ETF(上場投資信託)は日銀(日本銀行)が日本のデフレ脱却を目指すため、量的・質的金融緩和のひとつとして2013年4月に始めました。
ETFは私たちのような一般の人が気軽に買ったり売ったりできる、とても便利で魅力あふれる金融商品なんです。
ETFの魅力は、投資信託と株式投資の両方のメリットを合わせ持っています。
投資信託のように少額の投資資金で本格的な分散投資ができ、さらに株式投資のようにリアルタイムな時価で売買できるのです。
この記事では知っておいて損はない「ETF(上場投資信託)」という金融商品について簡単に解説します。
ETFって最近よく聞くけど一体なに?
ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、「上場投資信託」のことです。
ETFは通常の株式投資とほぼ同じなので、証券会社の口座があればすぐに売買可能です。
指数に連動するETFで効率よく分散投資ができるわけ
ETFにはたくさんの種類があり、それぞれ株価指数※などに連動するように設計されています。
取引所全体や、一定の条件により選ばれた銘柄全体の株価の動きを表した数字のこと。日本の場合は日経平均株価やTOPIXが、アメリカならダウ工業株30種平均が代表的です。
対象国、対象銘柄全体の大まかな動きを読み取ることができる株価指数は、便利な「ものさし」であるといえます。
日本で最もメジャーな株価指数、日経平均株価については「日経平均株価とは?定義や仕組みを徹底解説!」を参考にしてください。
またTOPIXについては「TOPIXとは?日経平均株価の違いと投資戦略」に詳しい解説があります。
そのため1本のETFを買うだけで、その基準となる指数を構成する銘柄すべてに自動的に分散投資しているのと同じなのです。
安定した資産運用のためには分散投資が基本。ETFは自然と分散投資をしてくれる、大変便利な金融商品です。
ETFの豊富な品揃え
日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に連動するETFのほかにも、さまざまなETFがあります。
現在買うことができるETFの種類は次の通りです。
ETFの種類 | 説明 |
---|---|
REIT(不動産投資信託) | 国内は東証REIT、海外は米国RIETや豪州REITに連動するETFが上場しています。 |
コモディティ(先物) | 金、銀、プラチナ、原油、穀物など商品の値動きに連動するよう作られたETFです。低コストで小口投資が可能です。 |
レバレッジ型(ブル型) | 基になる指数(原指数)より2倍大きく値動きをするETF。例えば原指数の値動きが前日比3%ならETF上昇率は6%、というように、通常の指数より2倍の値動きをします。 |
インバース型(ベア型) | 原指数にマイナスの倍率で変動するETF。指数が+3ならインバース型ETFは-3というように、値動きが反比例します。インバース型はマイナス1倍、ダブルインバース型ならマイナス2倍で変動します。 |
ETFは通常の証券口座さえあれば国内株式だけでなく、アメリカ、ロシア、ブラジル、タイ、マレーシアなどの海外株式まで購入できることがメリットです。
わざわざ海外株式口座を開設したり、外国株取引用の口座に投資資金を入金する手間は必要ありません。
さまざまなETFを組み合わせて購入することで、手軽な国際分散投資も可能になります。
ETFと投資信託の主な違いを解説!
「投資信託」とは、テーマに沿ったいくつかの銘柄を組みわせて作った金融商品です。販売会社が投資家から資金を集め、運用会社が投資家の代わりに運用します。
その投資信託を上場させたのがETFです。通常の投資信託とETFの違いを簡単にいうと、上場か非上場の違いだといえます。
投資信託とETFは上場しているかどうかで、取引のルールが違います。下の表にまとめたのでご覧ください。
投資信託(非上場) | ETF(上場) | |
---|---|---|
取引価格 | 基準価額(1日1回算出される一口当たりの値段) | 市場価格(時価) |
取引時間 | 販売会社によって違いがある | 証券取引所が開いている時間 |
購入場所 | 証券会社、銀行、郵便局などの販売会社 | 証券会社 |
購入方法 | 基準価額が分からない状態で購入や換金を行う | リアルタイムな時価で取引できる(成行・指値注文が可能) |
最低投資金額 | 500円~1万円前後 | 2万円以下が主流 |
信用取引 | 不可 | 可 |
取引価格や取引時間、購入方法などに関して、ETFは通常の株式投資の方法と同じです。
それがインヴァスト証券のトライオートETF。
トライオートETFは、世界のETFをプログラムした設定にしたがって自動運用でき、寝ている間でも効率よく資産運用できるのです。
トライオートETFについての詳しい解説は、次の記事を参考にしてください。
また投資信託については、次の記事で詳しく紹介していますよ。
成行・指値注文が可能!希望の値段で売買できる
通常の投資信託に比べてETFのほうが便利な点は、自分の希望する値段で売買できること。
投資信託は、公開されている最新の基準価額は前日のものです。購入を検討する段階で前日の値段を参考に選びます。
その点ETFは、市場価格が数秒ごとに更新されるので「今いくらで取引されているのか」などリアルタイムな情報を受け取れます。
さらに成行・指値注文※など、特殊な注文も活用可能です。
成行注文とは「いくらでもいいから買いたい(売りたい)」と値段を指定しないで入れる注文。指値注文とは「この値段で買いたい(売りたい)」と値段を指定して入れる注文のことです。
成行注文や指値注文について詳しい解説は「指値・成行・逆指値の使い方!」を参考にしてください。
ETFは信用取引できる!信用買い・信用売りで幅広い投資が可能
ETFは、全ての銘柄で信用取引※ができます。
証券会社に信用取引口座を開設すると、手持ちの資金の3倍まで投資を行うことが可能。「買い」だけでなく、市場価格が下落しているとき「売り」から入り、価格が下がった後に買いもどす「信用売り」を行うことができます。
信用取引について詳しいルールは「信用買い、空売りとは?」を参照してください。
ETFの値段が予想に反して下がり始めたときも、持ち株の同数だけ「売り」を入れれば、それ以上の損失を食い止めることもできます。
信用取引は株式投資を行ううえで利用価値が高い制度です。この制度をETFで利用できるのは大きなメリットですね。
インバース型ETFについては、「ダブルインバース(ベア型)ETFは日経平均が下がると利益が2倍」を読んで知識を付けろよ!
ETFのメリットとデメリットとは
投資信託と株式投資の合いの子のようなETF、それだけに二つの良い面を合わせ持つメリットがあります。
ETFのメリットは次の通りです。
- いつでも売買できる
- リアルタイムな価格がすぐに確認できる
- 少額から国際分散投資が可能
- 銘柄によっては1株(1口)から取引きが可能
一方で良いことばかりではありません。ETFの気を付けておきたい注意点についてしっかり把握してから購入を検討しましょう。
ETFのデメリットは次の通りです。
- 上場廃止や繰上償還の恐れがある
- 価格乖離を考えて取引する必要がある
- 手数料や信託報酬が必要になる
ここではETFのデメリットについて詳しく解説します。
ETFのデメリット!上場廃止や繰上償還の恐れ
企業が不祥事を起こしたり負債が重なったりして、「上場廃止」となる場合がありますよね。
ETFも同じように上場廃止※があります。
証券取引所が定める上場廃止基準に該当すると判断された場合、上場が取り消され、一般投資家は取引ができなくなります。
ETFは上場廃止が決定されると、まずは「整理銘柄」に指定されます。
上場廃止を待つだけの整理銘柄になった時点で、たくさんの投資家が「早く株を手放そう」とするため売りが殺到しますから、当然株価は急落します。
整理銘柄の期間は1カ月間、取引所で売買できる最後の期間です。
またETFは投資信託としての側面も持つので、投資信託が繰上償還※になったときのリスクも考慮しなければなりません。
投資信託の信託期間が終了する前に運用を終了すること。信託期間が決まっていないものでも運用を終了することがあり、その場合も繰上償還といいます。
基となる投資信託が繰上償還してなくなってしまうのですから、ETFも当然なくなってしまいます。
繰上償還の理由としては、売買が活況でなく純資産額が増えなかったため、申込者が減少したためなどさまざまです。
ETFのデメリット!価格乖離を考えて取引する
ETFには、投資信託としての「基準価額」と、上場株式としての「市場価格」の二つの価格があることを覚えておきましょう。
市場価格は株式市場の需要と供給の量によって決まるため、投資信託としての価値である「基準価額」と同じように値が推移するとは限りません。
しかしTOPIXの指数自体が高くなっているわけではないので、二つの値の間には差が生まれてしまうのです。
TOPIX連動型上場投資信託について詳しい解説は、「TOPIX連動型上場投資信託とは? 概要と特徴を徹底解説!」を参考にしてください。
例えば市場価格と基準価額が上図のように推移したとしましょう。
市場価格が基準価額を上回っているとき、本来の価値より安い値段で取引されているため「割安(プレミアム)」。一方、市場価格が基準価額を下回っているとき、本来の価値より高い値段で取引されているため「割高(ディスカウント)」です。
ETF業務を行う専門家は、かならずこのディスカウント・プレミアム分析を行います。そのETFが割安かどうかは、投資をする上で大切な判断材料です。
一時の相場の過熱感に惑わされ、勢いでETFを購入すると損をすることになるかもしれません。割安な時をねらって購入したほうが安全だといえます。
ETFのデメリット!手数料や信託報酬が必要になる
ETFは上場株式なので、証券会社の定めた手数料体系に沿って、売買時にその都度手数料が必要になります。
証券会社ごとに手数料は違いがあります。証券会社の手数料比較については「おすすめのネット証券会社比較一覧」を参考にしてください。
投資信託にはノーロード(手数料無料)のものがたくさんありますから、投資信託と比較してデメリットといえるでしょう。
ノーロードについての詳しい解説は「ノーロードとは?ムダな手数料ゼロで購入できる低コストの投資信託」を参考にしてください。
また通常の投資信託よりは安い傾向にありますが、ETFは信託報酬がかかります。
いずれも数十円~百円程度のわずかな金額ですが、わずかな金額でも重なれば大きな金額になってしまいます。
手数料の安い証券会社で口座開設する、また信託報酬の安いETFを購入するなどの工夫をしましょう。
手数料で選ぶならむさし証券トレジャーネット!
ETFを売買するなら、手数料ができるだけ安い証券会社で取引するのが、利益としての取り分を減らさないコツです。
そこで格安手数料を誇る「むさし証券トレジャーネット」で、ETFを売買することをおすすめします。
むさし証券トレジャーネットの手数料表はこちらです。
1回の約定金額 | 手数料(税抜) |
---|---|
10万円まで | 75円 |
20万円まで | 95円 |
50万円まで | 175円 |
ご覧の通り1回の約定代金が10万円までなら75円と、格安の料金となっています。
むさし証券トレジャーネットは、ほかにもお勧めポイントが満載。信用取引金利などのコストも低く、取引ツールも便利でサービスも充実しています。
むさし証券トレジャーネットの顧客対応をしている内田さんに、むさし証券の魅力を突撃インタビューした、「むさし証券にインタビューしました」もぜひチェックしてくださいね!
手数料が安く、大変お得なむさし証券のトレジャーネットの口座をまだ持っていない人は、ぜひこちらから口座開設してみてください。
日経225も無料!auカブコム証券のフリーETF
ETFの売買手数料を一部無料に設定しているのがauカブコム証券です。
フリーETFの対象銘柄になっている商品なら、現物・信用取引に関わらず売買手数料が無料となっています。
対象銘柄 | 連動インデックス |
---|---|
MAXIS JPX日経インデックス400上場投信 | JPX日経インデックス400 |
MAXIS 日経225上場投信 | 日経平均株価(日経225) |
MAXIS トピックス上場投信 | 東証株価指数(TOPIX) |
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 | MSCI Kokusai Index(MSCIコクサイ インデックス) |
SPDR® S&P500® ETF | S&P500 |
ABF汎アジア債券インデックス・ファンド | 「Markit iBoxx ABF汎アジア指数」 |
MAXIS Jリート上場投信 | 東証REIT指数 |
MAXIS JPX日経中小型株指数上場投信 | JPX日経中小型株指数 |
日経平均株価やTOPIXだけでなく、S&P500など海外のインデックスに連動するETFにも投資できます。
そのうえauカブコム証券は自動売買の仕組みが充実しています。W指値注文を活用すれば、時価の上昇と下落両方に対応できるのです。
もし対象8銘柄の購入を検討しているなら、auカブコム証券への口座開設が断然おすすめです。
ETFを購入して日本経済を支える存在になろう!
ETFには国内外問わず、さまざまな種類のETFが百花繚乱の様相です。利用のしやすさや、分かりやすさからこれからもどんどん種類が増えることは間違いないでしょう。
ETFを購入する人が増えれば、柱となっている指数を構成する企業に間接的に投資することにつながります。
あなたの投資は経済を持ち上げ、景気を上げる手助けをすることになるんですよ。
ETFに初めてチャレンジするという人は日本の景気をよくするためにも、まず国内ETFに投資することから始めてみてはいかがでしょうか。