法人クレジットカード 確定申告はクレジットカード払いが便利!会計ソフト活用で簡略化

投稿日時:2019.10.15
毎年やってくる確定申告。領収書を整理したり、収支を入力したり、何かと面倒ですね。中でも、クレジットカードで支払った分をどうやって帳簿につければいいのか、迷うことはありませんか?
決済した日と引き落とし日の違いなど、わかりにくい点もありますね。しかしそれも、会計ソフトと連携してしまえば解決します。むしろ現金を使って手入力するよりも、収支の管理が断然楽になるんですよ。
そこで今回は、確定申告の際のクレジットカード決済分をどう申告するのか、なぜカードを使ったほうが楽になるのか、という点について詳しく解説します。
これから法人クレジットカードを作ってみようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
法人クレジットカードを使えば確定申告が楽になる!
確定申告は、日々使ったお金を帳簿につけて、それをまとめて申告しますよね。しかし、法人クレジットカードを使えば、日々の入力も不要になり、確定申告の作業が格段に楽になるんです。
個人カードと法人カードの違い
クレジットカードだったらもうすでに個人用のものがあるから、それで事足りるのでは?と思うかもしれません。しかし、法人クレジットカードには、プライベートのカードにはない付帯サービスが色々とあります。
利用限度額も高めに設定されていますし、会計処理が楽になるように、使った履歴をそのままデータとして使えるものが多いです。
年会費も経費で落とすことができますし、何よりも事業用に使った経費の仕分けがぐんと楽になります。
公私混同していると、この費用はプライベート、こちらは仕事、といちいち分けないといけないですよね。
年会費はかかっても、経理担当を一人雇ったと思ったら、安いのではないでしょうか。
利用明細で支払いが明確になる
仕事で使うお金を法人クレジットカードで支払うようにすれば、利用明細書がそのまま使った履歴になるわけですね。
1ヶ月で使った金額や支払先などがひと目でわかるので、お金の管理が非常に楽になります。
会計ソフトと連携ができる
法人クレジットカードは、会計ソフトと連携できるようになっているものが多く、いちいち手で入力しなくても、使った分がどんどん自動で入力されていきます。
日々入力していればそれほど手間のかからない件数であっても、まとまるとかなり面倒な作業になりますよね。
しかも、法人クレジットカードで支払っているということは、すべて経費。個人用のお金と区別する必要も無くなるので、使った履歴がそのまま経費の履歴となるわけです。
自動で全て経費が入力されていきますから、確定申告も格段と楽になるでしょう。
クレジットカードを使った分の帳簿、確定申告の対応
さて、会計ソフトと連携していれば、クレジットカードを使った履歴はそのまま自動的にデータが蓄積されていきますが、使い方によっては少し注意して欲しい点もあります。
帳簿のつけ方や書類の保存については、以下のことに気をつけてください。
WEB明細は印刷しておこう
クレジットカード会社から明細書が送られてくる場合もありますが、多くはWEBの明細書に切り替わっているのではないでしょうか。
このWEB明細書、いつまでもデータが残っているわけではないので、こまめにダウンロードしておくことをおすすめします。
また、領収書などの収支の内訳がわかる書類は紙で保管することが義務付けられているので、全て印刷しておかないといけません。
うっかりデータがなくならないように、気をつけてくださいね。
白色申告は支出を記載するのみでOK
現在は、青色申告でも白色申告でも、記帳義務がありますが、青色申告ほどの複雑な帳簿付けは必要ありません。シンプルに、クレジットカードを使った費目や金額などをつけていけば良いのです。
3月5日 書籍代 1,500円
このようにして支出欄に記載します。
青色申告:個人用カードを使った場合
青色申告の場合でも、それほど難しくはありません。個人用のクレジットカードを使った場合には、「事業主借」を使えばいいので、仕訳をしなくても大丈夫です。
例
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
3月5日 | 書籍代1,500円 | 事業主借1,500円 |
日付は、決済をした日です。引き落とし日ではありません。個人用の口座から引き落としになるので、仕分けが不要なのです。利用明細を見ながら、まとめて入力することができますね。
青色申告:法人クレジットカードを使った場合
法人クレジットカードを使って、事業用の口座から引き落としをした場合には、少しだけ複雑になります。
例
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
3月5日 | 書籍代1,500円 | 未払金 1,500円 |
4月15日 | 未払金 1,500円 | 普通預金 1,500円 |
ただし、クレジットカードを使った場合には、仕訳を簡略化しても良いことになっています。その場合は、引き落とし日を使って、以下のように記帳することも可能です。
例
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
4月15日 | 未払金 1,500円 | 普通預金 1,500円 |
ただし、12月に決済をして、引き落とし日が1月の場合には、未払金の勘定を使って記帳する必要がありますので、その点だけ忘れないようにしてください。
分割払いなどの手数料も計上
クレジットカードによっては、分割払いやリボ払いに対応しているものもあります。分割払いなどにしますと、通常の商品代金の他に手数料が加算されますよね。
その手数料も忘れずに計上してください。勘定科目は支払い手数料がいいでしょう。本体の金額と同じようにして仕分けすれば大丈夫です。
売上伝票、明細書をとっておこう
クレジットカードで支払いをした場合、領収書がもらえません。決済した時点では現金のやり取りが発生していない、信用取引と呼ばれるものだからです。
帳簿が正しいのか、万が一税務調査が入った時に、いつどこで、何にいくら使ったのかということを証明できないと、経費として認められなくなってしまう可能性があります。
注文した時のメールや納品書はもちろんのこと、インターネットでの買い物でも、お店によっては領収書を出してくれるところがあります。
とりあえず取引に関わるものはなんでも取っておく、と覚えておいてください。
ポイントの扱い
さて、クレジットカードを使うとポイントが貯まりますが、そのポイントは帳簿にどうやってつければいいのでしょうか。
ポイントも、換金できたり、マイルとして使うことができますので、厳密にいいますと所得として計上する必要があります。
- 雑所得なら20万円以上
- 一時所得なら50万円以上
この金額を超えるものは、納税する必要があります。しかし、クレジットカードのポイント還元率はだいたい0.5%〜1%程度ですよね。
還元率1%でも、50万円貯めるには5千万円使わないといけません。個人事業主でそこまで経費を使うというのは考えづらく、ポイントの分も納税しなくてはいけないような人は、まずいないでしょう。
ただし、キャッシュバックなどによって現金を受け取った場合は、雑収入としてカウントするようにしてください。
確定申告はデータを取り込んで印刷するだけ
さて、最後の確定申告ですが、会計ソフトにデータを取り込んであれば、あとは印刷するだけです。
- 白色申告:確定申告書B、収支内訳書
- 青色申告:確定申告書B、損益計算書、貸借対照表
クレジットカード決済分は帳簿に記載されていると思いますので、社会保険料など控除に必要な額を入力し、添付書類を用意すれば確定申告の書類が揃います。
現金で買い物をしていたら、日々の入力も非常に手間ですが、なるべくクレジットカードを使うようにしていればデータを取り込んでサクッと書類作成ができますよ。
法人クレジットカードと連携させると便利なクラウド会計ソフト
法人クレジットカードには、付帯サービスとしてクラウド会計ソフトと連携できるようになっているものがあります。
その中でも、使いやすいと人気の高いサービスをご紹介しましょう。
会計知識のない方でも使いやすいfreee(フリー)
クラウド会計ソフトとして人気のfreee(フリー)は、帳簿付けが初めてで、会計の知識などがない人でも使いやすいと評判です。
無料プランと有料プランがありますが、どんな使い方をするのか知りたい人は、まず無料版で試せるのが嬉しいですね。
実際に使うとなると有料プランの方が断然使いやすいですが、まずはクラウド会計ソフトとはどのようなものだろうと試すには、無料版があるfreeeがおすすめです。
やよいの青色申告 オンライン
やよいの青色申告オンラインも人気のクラウドサービスです。クラウドサービスではfreeeに水をあけられてしまっているものの、会計ソフトの老舗ですから、昔から使われているソフトとしては、知名度も抜群ですね。
こちらも操作が簡単で、無料体験版もあります。使い勝手の良さなどは、無料版で試してみるといいでしょう。
1年間無料で利用できるキャンペーンなどをよくやっていますから、そういったタイミングで申し込むと、お得に使えます。
マネーフォワードクラウド確定申告
マネーフォワードクラウド確定申告は、基本的に有料となるのですが、1ヶ月だけ無料で試すことができます。
他社のソフトからデータをインポートできますので、他のクラウド会計サービスを使ってみたけれど、なんとなく使い勝手が悪くて、という方は最終的にこちらを使ってみてはいかがでしょうか。
会計の行ぬだけでなく、請求書の作成や給与の計算などもしてくれるので、少しでもオフィスの業務を減らしたいなと思っている方にはおすすめです。
個人事業主におすすめの法人クレジットカード2選
個人事業主が法人クレジットカードを使うなら、以下の3点を重視したいですね。
- 作りやすさ
- ポイントのためやすさ
- 付帯サービス
これらの条件を兼ね備えた、作りやすい2枚のカードをご紹介しましょう。
コスパ最強のゴールド!オリコ・エグゼクティブ・ゴールドフォービズ
まず、オリコカードのメリットは、個人事業主でも作りやすいということです。法人クレジットカードは、事業を始めたばかりですと審査に通りにくいといわれますが、その中でもオリコカードは審査に通りやすいカードだといわれています。
分割払いやリボ払いにも対応しているので、いざという時にも安心のカードですね。
会計ソフトfreeeの有料プランが2ヶ月分延長できるというサービスが付帯していますので、通常よりもお得に使えますね。
ショッピングのポイントが貯まりやすいカードで、ゴールドカード会員は常に20%ポイントを加算してくれます。
また、レストランコース料理が1名分無料など、接待に役立つサービスや、空港ラウンジや海外旅行保険など出張に役立つサービスも利用頂ける年会費以上の価値ある1枚です。
年会費 | 2,000円(税別)※初年度無料 |
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スペック |
・常に20%ポイント加算 ・年間利用額に応じて最大2倍 ・最高2,000万円の海外旅行保険付帯 ・最高1,000万円の国内旅行保険(利用付帯) ・最高100万円のショッピング保険付帯 ・福利厚生サービス |
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
プラチナカードでありながら、個人事業主にも門戸を開いているカード。クラウド会計ソフトfreeeとの連携はもちろんのこと、クラウド型経費精算サービス「Staple(ステイプル)」の優待プランを使うことができます。(6ヶ月分無料クーポン)
付帯サービスが充実していますので、確定申告以外のメリットも大きいです。24時間365日対応のコンシェルジュサービスや世界のVIPラウンジが利用できるなど、プラチナならではの豪華な特典内容も魅力です。
年会費 | 20,000円(税別)200万円以上の利用で次年度10,000万円 |
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スペック |
・永久不滅ポイント ・ショピングでJALマイルが効率的に貯まる ・ポイントで投資信託ができる ・最高1億円の海外旅行傷害保険付帯 ・最高5,000万円の海外旅行保険付帯 ・最高300万円のショッピング保険付帯 ・プライオリティ・パス無料登録 ・プレミアムゴルフサービス |
確定申告はクレジットカードを使って決済しておくと便利!
毎年、年が明けると大量の領収書と格闘しているという方は、この機会に支払いをクレジットカード払いにして、経費精算を少しでも楽にすることを検討してみてください。
クレジットカード払いにすると、入力が格段に楽になりますし、最後の確定申告の書類を作る際にもかなり手間が省けます。
会計ソフトと連携させたら、面倒な作業からも解放されますよ。