※バブル崩壊をマンガ動画で知りたいという方はコチラの動画をご覧ください。
バブル景気・バブル経済という言葉を、一度は聞いたことがありますよね。
土地や株式の資産価値が、投資により経済成長を超えるペースで高騰し、実際の経済状況から乖離。その様子が中身のなく膨らんだ泡(バブル)に似ていることから、「バブル景気・バブル経済」と呼ばれています。
1986年から始まった日本のバブル景気。5年後にバブルが弾け、急速に景気が後退したことをバブル崩壊といいます。
バブル崩壊の原因は、実体以上に高騰した地価や株価を引き下げるために、日本銀行が金融引き締め策を行ったことです。
バブル景気が崩壊した本当の原因は、その発生にあります。
日本のバブル崩壊をしっかりと理解するためは、原因を知ることが重要です。この記事ではバブル景気の到来から、バブル崩壊後まで説明します。
バブル景気到来から崩壊までの大まかな流れ
バブル景気当時は、国全体が浮かれているような時代でした。当時のエピソードは、バブル景気の到来から30年以上経った現在でも、よく振り返られます。
バブル景気は何がきっかけで生まれ、どのように膨らみ、どうして崩壊したのか、大まかな流れをまとめてみました。
年代 | 出来事 |
---|---|
1985年 | プラザ合意の後、円高が進行。 |
1987年 | 公定歩合を2.5%に引き下げ、バブル景気に。 |
1990年 | 3月末に総量規制が導入、8月末に公定歩合を6%に引き上げ。 |
1991年 | 地価や株価の暴落し、バブル崩壊。 |
それでは次の項目から、詳しく見ていきましょう。
バブル景気のきっかけは?土地神話による地価の暴騰
バブル景気は、日本における過去最大の好景気でした。始まりは、アメリカとの間に生じた貿易摩擦です。
1980年代前半、日本は円安の影響を受けて輸出産業が伸び、大幅な貿易黒字国となっていました。一方アメリカは、自国製品の売上が低迷し、景気悪化が深刻に。
アメリカの景気を改善するために行われた「プラザ合意」により、日本が円高不況に陥ります。その不況を改善するために、大幅な金融政策をして「バブル景気」が生まれたのです。
プラザ合意でドル高不況を改善!日本への影響とは
1985年、アメリカは貿易赤字による景気悪化を解消するため、ニューヨークにG5(アメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・日本)を招きました。
会談で各国がドル高を是正することに合意し、アメリカは景気悪化を乗り越えることに成功。
この合意は、会談が行われた場所がニューヨークのプラザホテルだったことに由来し、「プラザ合意」という名称で知られています。
ドル高不況が改善されたことで、プラザ合意発表前は1ドル=235円だったレートが1日で20円下落。1年後には1ドル150円台にまで円高が進行しました。その結果、輸出産業は大きな打撃を受け、円高不況に陥ったのです。
円高不況への対策!公定歩合の引き下げで経済を回す
日本銀行は公定歩合※を引き下げることで、円高を解消しようとしました。
日本銀行が民間銀行に貸付を行う際、適用される金利のことです。これを低く設定すれば民間銀行の金利も下がり、反対に高く設定すれば民間銀行の金利は上がります。
公定歩合の引き下げにより、企業や個人が融資を受けやすくなりました。そして融資を受けた企業は設備投資を行い、新たに工場を作ることに踏み出したのです。
工場を作るために必要なのが「土地」。工場を作りたい企業が多かったため、地価はどんどん釣り上がりました。
結果、設備増加や新しく事業を展開せずとも、土地に投資するだけで利益が得られるように。
土地に投資したのは、企業だけではありません。経済を回すために、銀行はより多くの融資を行う必要があり、個人までもが土地を担保に融資を受けたのです。
借りたお金で新しい土地を次々と購入する方法は、「財テク」と呼ばれ、大流行しました。
土地神話を疑いもせず、土地への投資を行う企業や個人が続出し、地価は暴騰しました。
東京都の平均地価は、1985年には1平米約30万円でしたが、3年後の1988年には約89万円と3倍近く上昇。
また銀行から融資を受けやすかったため、株式投資に手を出す人が急増。株式市場はどんどん活発化し、株価も高騰したのです。
こうして、土地や株式への投資により利益を得た企業、個人は消費活動も拡大。バブル景気が到来しました。
バブル景気が崩壊した理由は?とめどなく過熱した景気に終止符
バブル時代のエピソードを振り返ると、今では信じられないような話も多く耳にします。
「学生でもゴールドカードを持っていた」「女性はいつも高級レストランを奢ってもらえた」「給料が毎年100万円ずつ上がった」といった話もあり、誰もが羨むほどの好景気だったのです。
バブル崩壊!金融引き締め政策で地価や株価が大暴落
1986年から続いたバブル景気により、地価や株価は高騰し続けました。しかしそれは本来の価値に、まったく見合わない価格です。
地価や株価の異常な高騰を抑えるため、政府や日本銀行は1990年に金融政策を行いました。
総量規制という金融政策で、「土地を買う目的での融資額を減らせ」という内容の行政指導を金融機関に実施。さらに公定歩合は2.5%から6%台まで引き上げられ、融資を受けることが困難になったのです。
1991年には、所有している土地に応じて課税される「地価税法」も施行され、土地神話は崩壊しました。
土地や株は一気に売却され、地価や株価は大暴落。買い手が付かなくなったことで、資金を借りていた企業の多くが倒産したことで返済が滞り、不良債権※により銀行の経営も悪化しました。
融資先の企業が経営悪化や倒産に陥ったために、回収困難になったお金のことです。
これらの金融政策は、過熱した資産価格の高騰を抑えるために行ったものでした。しかし予想をはるかに超えた急激な景気後退、バブル崩壊を招いたのです。
バブル崩壊後の日本経済!失われた20年に突入
バブル崩壊後の日本では、銀行の経営悪化により優良企業でも融資を受けられず、ボーナスの減少やリストラが相次ぎました。また住宅ローンを支払えず、マイホームさえ手放すことになった人も。
1998年、日本銀行はバブル崩壊による経済状況の悪化への対策を講じました。金利を史上最低の0.15%とする「ゼロ金利政策」です。
2001年に日本銀行は、国債の買い取りにより資金の流通量を増やす「量的緩和」を行いました。
しかしアメリカのITバブル崩壊※の影響で、2000年から2003年にかけて日本も不景気に。
1990年代にアメリカで起きた、ITビジネスの発展による好景気が、2000年に崩壊したこと。日本にもITバブル崩壊の影響は及びました。
ITバブルについて詳しく知りたい人は「ITバブルとはなんだったのか?崩壊の原因と日本のIT株への影響」を読んでくださいね。
量的緩和は景気回復に効果があった、と当時の日銀総裁が述べたものの、実質GDPや賃金に反映されなかったことから「実感なき景気回復」と呼ばれます。
さらに2008年に起きたリーマンショック※で景気は再び悪化。2013年に行われた金融緩和政策により、ようやく景気は回復に向かいました。
2008年9月、大手投資会社リーマン・ブラザーズが経営破たんしたことで起きた、世界的な経済危機のことです。
リーマンショックについては「リーマンショックの本当の原因とは?日本への影響を簡単に解説します」で詳しく解説しているので参照してくださいね。
バブル崩壊から20年以上にわたり景気が低迷した期間は「失われた20年」と呼ばれます。
2013年以降はGDPも右肩上がりに成長しており、景気が安定してきたという実感がありますよね。
バブル崩壊のような大暴落に備えよう!経済危機で大損しない方法とは
バブル崩壊以降も、2001年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックと10年に1度のペースで大規模な経済危機が起こっています。
2020年の東京オリンピックまで景気は堅調と言われていますが、いつまた同じような大暴落が起きるかは定かではありません。次に起こる経済危機を意識し、自らの資産を守る知恵を持っておくことが大切ですよ。
株価が暴落しているときに、資産を増やす方法として有効なのは「信用取引」です。
経済危機による暴落が落ち着き、株価上昇を確認したら買い戻すことで大損を回避できます。信用取引について、詳しくは次の記事を参考にしてください。
信用取引は松井証券がおすすめ!信用取引サービスが充実
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バブル崩壊の歴史に学び、今後の投資に備えよう
この記事ではバブル景気到来からバブル崩壊、その後の日本経済を説明しました。
円高不況を解消するため施行された金融緩和策より、土地や株式への投資が拡大。当時の日本はこの好景気に浮かれて消費活動が活発化し、バブル景気を迎えました。
しかし日本銀行は、投資により膨れ上がった実体のない経済を懸念し、金融引き締め策を施行。これによりバブルは崩壊し、日本は「失われた20年」に突入します。
バブル崩壊という出来事は、バブル景気到来からの全体像を見ることでしっかりと理解できます。
日本のバブル崩壊という歴史を学び、今後訪れることが懸念されている中国バブルの崩壊や新たなバブル景気の到来に備えておきましょう。