個人間カーシェアリングとは、一般の人が所有する車を一時的に借りるサービスのこと。
個人間カーシェアリングについて、次のような疑問をもっている方も多いはずです。
「企業から車を借りる場合と、なにが違うのか?」
「個人間カーシェアリングのメリットとデメリットは?」
「どのサービスを選べばいいのかわからない……」
この記事では、個人間カーシェアリングの基礎知識と、メリット・デメリットを解説。
さらに、おすすめの個人間カーシェアリングサービス5選を紹介します。
個人間カーシェアリングが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
個人間カーシェアリングとは?
カーシェアリングとは、登録している会員間で車の共同使用をするサービス、または仕組みのことです。
レンタカーと混同している方も多いようですが、下記のような違いがあります。
比較項目 | カーシェア | レンタカー |
---|---|---|
初期費用 | あり(※ない場合もあり) | なし |
月額基本料金 | あり(※ない場合もあり) | なし |
距離料金 | あり | なし |
ガソリン代 | なし | あり ※満タン返却 |
料金単位 | 分単位 | 時間単位 |
選べる車種 | 少ない | 多い |
店頭手続き | なし | あり |
貸出時間 | 365日24時間いつでも乗車開始と返却可能 | 乗車開始と返却は営業時間内のみ |
車内の清掃 | なし | あり |
キャンセル料 | 開始時刻前なら無料 | 数日前からキャンセル料発生 |
補償・保険 | あり | オプション |
カーシェアリングは、レンタカーよりも短い時間で使うことを想定された移動手段です。
ここからは、カーシェアリングについての基礎知識を紹介。
また、企業が運営しているカーシェアリングと「個人間カーシェアリング」との違いについても解説します。
そもそもカーシェアリングとは?
カーシェアリングとは、1台の車を複数のユーザーで共有するサービスです。
車を借りるという点では、レンタカーと同じでしょう。
一方で、カーシェアリングならではの特徴として、以下などが挙げられます。
【カーシェアリングの特徴】
- 最短15分から利用できる
- 24時間予約可能
- ガソリン満タン返しの必要なし
- 乗り捨て不可
カーシェアリングは買い出しや送り迎え、2日程度の旅行など、短時間での利用を想定されています。
対してレンタカーは、1日以上の利用が一般的です。
24時間必要なときに、手ごろな料金で使えるのがカーシェアリングの魅力でしょう。
企業から借りるカーシェアリングとの違い
カーシェアリングには、「企業から車を借りるカーシェア」と「一般の個人から借りるカーシェア」の2種類があります。
個人間カーシェアリングは、オーナーが所有している車を使わないときに、ユーザーにシェアする仕組みです。ユーザーは車を借りられ、オーナーはお金を得ることができます。
車を貸すという意味では、企業と個人間カーシェアも同じです。しかし、個人間カーシェアならではのメリットやデメリットもあります。
個人間カーシェアで気を付けたいのは、事故などのトラブルです。万が一のトラブルを考え、保険や保証システムが充実した、個人間カーシェア事業を選ぶようにしましょう。
個人間カーシェアリングのメリット
個人間カーシェアリングには、次の3つのメリットがあります。
これらは、個人間カーシェアリングならではのメリットでしょう。
とくに珍しい車に乗りたい方は、個人間カーシェアリングがおすすめです。
ここからは、個人間カーシェアリングの3つのメリットを解説します。
1、企業から借りるより安いことが多い
一般的に短時間での利用なら、レンタカーやカーリースと比べて、カーシェアリングの料金は安くなります。
たとえば企業運営のカーシェアで車を借りる場合、3時間ほどの利用なら、相場は2,000円ほどとレンタカーより経済的です。
ですが、長時間の利用ではレンタカーよりも割高になってしまいます。
しかし個人間カーシェアリングは、長時間利用でも料金が安いのが特徴です。個人間カーシェアリングの料金を計算する方法は、次のとおりです。
共同使用料 + 保険料
車種や保険内容にもよりますが、休日24時間利用で、料金が5,000円以下の車は多くあります。
6時間以上の利用でも料金が割安な点は、個人間カーシェアリングならではの魅力です。
2、企業から借りるより選べる車種が多い
企業のカーシェアリングでは、定番モデルや最低グレードの車を中心に取りそろえています。
対して個人間カーシェアリングは、旧車や輸入車のシェアをおこなっている個人オーナーが多いのが実情。
個人が所有するさまざまな車種があることから、個人間カーシェアリングは次のような人におすすめです。
【個人間カーシェアリングがおすすめな人】
- 気になる車に試乗したい
- 格好いい車でドライブデート
- 憧れの車を運転したい
- キャンピングカーでアウトドアを満喫
車種の豊富さでは企業間よりも、個人間カーシェアリングのほうが充実しています。
利便性よりもドライブ自体を楽しみたい方は、個人間カーシェアリングを選んでみてください。
3、借りるまでの手続きが短い
企業が運営するカーシェアリングは、会員制となります。
氏名やクレジットカード情報などの登録後、車の解錠をおこなえるキーの発行が必要です。そのため初回利用時には、少し手間がかかるでしょう。
一方で個人間カーシェアリングは、車を借りるまでの手続きが簡単です。アプリやWebサイトで入会手続きをおこなうだけで、車を借りる準備は完了となります。
また、オーナーから直接キーを受け取るため、専用キーの発行を待つ必要もありません。早ければ、5分以内で車の予約が可能です。
受け渡し場所も相談して決められるので、企業運営のカーシェアリングよりも短時間で車を借りられるでしょう。
個人間カーシェアリングのデメリット
個人間カーシェアリングの利用前には、デメリットを知ることが大切です。
メリットとデメリットを理解することで、「個人間カーシェアリング」と「企業が運営するカーシェアサービス」のどちらが自分に向いているのかがわかります。
個人間カーシェアリングのデメリットは、以下のとおりです。
ここからは、個人間カーシェアリングの3つのデメリットを解説します。
1、都市部でないと貸し手が見つかりにくい
個人間カーシェアリングに登録するオーナーの多くは、都市部に集中しています。
都市部以外だと、車が見つからないかもしれません。仮に見つかったとしても、1台の車に多くのユーザーが集まる可能性もあります。
また、利用開始の時間前にキャンセルしたとしても、キャンセル料金が発生することもあるようです。
企業が運営するカーシェアのように、はじめに車を確保してから計画を立てることもできません。
都市部以外に住む方は、企業運営のカーシェアリングサービスがおすすめです。
全国各地にステーションがあり、利用開始時間前なら「キャンセル」や「時間変更」も無料でおこなえます。
2、貸し手とやりとりが必要
個人間カーシェアリングでは、貸し手とのやり取りは必須です。
チャット機能で、リクエスト申請から引き渡し場所を決め、対面して車の貸出・返却をおこないます。
個人間カーシェアリングの初心者は、貸し手とのやり取りが苦手と思われるかもしれません。もし苦手な場合は、貸し手の評価を基準に車を選ぶのがおすすめです。
また、個人間のカーシェアリングサービスでは、貸し手・借り手ともに評価される仕組みになっています。借り手によるレビューも読めるので、評価が高く誠実な対応をしてくれそうなオーナーを選ぶといいでしょう。
3、車によって性能や清潔さがバラバラ
個人間カーシェアリングでは、車の状態が一定の基準に保たれていません。たとえば同じ車種でも、貸し手によって清潔度やオプション装備などが異なります。
質のいい車を借りたい場合は、貸し手のプロフィールを確認するのが重要です。
具体的には、以下のポイントをチェックしてみてください。
【貸し手のプロフィールで確認するポイント】
- 車の内装と外装写真
- 車の詳細が記入されている
- ユーザーレビュー
3つのポイントを要チェックすることで、質のいい車を借りられる可能性が高まるでしょう。
もし、一定基準以上の車を望むのなら、企業運営のカーシェアリングがおすすめです。
個人間カーシェアリングおすすめ主要サービス比較
登録会員数 | 登録車数 | 対応エリア | 保険 | |
---|---|---|---|---|
dカーシェア | 非公表 | 非公表 | 47都道府県 | ・プレミアム:2,600円/24時間 ・スタンダード:1,800円/24時間 ※2022年4月以降 |
Anyca | 35万人以上 | 16,000台以上 | 首都圏を中心に21都道府県 | ・Anyca安心サポート ・損保ジャパンの1日自動車保険 ※2022年4月以降 |
ridenow | 非公表 | 非公表 | 首都圏中心 | あいおいニッセイ同和損保が提供の 24時間単位型自動車運転者保険 |
CaFoRe | 非公表 | 1700台以上 | 47都道府県 | ドライバー保険 2,680円/月 |
GO2GO | 7,800名以上 | 6,000台以上 | 東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪 | あいおいニッセイ同和損保が提供の 24時間単位型自動車運転者保険 1,900円/24時間 |
【 こちらの表は横にスクロールできます 】
個人間カーシェアリングをはじめて使う方は、サービス選びで悩むのではないでしょうか。
各サービスによって、特徴や利便性が大きく異なります。個人間のカーシェアリングサービス選びでは、下記のポイントに注目しましょう。
- 登録車数
- 取り扱い車種数
- オーナー会員数
大手が運営する個人間のカーシェアリングサービスほど、登録車数が多く、予約しやすい傾向にあるようです。
ここからは、個人間のカーシェアリングサービスの特徴をそれぞれ解説します。ぜひ、サービス選びの参考にしてください。
1、dカーシェア
- 携帯料金と合算して支払いができる
- dカーシェア専用のコールセンターがいつでもサポート
- dアカウントひとつで「カーシェアリング」と「レンタカー」を使える
登録会員数 | 非公表 |
---|---|
登録車数 | 非公表 |
対応エリア | 47都道府県 |
保険 | プレミアム:2,600円(税込)/24時間 スタンダード:1,800円(税込)/24時間 ※2022年4月以降 |
dカーシェアの特徴
dカーシェアは、株式会社NTTドコモが運営するカーシェアリングサービスです。ドコモの共通アカウント「dアカウント」にさえ登録すれば、ドコモユーザー以外も利用可能です。
また、ドコモと回線契約をしている人なら、支払いで携帯決済も選択でき、クレジットカードが必要ありません。
さらにdカーシェア専用のコールセンターが、24時間体制で営業しています。そのため、もしトラブルが発生しても安心できるでしょう。
またdカーシェアは、企業間カーシェアリングとレンタカーも展開。そのためdアカウントひとつで、下記のようなシーンに合わせて使いわけできます。
・旅行はレンタカー
・買い出しや送り迎えは企業間カーシェアリング
・高級車に乗りたいときは個人間カーシェアリング
複数移動手段を、dカーシェアひとつで管理できるのが特徴です。
2、Anyca
- 登録車数は16,000台、車種は750種以上あるため選び放題
- Anycaならでは検索機能が8種類あるので探しやすい
- 損保ジャパンと連携した保険補償システムで安心
登録会員数 | 35万人以上 |
---|---|
登録車数 | 16,000台以上 |
対応エリア | 首都圏を中心に21都道府県 |
保険 | ・Anyca安心サポート ・損保ジャパンの1日自動車保険 ※2022年4月以降 |
Anycaの特徴
Anyca(エニカ)は、株式会社DeNA SOMPO Mobilityが提供する個人間のカーシェアリングサービスです。
Anycaの魅力は、なんといっても登録車数。2015年のサービス提供開始以来、Anycaは着実にユーザー数を伸ばし続け、16,000台・750種以上の車が登録されています。
またAnycaは登録車数が多いため、個人間カーシェアリングのなかでは、トップクラスで予約も取りやすいです。
さらにAnycaは、検索機能が豊富なのも魅力的なポイント。場所やメーカーから検索できるほか、「一生に一度は乗ってみたい車」や「憧れの旧車」など、Anycaならではの検索方法もあります。
好みや用途に合った車を見つけやすいのは、Anycaのメリットのひとつです。
なお保険補償システムに関して、Anycaは損保ジャパンと連携しています。
さらにカーシェア予約と連動して、自動車保険にドライバーが加入するシステムとなっているようです。そのため、保険の加入漏れの心配はありません。
Anycaはカーシェアリングをはじめて利用する方から車マニアまで、あらゆる層におすすめのサービスでしょう。
3、ridenow
- 手数料が0円なので売上がそのまま受け取れる
- レビュー機能により、車選びの判断が楽になる
- あいおいニッセイ同和損保提供の1日保険に加入するので安心
登録会員数 | 非公表 |
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登録車数 | 非公表 |
対応エリア | 首都圏中心 |
保険 | あいおいニッセイ同和損保が提供の24時間単位型自動車運転者保険 |
ridenowの特徴
ridenowは、プラットフォーム手数料が0円の個人間カーシェアリングサービスです。手数料が取られないため、ドライバーの利用料金全額が、貸し手に支払われることになります。
ridenowは、トヨタの「シェアのり」事業を受け継いだものです。このような背景もあり、トヨタモビリティ東京のスタッフの多くが、ridenowを利用しています。
なおridenowには、レビュー機能があるため、車を選ぶときにどの人から借りるかなどの判断がしやすいのでしょう。レビューは全て蓄積され、総合評価としてプロフィールページに表示されます。
またドライバーは、あいおいニッセイ同和損保提供の1日保険に加入します。そのため、事故が起きた場合の備えも万全です。
近い将来、トヨタ車のオーナーが簡単に登録できるシステム作りを目指しています。これから登録車数が増える可能性は、大いにありそうです。
4、CaFoRe
- オークション形式なので、低価格で車を借りることが可能
- CaFoRe独自の「指名リクエスト」で車を借りられる
- 満足度が採点された評価内容をもとに、取引相手を決めることができる
登録会員数 | 非公表 |
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登録車数 | 1,700台以上 |
対応エリア | 47都道府県 |
保険 | ドライバー保険 2,680円/月 |
CaFoReの特徴
CaFoReは、2009年より個人間カーシェアリングを提供している老舗のサービスです。
ほかのサービスとは異なり、CaFoReではオークション形式で車のシェア権利が出品されます。そのためオーナーとの取引次第では、表示価格より安い価格で借りることも可能です。なお評価制度もあるため、車を借りるときの判断基準にもなるでしょう。
またCaFoReでは、自分が貸して欲しいクルマの詳細などを、貸し手に対してリクエストを出すことができます。さらに、特定の貸し手を指名できる「指名リクエスト」も可能です。「指名リクエスト」をうまく使えば、具体的に自分が必要な車を見つけられるでしょう。
CaFoReでは、1か月単位のドライバー保険(2,680円)への加入が義務付けられています。たとえ、月に1回しかカーシェアを利用しなくとも、1か月分の保険料を支払わなければなりません。したがってCaFoReを利用するのなら、週に3回以上は車を借りるべきでしょう。
値段の幅は広く、24時間利用で1,000円以下の車も多数あります。車のグレードにこだわらなければ、ほかのサービスよりも手ごろな料金で、車を借りられるでしょう。
5、GO2GO
- 中古車販売店ガリバーなどの、全国約500の店舗がサポートしてくれるので安心
- 保険の加入に合意したうえで利用するため、加入漏れが発生しない
- 1回分の利用料金が20%オフになるキャンペーンがある
登録会員数 | 7,800名以上 |
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登録車数 | 6,000台以上 |
対応エリア | 東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪 |
保険 | あいおいニッセイ同和損保が提供の24時間単位型自動車運転者保険 1,900円/24時間 |
GO2GOの特徴
GO2GOは中古車販売「ガリバー」を運営する、株式会社IDOM提供の個人間カーシェアリングサービスです。
2018年にサービス発表ながらも、事前登録車数が6,000台を超えるほど注目を集めています。それほど大きな注目を集めている理由は、GO2GOの使いやすさにあるようです。
GO2GOアプリの使い勝手がいいほか、ガリバーなど全国約500の店舗でサポートを実施しています。オーナーが安心して登録できるため、自然と登録車数は増加し、ユーザーが予約しやすいとのことです。
またGO2GOでは、カーシェアの利用時にあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の「24時間単位型自動車運転者保険」に加入します。
ドライバーは、保険の加入に合意したうえで予約リクエストが送信されるようです。そのためGO2GOのカーシェアを利用する際に、保険の加入漏れは発生しないので安心でしょう。
さらにGO2GOでは、ドライバー登録特典として「利用1回分20%オフ」のキャンペーンもおこなっています。お得に利用できるため、はじめてGO2GOを使う方にもおすすめです。
運転評価の高いユーザーには、保険料割引特典の付与を検討中など、さまざまな機能の実装が期待できます。
個人間カーシェアリングのまとめ
個人間カーシェアリングについて、解説しました。
個人間カーシェアリングの大切なポイントを、もう一度振り返ります。
【個人間カーシェアリングの概要】
- 一般の人同士で車の貸し借りをおこなうサービス
- 企業が提供するサービス上で車を探す
- 万が一のトラブルに備えて保険の加入が必須
【個人間カーシェアリングのメリット】
- 企業から借りるより安い
- 珍しい車種がそろっている
- 借りる手続きが短い
【個人間カーシェアリングのデメリット】
- 都市部以外だと貸し手が少ない
- 貸し手と直接のやり取りが必要
- 車によって性能や清潔さが大きく異なる
安心感を重視するなら、企業から車を借りるカーシェアリングも検討するといいでしょう。
一方で珍しい車をドライブしたり、コストを重視したりする方には、個人間カーシェアリングがおすすめです。
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