資産運用は将来に向けて大切だとわかっていても、何をしたらいいのかわからない、という人は多いのではないでしょうか?
元本が保証されている定期預金は、利回りがよくても0.1%~0.2%という低金利時代。
これから先物価が上がるにつれて、預金だけで回していてはお金の価値は下がっていってしまいます。
公的年金は引き下げられる傾向にあり、私たちが高齢者となってからどのくらいの金額を受給できるかわかりません。
将来の生活に困らないためにも、今、資産運用を始める必要があるのです。
この記事では、少額で安全に資産運用する方法をわかりやすく紹介します。
株や投資についての知識があまりない資産運用の初心者の方もぜひ参考にしてくださいね。
優良株に投資すれば資産10倍も夢じゃない!?
株式投資は資産を増やす1つの方法。優良株に投資すれば資産を何倍にも増やすことができます。
もし30年前、<7203>トヨタ自動車の将来性を見抜き、長期投資していたら、現在の資産はどうなっているでしょうか?
約100万円の資産は30年間で700万円以上(7.66倍)に増えた計算になります。
将来の業績に期待できる企業に投資するだけで、資産をここまで増やすことができるのです。
しかしこれは当時の日本が円安の波に乗り、輸出企業の筆頭として利益を上げていたトヨタ自動車だからできたこと。
投資をした会社が、業績不振に陥り株価が急落、資産も目減りしてしまった、という事態も起こらないわけではありません。
投資をするときは、どこに投資すれば安全なのかを考える必要があるのです。
ダイヤの原石を探せ!発展途上国には将来有望な株がゴロゴロ
投資という形で資産形成を行うなら、まず「これから伸びしろが期待される割安な投資先」に投資することが一番重要なポイント。
現在すでに十分に株価が上がってしまった、先進国の大手企業などに今から投資しても遅すぎる理由はここにあります。
そこで今注目を集めているのが、発展途上国や新興国の株なのです。
特にアジアやインド、南米は、現在進行形で株価が右肩上がりに上昇中。
人口も多く、豊富な労働力に恵まれているので、当分の間は安定上昇すると言われています。
ちょうど日本が高度経済成長といわれていた時代と似ている、といえばイメージがわきやすいですね。
現在の発展途上国から、将来のトヨタ自動車やファーストリテイリング(ユニクロ)のような大型株が生まれるかもしれません。
しかし個人投資家は外国株を買いにくいという問題があります。
現地の言葉がよくわからなければ、どの銘柄が将来有望なのかも判断できません。
こんな問題を一発で解決してくれるのが、投資信託(ファンド)という運用手段なのです。
投資信託について、次から説明していきます。
資産運用におすすめなのは投資信託!リスクが少ない安心の運用方法
外国語を理解できないと、外国株を買うには勇気がいりますよね。
ましてや成長過程にある外国株は、アジアやインド、アフリカなどの発展途上国や新興国の株。
外国語を理解できない状態では、その国の会社がどんな運用実績なのかも判断できません。
しかし投資信託なら、銘柄選びを一からする必要がなく、運用をプロに任せられるというメリットがあるのです。
そこで投資信託とは何かをよく知らない株の初心者の方に、まずは投資信託とは何か、また投資信託のメリットとデメリットについて簡単にわかりやすく解説します。
投資信託とは?投資信託のメリット
投資信託とは、一般投資家から集めた資金を、資産運用のプロがまとめて株式や債券、不動産などに投資し、得た利益を投資家に還元するしくみです。
投資信託のメリットは4つあります。
- プロに任せられるから投資の知識がなくても安心
- 資金が少なくても少額から始められる
- 成長性のある発展途上国の投資信託も豊富に取り扱いがある
- アセットアロケーション(分散投資)やリアロケーション(再配分)もお任せできる
詳しくは、次の記事も参考にしてくださいね。
外国株も安心!投資のプロに一括して管理を委託
投資信託の大きなメリットは投資のプロに運用を任せられることです。
そのため外国株や発展途上国への投資も、気軽に行うことができます。外国語がよくわからなくても、おまかせで最適な分散投資をしてくれるので安心ですね。
とはいえ、全てを運用会社に任せきりにしてもいいというわけではありません。投資信託の中身を確認し、どんな投資信託なのかを把握する必要があります。
投資信託の目論見書(もくろみしょ)には、どんな内容の投資信託か詳しい説明が書いてありますので、購入するまえに目論見書に必ず目を通しましょう。
投資信託のメリット!少ない資金を有効活用する「積み立て型投信」
投資信託の大きなメリットの一つに、まとまった資金がなくても投資できるという利点が挙げられます。
積立型の投資信託なら100円から購入可。毎月の負担が少ないので、気軽に行うことができます。
アセットアロケーションやリアロケーションもおまかせ
アセットアロケーション(分散投資)やリアロケーション(再分配投資)と聞くと、少し難しそうに聞こえますが、そんなに難しいことではありません。
つまり投資信託では、銘柄を組み合わせて自分で投資先を考えなくてもよいという利点がある、ということです。
また資産に偏りが出てきた場合でも、勝手に投資先の配分を最適な基準に戻してくれるので、初心者には安心度が高いですね。
投資信託のデメリット!元本保証がないことに注意しよう
メリットがあれば、必ずデメリットもあります。投資信託のデメリットもしっかり確認しておきましょう。
- 株価の上下変動で運用損が出る場合がある
- 手数料などが高い投資信託を選ぶと利益が減ってしまう
株や債券、不動産などは価格が上下変動します。
これらの金融資産を組み込んでいる投資信託も、当然、価格は上下するもの。
タイミングを合わせて売買すれば利益が出ますが、うまくいかないと投資信託の損が出ることもあります。
安く買って高く売る!投資信託も基本は株式投資と同じ
投資信託(ファンド)の内容を紹介するページでは、運用パフォーマンスを表すチャートを見ることが可能です。
そのチャートを見れば、投資信託の運用状況が把握できます。運用状況を参考に、タイミングを見て投資信託を購入するのがよいでしょう。
投資信託でも株式投資と同じで、底値で投資信託を購入し、もっともパフォーマンスが上がったところで売却することが理想。
ところが高値で投資信託を購入してしまうと、だんだんと右肩下がりにパフォーマンスが落ちていくので、運用損が膨らんでいってしまいます。
積立型の投資信託では、ドルコスト平均法※で「いつから投資信託を始めてもリスクが少ない」というイメージがありますが、下げ相場ではそうもいきません。
積立型投資信託などを購入する際、毎月一定額を投資する方法。株価が高いときは口数を少なく、株価が安いときは口数を多く購入することになります。
いつから始めても平均的な価格帯で投資でき、一時的な相場変動に左右されることが少ないです。
しかし下がる一方の相場では、効果的なリスク回避方法とはならないのが現実です。
リスクが少ないと言われる投資信託にも、元本割れのリスクが有ることはしっかり意識しておきましょう。
なるべくリスクを回避するためには、自分の買った投資信託を定期的に見直すことが必要です。
半年、一年ごとにファンドの運用状況を見直し、損失が膨らんでいるなら、一度売却を視野に入れ、検討しましょう。
いつかは利益が出るはず、と売却しないでいるとさらに損失を膨らませてしまうこともあります。
投資信託のしくみについて、もっと詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
余分な費用を抑えるためにノーロードを選ぼう!
投資信託を購入する際、どうしても負担になるのは購入手数料です。
特に定期的に投資信託を積み立てる場合、毎回購入手数料がかかっていては、コストがかさむ一方。
利益が出ても、コストがかかりすぎては意味がありません。
できるだけノーロード(購入手数料無料)の投資信託をおすすめします。
投資信託の種類や証券会社によって、その他運用管理費などの費用がかかる場合もあります。購入前にはかならず目論見書を読んで確認しておきましょう。
ノーロードの投資信託については、次の記事を参考にしてください。
NISAで投資信託を購入すれば税金がかからない
NISA(少額投資非課税制度)を知っていますか?
120万円までの投資なら、運用益や配当金にかかる税金が最長5年間は免除される、投資家にはとてもうれしい制度です。
運用益や配当金にかかる税金は約20%。NISA口座から投資信託を購入すれば節税になり、結果として利益が増えるということになります。
NISAについては、次の記事を読んでみてくださいね。
ただ、資金に余裕があるなら、口数を増やして投資したほうがリターンも増える。自分の余裕資金を考慮した上で金額は決めるといいぞ!
外国株の成長性は期待大!これから上がるおすすめの投資信託5本
この章では、伸びしろのある外国株を組み込んだ、おすすめの投資信託を紹介します。
世界の財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)
財産を「不動産、現金、株式」の3つの資産に分け、運用することを「財産3分法」といいます。分散投資をすることで安定性、流動性、収益性を保ちつつ資産形成できるのです。
このファンドでは国内外の株式や債券、海外の株式や債券、国内外のREITをバランスよく組み入れているので、できるだけリスクを抑えて資産運用することが期待できます。
タイプ | バランス型 毎月分配型 |
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投資地域 | グローバル(日本含む) |
リターン(3年) | +3.21% |
購入手数料 | なし |
購入窓口となる証券会社 | SBI証券 楽天証券 SMBC日興証券 マネックス証券 auカブコム証券 松井証券 |
三菱UFJ国際-eMAXISバランス(8資産均等型)
国内外の株式、公社債、不動産投資信託証券市場の値動きに連動するよう、作られたファンドです。
先進国や新興国を含み、国内外株式、債券、不動産を基本投資割合12.5%ずつ均等に組み入れ、リスク回避を行います。堅実な資産形成におすすめ。
タイプ | バランス型 |
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投資地域 | グローバル(日本含む) |
リターン(3年) | +4.39% |
購入手数料 | なし |
購入窓口となる証券会社 | SBI証券 楽天証券 SMBC日興証券 マネックス証券 auカブコム証券 松井証券 |
GS-GS新成長国債券ファンド(愛称:花ボンド)
新成長国(ブラジル、インド、メキシコなど)の中から、成長過程にあると判断される国を選んだファンドです。ゴールドマンサックスグループが資産運用を行う、米ドル建ての債券で構成されます。
米ドル建てであるため、米国の金利変動の影響を強く受けるというリスクもありますが、その分リスクに応じた高い利回りが魅力のファンドです。
タイプ | 新興国債券 |
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投資地域 | エマージング(新興国市場) |
リターン(3年) | 3.37% |
購入手数料 | なし |
購入窓口となる証券会社 | SBI証券 楽天証券 SMBC日興証券 マネックス証券 松井証券 |
HSBC新BRICsファンド
BRICsとはブラジル、ロシア、インド、中国の4か国のこと。
このファンドでは経済成長がめざましいこの4か国の株式に投資します。
タイプ | 新興国株式 |
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投資地域 | 国債株式・エマージング(新興国市場) |
リターン(3年) | +15.78% |
購入手数料 | なし |
購入窓口となる証券会社 | SBI証券 楽天証券 SMBC日興証券 マネックス証券 auカブコム証券 |
日興アッシュモア新興国財産3分法ファンド毎月分配型(ブラジルレアルコース)
成長著しい新興国の社債、株式、不動産に投資を行うファンド。
日興アッシュモア新興国財産3分法ファンドには、ブラジルレアルコースのほかに、インドルピーコース、中国元コース、ネクストBRICs通貨コースがあります。
タイプ | バランス型 |
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投資地域 | ブラジル |
リターン(3年) | +9.23% |
購入手数料 | 購入時の基準価額に対し3.5%(税抜) |
購入窓口となる証券会社 | SBI証券 楽天証券 SMBC日興証券 |
※2019年6月のデータを基にして作成しています。投資信託の内容は予告なく変更になる場合があります。投資信託の詳細は、証券会社の目論見書を確認してください。
将来の資産はどれくらい?具体的にシミュレーションしてみよう
どれくらいの金額を積み立てると、どれくらいの資産になるのか、具体的な金額が気になるところですね。
そこで簡単なシミュレーションをしてみましょう。一般的なリターン率2%の投資信託を購入していた場合、毎月積立額1万円の場合を例にとって表にしてみました。
積立期間 | 積立金額毎月1万円 | 運用収益 |
---|---|---|
1年 | 121,106円 | 1,106円 |
10年 | 1,327,197円 | 127,197円 |
30年 | 4,927,254円 | 1,327,254円 |
運用収益のシミュレーションは「楽天証券の積立簡単シミュレーション」を参考に作成しています。
このように、毎月少額の積立でも、積立期間が長くなるとトータルではかなり高額になることがわかりますね。
定期預金で2%の利子が付く金融機関は、現在存在しません。リスクもできるだけ抑えつつ、預貯金より高いリターンが狙えるのは投資信託ならではなのです。
とはいえ、購入したファンドの状況について確認するのは重要。
定期的に資産の増減をチェックしましょう。
株価には上下変動があるので、一時的な損失が出ることもあります。
一時的な価格の落ち込みであると思えばファンドをそのまま持ち続けるのも1つの手。
しかし著しく元本が目減りしている場合や、長期的にみて運用パフォーマンスが下がっている場合は、売却を検討する必要があります。
例えば松井証券ではロボアドバイザー「投信工房」が、銘柄選びのアドバイスをくれるんだ。
口座を開いていれば無料で使えるから、利用してみるといい。
老後のための個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で節税対策も!
2017年から確定拠出年金(iDeCo)制度が拡大されました。
今まで加入できなかった一部の会社員、公務員、主婦などもiDeCoに加入できるようになったのです。
確定拠出年金制度とは、加入者が月々定額を積み立て、その資金を自分で運用しながら老後に備える公的制度。
確定拠出年金制度で得た運用益は非課税になり、所得税や住民税から控除されるので、節税対策にもなります。
ただし、老後のための資金作りが目的なので、運用益などは原則60歳まで引き出すことはできません。
また加入時期によっては60歳では受給できない場合もあるので注意が必要です。
確定拠出年金に興味のある方は、証券会社に資料請求をしてみてくださいね。
詳しくは勤務先に問い合わせてみるといい。
iDeCoについて詳しくは「【個人型確定拠出年金】iDeCo(イデコ)とは!メリットとデメリットを紹介」の記事も参考にしてください。
始めるなら今でしょ!早ければ早いほどいい資産運用の必要性
投資信託はプロに運用を任せられて大変便利。
少額から積立ができるので、初心者にも始めやすい資産運用方法です。
おすすめの投資信託も紹介しましたので、伸びしろのある外国株・新興国株に投資をしたい人はぜひ参考にしてください。
老後資金を貯めるためには、個人型確定拠出年金(iDeCo)も活用できます。公務員や主婦でも加入できますよ。
将来の生活に困らないように、資産運用の方法を検討してみてくださいね。