自己破産するとどうなる?クレジットカード使える?家族や同居人への影響とバレる理由

           
             

自己破産は、借金の返済で困ってる人が裁判所に申立てを行い、免責許可をもらうことで借金をゼロにしてもらう手続きです。

借金がなくなる、というかなりのメリットがある一方で、自己破産に対するマイナスイメージを持つ方も少なくありません。

確かに、ゼロにする代わりに…といったデメリットは存在します!

自己破産を検討したとき、家族や同居人が代わりに借金を返すことになるのではないか、家族も財産や貯金を失ってしまうのではないかと気になる方も少なくないはず。

結論から言えば、自己破産が直接家族や同居人に与える影響はほとんどありません。ただし、間接的に影響を受けてしまうことはあります。

自己破産をこれから考えている人に、自己破産したらどんな影響があるのか、家族や同居人にどのように関わってくるのか、破産後のデメリットや手続きで知っておきたいことをお伝えします。

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自己破産のデメリットとは?官報に載る?手続き前に注意点を確認!

自己破産の申立てを行い、免責許可が下りると借金の返済義務はなくなりますが、破産後、いくつかのデメリットが生じます。詳しく見ていきましょう。

信用情報機関(ブラックリスト)に登録される

自己破産をすると、信用情報機関に5~10年事故情報が掲載され、クレジットカードの新規発行やローンを組めなくなります。

信用情報機関にはCIC、JICC、KSCの3つがあり、どこに登録されるかは各金融機関によって異なります。また、信用情報機関によって登録される期間には違いがあります。

  CIC JICC KSC
自己破産 5年 5年 10年
任意整理・個人再生・特定調停 5年 5年 5年

上記の通り、自己破産以外の債務整理では最長5年程で抹消されますが、自己破産をすると銀行系金融機関(KSC)では、抹消までに最長10年かかることが分かります。

個人信用情報機関は、それぞれ情報共有を行っておりブラックリスト期間中は審査に通りにくくなります。ブラックリストから外れたかどうかは、「信用情報開示請求」をすることによって確認できます。

持ち家や車などの財産が没収される

自己破産をすると、資産価値が高い持ち家や車などの財産は没収されます。しかし、自由財産と言った、生活に必要な家具や白物家電は必要最低限の財産として残すことができます。

以下は、資産基準として没収されるものです。

  • 現金・預金…99万円以下の現金は残すことが可能
  • 土地・不動産…住宅ローンが残っていなくても没収される
  • 自動車…売却価格が20万円を超える場合は対象
  • 保険金・解約金…貯蓄型保険などで解約金が20万円を超える場合は対象
  • 退職金…大企業に勤めていた場合、退職金の8分の1相当額を没収

破産手続き中は職業の制限がかかる

自己破産をすると、会社を辞めなければいけないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、会社に借金をしていない限りクビになることもありません。

職業制限の開始時期は、破産者が申立てを行い、裁判所が「破産手続開始決定」を行ったときです。

職業制限がなくなる時期は事件の種類によって違いますが、免責許可が確定されたときです。

細かく見ると膨大な種類の職業制限がありますが、大まかな職種を紹介します。

士業 弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・宅地建物取引士
公務員 公証人・教育委員会・公正取引委員会
団体企業 日本銀行・信用金庫・労働派遣・商工会議者
その他業種 生命保険募集人・警備員・建築業

保証人・連帯保証人に迷惑がかかる

保証人が付いてる場合、債務者が自己破産をすると返済義務がなくなるので保証人へ請求が来ることになります。

また、自己破産と同時に分割で支払う権利を失ってしまうので。保証人には一括で請求されてしまうことになります。

例えば、夫が自己破産をした場合、妻や子供が保証人となっていれば返済義務は家族に一括請求が回ってきます。

借金で離婚をしても、借金の返済義務はなくなることはなく連帯保証人も一緒に自己破産をするケースが多くあります。

国が発行する官報に掲載される

自己破産を周囲にバレないように手続きをしたいけど、「官報」に載るから踏み込めない人もいるかもしれませんが、官報を見ることができるのは一部の人だけです。

官報には、破産者の名前や住所、手続き開始日などが掲載されますが官報に載ったからと言ってバレることはありません。

デメリットの1つとして挙げられますが、一般では公開されていないためほとんど目につくことがないとされてます。

自己破産の手続き前に知っておきたいこと

上記では自己破産のデメリットを紹介してきましたが、自己破産をする前に知っておきたいことをまとめてみました。

免責許可を受けるためにも、必要な知識を知って確認しておきましょう。

財産隠しは詐欺罪になり免責不許可になる

自己破産で没収対象となる現金や持ち家も、申立てを行った本人のみが処分対象となりますが、例外で家族も調査の対象となるケースがあります。

例えば、自己破産前に家族名義の通帳に預金が振り込まれていたり、名義変更をされていたケースは財産隠しと見なされて、調査の対象になる可能性があります。

手続き中に故意で財産隠しが発覚すると、免責が認められないことがあります。さらに、免責決定後に財産隠しがバレると「詐欺破産罪」に問われます。

【破産法265条】
 

  1. 債務者の財産を隠匿し、又は損壊する行為
  2. 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
  3. 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
  4. 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

税金や養育費は債務の対象にならない

自己破産の免責許可を受けても、非免責債権と言った対象とならないものがあります。非免責債権の種類は、破産法253条1項で定められています。

【非免責債権の種類】

  • 税金(滞納した税金も含む)
  • 国民健康保険・国民年金
  • 養育費・慰謝料
  • 損害賠償金

上記以外にも、債権者一覧表(破産者が把握している貸金業者の名前や住所を記載したリスト)に記載しなかった債権は、忘れていた場合でも非免責債権となります。

多重債務に陥った場合に多く、弁護士に自己破産を依頼する場合に伝え忘れがないか注意しましょう。

過払い金請求はできても返還は難しい

自己破産をした後に過払い金返還請求をすることは可能ですが、対象となるのは2006年(平成18年)以前に借り入れた借金です。

過払い金には取引終了から10年という消滅時効があります。支払いを停止したときから10年以上経過していると、時効のため過払い金の回収はできません。また、2007年以降に自己破産をしている場合は、手続き中に過払い金調査をしていることが多いので、新たに過払い金請求を立てることはできません。

過払い金があることを分かってたうえで過払い金請求をせずに自己破産をした場合は財産隠しと見なされ、免責不許可となることがあります。

給与振込口座の銀行の借入は注意が必要

給与が振り込まれてる銀行口座から借入があると、自己破産の手続き後、給与の引き出しができなくなるので、手続き前に給与口座を変更しておきましょう。

また、家賃や光熱費をカード払いにしている場合は現金払いなど、支払い方法を変更することも忘れないようにしましょう。

家賃の滞納によって契約を解除されることもある

自己破産を理由に、住居を失うことはありませんが、滞納していた家賃も破産後、免責になった場合は支払い義務がなくなります。

現在の住居に住み続けたくても、家賃の滞納によって契約を解除されてしまう可能性も考えられます。

個人間の話し合いも必要ですが、破産前に滞納分を返済したり毎月の賃料を支払うことはとくに問題となりません。

以上が自己破産のデメリットですが、このデメリットは「借金を返す義務がある自分のみ」に関しての影響でとどまるのでしょうか?

ここからは、自己破産をすることによる、家族や同居人に対しての影響について見ていきましょう。

自己破産は申し立てをした本人のみ帰属する!ただし間接的に家族に影響がある!

自己破産をすると、基本的にすべての債務がゼロになります。

この効果は申し立てた本人のみのものです。同じように、自己破産による資産の没収やブラックリスト登録なども、申し立てた本人のみとなるのです。

ですから、基本的には自己破産が家族に与える影響はありません。

ただ、間接的に家族に与える影響もあるため、自己破産をする際には家族ときちんと話をしておくことが大切です。

今回は、6つの項目に分けて、家族に与える影響の有無をご紹介していきます。

①その借金に対して家族が連帯保証人になっている場合は影響あり!

自己破産で免除になった借金について、その家族が代わりに返済をする必要はありません。

妻や子ども、親、同居人だったとしても、債権者と契約していない相手は返済する必要はないのです。

ただし、注意しなければいけないのは、その借金の連帯保証人になっていた場合です。

主債務者が自己破産をしても、連帯保証人になっていると代わりに返済しなければいけません。それだけでなく、残りの借金について全額一括返済を求められることもあるのです。

家族が連帯保証人や連帯債務者になっていて、返済できない場合は、主債務者と一緒に自己破産をすることも検討しなければいけません。

②資産・預貯金・保険は誰名義なのかが重要!家族名義であっても注意しなければならない点もある

不動産や車などの資産、預貯金や契約している保険については、自己破産を申し立てた本人名義の物が差し押さえの対象となります。

子供の教育ローンなども解約対象となるため、原則として手元には残りません。

ただし、家族名義の資産、そして家族名義で契約した預貯金や保険については原則対象外となるので、影響はありません。

しかし、こちらも注意しなければいけない点があります。

家族名義であったとしても、その口座への入金や保険料の支払いが自己破産申立人であった場合、自己破産者の資産だと判断されて処分されてしまう恐れがあります。

家族口座への入金や保険料支払いは隠してはいけません。もし隠していた場合は財産隠しとみなされ、免責許可が下りない恐れもあるので注意しましょう。

③ローン申し込みは自己破産者以外の家族は普通にでき、問題なければローン審査に通り利用OK

自己破産者は、ブラック扱いになるため10年程度ブラック扱いとなってしまいます。当然、新規ローン申し込みをしても審査に通ることはできません。

しかし、自己破産者の家族がブラック扱いになることはなく、通常の審査を受けて、返済能力があると判断されれば問題なくローンを利用することはできるのです。

ただし、事故情報が削除されるまで、自己破産者が子供の奨学金などの保証人になることはできません。他の家族に頼む、保証会社を利用するなどの方法をとる必要があります。

④クレジットカードは家族名義であればOK!ただし破産者名義の家族カードは解約…

自己破産をすると、クレジットカードが強制解約となるため利用できなくなります。しかし、家族がそれぞれの名義で契約しているクレジットカードは問題なく利用し続けることが可能です。

ただし、家族が利用しているクレジットカードが家族カードである場合は、家族カードも解約となるため利用することが出来ません。

家族カードを利用している場合は、新規で家族それぞれがクレジットカードを申し込み・契約する必要があります。

ちなみに、自己破産者の家族に事故情報が登録されることは無いため、家族が申し込んだクレジットカード審査で影響が出ることはありません。

気になる場合は、自己破産以外の債務整理で借金が減らせないか?を、借金減額診断でシミュレートしてみてはいかがでしょうか。

専門家に確認!

⑤自己破産者名義の住居や車は処分の対象に!同居家族や同居人にはかなり影響が…

自己破産をすると、持ち家は処分対象となり没収されてしまいます。住むところを失ってしまうため、新しい家での生活になってしまうだけでなく、家族の通勤・通学に影響が出る可能性があります。

自動車も基本的には処分対象となるため、車がない生活になってしまいます。ただし、自動車に対してはどうしても生活に欠かせない立地にある、高齢で自動車がなければ生活できないといった状況によっては、保有を認めてもらえるケースもあります。

家族名義の自動車や家は処分の対象ではないため、手放す必要はありません。ただし、自分名義の自動車を自己破産前に家族名義に変更する行為は、財産隠しと判断され免責不許可事由に該当してしまうので、行わないようにしましょう。

⑥自己破産者本人は職業制限を受けるが、家族や同居人が就職や結婚に制限を受けることはない

自己破産をすると、免責確定まで職業制限がかかります。対象となる職業は、弁護士や司法書士、土地家屋調査士や税理士など特定の士業、団体企業役員や一定の業種となっているため、会社員やOLは関係ありません。

職業制限は自己破産申し立てをした本人のみが対象となる為、家族の仕事には影響しません。子供の就職や転職に親の自己破産が影響することは無いのです。

また、自己破産情報が戸籍などに記録されることはありませんから、子供の結婚にも法的な影響はありません。

家族に内緒で自己破産を行うことはできる?

自己破産を行うとき、家族名義の資産や預貯金を処分されることはなく、ローンやクレジットカードの利用にも影響しないことをご紹介しました。

特に、持ち家ではない、自動車を保有していない場合は、家族へかかる影響はほとんどないと言えます。

では、家族にバレないように自己破産を行うことはできるのでしょうか。

裁判所などから家族に自己破産についての連絡が来ることはありませんが、結果的に自己破産を知られてしまう可能性はあります。

特に、同居している家族がいる場合は要注意です。どういうことなのか、具体的にご紹介しましょう。

自宅への郵便物が届かないようにすることは可能

自己破産を申し立てると、様々な書類が必要になり、当然自宅へ届く郵送物も出てきます。この郵便物を見られることで、家族に自己破産手続きのことがバレてしまう可能性があるのです。

しかし、自己破産の手続きを弁護士に依頼すれば、全ての郵送物のやり取りを弁護士宛にすることができるため、自宅へ郵便物が届くことはありません。

少なくとも、自宅に郵便物が届くことによって自己破産がバレることは防げます。

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同居の家族は給与明細や課税証明書の提出が必要

自宅に郵便物が届かなくても、自己破産を隠し通せないケースがあります。

なぜなら、自己破産をするにあたって同居家族の収入や財産の状況について裁判所に報告しなければいけないためです。

場合によっては、家族の所得証明書や通帳のコピー提出を求められる場合もあります。自己破産申立者本人に隠し資産がないか、虚偽の申告がないかを判断する為です。

収入証明の提出には、家族の協力が必要不可欠となりますから、隠し通すことは難しいと言えます。

破産者本人の財産・資産が処分されること、同居家族に関する資料提出が必要となることから、家族に内緒での自己破産は困難です。しかし、別居している家族にはバレることなく手続きすることも不可能ではありません。

家族に内緒で手続きすることにはリスクがある

自己破産は、家族に直接的な影響があるわけではありません。しかし、だからといって自己破産をしたことを黙っていると、バレたときに信頼関係が失われて家族が壊れてしまうことは十分考えられます。

自己破産前に、自己破産をすることでどのような影響があるのか、影響が出ないのはどのような部分なのか、家族に丁寧に説明することをオススメします。

いずれにしても、自己破産手続きをする際には弁護士など専門家を訪れ、対応についてしっかり相談することが大切です。

あとあと家族にバレてしまった…という方が、問題が大きくなってしまう可能性もあるので慎重に行動しましょう。実際にどういった部分でバレてしまうのかについてまとめてみました。

自己破産を家族に内緒でしたい方必見!自己破産が周囲にバレてしまうケースとは?

自己破産の手続きを家族に内緒でしたい!と思われる方もいるかもしれませんが、財産の没収や必要書類の手続きなどでバレることがあります。

免責決定までに時間がかかると、それだけバレる確率も高くなります。自己破産の申立てに必要な書類を「正確に早く集める」ことが重要です。

それ以外に、自己破産でバレてしまうのはどういうケースが多いのでしょうか。

管財事件の財産没収でバレる

債務者に家や車があれば一定の財産があると見なされ、管財事件として進めていくことになります。

管財人が選任され、財産処分・管理を行うときに、保険の解約や自分名義の財産は売却しなければいけないため、同居している家族がいれば隠すことはほぼ不可能です。

連帯保証人が付いてる場合にバレる

自己破産をする上で気を付けたいのが、連帯保証人が付いてるケースです。

免責決定を受けると、債務者の支払い義務はなくなりますが連帯保証人の債務はなくなりません。督促が連帯保証人に行くため、そこからバレてしまうことになります。

妻や身内が連帯保証人になってる場合は、同時に自己破産をするなどの対処が必要です。

裁判所の提出書類でバレる

自己破産の申立てに必要な提出書類の中に、「給与明細」「源泉徴収票」「退職金計算書」があります。

これらは会社から直接もらう必要があり、退職金計算書については理由を聞かれる場合があります。

また、同居家族(妻・祖父母)と生活を共にしていて働いている場合は、同居人の預金通帳や給与明細のコピーを裁判所に提出する必要もあります。

このことで不審がられ、バレてしまう可能性があります。

会社から借金をしていると、自己破産の通知でバレる

個人が自己破産をしても会社にバレる心配はありませんが、会社に借金をしている人が自己破産をすると、通知が会社に届くのでバレてしまいます。

任意整理など他の債務整理とは違い、自己破産は整理の対象を選ぶことができないうえに、全ての借入先に自己破産をした通知がいくのでバレてしまいます。

会社から直接借金をしていなくても、労働組合を通して借入をしている場合もバレてしまうので注意が必要です。

免責確定までの職業制限でバレる

自己破産の申立てから免責が確定するまでの間、就ける職業に制限がかかります。

一般的な会社員であればとくに心配はありませんが、下記の職業に該当する場合は仕事を続けることができません。

士業 弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・行政書士・宅地建物取引士
公務員 公証人・都道府県公安員会・公正取引委員会・教育委員会
企業役員 日本銀行・信用金庫・金融商品取引業者・商工会議所
一定の業種 生命保険募集人・警備員・建築業・旅行業者・質屋・廃棄物処理業者

免責確定までは上記の職業に就けないので、バレてしまうことになります。

もし自己破産を考えているなら、早い段階から会社に相談することで一時的退職者として扱ってくれることもあります。

専門家とのやりとりや裁判所からの郵送物でバレる

弁護士に手続きを依頼していること自体は、守秘義務があるためバレることはありません。

弁護士に依頼していれば、裁判所からの郵送物についても、郵便局留めにしたり電話連絡もメールで行うなど配慮してくれます。

しかし、自身で破産手続きを行うとなれば別!専門家からの連絡や裁判所からの郵送物は、全て自宅に届いてしまうのでバレてしまいます。

ローンが組めなかったりクレジットカードが作れずバレる

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されるので7~10年は、ローンが組めなかったりクレジットカードを作ることができません。今持っているクレジットカードも利用できなくなります。

ローンの審査が通らないことや、クレジットカードを持っていないことを家族に不審がられてしまう可能性はあります。

デビットカードであれば、即時決済になるので自己破産をしている人でも持つことができます。

自己破産の同時廃止であれば、バレずにできる場合も…

一定の財産があるなら管財事件となってしまい、財産没収で家族にバレてしまうことがほとんどですが、20万円以上の価値のある財産がない場合は同時廃止として扱われるので、バレずにできる可能性があります。

それ以外にも、上記で説明したバレてしまうケースをしっかり考えて、事前準備で防ぐこともできます。

もしどうしても「内緒で進めたい」という場合は、専門家に相談、自己破産の依頼をする、そしてその相談時に「バレないように内緒でしたい」ということを弁護士に伝えておくと、しっかり対応してくれます。

実際、バレずに自己破産をした人もいるのでまずは専門家に相談してみると良いでしょう。

ただし、連帯保証人が付いてたり会社から借金をしているなど、どうしても避けられない状況がある場合は別です。

自己破産手続きの流れと注意点をおさらい!

自己破産の手続きから終了までは、借金や財産の状況によって大きく変わります。

早く借金から解放されたい!と思っても、個人によって終了時期が違うので、一概にこれだけの期間で手続きが完了します!とは言えません。ただ、自己破産の手続きや流れは一緒です。

自己破産の手続きは自分ですることもできますが、裁判所とのやりとりから、取立てをストップする貸金業者との交渉を行わなければなりません。

自身で行うのはかなりハードルが高く、なかなか思うように進められない場合も!でも、弁護士に依頼すれば、書類の作成から裁判所への申立て、交渉も全て依頼することができます。

専門家である弁護士に依頼した場合の基本的な流れや終了までの期間、自己破産の手続きがバレてしまうケースについて解説します。

1.弁護士に自己破産の相談:約1~3週間

自己破産の手続きをするために、まずは弁護士事務所に相談します。相談当日は「借金総額」「貸金業者名」「収入状況」が分かるものを一緒に持参します。

持ち家や車などの財産があれば、自己破産では処分の対象となるので、手放したくない場合は債務整理の手続きを任意整理個人再生に変更するなど、弁護士からのアドバイスがあります。

手続きを依頼し、弁護士が受任通知を債権者に送付するまでは、生命保険の解約返戻金の確認や、退職金の見込み額など財産処分の影響となるものを確認します。

受任通知を送付するまで、この時点で早くて数日、遅くとも3週間程かかります。

2.弁護士が貸金業者に受任通知を送付:約1ヶ月

依頼を受けた弁護士は各債権者に対して「受任通知」を送付します。

受任通知を受け取った債権者は、貸金業法の法律によって訪問や電話などの取り立てが一切できなくなり、早くて2~3日でストップします。

弁護士に依頼をした翌月から毎月の返済もストップします。

この時点で、取り立てや督促が続いてる場合は、法律に違反しているので弁護士に相談することができます。

3.申立に必要な書類準備:約1~2ヶ月

自己破産の申立てに必要な書類を弁護士が準備してくれるので、必要事項を記載していきます。

裁判所によって必要書類が異なりますが、一般的な必要書類は以下になります。

破産手続き開始及び免責申立書 破産者氏名、住所、生年月日、連絡先、家族構成や借金の額、生活状況、借入時期や所有財産等を記入します
陳述書 借金の理由、経歴、自己破産でしか解決できない理由や反省文、今後の生活について書きます
債権者一覧表 借入のある全ての業者名、債務額、借入時期、返済金額を記入。記入漏れがあった場合は申立てが通らないことも
資産目録 現金、住宅、自動車など全ての財産を記入します
収入状況 1ヶ月の収入と支出の詳細を記入します
書類がなかなか集まらなければ、申立てまでに半年以上かかる場合もあります。

同時に、弁護士費用の着手金や裁判所にかかる費用も準備しなければいけないので、支払いが遅れると手続きがさらに長引いてしまいます。

4.裁判所にて破産審尋を行う:約2~3ヶ月

書類を提出したら約1ヶ月後、裁判所から「破産審尋」の要請を受けます。この「審尋(しんじ)」とは、裁判所が債務者に対して「どうして申立てを行ったのか」について質問されます。

自己破産は全ての借金をゼロにする手続きなので、債務者の事情について「的確かどうか」を裁判所が判断する、第一段階の審尋になります。

所要時間は10~20分程度で、聞かれる内容は債務者によって違いますが、「借金をした理由」や「返済が不可能になった理由」などを尋ねられます。
即日面接制度
東京地裁では、即日面接制度があります。通常は、破産開始決定までに1ヶ月程かかりますが、即日面接制度は申立てから3日以内に行われます。この制度は、弁護士が代理人とされている場合に限り破産開始決定が行われます。

5.破産手続きの開始決定:事件の種類によって期間が変動

破産手続き開始決定がされるタイミングで、「同時廃止」か「管財事件」かを判断されます。

住宅や車など、財産がある場合は「管財事件」の扱いとなり免責までに1年かかるケースもあります。
  • 同時廃止…債務者に財産が無く、これ以上調査や管理をする必要がないときに破産手続き開始と同時に、破産手続きが終了します。
  • 管財事件…債務者に一定以上の財産がある場合破産管財人が選任され、財産の調査と換価処分を行います。同時廃止より破産手続き終了まで時間がかかります。

自己破産では、圧倒的に同時廃止となることが多いですが、どちらになるか不安な場合は弁護士に相談することができます。

弁護士法人・響の借金減額シミュレーターなら、自分の借金が自己破産の手続きに向いているのか?そもそも借金が減らせるかどうか?を先に調べておくことができます。

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6.裁判所にて免責審尋を行う:約4~6ヶ月

破産開始決定がなされると、次に免責許可を決定する「免責審尋」を行います。免責審尋は破産審尋と違い、複数人の自己破産申立者と一緒に行われます。

免責審尋では、債務者の借金事由に嘘や偽りがないか確認するのが本来の目的ですが、実際の審尋では細かく聞かれることはありません。

所要時間は10分程で、質問内容は住所や氏名の確認、自己破産後の注意事項について説明を受けることになります。

7.免責許可が決定し返済義務がなくなる:約5~9ヶ月

免責審尋から約2週間で免責許可が決定し、借金の返済義務がなくなります。

免責許可決定から2週間後に「官報」に掲載されます。

裁判所による免責許可が決定すると、貸金業者から請求が来たとしても支払いを拒絶することができます。

但し、以下の「非免責債権」については支払う義務があります。

  • 税金・社会保険料
  • 子供の監護に対する養育費
  • 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償
  • 故意や重い過失により加えた損害賠償請求
  • 従業員の未払い給料

非免責債権は、破産法第253条1項で定められています。

注意!破産前の自宅売却は財産隠しで免責取消になる場合も…

自己破産をする前に、住宅を売却したり財産を身内に渡したりすると財産隠しと見なされ「詐欺破産罪」となります。

自己破産で免責を受けると全ての借金がなくなるというメリットがありますが、手持ちの財産もほとんどなくなるので、身内に渡したりバレないようにと隠す人もいます。

詐欺破産罪は破産法265条1項に規定されており、以下の問題行為を取り締まっています。

  • 財産の隠匿・損壊…現金を隠したり価値のある物を壊す
  • 財産譲渡…身内や知人に財産を譲渡する
  • 財産の価値を減少…価値ある物に傷をつけ債権者の不利益になるように処分する

詐欺破産罪が決定すると免責取り消し、または自己破産をしても免責が下りない可能性があります。

詐欺破産罪が成立するのは、破産前のいつ行った行為なのか一般的によく分からないことが多いので、手続き前に財産処分を考えてるなら弁護士に相談したほうが安心です。

自己破産をしても残せる自由財産とは?

自己破産をすると全ての財産を没収されてしまう、というイメージがありますが特に資産価値のある財産がなく、同時廃止が採用されれば財産を残せます。

一方で、管財事件が採用されると裁判所は「破産管財人」を選任し、財産の配当を行います。

しかし、すべての財産を没収してしまうと破産者の生活が成り立たないので、手続き後に破産者が手に入れた給与は「新得財産」と呼ばれ、処分対象になりません。

また、破産者が生活するために必要最低限の財産を「自由財産」と言い、破産者の自由にできる財産があります。

新得財産
手続き後に手に入れた給与などの財産
自由財産
生活するために必要最低限の財産

処分されない自由財産は法律で定められています。

  • 99万円以下の現金…現金99万円は預貯金ではなく、あくまでも現金に限ります
  • 差押え禁止財産…布団や冷蔵庫など最低限生活に必要な財産
  • 自由財産の拡張…裁判所の判断によって自由財産と認められた財産
管財事件となってもすべての財産が没収されるわけでなく、生活をしていく上で必要最低限の財産は、差押え禁止財産として法律で守られています。

自己破産を短期間で終わらせたいなら弁護士に相談がおすすめ

自己破産の手続きは早くて3ヶ月、管財事件では1年程かかることがあります。

自己破産の手続きは、個人で行うより、弁護士に依頼したほうが時間もかからず早く終わる可能性が高いです。

即日面接は東京地裁のみの制度ですが、申立てから3~4日以内に面接に応じてくれる裁判所もあります。

管財事件になると時間がかかってしまうため、弁護士に依頼すれば少額管財にできる場合があります。少額管財は人件費を安く抑え、面接や審尋を原則3ヶ月で終わらせることができます。

早く生活の立て直しをしたいなら、自己破産の整理に強い弁護士に相談してアドバイスをもらいスムーズに進めて行くことがおすすめです。

2回目の自己破産ってできる?何回までしてもいいの?上限回数や条件、注意点

条件をクリアすれば、借金をゼロにすることができる可能性があるのが「自己破産」です。借金問題を抱えている方にとって、自己破産は最後の砦。「できる」「できない」は、非常に気になるポイントと言えるでしょう。

「借金返済が、またきつくなってきた…でもすでに自己破産で借金をゼロにしたことがあるから、もう1回、自己破産するのはさすがに無理?」と諦めている方もいるかもしれませんね。

過去に自己破産の経験がある方にとって、気になるのが「2回目、3回目など、何回でも自己破産はできるのか?」という点です。

二度と借金地獄に陥らない!と頑張ったけれども、また借金を抱えてしまって…ということは十分にあり得ます。

昨今の新型コロナウイルス感染症により、失業、倒産、アルバイトやパートのシフト減、コロナにかかり休職、ボーナスカットなどの収入減などから、再度、借金を抱えてしまった…という方も多くいらっしゃるようです。

「自己破産は何回までできるのか?」「費用は?」「注意点は?」といった基礎知識から、手続きの方法、3回目や4回目の場合は?など、気になる情報を幅広く紹介します。

自己破産に回数制限はない

まず気になるのが、自己破産を申し立てることができる「回数」についてです。

法律に、「自己破産の上限回数」を決める定めはありません。つまり、制度上は何度でも自己破産できる可能性があります。

自己破産は、借金問題を抱える方を救済するための借金減額制度。このため、回数ではなく、その人自身の支払い能力や借金の状況などによって決定されます。

ただし、2回目以降の自己破産は、最初のときよりも条件や負担が厳しくなります。「1回目よりも認められにくい」という点を、頭に入れておきましょう。

2回目の自己破産には、どんな条件があるのか?詳しく見ていきましょう。

2回目の自己破産は条件クリアで可能!その条件は2つ!

2回目以降の自己破産を検討する際には、まず以下の条件2つを満たしているかどうかを確認しましょう。2回目以降の自己破産の、最低条件となります。

  • 前回の自己破産の免責許可から、「7年以上」経過している
  • 前回とは「異なる理由」で自己破産を申し立て、なおかつ免責不許可事由をクリアしている

たとえば、前回の自己破産が「5年前」という場合、2度目の手続きを取ることはできません。これは、破産法で定められているためです。

債務者が自己破産で免責決定を受けた場合、債権者側は不利益を被ります。短期間で不利益が重なることがないように、「7年」という期間が定められているのです。

ただ、やむを得ない事情がある場合は、裁判所の裁量免責により、7年以内の申し立てについても、債務免除を認める可能性も!

また、自己破産をする「理由」についても注意してください。前回と同じ理由では、「反省が見られない」と判断され、免責が認められるのは難しいです。これは致し方ないこと。

たとえ手続きをスタートしても、「また繰り返すリスクが高い」と判断され、自己破産を認められる可能性は限りなく低くなってしまうでしょう。

もちろん、2回目であっても、免責不許可事由に当てはまる点がないことも確認されます。以下のようなものです。

【免責不許可事由に該当する例】

  • パチンコや競馬、協定などの「ギャンブル」「賭博」
  • 株、FX、仮想通貨、先物取引などの「射幸行為」
  • 収入に対して、過度な飲食や旅行、風俗などの「浪費・無駄遣い」
  • 財産隠しや、財産の不利益処分、虚偽の説明など
  • クレジットカード枠の現金化などの「換金行為」
  • クレジットカードで買ったものを売る「転売行為」
  • 一部の債権者にだけ返済する「偏頗弁済」
  • 前回の免責申し立てから7年経過していない

上記の免責不許可事由であっても、1回目の自己破産の場合は、裁量免責により免責が認められるケースもあります。

2回目の場合「免責不許可事由に当てはまらない」+「1回目と異なる理由である」と、より厳しい条件をクリアする必要があります。

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1回目の自己破産と2回目の自己破産、違いは主に3つある!

2回目以降の自己破産は、1回目の自己破産とは、異なる点も多く見られます。3つの違いを解説するので、ぜひ頭に入れておいてください。

管財人弁護士がつく可能性が高い

もともと破産手続きには、以下の2つの種類があります。

  • 同時破産事件
  • 管財事件

それぞれの詳細は以下のとおりです。

同時破産事件とは?
申し立てた人に財産がないことが明らかな場合に、管財人弁護士をつけることなく、手続きを進めていきます。換価・配当といった手続きが省略され、手続開始と同時に終了する。個人の自己破産で多く見られる手続きです。
管財事件とは?
一般的な破産手続きであり、選任された管財人弁護士が、財産の調査・管理・換価・配当などを行うものです。

個人で1度目の自己破産を行う場合、同時破産事件として扱われるケースが多く見られます。しかし、2回目の場合、管財事件となる可能性が高くなります。

管財人弁護士が選定される理由は、財産の状況をより詳細に調査したり、自己破産が妥当かどうか判断したりするためです。一般の弁護士とは違い、裁判所が選定するため、自分で自由に選ぶことはできません。

同時破産事件でなく、管財事件になれば、自己破産手続きのコストが増える

管財事件となり、管財人弁護士が選定されれば、自己破産にかかるコストが上昇します。

同時破産事件と管財事件にかかる費用の違いは、以下のとおりです。

必要な費用 具体的な金額
同時破産事件 裁判所に支払う予納金 1万円~3万円程度
管財事件 裁判所に支払う予納金
管財人弁護士に支払う報酬
50万円~80万円以上

財産が少ない場合は、少額管財事件として扱われ、予納金を低く抑えられます。ただしこの場合でも、負担金額は50万円程度と、決して少なくありません。

また、すべての裁判所が少額管財事件を採用しているわけではないという点も、頭に入れておきましょう。その場合、さらに負担金額は増えてしまいます。

管財事件になれば、半年~1年程度かかるかも!時間や手間も増える

管財人弁護士が選定されれば、適切な調査・打ち合わせが行われます。具体的な流れは、以下のとおりです。

  1. 破産手続の開始
  2. 破産管財人の選任
  3. 破産管財人の調査の実施
  4. 破産管財人との打ち合わせ
  5. 債権者集会
  6. 免責手続の開始
  7. 免責審尋
  8. 免責許可決定(または免責不許可決定)

1回目が同時破産事件であれば、破産管財人や債権者との関わりは、全てスキップして手続きを終了できます。それと比較すると、手間も時間もかかってしまうでしょう。

同時廃止の場合、免責許可までの期間はおよそ2ヶ月から6ヶ月。一方で、管財事件の場合は6ヶ月から1年程度が目安です。

ただし少額管財事件の場合、手続きの簡略化により、目安期間は3ヶ月から6ヶ月ほどとなります。時間的な負担は、かなり軽減できるでしょう。

2回目の自己破産が認められるための3つのポイント

法律的には問題がなくても、現実的には難しいのが「2度目の自己破産」。

反省してこれからは気をつけます!と約束をして行った手続きであったはずなので、2回目となると「また?」「反省していないかもしれない!」「繰り返す可能性もある」など、1回目の時よりも、厳しい目でチェックされます。

2回目の自己破産の免責を認めてもらう可能性を高めるためには、いくつかのポイントを意識して行動しましょう。

「やむを得ない事情」を伝えること

2回目の自己破産では、「1回目と違う理由である」ことが大前提です。それに加えて、「やむを得ない事情があった」ことが伝われば、自己破産が認められやすくなります。

【やむを得ない事情の例】

  • 事故や病気によって、働くことが難しくなった。
  • 真面目に働いていたが、介護等で退職せざるを得なかった。
  • パートナーとの死別や離別によって、経済状況が急激に悪化した。

どのような経緯で2回目の自己破産に至ったのか、裁判所には伝わらない可能性も。「やむを得ない事情」がある場合は、しっかりと伝えておきましょう。

反省の姿勢を真摯に見せること

自己破産手続きでは、債務者審尋、免責審尋が行われます。重要なのは、反省の姿勢をしっかりと見せることです。

自己破産は、債権者側にとって負担の大きい手続きです。「借金を安易に考え、自己破産をすれば良いと考えているのでは?」と思われれば、免責許可が下りる可能性は低くなります。

自己破産の理由にやむを得ない事情があったとしても、反省の姿勢を見せることは、極めて重要。審尋での受け答えは、慎重に行いましょう。

弁護士などの「専門家の手」を借りること

2回目の自己破産を検討し始めたら、まずは弁護士に相談しましょう。

許可決定が下りる可能性があるかどうか、その他の方法を選べないかなど、総合的なアドバイスをもらえます。

1回目の手続きよりも、さらに複雑かつ高度になる2回目の自己破産。自分の力だけで乗り切るのは、ほぼ不可能です。できるだけ早く、専門家の手を借りるのがおすすめです。

「2回目の自己破産となると相談しづらい…」と思う方もいるかもしれませんが、相談のタイミングが遅くなればなるほど、状況はどんどん悪化してしまいます。

また、自己破産以外の方法で「借金減額」ができるなど、専門家目線のアドバイスももらえます!

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「保証人」の立場なら2回目の自己破産も認められやすい

自己破産の理由はさまざまですが、「誰かの借金の保証人である」という点が、理由になってしまうケースもあります。

保証人とは、実際にお金を借りた人が返済できなくなった場合に、代わりに返済するよう求められる人のこと。自分自身がお金を借りていなくても、お金を借りた人が自己破産すれば、保証人が多額の借金を負う可能性があるのです。

保証人が付いている借金を整理する場合、お金を借りた人だけではなく、保証人もセットで自己破産するケースが一般的です。

もし過去に、自分の都合で自己破産をしていたら、「2回目の自己破産は認められるのだろうか?」と、不安になる方もいるかもしれません。

ただし、この場合の自己破産は、「前回とは異なる理由による借金」であり、しかも「やむを得ない事情がある」と考えられます。2回目の自己破産であっても認められやすいので、安心してください。

保証人としての、2回目以上の自己破産が認められるかどうか、実際のところは裁判所の判断に委ねられます。

保証人としての自己破産回数が多くても、「騙された」等の事情があれば、免責許可が下りる可能性は高いと言えるでしょう。まずは自身の状況を整理し、専門家に相談しましょう。

2回目の自己破産が認められない場合の対処法3つ

2回目の自己破産は、決して簡単ではありません。残念ながら「手続きをしたものの認められなかった」というケースもあるでしょう。この場合の対処方法は以下の3つです。

利息カットで返済負担を下げる、任意整理を検討する

債務整理の一つである、任意整理。お金を借りた側が、お金を貸した金融機関と直接話し合い、無理なく返済できるよう、返済条件を変更する手続きです。

任意整理は、裁判所を通さずに行う任意整理のため、スピーディーに話を進めやすいというメリットがあります。

借金の減額効果はそう高くはありませんが、無理のないペースで返済していける可能性があるでしょう。

過去に自己破産の経歴があっても、任意整理は可能です。ただし、「元本さえ返済するのが難しい」という場合、任意整理を選ぶメリットはありません。専門家に相談した上で、任意整理でメリットが生じるかどうかを確認しましょう。

借金がゼロにはならないが大幅に減らせる、個人再生を検討する

個人再生は、自己破産と同様に、裁判所を通して手続きします。

こちらも債務整理の一種で、借金の総額を5分の1~10分の1程度に減額できます。減額された借金は、原則3年で完済します。

即時抗告する…ただし決定が覆るとは限らない

即時抗告とは、免責不許可決定に対する不服申し立ての手続きです。1週間以内であれば手続きが可能で、高等裁判所であらためて判断されます。

ただし、即時抗告したからといって、免責不許可決定が覆るとは限りません。決定が妥当であると高等裁判所が判断した場合、申し立ては棄却されます。

3回目、4回目の自己破産は可能?何回でも自己破産は可能だが簡単ではない!

以前に一度でも自己破産をしたことがある金融機関の「社内ブラック」に載るため、そこからは基本はもう借入できません。

破産を複数繰り返すということは、借りられる金融機関がどんどん限られることになります。

よって、短期間に自己破産を繰り返すのには無理があるでしょう。

しかし、何らかの事情で3回目、4回目の自己破産を希望するようなケースもあるかもしれません。

ただし、先ほどお伝えした通り、自己破産の手続きには費用がかかります。自己破産後は、家や車、一定額以上の財産は全て没収されますから、そのような費用を払うことは出来ない場合が多いのではないでしょうか。

もちろん、裁判所の見方も厳しくなっていきます。「借金に対する認識が甘い」と判断されれば、当然自己破産は認められません。
自己破産を複数回繰り返すと?
裁判所から、「破産の悪用」と判断される恐れがあります。「無反省である」「更生の余地がない」と判断された場合、もちろん免責許可は下りません。自己破産をしても、借金はそのまま残る可能性があるでしょう。

「複数回」の具体的な数字は、明確に定められていません。ただし弁護士の中にも、「さすがに3回目となると厳しい…」と考える方が多いようです。

自己破産の手続き自体は、回数制限なく、一定の条件を満たしていれば上限なく何回でもできます。

ただし、実際に免責許可が下りるかどうかは、また別の話と言えるでしょう。

2回目以降の自己破産には、1回目よりコストも手間も時間もかかるのが一般的。また3回目以上となると、さらに状況は悪化。認められる可能性も低くなります。

「自分の場合はどうなのだろう」と思ったときには、まずは専門家に相談してみましょう。複雑な破産手続きについても、しっかりとアドバイスしてもらえます。

自己破産するとどうなるかを家族に説明し、専門家にすぐに相談がおすすめ!

自己破産をすると、家族の生活が一変してしまうイメージを持つ人も少なくないでしょう。しかし、実際は自己破産申立人の資産や財産は差し押さえられますが、家族の資産・財産には影響ありません。

家族に知られないように…と思っていても、官報に氏名や住所が記載されるので、可能性としては低いですがバレるかもしれません。

しかし、家族にバレないように…と考えるよりは、色々と家族や同居人にも影響がある可能性があるため、自分が直面している借金悩みについてしっかりと説明し、迷惑をかけるかもしれないけどと相談する方が良いと思います。

ブラックになるのは本人だけ、家族のローン審査には影響は出ないです。家族は職業制限も受けないので、今まで通り過ごすことができますが、破産者名義の持ち家の場合は家が処分対象になる、10年間は保証人になれない、自分が連帯保証人であれば一括請求が来るなど、間接的に家族に影響が出る場合もあります。

自己破産について家族にしっかり説明し、理解を求めることの方が大切なのです。

また、自己破産は誰でも手続きすることができますが、免責が許可されず、借金がゼロにならない可能性もあります。

債務整理には自己破産の他にも、任意整理個人再生、特定調停などの手段もあります。どれが一番合うかは、債務額や収入状況によって変わります。

とくに、自己破産を考える条件としては、

  • 多重債務をしている
  • 債務額が多く返済が追い付かない
  • 生活保護費を受給している
  • 借金の返済が滞っている
  • 自己破産でしか解決できない
  • 病気等の理由で仕事ができない
  • ギャンブルで借金や浪費での借金など、免責不許可事由に当てはまらない

などが挙げられます。

上記を良く考慮したうえで、自己破産のメリットデメリットを知って債務整理に強い専門家に相談してみましょう。

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