赤道直下の国、インドネシアは1万3,466もの島々からなる世界最大の群島国家です。その領域はなんと東西に5,110kmも広がっています。
人口も約2億5,000万人と、中国・インド・アメリカに次ぐ第4位の規模があるのです。
首都ジャカルタにはASEAN本部が設置され、世界中から注目の集まる経済の中心地として発展しています。
ASEANはBRICsに次ぐ成長国として、日本やアメリカを含む世界50カ国からASEAN大使が任命されジャカルタの本部に常駐しています。どの国もインドネシアなど東南アジアの成長に目が離せない様子です。
AKB48姉妹グループとして、国外初となるJKT48がインドネシアで誕生したことでも注目を浴びましたが、日本ではその経済成長率から海外投資先としても人気の高い国なんですよ。
今回は、インドネシア経済と株式投資にお勧めな有望銘柄について紹介しましょう。
中国の次はココ!海外投資家が注目するインドネシア
国名 | インドネシア共和国 |
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首都 | ジャカルタ |
人口 | 約2億6400万人(2017年) |
言語 | インドネシア語 |
日本との時差 | -2時間(ジャカルタ) |
通貨 | ルピア(1000ルピア=約8円) |
インドネシアの1人当たりのGDPは約3,500ドルで、これは世界平均のおよそ40%ととても低い水準です。国民の約半数は1日2ドル以下で生計を立てる貧困層で、数年前の中国に告示。
世界で第4位の人口を有するインドネシアは、2050年に約3億人まで増えると予想されます。インドネシアには中国のように一人っ子政策はなく、15歳未満の人口比率は全体の約26%と、他の国に比べても若年層が多いのが特徴です。
平均年齢は日本の45.4歳や中国の36歳に比べてインドネシアは28.5歳ととても若く、統計的に見ても今後経済が成長できる要素が揃っています。
近年、莫大な人口と安い人件費を武器に大きく成長してきた中国経済。今後は日本と同じように少子高齢化が進み、国内に流通する資金量も減ってくると予想されます。
海外の投資家はこのようなインドネシア経済に好感を持ち、次の投資先として注目を集めていますよ。
2000年以降プラス成長を続けるインドネシアの主な産業
インドネシアは熱帯雨林気候のため、昔から農業が盛んでした。1960年代には米の品種改良事業が強化され、稲作を行う農村が増えた結果、1984年には米の自給率が100%を達成。
米以外の農作物では、カカオやココナッツ、大豆、茶、コーヒー豆、とうもろこし、バナナ、パイナップル、キャッサバ、サトウキビ、天然ゴム、オイルパームなどの栽培が盛ん。
特にオイルパームはプランテーション化が進み、インドネシアの主要輸出品目として力を入れています。
またインドネシアは天然資源にも恵まれ、金や石油、石炭のほか、天然ガス、スズ、銅、ニッケルが採掘できるんです。
日本の援助もあり、ダムやアルミの精錬工場が建設され、インドネシアのニッケル生産量は世界でもトップレベルを誇っています。
工業についてはオランダからの独立後に政府が製鉄、航空機産業、銃器製造に重点をおいて発展させてきました。
しかし政府の汚職が大きな社会問題になり、1997年のアジア通貨危機の発生でインドネシア経済が混乱状態に陥った際に、国際通貨基金(IMF)からの要望により国営企業の民営化が進みました。
リーマンショックで世界中の経済がマイナスの成長率を記録した2009年も、インドネシアは好調な国内消費の影響からプラスで乗り切りました。
その他、近年の成長が目立つ産業としては、ホテルや商業施設などの観光業が挙げられます。
インドネシアを訪れる外国人観光客は年々増加傾向にあり、日本でもリゾート地として人気のあるバリ島は、インドネシアの外貨獲得で大きな役割を果たしているのです。
その一方でインドネシアには、道路や通信などのインフラ整備が遅れているという問題点も。
そのため交通渋滞がインドネシアの経済発展の行方を左右すると言われ、日系企業など海外の企業が参入しにくくなっています。
経済成長のためにも、今後の課題はこうしたインフラ整備に関連する産業に力を入れていくことです。
- 2000年以降、GDPが常にプラス成長
- 観光業が発展中
- インフラ整備が遅れている
インドネシアの有望企業について紹介します
これまでインドネシア経済について説明してきましたが、インドネシアに投資してみようという気になりましたか。
インドネシアは他のASEAN諸国に比べて、成長の伸びしろが多くあることでも投資に向いている国と言えます。
次にインドネシアで投資するのにお勧めな有望企業を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【銀行】バンク マンディリ
1997年のアジア通貨危機後にインドネシア開発銀行、インドネシア輸出入銀行、バンク ダカン ネガラ、バンク ブミ ダヤの4つの銀行が合併してできたインドネシア最大のメガバンクです。
政府持株比率が60%超えの国有銀行ですが、2003年に上場し、個人でも株を購入することができます。
インドネシア国内にある国営銀行4つのうちの1つで、顧客は個人から民間の企業など幅広く対応し、貯蓄口座数は1,310万口座。7カ国1,810の支店ネットワークで、銀行業務以外にも証券や保険、不動産事業を手がけています。
バンク マンディリは2020年までにASEAN上位3行入りを目標に掲げ、国営銀行という利点からも安定した成長が期待できる投資の対象です。
【銀行】バンク ラヤット インドネシア
1895年創業のバンク ラヤット インドネシアは、インドネシアで最も歴史のある国有銀行です。こちらは政府の持株比率が75%で、資産規模では業界2位を誇ります。
同行は中小企業や零細企業、個人には特に低所得者向けのサービスが大きく、イスラム法に基づいたイスラム金融を扱う点が特徴的です。
リース料や配当金など、利子以外の方法で利益を得る金融取り引きのことを言います。イスラム社会では利子の受け渡しを禁止しています。
インドネシア国内では、この分野でほぼ独占状態のため、人口も多いことから大きな収入源を確保し、今後も安定した成長を期待できます。
【日用品】ユニリーバ インドネシア
日本でもシャンプーやボディソープ、洗剤のブランドでお馴染みのユニリーバ。イギリスに本拠地を置くユニリーバは、世界各地に拠点を広げる消費財製造メーカーです。
インドネシアにはオイルパームのプランテーションがあるので、パームオイルが産出できます。ユニリーバはこのパームオイルを利用し、インドネシアを製造拠点として稼働。
インドネシアの人口はこれからも増加傾向にあり、ユニリーバの製品は売上を伸ばしていくのは簡単に予想できます。
株価を見てもここ10年、とても綺麗な右肩上がりを記録している有望企業です。
【道路開発】JASA マルガ
JASA マルガは有料道路の計画、開発、運営、管理、保守を行っているインドネシアの会社です。現在は国内に13の高速道路を運営し、総延長545kmもの有料道路の保守・管理を行っています。
経済の発展から年々自動車保有者も増えてきているので、今後も高速道路の必要性はどんどん増していくでしょう。
同社は高速道路以外にも不動産開発や広告事業なども展開し、将来的に見ても安定したニーズの期待ができる企業だと言えます。
日本でインドネシア株を取り引きできる証券会社
インドネシア株を取り引きできる日本の大手ネット証券会社は、SBI証券と楽天証券です。
SBI証券においては、インドネシアの株式市場へリアルタイム取り引きも可能ですので、日本株と同じように取り引きができます。
SBI証券では31銘柄、楽天証券では69銘柄に取引可能。
どちらも厳選された有望企業ばかりで、先ほど紹介した4社はどちらの証券会社からも取り引きできますよ。
手数料(全て税抜)はどちらの証券会社も約定代金の1%ですが、SBI証券は最低手数料が238,000ルピア(約1,836円)、楽天証券が500円です。
日本株より少々手数料が高いですが、中長期で投資する前提なら大した問題にもならないので、インドネシアに投資を考えている人にはぜひお勧めです。
SBI証券や楽天証券の口座がない人は、ぜひ次の記事を参考に口座開設してみてくださいね。
成長できる要素が全て揃っているインドネシアへの投資
インドネシアの魅力は、やはりその豊かな将来性です。
日本の5倍もある広大な国土に豊かな森林や海洋資源、また日本の約2倍の人口という大きな市場もあるのです。
インドネシアの周りにはタイやマレーシア、シンガポールなど経済成長をサポートし合えるASEANの国々が集まっており、今後発展していく要素が揃っています。
新興国の経済成長スピードは、日本のような先進国に比べとても早いため、日本の株式に投資するよりインドネシアのような新興国に投資をしたほうが株価の上昇も早く大きなものになります。
SBI証券や楽天証券では、日本株と同じようにインドネシア株が簡単に購入できるので、各証券会社のホームページにある取り扱い銘柄を参考に、ぜひインドネシアへの投資を検討してみてくださいね。