2018年12月28日 公開
2018年12月28日 更新

ガスの自由化で何が変わった? メリットとデメリットを解説

ガスの小売全面自由化によって日々の暮らしにどんな影響があるのかについて解説します。ガス自由化によるメリットとデメリットのほか、ガスの料金についても触れてていきます。ガス自由化で、ガス代が本当に安くなるのかどうか気になっている方もぜひ参考にしてみてください。

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2016年4月の電力自由化に続いて、2017年4月には、ガスも小売全面自由化となりました。とはいえ、ガスの自由化と聞いてもピンとこない方もいるのではないでしょうか。ガスの自由化によって自由に都市ガスの会社を選べるようになったことで、ガス代が安くなったり、電気代とのセット割などの新しいプランも登場したりと、新しい変化も起こっています。

そこで今回は、ガスの自由化とその影響について解説します。

ガスの自由化とは?

2017年4月からガス自由化が始まりました。ガス自由化は、暮らしにどのような影響があるのでしょうか。
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ガス自由化の目的は?

ガス自由化の目的はいくつかありますが、最大の目的は「ガス料金の値下げ」です。

まずは、消費者庁が発表した「公共料金の内外価格差」から、ガス料金の国内と諸外国の価格差(内外価格差)を見てみましょう。

日本を100とした場合の都市ガスの内外価格差

日本を100とした場合の都市ガスの内外価格差

日本を100とした場合の都市ガスの内外価格差

アメリカ 57  イギリス 73  フランス 87  ドイツ  85

このように、主要な欧米各国と比較すると、日本のガス料金が高いことがわかります。もちろん、国内と海外のガス事情は異なるので、日本だけが割高だと一概には言えませんが、自由化で競争原理が働くことによって、こうした内外価格差の是正が期待できます。

自由化の影響はガスの種類によって異なる

ガスは、大きく「都市ガス」「LPガス(プロパンガス)」の2つに分けられます。都市ガスはメタンを主成分とした天然ガスで、LPガスはプロパン、ブタンが主成分の液化石油ガスです。それぞれに成分が違うため火力にも差があります。

都市ガスは1m3あたり約1万1,000kcalの熱量、LPガスは1m3あたり約2万4,000kcalの熱量で、LPガスは都市ガスの2倍以上の火力があります。

また、都市ガスは導管を使って各家庭に供給されていますが、LPガスはガスボンベをトラックなどで家庭に配送しています。LPガスのボンベ内には一定量のガスしか入れられないので、定期的なボンベの交換や点検が必要になります。

LPガスの自由化は1996年から始まっているため、全国2万1,000社以上の業者から購入先を選択できます。しかし、現在でもLPガスの料金は高額です。これは、LPガスの料金が都市ガスの「規制料金」とは異なり、「自由料金」となっているためです。

また、LPガスは価格を公表する義務がないため、適正価格がわかりにくいという問題点があります。

現在、都市ガスの普及率はおよそ50%となっており、残り50%の都市ガス以外を契約している利用者にとっては、ガス自由化は無関係な話になるでしょう。そもそも、LPガスは都市ガスの導管が通っていない地域でおもに利用されるため、LPガスから都市ガスへの切り替えは不可能です。

都市ガスからLPガスへの切り替えはできますが、高額な料金や価格の不透明さを考慮すれば、切り替えるメリットは少ないといえるでしょう。

ガス自由化のメリットとデメリット

ガスの自由化は、料金の引き下げ以外に、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットとしては、どのようなものが考えられるのでしょうか。

ガス自由化のメリット

ガス料金の引き下げ以外にも、ガス自由化によるメリットはいくつか考えられます。

☆サービスが向上する

ガス自由化にあわせて、各ガス会社は電気などとセットにした割引プランなどの販売を開始しています。

たとえば大阪ガスでは、「エコジョーズ」などの従来の割引プランに加えて、新たにガスの使用量が多い家庭を対象とした「もっと割料金」などのプランをリリースしています。

☆供給の安定

ガス自由化に合わせて、地域のガス管を接続するなどの「導管網の整備」も行われます。経済産業省では、「これらの整備などによって災害時などでも安定した供給を目指す」としています。

また、ガス自由化で新規ガス会社が参入してくることで、1社にすべてを任せるような供給体制でなくなるため、有事の際の供給に対する安心感も増すでしょう。

☆LPガス料金の透明化

価格が不透明だったLPガスですが、ガス自由化にともないガス料金の公開をするなどの動きも見られるようになってきました。

実施している業者はまだわずかですが、今後もこの動きが広がっていくことが期待されています。

自由化のデメリット

ガスの自由化は事実上「都市ガスの自由化」なので、電力自由化に比べると、恩恵を受けられる世帯が少ないというデメリットがあります。

また、削減できる経費は限られているので、ガスの料金が不安定になる可能性もあります。ガスの原料LNG(液化天然ガス)は、ガス会社とは関係なく価格変動が起こるため、燃料価格とガス料金が連動して乱高下する可能性も否定できません。

電力自由化の際も問題になった「自由化詐欺」にも注意が必要です。「ガスの点検が必要」「機器を取り替えないとガスが使えなくなる」などと言って作業料金を騙し取ろうとする事案や、切り替えを強引に進めてくる悪質な業者などに注意しましょう。

自由化の恩恵を受けるために

自由化によってガス会社を自由に選べるようになったので、各社の料金プランを比較検討する必要があります。まずは、現時点でのガス使用量やプランの確認をしてみましょう。

ガスは総使用量のほか、季節ごとの使用量も把握しておくと比較しやすくなります。居住地域で契約できるガス会社を把握して、各社の料金やプランを確認してみましょう。

自由化でガス代はどのくらい安くなるの?

ガスの料金は、電気料金とは違い、独特な方法によって定められています。都市ガスが自由化されることで、毎月のガス代は本当に安くなるのでしょうか。安くなったとしても、安定した供給は受けられるのかは心配な点のひとつですよね。

ここでは、ガス料金の仕組みと自由化の関係について、見ていきます。

ガス料金の仕組みとは?

都市ガスの料金は「規制料金」なので、ガス会社が決めることはできません。ガス自由化以前は、料金の決定にはガス料金の収入額と、ガスの製造や供給などのコストを等しく設定する「総括原価方式」を採用していました。

この方式であれば、コストが増えても利益を上げることができるため、ガスの安定供給にもつながります。

一方で「値下げされない」「ガス会社のイノベーションが進まない」などの問題点も指摘されていました。そのため、ガス自由化後は原則として、総括原価方式からガス会社がそれぞれ料金を設定できる方式に変わっています。

ガス自由化の気になる点

「自由化後に新しいガス会社と契約してトラブルになった場合はどうなるのか?」と心配している方も多いのではないでしょうか。これまではトラブル発生時に東京ガスなどの大手ガス会社が対応してくれましたが、ガス自由化以降は、トラブルの内容によって、対応するガス会社が異なるケースがあります。

たとえば、緊急性の低い故障(ガスがつかないなど)では、基本的に新しく契約したガス小売業者が対応します。逆に、ガス漏れや導管の破裂といった緊急性の高い事故や故障時には、これまでどおり地域の大手都市ガス会社が担当することになります。

また、契約しているガス会社が倒産してしまってもガスの供給は止まりません。地域の大手都市ガス会社からガスはきちんと供給されるので、その後は必要に応じて別のガス会社を検討しましょう。

ガス自由化で都市ガスも選べる! ガスをかしこく使おう

ガスの自由化による影響やメリット・デメリットなどをご紹介しました。ガスの自由化によって、都市ガスの供給を受けていたエリアでも自由にガス会社を選べるようになっています。

各社からさまざまなプランが提供されているので、それぞれの特徴を比較しつつ自分の家庭にあったガス会社を選んで、かしこくガスを利用しましょう。

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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エネチェンジ編集部 エネチェンジ編集部