クレジットカード保険 クレジットカード付帯の海外旅行保険比較表とカードの選び方

投稿日時:2019.07.04
クレジットカードを選ぶ基準は人それぞれ。でも海外旅行前は、ぜひ海外旅行保険にも着目してみてください。クレジットカードの海外旅行保険は、上手に選べば旅行中のトラブルにも十分対処できます。
でも選び方を間違うと、自腹を切るはめになるので要注意。これからクレジットカード海外旅行保険の選び方のコツをお届けしましょう。
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険比較表で補償額比較することもできますから是非チェックしてみてくださいね。
海外旅行保険で選ぶクレジットカードの選び方【基本編】
海外旅行には保険が必須。でも必ずしも保険料を払って加入する必要はないんですよ。殆どのクレジットカードには無料で海外旅行保険がついてくるからです。
しかしクレジットカードさえ持っていれば大丈夫という訳にもいきません。実はカード付帯の旅行保険の選び方には、ちょっとしたコツがあるのです。
海外旅行保険が付帯しないカードもある
選び方の基本の第一は「保険の有無」です。付帯保険はクレジットカードのごくありふれたサービスの一つですが、どのカードにも十分な海外旅行保険がついているとは限らないからです。
クレジットカードの海外旅行保険を大別すれば、以下の4通りに分類できます。
- 1.保険なし
- 2.一部補償のみ付帯
- 3.フルスペックの補償
- 4.フルスペック+特約つき
下へ行くほど補償内容は充実し、カードの年会費も高くなる傾向があります。補償が揃ったフルスペックの保険は、年会費無料のクレジットカードにも付帯しています。つまりカードの選び方次第では、一切コストをかけずに海外旅行保険を利用できる訳です。
傷害死亡・後遺障害の補償しかないカードもあるので注意
一般的なクレジットカードに付帯する海外旅行保険の補償内容は以下の通りです。当記事ではこれをフルスペックの保険と呼びます。
- 傷害死亡、後遺障害:ケガによる死亡、後遺障害
- 傷害治療費用:ケガの治療
- 疾病治療費用:病気の治療
- 賠償責任:損害賠償責任
- 携行品損害:身の回りの品の盗難や破損
- 救援者費用:医療搬送など
一般的なクレジットカードの付帯保険は、保険が有効になった日から通常最大90日間に渡って旅行中のトラブルを補償してくれます。
しかし中には傷害死亡など一部の補償しかつかないカードもあるので、保険の有無だけではなく、補償内容まで詳しくチェックすることが大切です。
各補償の保険金が十分かどうか確認
選び方の基本の第2は「保険金の額」です。「海外旅行保険最高2,000万円」などの紹介だけでは補償の内容が分かりません。
ここには「傷害死亡、後遺障害」の補償額しか示されておらず、この金額に惑わされてはならないのです。
その他の補償についてはさらに詳しく調べる必要があります。クレジットカードの海外旅行保険はフルスペックとは限らないので、必ず全ての補償項目とそれぞれの補償額をチェックするようにしましょう。
自動付帯or利用付帯も重要ポイント
さて選び方の基本の最後は「利用条件」です。これはとても大切ですので、よく覚えておいてくださいね。クレジットカード付帯の海外旅行保険は、以下2タイプのいずれかに分類されます。
- 利用付帯:条件を満たさないと有効にならない
- 自動付帯:旅行時に自動的に有効になる
利用付帯の保険の場合、そのままでは発動しません。このタイプの保険はそのカードで旅行費用を支払えば、そこで初めて有効になるのです。
「保険金が出るはずと思い込んでいたのに・・・」なんてことのないよう、カード付帯保険の利用条件も忘れずチェックしましょう。
詳細条件は保険規約まで調べないと分からない
自動付帯か利用付帯、どちらのタイプなのかは海外旅行傷害保険の詳細が記載されているページ、もしくは保険規約をよく見れば分かります。
もしも「当該カードで旅行費用を決済した時に」といった一言が入っていれば、その保険は条件つきの利用付帯です。
海外旅行保険つきクレジットカードを極める選び方【中級編】
次はもう少し踏み込んで、より実践的な海外旅行保険の選び方に入りましょう。これを読めば、海外旅行中に起きやすいトラブルに合った保険の選び方が解ります。
また、海外旅行保険付帯のクレジットカードを選ぶにあたっての、更なる重要ポイントをご紹介していきましょう。
治療費用と救援者費用が重要ポイント
先ほどご紹介した通り、フルスペックの海外旅行保険には幾つもの補償項目がありました。どの項目も重要ですが、海外旅行傷害保険でクレジットカードを選ぶなら、ぜひ以下の3つの補償に注目してください。
- 傷害治療費用
- 疾病治療費用
- 救援者費用
これは海外で病院のお世話になる際に必要な補償です。病気や怪我にはそれぞれの治療費用が、そして特に重い症状のケースでは救援者費用の補償も使われます。
海外では数千万円以上の医療費が発生することも
なぜこの3点が重要なのかというと、海外では健康保険が効かないので10割負担になるからです。しかも殆どの国の医療費は日本よりもずっと高額です。
海外では簡単な治療でも数万円以上請求されることが珍しくないですし、国によっては救急車が有料なことも。また病状次第では医師や看護師が付き添っての医療搬送も必要です。
保険会社のデータによると、合計で数百万円もしくは数千万円以上が支払われた実例も。ここまでのトラブルは滅多に起こるものではありませんが、海外旅行保険はこんな時のためにこそ必要なのです。
治療費は最低300万円・救援者費用は最低500万円
ではそれぞれの補償額はいくらくらいあれば十分なのでしょうか?
国によっても違いますし上を見ればキリがありませんが、治療費は疾病・傷害いずれも最低300万円は欲しいところです。
救援者費用の補償対象には日本から家族が駆けつける際の旅費や滞在費も含まれますから、こちらは最低でも500万円は必要でしょう。
国別に海外旅行保険の補償額がいくら必要か?の目安金額を紹介した記事もございます。国によって医療費は大きく異なりますので、是非こちらも参考にしてみてくださいね。
付帯保険は1枚のクレジットカードでは不十分
でもこれだけの補償額は、1枚のクレジットカードの付帯保険では確保できないことが殆どです。以下はある年会費無料カードの海外旅行保険の補償額ですが、この通りどの補償額も最低基準には達していません。
- 傷害治療費用:100万円
- 疾病治療費用:100万円
- 救援者費用:100万円
そこで必要になってくるのが「保険の強化」です。
付帯保険は合算して強化できる
クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償額は、以下のように複数のクレジットカードによる合算が可能なのです。
- 傷害治療費用:Aカード100万円+Bカード200万円=300万円
- 疾病治療費用:Aカード100万円+Bカード200万円=300万円
- 救援者費用:Aカード100万円+Bカード500万円=600万円
合算するクレジットカードは3枚以上になっても構いません。この方法なら、低い補償額を十分な金額まで引き上げることができるでしょう。
補償額の合算で低コストの保険が実現できる
以下はクレジットカードの海外旅行保険の合算に関する注意点です。
- 2枚以上のカード付帯保険の補償額は合算できる
- 死亡後遺障害だけはその中で一番高い補償額になる
- 利用付帯の保険に注意
- 保険請求は1社でOK(有効な保険は全て申告が必要)
クレジットカード海外旅行保険の合算は、低コストで十分な補償を実現するにはとてもよい方法です。
海外旅行保険はクレジットカードでここまで可能【選び方:上級編】
さらにワンランクアップして、次はより快適でお得な海外旅行保険についてご説明します。選び方のコツはこれがラスト。これであなたもカード海外旅行保険の上級者です。
病院選びの時点から海外旅行保険が役に立つ
海外旅行保険に入っていても、外国で病院にかかるのは決してたやすいことではありません。旅行者には以下のようなハードルが待ち受けているからです。
- どの病院に行けばいいのかわからない
- 言葉が通じない
- 旅行中は多額の治療費を支払えない
救急搬送されるケースは別ですが、軽い症状だと病院にかかるべきかどうか迷うところですよね。ここでもまたクレジットカードの海外旅行保険がお役に立ちます。
キャッシュレス診療なら現地での支払いが不要
もしもその海外旅行保険が「キャッシュレス診療」に対応していれば、以下のことが可能となります。
・電話1本で適切な病院を教えてくれる
・日本語や英語が通じる病院も多い
・現地での治療費の支払いは無用
これで旅行先で体調を崩しても、安心して治療を受けることができますね。現在多くのクレジットカード海外旅行保険がキャッシュレス診療に対応していますが、念のために旅行の前には必ず保険規約をご確認ください。
補償額を上回るとキャッシュレスサービスを受けれない
キャッシュレス診療はまるで魔法の杖のようなサービスですが、決して万能ではありません。例えば以下については現地での支払いが必要ですし、また料金が補償額の上限を超えた場合、不足分の支払いができないと保険金は後日請求となります。
- 救急搬送など病院を選べない場合:後日請求
- 病院までの交通費:後日請求
- 薬代:後日請求
キャッシュレス診療対応の海外旅行保険でも完全無料という訳にはいきませんから、旅行先で治療を受ける際には、やはりある程度の現金の準備も必要ですね。
家族特約つきなら同行家族にも補償がつく
これからご紹介するのは海外旅行傷害保険の「家族特約」というものです。これはクレジットカード付帯保険が、旅行に同行する家族にまで拡大されるという特別なサービスです。
・カード本会員以外にも適用される保険
・カードが作れない家族も対象
・補償額は本会員よりも低い
・年会費の高いクレジットカードに付帯
家族特約付きの海外旅行保険なら、カード会員以外の家族にまで保険が適用されます。
例えばまだカード会員になれない18歳以下のお子さんでも、治療補償を始めとする様々な補償を受けることができるのです。
家族特約の補償額は家族会員よりも低い
ところでクレジットカードには家族カードという追加サービスがあることをご存知でしょうか?本会員の配偶者や子供は、審査不要で家族会員となり、専用の家族カードを持つことが可能です。この場合の付帯保険の補償は、本会員と同等となります。
しかし家族特約の場合は、会員になることなく保険だけが適用されるのです。もちろんカードも発行されませんし、年会費も不要です。以下は本会員、家族会員、家族特約の違いをまとめたものです。
種類 | 年会費 | 海外旅行保険 |
---|---|---|
本会員 | 必要 | 付帯 |
家族会員 | 本会員より安い(もしくは無料) | 本会員と同等 |
家族特約 | 完全無料 | 補償額が低い |
なお家族特約が適用される人は、利用条件さえ満たせば本会員が同行しない旅行であっても保険が適用されます。
家族特約がつくのはゴールドカード以上
ただしこの家族特約がつく海外旅行保険は、グレードの高いクレジットカードにしか付帯しません。
一般的にはゴールド以上なので、カード年会費も高くなるのが普通です。入会するメリットがあるかどうかは、以下の点をチェックすれば判断できるでしょう。
- カード年会費
- 利用付帯か自動付帯か
- 保険の補償内容
- 家族特約の適用条件
キャッシュレス診療は絶対あった方がよいサービスですが、家族特約については必要に応じてご検討くださいね。
年会費別に確認できる!クレジットカード付帯の海外旅行保険比較表
- 年間費無料
- 年会費3千円以下
- 年会費5千円以上
- 年会費1万5千円以上
- 家族特約つき
※表を左右にスクロールしてください
カード名称 |
---|
カード名称 | 種類 | 年会費 | 条件 | 傷害治療 | 疾病治療 | 賠償責任 (1事故につき) |
携行品損害 (1旅行につき) |
救護者費用 | 死亡後遺障害 | キャッシュ レス診療 |
カードの特徴や旅行保険の注意点 |
---|
カード名称 | 種類 | 年会費 | 条件 | 傷害治療 | 疾病治療 | 賠償責任 (1事故につき) |
携行品損害 (1旅行につき) |
救護者費用 | 死亡後遺障害 | キャッシュ レス診療 |
カードの特徴や旅行保険の注意点 |
---|
カード名称 | 種類 | 年会費 | 条件 | 傷害治療 | 疾病治療 | 賠償責任 (1事故につき) |
携行品損害 (1旅行につき) |
救護者費用 | 死亡後遺障害 | キャッシュ レス診療 |
カードの特徴や旅行保険の注意点 |
---|
カード名称 | 種類 | 年会費 | 条件 | 傷害治療 | 疾病治療 | 賠償責任 (1事故につき) |
携行品損害 (1旅行につき) |
救護者費用 | 死亡後遺障害 | キャッシュ レス診療 |
カードの特徴や旅行保険の注意点 |
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カード名称 | 種類 | 年会費 | 条件 | 傷害治療 | 疾病治療 | 賠償責任 (1事故につき) |
携行品損害 (1旅行につき) |
救護者費用 | 死亡後遺障害 | キャッシュ レス診療 |
カードの特徴と家族特約対象 | ||||||||
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本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 | 本会員 | 家族 |
クレジットカードなら付帯保険だけでなく旅行に役立つ特典が利用できてお得
付帯保険は合算できますから、クレジットカードのグレードの高さは特に必要ではありません。海外で病院にかかる時のことを考えて、治療費用や救援者費用にポイントを置く選び方が重要です。またキャッシュレス診療への対応も重要です。
お子さんのいる方には家族特約つきの付帯保険がおすすめです。これはゴールド以上のカードにしかつかないサービスですが、同行する家族にも補償がつくのでお得です。
また、クレジットカード場合付帯保険だけでなく空港ラウンジサービスや海外店舗での優待サービスなど、旅行に役立つ様々な特典が利用できますので、総合的に考えて保険会社の保険に加入するよりもクレジットカードの方がお得と言えるでしょう。