どの証券会社に口座を作るか決めたら、口座開設手続きが必要です。
ネット証券の口座開設方法は、どの証券会社でも意外なほど簡単です。しかし申込から口座開設・取引開始までに1週間ほどかかるところが多いので、投資チャンスを逃さないように、早めに手続きする必要があります。
主要ネット証券5社の口座開設方法、口座開設までの期間や、気になる口座開設の基準・審査についてご説明します。
主要ネット証券の口座開設にかかる最短日数と必要書類
まずは証券口座の開設の流れと、開設までにかかる時間についてご説明します。
ネット証券各社は手続き方法に多少に違いはありますが、どこも手順はよく似ていて、しかも簡単です。本人確認書類をネットで送信できる証券会社もあり、書類のコピーをとる必要もないので手軽ですよ。
主要ネット証券5社の口座開設の流れと開設までの時間
主要ネット証券5社のWEB申込方法と口座開設までにかかる時間(最短)をまとめました。すごく簡単で早いですよね!
証券会社 | 手続き方法 | 取引開始まで(最短) |
---|---|---|
SBI証券 | (1)口座開設申込みフォームで必要事項を入力、マイナンバーと本人確認書類をWEBでアップロード (2)ログイン (3)本人確認書類等の返送 |
翌営業日から |
楽天証券 | (1)WEBで総合取引口座等申込書を入力する (2)初期設定を入力 (3)マイナンバー・本人確認書類をアップロード (4)ログイン情報のお知らせ(取引に必要なID、パスワード)が届く |
2日 |
マネックス証券 | (1)WEBサイトから申込フォームに入力 (2)運転免許証とマイナンバーのアップロード (3)口座開設完了通知(取引に必要なID、パスワード)が届く |
3日 |
松井証券 | (1)WEBサイトから書類をダウンロードし、マイナンバーと本人確認書類を郵送 (2)口座開設手続完了の案内(取引に必要なID、パスワード)が届く |
4日 |
マネックス証券と松井証券では、
(2)必要書類が届く
(3)必要事項を記入し、マイナンバーと本人確認書類を添えて返送
(4)口座開設手続完了の案内(取引に必要なID、パスワード)が届く
という方法も用意しています。この方法だと証券会社からの口座開設キット(申込書類)を待つので、時間がかかります。
確定申告が不要になったり、確定申告に必要になる書類を証券会社が作成してくれたりする便利な口座です。
主要ネット証券を比較すると、最も口座開設までの期間が早いのは「SBI証券」です。
SBI証券はWEBでマイナンバーや本人確認書類をアップロードすれば、最短で翌営業日から取引可能になるんですよ。
必要書類を準備!マイナンバーと本人確認書類、本人名義の銀行口座
証券口座を作るには、マイナンバー※が必要です。
マイナンバーの通知を目的に郵送されるマイナンバー通知カードと、お住まいの自治体に申請後、交付されるプラスチック製のマイナンバーカードがあります。
証券口座の開設にはどちらのカードでも利用できますが、マイナンバー通知カードを使う場合は、それに加えて本人確認書類が必要になります。
必要な本人確認書類は、証券会社によって違いがあります。必要書類は次のとおりです。
SBI証券 | 運転免許証、住民票の写し(発行6ヶ月以内)、住民票の記載事項証明書(発行6ヶ月以内)、年金手帳、健康保険証、印鑑証明書(発行6ヶ月以内)、在留カード、特別永住者証明書のいずれか |
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楽天証券 | 運転免許証、住民票の写し(発行6ヶ月以内)、健康保険証、住民基本台帳カード、印鑑登録証明書(発行6ヶ月以内)、在留カード、特別永住者証明書のいずれか |
マネックス証券 | 運転免許証、住民票の写し(発行6ヶ月以内)、住民票の記載事項証明書(発行6ヶ月以内)、印鑑登録証明書(発行6ヶ月以内)、健康保険証、年金手帳、住民基本台帳カード、福祉手帳、医療受給者証、医療手帳、日本国旅券(パスポート)、在留カード、特別永住者証明書のいずれか |
松井証券 | 運転免許証、住民票の写し(発行6ヶ月以内)、住民基本台帳カード、健康保険証、印鑑登録証明書(発行6ヶ月以内)、在留カード、特別永住者証明書のいずれか |
どの書類も、有効期限内であることや、証券会社が指定する期限内の発行であること、申込書に記載する内容(特に住所)との違いがないことを確認しましょう。
書類に不備があると口座開設までに時間がかかってしまいます。
また、取引に使う本人名義の銀行口座も必要です。どの銀行口座を使うか決めておきましょう。
証券口座開設には審査がある!口座開設基準と審査
ここまで口座開設の方法をご紹介してきましたが、実は証券口座の開設には申込条件や審査があります。そのため、そもそも申し込めない場合や、口座を開設できない可能性もあるんです。
証券会社の口座申込受付基準を満たさないと口座開設できない
口座を申し込むための条件とは、どのようなものでしょうか。例えば、松井証券の口座開設基準(口座申込受付基準)はこうなっています。
- 日本国内に居住している(国籍問わず)
- インターネット利用可
- 口座開設にあたり署名ができる
- 各種書面の電子交付を承諾する
- 日本語でのコミュニケーション可
- 個人情報を正確に登録する
- 証券会社勤務ではない
これは全証券会社共通ではありません。GMOクリック証券ではアメリカ国籍の人や20歳未満の人は申し込めないなど、多少の差があります。証券会社勤務ではない日本人の会社員なら問題なく申し込めますので、安心してください。
ちなみに、「個人情報を正確に登録する」というのは口座開設後も重要になってきます。
引っ越ししたとき、苗字がかわったときなどは登録している情報を更新するのを忘れないようにしましょう。
住所変更手続きをしていないと、こんな不都合が発生します。
- 証券会社から顧客への郵送物が「住所不明」で届かなくなり、取引が制限される
- 株式発行元企業からの株主総会の案内や、配当金の通知が届かなくなる
無職でも申込は可能だが、申込後に審査がある
申込後の審査については、どの証券会社も審査基準は明らかにしていません。審査に落ちたとしても、どうして落ちたのかという質問も受け付けてくれません。
年金生活者や主婦などの無職に人でも口座開設はできるので、普通の会社員なら審査に落ちることはないでしょう。例えば、申込者が暴力団関係者だとわかったとか、投資に使える資産が全くない場合には、審査に落ちることも考えられます。
NISAや海外株式の取引には別口座が必要
証券口座が開設できたら、さっそく取引を開始したいですよね。でも、取引したい内容によってはさらにひと手間かかる場合があります。それは、NISA口座での取引がしたい場合、外国株を取引したい場合、信用取引をしたい場合です。
これらの場合、別の口座を開設する必要があり、信用取引については口座開設に条件がつきます。詳しくご説明します。
NISA口座の申込方法
NISA口座を解説する場合、基本的には総合口座を申し込んだあとに別途NISA口座を申し込みます。NISA口座開設には住民票の写しが必要なので、これを役所でもらってくる必要があります。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、SBI証券のように、新規総合口座申込と同時にNISA口座開設を申し込むことができる証券会社もあります。
NISA口座作成には税務署での確認作業が必要になるので、早くても1~2週間程度かかります。
海外株式取引口座の申込方法
外国株に興味があるという人も多いと思います。外国株を取引するときには外国証券取引口座の開設が必要です。
この手続きはWEBで完結する証券会社がほとんどです。
9カ国もの外国株を扱っていることで人気があるSBI証券、米国株の銘柄数が圧倒的に多くて支持を集めているマネックス証券も、WEBで手続きが完結します。
楽天証券の場合はもっと簡単で、2000年12月以降に総合取引口座を開設した顧客は、自動で外国証券取引口座が開設されていますので、追加の手続きなしでそのまま取引が可能です。
信用取引口座の審査基準
最後に信用取引についてご説明します。信用取引というのは、証券会社に担保を差し出し、実際自分が持っている資金以上の投資を行う取引です。信用取引を利用する場合も、別に口座が必要になります。
信用取引では証券会社からお金や株を借りて投資の元手が大きくなります。利益も損失も大きくなる、ハイリスク・ハイリターンの投資です。
そのため、信用取引の利用にあたっては十分な資金力や投資の知識が求められます。各証券会社が設けている審査基準の一部を抜粋してみました(2015年10月現在)。
SBI証券 | ・75歳未満の成人 ・信用取引のルールをよく理解している ・十分な金融資産と証券知識がある ・株式投資経験がある など |
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楽天証券 | ・80歳未満 ・信用取引または株式取引の経験がある ・金融資産が100万円以上 など |
マネックス証券 | ・成人 ・信用取引または株式投資経験がある など |
松井証券 | ・23歳以上(23歳未満の場合は、学生、無職、パート・アルバイトでないこと) ・信用取引または株式投資経験がある ・十分な金融資産がある など |
一定期間以上の株式取引の経験が必要なので、初心者は利用できません。
経験豊富なデイトレーダーが利用する取引だと思っておいてください。信用取引の審査にかかるのは3日~1週間くらいです。
ネット証券の口座開設方法は簡単!早めに手続きしよう
書類に不備があると口座の開設が滞り、予想外に時間がかかることもあります。またNISA口座を作りたいと思っている人は、ある程度時間がかかることを想定しておきましょう。
「特に急がない」という人は、キャッシュバックキャンペーンなどが実施されている時期を狙って開設するのもいいですね。
新規口座開設や、家族・友人を紹介することで現金でのキャッシュバックが受けられるキャンペーンを実施している証券会社もありますよ。