません。
初値(上場後はじめて取引が成立したときの値段)が公募価格を下回ること。
つまり公募割れするIPOを買うと「損をする」ということです。
いくら「お宝株」といわれるIPOであれ、公募割れする株は絶対に掴みたくありませんね。
公募割れする可能性のあるIPOの特徴は、次のとおりです。
- 業績が赤字の銘柄
- 公開株数が多い銘柄
- 公募価格が仮条件の上限の金額ではない銘柄
このような銘柄は人気が集まりにくく、上場日は厳しい出発になる確率が高くなります。
公募割れする可能性が高いIPOの特徴を知り、もしひとつでも条件に合致したら購入を見合わせたほうが無難です。
これまでのIPOの騰落結果を分析したい人は、「【毎月更新】2017年版IPO結果まとめ」を読みましょう。
もし当選後、「公募割れしそうだから、やはり購入を見合わせたい」という場合、キャンセルすることもできます。
SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は当選をキャンセルすると、次のようなペナルティーがあります。
- 翌日から1カ月間、新しい需要申告(応募)ができなくなる
- すでにほかのIPOで需要申告している場合、すべて無効になる
SMBC日興証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券にIPOの応募をするときは、キャンセルのないようにあらかじめ銘柄の詳細をよく調べておきましょう。
まずは買ってみよう!SBI証券のIPOの買い方をやさしく図解
SBI証券はIPOの取り扱い実績が高く、IPOに応募するごとにIPOチャレンジポイントが貯まるサービスもあるため、IPO応募にはオススメの証券会社です。
証券口座を開設すれば、あなたも夢のIPOに挑戦することができますよ。
SBI証券の口座をまだ持っていない方は、まずコチラをご確認ください!
IPOの買い方はシンプル!わずか3ステップで需要申請完了
IPO株を買うには、まずそのIPOの主幹事や引受証券会社に該当している証券会社のIPO枠に当選しなければなりません。
まずはSBI証券にログインし、取引画面に移行します。
次に「新規上場 公募増資・売り出し」のタブを開いてください。
SBI証券にはたくさんの新規上場銘柄がエントリーされています。間違えて応募しないよう、希望の銘柄かどうかよく確認しましょう。
トレードワークスの「ブックビル申込」の欄にある、「申込」ボタンをクリックします。この時点では、まだ申し込みしたことにはならないので注意してくださいね。
次の画面で申込株数や購入希望価格、チャレンジポイントを使うかどうかを入力します。
筆者の場合「100株」を希望しましたが、購入資金がたっぷりある人は申込株数を増やすことがオススメ。
「価格」の欄には、トレードワークスの仮条件「2,000円~2,200円」の範囲で希望価格を入力しますが、SBI証券の場合「ストライクプライス※」という便利なボタンがあります。
投資家が需要申請をするときの希望価格のひとつ。「どのような価格でも購入意思がある
」という意味で、「仮条件価格の上限額」のことを指します。
IPOには「仮条件価格の上限額」でないと十中八九当選はムリです。迷わずストライクプライスを選びましょう。
次に「IPOチャレンジポイント」を使うかどうかを選択します。
IPOチャレンジポイントは、IPOの抽選や配分に外れた回数に応じて加算されるSBI証券独自のポイントサービス。
たくさん貯まったら「絶対に当てたい!」という本命IPOに全ポイント投入して応募しましょう。
SBI証券のIPO抽選配分は、次のとおりです。
抽選の条件 | SBI証券配分のIPO数量に対する割合 |
---|---|
有効申込株数に応じて厳正かつ公正な抽選 | 全体の70% |
有効申込株数に応じて、指定IPOチャレンジポイントのポイント数が多い順に配分 | 全体の30% |
IPOチャレンジポイントは、SBI証券にしかないサービス。これだけでもSBI証券を利用して、IPOに応募する価値はありますね。
最後に確認画面に移行しますので、入力事項に間違いがないか最終確認し「申込」を押します。これで完了です。
IPOの売り方!初心者におすすめの最適な売却タイミングとは?
IPOの需要申請後、当選した人はおめでとうございます!(当然ながら筆者は外れました。)
当選した人は「いつ売ればいいのか?」「どうやって売ればいいのか?」悩むところですね。
IPOの売り方はシンプルです。
上場日の「寄付(よりつき)」で「成行」注文を出しておくだけ。
しかし人気の高い銘柄だと買い注文が殺到し、「特別気配※」となることも珍しくありません。
「売り」か「買い」どちらか一方に大量の注文が入っている場合、通常のザラバ方式から板寄せ方式に切り替え、急激な価格変動を避けること。気配値(板)に「特」「ト」「S」などと表示されます。
特別気配について詳しい解説は、「株価の決まり方と特別気配!売買方式を知らずに株は買えない」をご覧ください。
つまりIPOの上場日に、売りを飲みこむ勢いで買いが殺到すると「特別気配」となります。
しばらくすると初値がつき、通常の株と同じように売買できるようになる仕組み。しかし特別人気が集中する銘柄の場合、当日に初値が付かないこともあるんですよ。
そうなると、ぐんぐん値段が吊り上がり「IPO株を初値で売りたいのに、売るに売れない!」という嬉しい悲鳴を上げることになります!
短期で儲けたいならIPOは初値で売るのが基本!
自分が当選したIPOが大当たりして、「初値が付かないくらい高騰するかも?」と思うと興奮して夜も眠れませんね!
上場後なおも株価が騰がり続けるなら、このまま売らない方が得じゃないか?という気がしますね。
IPOは上場後、株価がどうなるのか、方向感を見極めるのはかなり難しいのが現実。せっかく初値が高騰しても、その後一気に下落することも珍しくありません。
短期で利益を得たいなら、欲を出さず「上場日の寄付きで売る」を徹底したほうがいいでしょう。
IPO上場後は初値で売った方がいい!判断を誤ると塩漬け株に
短期で利益を得るなら初値で売った方がいいのは、多くのIPOが初値を付けたあと大幅に値下がりするからです。
上場後の株価が下がってしまったパターンを、実際の銘柄を使って解説します。
上場後株価が急降下!初値で売った方がよかったIPO株
IPOは上場後、初値は公募価格を上回ったものの、その後見る見るうちに株価が下落してしまうパターンが多いです。
たとえば、2017年に上場した<6552>Game Withと、<3990>UUUMのチャートを見てみましょう。
いずれも上場後に利益確定売りが殺到し、株価が急落していますね。
IPOを初値で売り損ねると、「塩漬け株」を作ることになってしまいます。塩漬け株が増えれば資金が拘束され、次の投資のチャンスを奪われてしまうことに。
自由になる資金が豊富にない人は特に、IPOは初値で売り、極力塩漬け株を作らないほうが賢明です。
IPOの抽選に外れてもあきらめない!セカンダリーマーケットを狙え
<6552>Game Withや<3990>UUUMのように、上場したあと株価が下がるケースはよくあることです。
しかしそれを逆手にとり、押し目を利用した「セカンダリーマーケット※」参入を狙うチャンスでもあるんですよ。
株式発行後、投資家間で株が売買される「流通市場」のことで、一般的な株の売買のことです。
IPOは上場後一時的に株価が下がったとしても、将来有望な企業ならば株価が再上昇するのに時間はかかりません。
「IPOに外れた!」とガッカリしないで、セカンダリーマーケットで株価の下落が落ち着いた頃合いを見計らって、マーケットに参入してみてもいいかもしれませんね。
初値で売らない戦略も!長期投資ならIPOをNISAで購入する
「上場後初値で売るのがオススメ」と解説しましたが、将来有望なIPO銘柄なら上場後の株価にも期待が持てます。
もし長期で株を保有することができるなら、初値で売らない選択肢もあるんですよ。<9142>九州旅客鉄道と<3547>串カツ田中の株価チャートを見てください。
上の画像は2016年末に上場した<9142>九州旅客鉄道の株価です。公募価格は2,600円、初値は3,100円でした。
初値は公募価格を19%(500円)上回る、上々の滑り出し。
しかしその後さらに上昇を続け、4カ月弱で3,840円まで粘り強く伸びました。
その後九州の災害などで一旦冷却期間を挟みましたが、九州の復興とともに根強い鉄道株人気が再燃し、今後も株価はジワジワ上昇すると予想されています。
これは2016年9月に上場した<3547>串カツ田中のチャートです。公募価格は3,900円、初値は4,425円で、公募価格を13.5%(525円)上回りました。
このように上場後一時的に株価が下落しても、数カ月かけて株価は初値を追い抜き、大きな利益を上げることはよくあります。
「これは将来有望だぞ!」と睨んだら、売らずに長期で保有するのも、実はオススメなんですよ。
- 資金に余裕があり長期投資できる
- NISA※で保有している
- その銘柄のファンなのでずっと応援したいと思っている
少額投資非課税制度のこと。毎年120万円までの投資なら、利益にかかる税金が非課税になるオトクな制度です。
NISAについて詳しい解説は、「NISA(ニーサ)とは?株初心者が知るべきメリットとデメリット」を参考にしてください。
IPOはNISAの口座から購入し、長期的に保有することもできます。
NISA口座から購入すれば全ての利益が丸取りできるんです。利益の20%にも及ぶ税金を節約できるのは嬉しいですね。
IPOの売買は簡単!抽選に外れても利益が期待できるお宝株
そこで抽選で選ばれれば、IPOを購入する権利が与えられるんですよ。
IPOの売り方は基本的に「上場日の寄付(よりつき)で売り注文を出す」だけ。しかし「長期的に保有したい」と思えるような株なら、塩漬け覚悟で売らずに持っておくという選択もアリです。
またIPOに外れた場合でも、諦める必要はありません。上場後セカンダリーマーケットに参入しても、利益が期待できてオススメです。
「どこから食べても美味しい」IPOに、ぜひあなたもチャレンジしてみてくださいね!