法人クレジットカード 法人クレジットカードの名義は個人名・会社名どちら!?

投稿日時:2020.11.19
法人クレジットカードを作るときに名義はどうすればいいのか、迷っていませんか。法人で使うのだから会社名でいいのか、使う人の名前にするのか、どちらが正しいのでしょうか。
個人名義にした場合、会社の口座から引き落としができるのかどうかも気になるところです。また、追加カードを複数人で法人クレジットカードを使う場合もどうすればいいのか、わからないことがたくさんあるでしょう。
そこで今回は、法人クレジットカードを作る際の名義について、知っておきたい基本的なことをまとめました。これからカードを作ろうと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
法人クレジットカードの名義は会社名ではなく個人名になる
結論からいいますと、法人クレジットカードであっても名義人は個人名となります。例えば、契約者が法人で、会社のカードとして作ったとしても代表者名義で作るのが基本です。
個人事業主ならば事業主の名前です。会社名ではなく、使う人の個人名義で作るのが決まりです。
裏面にも個人名を記載する
カードの裏面には使用する人の氏名を記載することになっていますが、もちろんここに書くのも個人名です。表面に「TANAKA TARO」と書いてあるなら、裏面にも「田中太郎」と書くようにしてください。ローマ字でもOKです。
ここに会社名を書いてしまうと、使うときに「名義人と署名が違います」といわれてしまいますので気をつけてください。
そもそも名義人以外が使ってはいけない
なぜ会社の法人クレジットカードなのに、個人名を書かないといけないのか?と疑問に思うかもしれません。その疑問を解くには、クレジットカードの仕組みを理解する必要があります。
Aさんを名義人としてクレジットカードを作るとき、クレジットカード会社はAさんにカードを「貸す」という形をとります。Aさん本人にカードの所有権を与えたわけではなく、あくまでも「貸している」という状態なんですね。
ですから、誰に貸しているのかをはっきりさせるためにも、カードの名義は法人名ではなく個人名になるのです。
会社名が記載されていても名義人は個人
クレジットカードの種類によっては、表面に会社名が記載されているものがあります。これは法人名義ということではないのか?と思うかもしれませが、そうではありません。
会社の名前はいってみれば飾りのようなものであって、名義ではないのです。あくまでも名義人となるのは使っている人個人です。
個人名義なら会社名が変わっても手続きの必要なし?
個人名義で使っているなら、会社名が変わったり、代表者が変わった時もそのまま使い続けられるのでしょうか。
答えは「×」です。
契約時の登録内容に変更があれば、クレジットカード会社に届け出なければなりません。なお、登録内容の変更を申し出るのは名義を変更する本人です。
庶務係の人に頼んで変更してもらうことはできませんので、注意してください。本人の身分を証明する書類などが必要になりますので、カード会社に確認して早めに手続きをしましょう。
社員用の追加カードの名義はどうなるか
では、社員のために作った追加カードはどうなるのでしょうか。これも同じく、追加カードを使う個人の名義になります。
代表者が鈴木さんだとすると、鈴木さんは親カードを自分の名義でもち、佐藤さんと斎藤さんに追加カードを作った場合には、それぞれ佐藤さんと斎藤さんの名義でカードを作ることになります。
これも親カードと同じく、名義人以外の人が使うことはできませんので、会社の中で使い回しをしないように気をつけてください。契約違反になってしまいます。
使う人の人数分発行するのが基本ですが、カードのランクによっては追加カードの枚数に制限があります。使う人数が多い場合には、それに対応できるカードを選ぶことが必要です。
役員なども同じ扱い
名義人しか使えないというのは、会社の中の立場が変わっても同じことです。例えば役員であろうと重役であろうと、使い回しをしてはいけません。
もし法人クレジットカードとして使いたいのであれば、その人の名義で発行してもらうようにしましょう。
法人クレジットカードを利用した時のサインは誰の名前にする?
では、実際に使うときの注意です。法人クレジットカードとして会社の備品を買いました。その時に誰の名前をサインすればいいのか、迷ってしまいそうですね。
会社の名前なのか、カードを使っている自分の名前なのか。
カードの名義人の名前でサインする
サインをする時には、カードの名義人の名前=自分の名前をサインします。
お店側としても、クレジットカードの名義人以外の人が使わないようにチェックしますから、名義人と違うサインをされてしまうと「決済できません」ということになってしまいます。
サインをするときは自分の名前を書きましょう。インターネットで買い物をする時も同様です。クレジットカードを使うなら、その名義人の名前を入力します。
社長のカードでおつかいを頼まれたら?
もし社長が「これで電球を買ってきて」などといって社員にカードを渡したらどうなるのでしょうか。この場合、他人名義のカードで買い物をしようとしているので、契約違反、NGです。
田中一郎さん名義のカードを持って行って、斎藤花子さんが自分の名前でサインをしたら、カードの名義と違うということで決済してもらえません。
田中一郎さんのカードを男性が使えばわからないかもしれませんが、この使い方は契約違反です。クレジットカードは名義人以外の人は使ってはいけないのですから、ルールを守って使いましょう。
ネットショッピングはアカウント名との違いに注意
会社の備品などをインターネットで使うことも多いでしょう。この場合注意して欲しいのは、ネットショップのアカウントとクレジットカードの名義人が違うと受け付けてもらえないケースがあるということです。
できれば、そのショッピングサイトをよく使う担当の人の名前でアカウントを作り、担当者名義の法人カードを使うのがいいでしょう。
法人クレジットカードの引き落とし口座の名義はどうなる?
法人クレジットカードの引き落とし口座は法人名義の口座です。カードの名義を個人にしたら、個人口座から引き落とされてしまうのか?と心配する人もいると思いますが、支払いは会社がしますので安心してください。
カードのランクによって、また、個人事業主用のカードですと個人名義の口座の指定も可能ですが、基本的には法人口座を指定することになっています。
これによって、名義は分かれているのでいつ誰が、何に使ったのかがわかるとともに、支払いは法人口座で一本化してありますので、会計処理が楽になるというわけです。
追加カードが複数枚あったとしても、引き落とし口座は法人名義の口座です。
領収書は会社名でもらおう
法人クレジットカードを使って買い物をしたら、領収書をもらいますよね。この領収書の名義ですが、基本的には個人名ではなく会社名でもらいます。
クレジットカードはカード会社との契約がありますから、個人名を記載しています。あなたの代わりに先に支払っておきますね、という契約です。しかし、お金を払うのは会社です。
個人が支払っているわけではありませんので、領収書は会社名でもらいましょう。もしも迷った時には、宛名は空欄でもらっておけば問題ありません。
法人クレジットカードの名義は個人名!引き落としは会社口座
では今回のお話をまとめてみます。
・法人クレジットカードの名義は使用する人の個人名
・追加カードも使用する人の個人名
・引き落とし口座は会社名義の口座
法人名義で契約をしてもカードは個人に貸し出されているので、持っている人の個人名義になるということです。