株式投資の信用取引では、預けた保証金の3倍まで取引を行うことができます。
しかし「たった3倍までしか、レバレッジを効かせられないなんてかったるい!リスクを取ってもいいから短期間にガツンと大儲けしたい!」という人もいるでしょう。
そんな人におすすめしたいのが、CFD取引です。
CFD取引なら5~50倍のレバレッジを効かせて取引できるため、少ない資金で億万長者を目指すことだって夢ではありません。
この記事では、CFD取引の対象銘柄や最大レバレッジ、メリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。
CFD取引とは?株式やETF、金や原油などさまざまな銘柄が対象
CFD取引※は株式や株価指数、ETF、先物など、さまざまな資産クラスのなかから自分の好みに会った商品を選ぶことができます。
Contract For Differenceの略。株や債券などの「現物」の受け渡しをしないで、売買の「差額」だけを決済する取引のことで、差金決済取引とも言われます。
しかしCFD取引は、証拠金を預けられた証券会社が仲立ちとなって売買しているので、何度でも同じ銘柄を売買できるんだ!
通常、国内株式や海外株式、先物などは、それぞれ別の口座を作らなければいけませんが、CFD取引ではその必要はありません。
全ての資産クラスを一括で管理できるため、複数の口座に資金を分けなくてもよく、入出金に手間を取られることがないので、「思い立ったらすぐ投資」ができるんですよ。
CFD取引の特徴!ハイレバレッジで大きな取引も可能
差金決済取引の特徴は、レバレッジ※を効かせることができるところ。
小さな力で大きな物を動かすことができる「てこ(レバー)」が語源。証券会社に証拠金を預け、その証拠金の何倍もの大きな取引を行うことです。
CFD取引は対象商品によって、レバレッジの最大倍率が変わります。
対象 | 最大レバレッジ |
---|---|
株式CFD | 5倍 |
株価指数CFD | 10倍 |
商品CFD(金、原油、ガス、穀物など) | 20倍 |
債券CFD | 50倍 |
このように、CFD取引は最大5倍~50倍までレバレッジを効かせた取引が可能なので、少ない資金を効率よく利用し、大きく増やすこともできるんですよ。
FX(外国為替証拠金取引)もCFD取引の一種
実は、「外為(がいため)」と呼ばれているFXも、CFD取引の一種。FXは為替(通貨)を対象にした差金決済取引です。
CFD取引とFXの違いは、次のとおり。
CFD取引 | FX | |
---|---|---|
投資対象 | 株式・株価指数・先物など多彩 | 為替(通貨)のみ |
レバレッジ | 最大5~50倍 商品により違いがある |
最大25倍 |
取引時間 | 銘柄により違いがある | 24時間 |
金利 | オーバーナイト金利 買い→金利を支払う 売り→金利を受け取る |
スワップ金利 買い→金利を受け取る 売り→金利を支払う |
どちらも株の信用取引と同じように、「買い(ロング)」だけでなく「売り(ショート)」から入ることができます。
しかし注意しなければならないポイントは、CFD取引には「オーバーナイト金利※」が、FXには「スワップ金利」がかかるところです。
CFD取引においてポジションを翌日まで持ち越すことで発生する金利です。商品が帰属する国の政策金利と、CFDを提供している証券会社が提示する金利を合わせた金額のこと。
「買いポジション」だと金利を支払う必要があり、「売りポジション」だと金利を受け取ることができます。またレバレッジを5倍かけていれば、金利も5乗します。
CFD取引とFXでは金利の仕組みが違うため、金利を「受け取る」場合と「支払う」場合の売買ポジションが逆になるので注意しましょう。
CFD取引のメリット!外国株式を空売りしてリスクヘッジにも利用
CFD取引のメリットは、次の8つです。
- 少ない資金で大きな取引ができる
- 買いからも売りからも取引できる
- 手数料が無料で取引できる
- 外国株も手軽に売買できる
- リスクヘッジとして利用できる
- 配当金や分配金ももらえる
- 金利調整額をもらえる
- 逆日歩がない
それぞれ詳しく解説します。
CFD取引は少ない資金で大きな取引ができる
CFD取引はレバレッジをかけられるため、証拠金の何倍もの大きな取引をすることができます。
またCFD取引の投資対象であるETF(上場投資信託)のなかには、レバレッジETF※もあります。
基準となる原指数の、おおよそ2倍の値動きをするETFのことで、ブル型ETFとも呼ばれています。
レバレッジETFについて詳しい解説は「日経レバレッジETF<1570>とは!人気のETFの仕組みと特徴」を参考にしてください。
レバレッジETFは値動きが大きいことが特徴。このようなレバレッジETFを原資産としたCFDを購入し、レバレッジを効かせた取引をすれば、さらに大きな利益を得られる可能性があります。
レバレッジをかけたり大きな値動きの金融商品を買ったりと、大きなリスクを負うのが怖いという人でも安心して取引できます。
CFD取引は「買い」からも「売り」からも始められる
CFD取引は「買い(ロング)」だけでなく、「売り(ショート)」からも取引が始められます。
そのため相場が下がっているときでも、利益を出すことができるんですよ。
株の空売りについては「信用買い、空売りとは?」で解説しているぞ。
CFD取引は手数料が無料で取引できる
CFDを取扱っている証券会社は、ほとんどが手数料無料です。余計な費用がかからず、手数料の心配をしなくていいところがメリット。
その一方で日付をまたぐと必要になる「オーバーナイト金利」がかかるので注意しましょう。
CFD取引は外国株も手軽に売買できる
CFD取引は、海外の株式も気軽に取引できます。
例えばアメリカ株を現物で買うと、手数料が最低でも税抜5米ドル(日本円で約500円程度)必要になりますが、CFD取引で購入すれば無料です。
CFD取引は外国株のリスクヘッジとして利用できる
現物取引で海外の株式は「空売り」することができません。そのためアメリカの代表的な株価指数であるNYダウが豪快に下げていても、指をくわえて見ているしかありませんでした。
NYダウについては「NYダウとは?」に詳しい解説があります。
しかしCFD取引なら、海外の株式でも「売り」から始められるというメリットがあります。
そのため、現物で海外の株式を持っている人は「株が下がりそうだ」と予想すると、代わりにCFD取引で同じ株を空売りし、下落のリスクヘッジとして利用する人も多いんですよ。
このような「空売りができない銘柄」でも売りから始めることができるので、CFD取引は便利です。
CFD取引は配当金や分配金も受け取ることができる
配当金や分配金のことを、CFD取引では「権利調整額」といいます。
CFD取引をする人も株式投資と同様、その銘柄の権利付き最終日がいつなのか、しっかり把握しておきましょう。
CFD取引では「売る」と金利調整額をもらえる
通常の株の信用取引では、空売りすると売方金利として貸株料がかかります。
しかしCFD取引では、売りポジションを翌日まで持ち越すと逆に金利を受け取ることができます。
CFD取引には「逆日歩(ぎゃくひぶ)」がない
信用取引をする投資家に最も恐れられている存在は、「逆日歩※」です。
信用取引で「売り」が増大し貸株超過(株不足)になると、その銘柄の株を持っている株主から株を借りることになります。そのとき投資家が負担する品貸料のことです。
想定外のコストが突然発生することになるのでは困りものです。
しかしCFD取引では、現物の受け渡しを行わないため「株不足」になる心配もなく、当然逆日歩もありません。
CFD取引にはデメリットもあり!大きすぎるレバレッジで損失も拡大
CFD取引の主なデメリットは、次の6つです。
- レバレッジをかけるとリスクも大きくなる
- 追証の恐れがある
- スプレッドがある
- 権利調整額を支払わなければならない
- 金利調整額を支払わなければならない
- CFD取引口座を作る必要がある
ここではCFD取引のデメリットについて解説します。
ハイレバレッジはハイリスク・ハイリターン
リスクとリターンは表裏一体です。ハイリターンなのにローリスクな投資方法は基本的にありえません。
CFD取引で高いレバレッジを効かせて取引をしていると、予想と反対の値動きをしたときの傷も深く、損失が大きくなることを肝に銘じましょう。
CFD取引の初心者は、レバレッジは控えめにするのがおすすめです。
CFD取引で追証(おいしょう)の恐れが
CFD取引は追証※(追加証拠金)が必要になる場合があります。
口座の時価評価総額(持っている商品の評価額)が必要証拠金を下回ってしまった場合、不足分を追加で入金すること。
追加証拠金が入金されず追証が解消されないと、口座の全建玉が強制決済されることになります。
そのようなことにならないためにも、保証金維持率がしたまわる危険がないか常に注意する必要があります。
CFD取引には「スプレッド」がある
CFD取引では「同じ商品」を「同じ時間」に取引しても、「同じ金額」で売買できるわけではありません。
売り方(BID)と買い方(ASK)の値段がわずかに違うことがわかりますね。このような差額のことを「スプレッド」と呼んでいます。
スプレッドは各証券会社によっても、商品ごとによって違いがあります。
頻繁な売買でこまかく利益を取るなら、できるだけスプレッドが狭い証券会社や商品を選んだほうがいいでしょう。
売りポジションでは「権利調整額」を支払わなければならない
買いポジションで建玉を持っている場合、権利調整額(配当金や分配金)をもらえることは、さきほど説明しました。
しかし裏を返せば、売りポジションでは(反対に)権利調整額を支払わなければなりません。
株の信用取引でも権利付き最終日に株を売建てていると、配当金などを払わなければなりませんので、ルールとしては同じですね。
CFD取引の株式CFDやETFを売建てている場合、配当金や分配金が発生する権利付き最終日をしっかり把握しておきましょう。
買いポジションで必要になるオーバーナイト金利
金利調整額(オーバーナイト金利)はCFD取引で翌日までポジションを持ち越したときに必要になる金利です。
売りポジションだと受け取ることができますが、買いポジションだと払う必要があります。
CFD取引口座を作る必要がある
CFD取引は通常の証券口座から取引することができません。
CFD取引を取扱っている証券会社にCFD取引の口座を作り、そこから取引する必要があります。
CFD取引にもオススメのSBI証券の口座はこちらから開設できますよ。
夢は億(おく)り人!相場の流れをつかみCFDで大きく儲けよう
CFD取引は少ない資金でも短期間で大きく儲けられるチャンスがあり、「売り」から取引を始めることができるので、投資戦略の幅が広がるというメリットがあります。
その一方、レバレッジをかけすぎると大きな損害を被るリスクも高くなることを忘れないようにしましょう。
また自分が持っているポジションによって金利を支払う必要があるのか、受け取ることができるのかが違いましたね。複雑なルールをマスターしておくことが、CFD取引を行う上で最低条件です。
億万長者の扉はすぐそこです!CFD取引のルールをマスターし、相場の流れをつかむことであなたにもそのチャンスが巡ってくるかもしれませんよ。