2度目の債務整理は可能!1度目との違いや注意すべきポイントを紹介

2度目の債務整理は可能!1度目との違いや注意すべきポイントを紹介

「過去に1度だけ債務整理の経験がある。2度目の債務整理はできるのかな?」と思われている方、2度目の債務整理はできます。債務整理に回数制限はなく、2度3度何度でも借金を減額したり免責()にしたりできます。

(※)株式投資の失敗、ギャンブル、浪費などが原因の借金については、免責が認められないこともあります。また、著しい免責不許可事由がある場合には「一部」免責となります。

ただ、債務整理の相性次第では交渉が難しかったり裁判官に認められなかったりするでしょう。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があるため、「1度目は任意整理したけど2度目のときは自己破産をしたい」という場合は、認められる可能性が高いです。

しかし、1度目も2度目も同じ理由で同じ債務整理をしたいときは事情が変わってきます。

たとえば、1度目にギャンブルで自己破産をされた方が2度目もギャンブルで自己破産を検討しているときは、免責許可決定を受けられない可能性が非常に高いでしょう。

債務整理は理屈的には何度でもできますが「2度目以降はとても厳しく判断される」と思っておいたほうが良いです。

そこで今回は「債務整理は2度目も可能なの?」と思われている方に向けて下記のことをお伝えします。

  • 債務整理は何度でもできますが、債務整理の相性や借金の理由次第ではとても厳しく判断されるので要注意
  • 過去7年以内に「個人再生」もしくは「自己破産」をされた方が、2度目の個人再生や自己破産は原則できない
  • 2度目の債務整理を成功させるためにできることや知っておくと良いことについて

2度目の債務整理もできるけど一筋縄ではいかない

過去に債務整理を経験したことがある方であっても2度、3度何度でも債務整理はできます。ただ、世間一般的に見て「同じことを何回も繰り返す人」に対しては厳しいのが現実です。

債務整理はあなたの人生の中で何度でもできますが、1度目以上に厳しい現実が突きつけられる結果になるでしょう。

まずは「任意整理」「個人再生」「自己破産」いずれの債務整理も2度目となると、一筋縄ではいかない現実についてお伝えします。

そもそも債務整理に回数制限はない

過去に債務整理を経験された方は「同じことを2度も繰り返せば、さすがに債務整理は認められないのではないか?」と考えているかもしれません。結論から先に申し上げれば、債務整理は何度でもできます。

ただ「借金をして返済できなくなれば債務整理をする」これを繰り返していると、最終的には債務整理が認められなくなってしまうこともあるでしょう。

債務整理は、国が認めた借金の減額方法であるため、理屈的には何度でもできますが「同じことを何度も繰り返す人」はとても厳しく見られるのが現実です。

また、債務整理には3つの種類があり、債務整理を認めるか否かの決定権を有する人が異なります。

任意整理 債権者(お金を貸した金融業者等)
個人再生 裁判官
自己破産 裁判官

上記のとおり、任意整理のみ債権者が決定権を有します。同じことを何度も繰り返す債務者に対して、任意整理を認めるか否かは各債権者の考え方次第と言えるでしょう。

個人再生や自己破産といった債務整理については、裁判所(裁判官)が決定権を有します。

裁判官は、過去の事例や債務者の状況等を総合的に考えて判断をします。理屈的には、2度目の債務整理も認められていますが、状況次第ではとても厳しいと考えておいたほうが良いでしょう。

同じ債権者相手に任意整理(再和解)をするのは難しい

1度任意整理をして和解した債権者に対して2度目の任意整理を申し出ることはできます。しかし、2度目の和解交渉は1回目以上に厳しいのは言うまでもありません。

そもそも任意整理という債務整理手続きは「将来の利息をカットして元金のみを3年程度掛けて返済する手続き」が一般的です。そのため、2度目の任意整理交渉を開始したところで、債務者自身が得られる経済的メリットはほぼありません。

しかし「1度目の任意整理で和解した返済金額を支払えないとき」は、返済金額を減らしてもらうために行う2度目の任意整理をする価値があるでしょう。

一般的な任意整理は、1度目の和解で成立した返済金額を2回以上滞納してしまうと、一括請求をされるのが一般的です。

もしも、お金を支払えないのであれば再和解を提案する他ないでしょう。

ただ、再和解(2度目の任意整理)をしたところで応じるか否かは債権者次第ですし、1回目で失敗している以上、かなり厳し目に見られます。

中には、再和解に応じない債権者もいるので「2度目の任意整理は難しいかもしれない」程度に思っておくと良いでしょう。

債権者の同意が得られれば再和解も可能

任意整理を含む、債務整理には回数制限がないことは前述のとおりです。つまり、債権者が同意さえしてくれれば、2度目の任意整理(再和解)もできるでしょう。

法律的に「○回以上は任意整理で和解してはいけない」と言った法律も存在しません。むしろ、支払えないまま放置をするよりも、再和解で確実に返済をしてもらったほうが債権者もありがたいです。

もしも任意整理で和解した金額を約定どおりに支払えないのであれば、かならず債権者もしくは弁護士へ相談するように心がけてください。

1度目と異なる債権者であれば任意整理ができる

任意整理は「ひとつの債務から整理できる手続き」です。1度目はA社で任意整理、2度目はB社で任意整理をするときはどちらも「1度目」になるため、任意整理交渉が成立しやすいでしょう。

たとえばあなたがカードローン会社A社、自動車ローンB社、住宅ローンC社の3社から借金をしていたとしましょう。

仮にあなたが「借金の返済が厳しくなってきたから任意整理をしたい。

しかし、車や自宅は残したいからカードローンA社だけを任意整理しよう」と思い、1度目の債務整理でカードローン会社との和解交渉が成立し返済を続けています。

ところが「急な収入の減少によって自動車ローンB社や住宅ローンC社も任意整理したい」と思ったときは、あなたにとっては「2度目の任意整理」になります。

しかし、B社やC社から見れば「1度目の任意整理」になるため、和解交渉が成立しやすいです

同じ「2度目」でも、同じ債権者か否かによって和解成立のしやすさがまったく異なります。同じ債権者に対して2度目の交渉を行うときは「再和解」とも言うので覚えておくと良いでしょう。

参考:弁護士ドットコム|再和解。消費者金融とは再和解は可能なものなのでしょうか?

任意整理後に他の債務整理手続きを選択することもできる

任意整理の和解成立後に支払いが厳しくなり、個人再生や自己破産をしなおすこともできます。再和解に応じてもらえないときや、再和解をしても返済できる能力がないときは、他の債務整理を検討しても良いでしょう。

個人再生であれば、借金を1/10程度まで減額できます。自己破産であれば借金を免責(※)にできます。任意整理以上に経済的メリットを受けられるため、返済が厳しいのであれば検討してください。

(※)株式投資の失敗、ギャンブル、浪費などが原因の借金については、免責が認められないこともあります。また、著しい免責不許可事由がある場合には「一部」免責となります。

ただし、個人再生や自己破産は法的手続きであって、許可を出すか否かは裁判所の判断に委ねられています。借金をした理由や任意整理後に返済をできない理由等細かく問われるため、100%借金を減額できるとも限りません。

個人再生・自己破産は7年以内に1度目をしていないことが必須

個人再生や自己破産の債務整理手続きも回数に制限はなく、2度目以降でも可能です。ただし、任意整理とは異なり「7年以内に再生認可決定もしくは免責許可決定を受けていないこと」が条件です。

用語解説

再生認可決定 個人再生手続きで借金を大幅に減額する決定を受けること
免責許可決定 自己破産手続きで借金を免責にする決定を受けること

つまり、過去7年以内に個人再生もしくは自己破産をして、借金を減額もしくは免責にした方は、2度目の債務整理は認められません。どうしても、借金の返済負担を軽減したいのであれば、任意整理を検討する他ないでしょう。

ちなみに「1度目が個人再生で2度目は個人再生だから良い」とか「1度目は自己破産だったから2度目は個人再生できる」といったことは一切ありません。個人再生・自己破産はいずれも7年以内に経験があれば、認められることはないでしょう。

参考:鹿児島地方裁判所|個人再生手続説明書(P3)

参考:裁判所|免責不許可事由について(P1)

ただし、やむを得ない事由があるときは7年以内でも2度目の個人再生や自己破産が認められることがあります。「やむを得ない事由」に該当するのはケースバイケースですが、下記のような事由は該当しやすいでしょう。

  • 家族や自分の入院費や治療費のために抱えた借金
  • 冠婚葬祭等やむを得ず抱えた借金
  • 仕事上の接待費等を負担したとき
  • 子供の教育費や結婚資金等を捻出したとき

上記はあくまでも一例であり、かならず「やむを得ない事由」として認められるとも限りません。

客観的に見てやむを得ない理由で借金したと判断できるときは、7年以内でも2度目の債務整理が可能となるでしょう。また、7年以上経過していれば債務整理ができることは覚えておいてください。

2度目以降の債務整理はとても厳しく見られる

7年以上経過したときは改めて個人再生又は自己破産ができますが、1度目に比べてとても厳しく判断されるでしょう。たとえば、1度目の債務整理(自己破産)の理由が「ギャンブルや浪費」であっても、あまりにも度が過ぎていない借り入れや反省態度等を鑑みて、()裁量免責を認めることがあります。

※通常、ギャンブルや浪費等で作った借金は免責不許可事由に該当するため、免責許可決定を受けられません。しかし、裁判所の判断で免責許可を出すことがあり、これを「裁量免責」と言います。

1度目の債務整理(自己破産)で裁量免責が認められるためには、債務者自身が2度とギャンブル等で借金をしないことや、ギャンブルを断つための条件が必要不可欠です。

そのため、2度目の債務整理(自己破産)の理由が1度目と同じ「ギャンブルや浪費」であれば、ほぼ間違いなく債務整理(自己破産)ができません。

1度目は許されても、2度目は絶対に許されないと思っておくと良いでしょう。これは、自己破産のみではなく個人再生も例外ではありません。

個人再生・自己破産後に任意整理することは可能

個人再生や自己破産後7年以内の任意整理は債権者次第で可能です。任意整理は交渉に応じるか否かを決定できる権利は債権者が有しています。

仮にあなたの過去に個人再生や自己破産の事実があったとしても、債権者が交渉に応じれば問題なく債務整理ができます。

2度目の債務整理ができるか否かは下記のとおりです。

任意整理(2回目) 個人再生(2回目) 自己破産(2回目)
任意整理 債権者次第で可能 可能 可能
個人再生 債権者次第で可能 7年経過後は可能 7年経過後は可能
自己破産 債権者次第で可能 7年経過後は可能 7年経過後は可能

2度目の債務整理が認められるためにやっておく(知っておく)べき3つのこと

2度目の債務整理は理屈的には可能ですが、実際はかなり厳しく見られるとのことでした。過去に債務整理を経験した方が2度目の債務整理を検討しているのであれば、下記のことを抑えておくと良いでしょう。

  • 1度目と同じ理由で借金を抱えていないこと
  • 具体的な対策をとっている(とっていた)こと
  • 専門家へ相談していること

上記3つのことを抑えておくことで、2度目の債務整理も認められやすくなるでしょう。最後に、2度目の債務整理が認められやすくなるためにやるべきこと、知っておくべきことについてお伝えします。

認められるためにやるべきこと①:1度目と同じ状況ではないこと

2度目の債務整理は1度目に比べて厳しく判断されることは前述のとおりです。とくに、1度目と同じ理由で借金を抱えたときは、2度目の債務整理が認められることはほぼないでしょう。

たとえば、生活苦で借金を抱えたけど返済ができずに任意整理をして返済負担を減らし、生活再建を目指した。ところが、結局生活再建ができなくて生活費のために借り入れ、2度目の任意整理を検討中。

上記の例では「1度目に考えた生活再建や生活設計が現実的ではなかった」「生活水準を下げることができなかった」などが原因と言えるでしょう。そのような事情であれば、2度目の債務整理に応じたところで3度目、4度目と繰り返されることは目に見えています。

他にも、ギャンブルや浪費で多額の借金を抱え、返済できなくて1度目の自己破産をした。しかし、免責許可決定後もギャンブルをやめられずにまた借金を抱え、任意整理や個人再生あるいは自己破産を検討している。

上記の例は論外です。1度目の自己破産でギャンブルを断つことや、生活再建を目指すことを誓っているはずです。その約束も守れないのであれば、2度目のチャンスをあたえる人はそう多くないでしょう。

逆に言えば、1度目と違う理由であれば2度目の債務整理も認められやすくなるでしょう。たとえば、1度目はギャンブル等で自己破産をした。その後、家族の治療費等を支払うために借金をしたけど支払えなくなり、2度目の自己破産を検討している。

上記の例であれば、2度目の借金理由が「やむを得ない」と判断され、債務整理が認められやすい傾向にあるでしょう。また、1度目の借金理由が家族等の治療費、2度目も家族や自分の治療費であれば、同じ理由でも認められる可能性は高いです。

もちろん「保険への加入等必要なリスクヘッジは行ったのか?」等は、2度目の債務整理時に確認されるポイントです。しかし「やむを得ない」と認められるときは、債務整理がしやすくなるので安心してください。

認められるためにやるべきこと②:具体的な対策をとっていること

2度目の債務整理を認められるためには、具体的に借金を減らす努力をしていることが絶対条件です。2度目の債務整理が認められやすくなる借金を減らす努力とは下記のとおりです。

  • 徹底した収支の確認
  • 借金を返済するための節約
  • 借金を抱えないための努力(自主的な財産の売却等)
  • 借金を返済するために生活を変えた(家賃が安い部屋への引っ越し等)
  • 収入を増やす努力をしたか否か

上記のとおり、具体的に借金を抱えない努力、借金を返済する努力をしたかどうかが大きなポイントになるでしょう。

2度目の債務整理を検討しているのであればまずは「本当に徹底的にやったか?もうできることはないのか?」と自問自答してください。そこで「これ以上は本当に無理だ」と思ったときは、2度目の債務整理も認められるでしょう。

自問自答をしたときに「まだこうすれば借金を返済できるかも…」と思うところがあれば、債務整理をしたところで同じことを指摘されるのみです。まずは、自分でできることを徹底的にやってみることを意識すると良いでしょう。

認められるためにやるべきこと③:専門家への相談をしていること

2度目以降の債務整理は非常に厳しく判断されることは何度もお伝えしているとおりです。そのため、2度目以降もかならず司法書士や弁護士等の専門家へ相談することを強くおすすめします。

中には「1度目で経験したから2度目は自分でできる」と思っている方もいるかもしれませんが、自分で行う債務整理は避けたほうが良いでしょう。

弁護士等の専門家へ依頼するからこそ得られるメリットも多くありますし、交渉術を持ったプロに依頼をすることで得られる効果も大きいです。専門家へ支払う報酬は渋る部分ではありません。2度目はかならず、専門家へ依頼してください。

まとめ

今回は、2度目の債務整理のできるのか?についてお伝えしました。債務整理に回数制限はなく何度でもできるとのことでしたが、2度目以降になるととても厳しく判断されるため、一筋縄ではいきません。今回お伝えしたことを改めてまとめると下記のとおりです。

  • 2度目以降の債務整理も可能。債務整理に回数制限はない
  • 任意整理は同じ債権者相手に2度の交渉はかなり厳しい。2度目の任意整理が別の債権者なのであれば「事実上の1度目」と判断される
  • 個人再生や自己破産といった債務整理は、過去7年以内に再生計画の認可もしくは免責許可を受けていないことが条件
  • 2度目の借金内容次第では、7年以内の個人再生や自己破産もできる可能性はあるため、ケースバイケース

「2度目の債務整理」とはいっても、債務整理同士の相性や状況によっても厳しさが変わります。「2度目の任意整理」でも、債権者が同じか否かで結果は大きく変わるでしょう。

また「2度目の債務整理」でも1度目が個人再生や自己破産で2度目が任意整理であれば、認められる可能性が高いです。上記のように、債務整理の相性次第で大きく状況は異なる点だけは覚えておいてください。

(監修:加陽麻里布)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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