「結婚もコスパ」時代に突入。幸せな結婚へと導く、求められる支援のかたちとは?「東京ふたり応援会議」開催

令和になり、ますます多様な価値観が尊重される時代となりました。

社会に出たら会社に就職して、結婚して子どもを産んで、マイホームを建てて……というような従来のライフスタイルも変容。家具や住居を共有して生きるシェアリングエコノミーや、複業(副業)してスキルを活かすパラレルワークなど、個人の生き方の選択肢も広がりました。

そして結婚も、人生の選択肢のひとつとして考えられるようになってきています。

結婚支援に取り組むサービスの担い手や行政は、こうした時代の変化に合わせて支援のかたちも変えていくべきなのではないかと、自らを問い直す岐路に立っています。

そんな中、「結婚はいつかしたいと思っているけど、今は特に行動していない」、または「結婚をする意味がわからない」といった若い世代が増えていることに注目が集まってきています。

結婚するのが当たり前ではなくなった社会において、結婚支援のあり方はどのように変わっていくべきなのでしょうか。

こうした結婚支援の課題を考えるため、都道府県や自治体、結婚支援事業に関わる人たちが集まる「全国結婚支援セミナー」(※)が毎年開催されています。2019年はその第9回目が、東京都主催(共催)のもと11月10日(土)・11日(日)の二日間にわたって東京・新宿で開催されました。

「東京ふたり応援会議」と題した今年のセミナー。

1日目は、結婚したいと考えている若い世代と支援する側との間に、どのような意識・考え方のずれが生じているのかを探る試み。

2日目は各県の結婚支援の取り組みを紹介するという、二部構成で行われました。

全国の行政担当者や婚活支援者が一堂に会し、新しい時代の結婚支援の気づきを得た「東京ふたり応援会議」の様子を詳しくお伝えします。

※全国結婚支援セミナーは毎年1回、都道府県行政とNPO法人 全国地域結婚支援センターの共催により行われるセミナーです。主な参加者は全国の行政関係者やボランティアの婚活支援者で、地域が抱える結婚に対する課題を考えるという内容です。

【主催者あいさつ】東京都知事 小池百合子さん、NPO法人 全国地域結婚支援センター代表 板本洋子さん

小池東京都知事

主催者あいさつとして、東京都知事の小池百合子さん(以下、小池都知事)が登壇しました。

11月10日(土)は天皇皇后両陛下の即位パレードが行われた日。小池都知事は、令和の幕開けとともに、結婚したい人たちの背中を後押しするサポートが実現できたらと語ります。

小池都知事:「全国結婚支援セミナー in 東京」、結婚支援をされている方々に全国からお集まりいただきました。今日と明日、さまざまな意識やノウハウを共有していただくかと存じます。令和の時代に、それぞれの地域で新しく家族ができる。そんなことを、ここにいらっしゃるみなさまの力で進めていく必要があるのではと、そのように思います。

東京都も「いつか結婚したいけど、なかなか一歩踏み出せない」方たちの後押しをする取り組みを行っています。例えば2018年11月には結婚支援ポータルサイト『TOKYO ふたり STORY』を開設しました。

その中で、自治体主催の婚活イベントを紹介したり、婚活に役立つコラムを更新したりと、さまざまな情報提供を行っています。

また、東京の島々を訪れる婚活ツアーへの支援や民間企業との連携による都庁の45階展望室でのパーティなど、出会いのきっかけとなる場を設けて、大変好評をいただきました。

やはり多くの方が求めていらっしゃるのは「出会いの機会」かと。都には若い方が多く、また出会いを求めて東京に来られる方もいると思います。そこできちんとした出会いの場が生まれる工夫もしていきたいと考えています。

そこで、「東京ふたり応援会議」初日のテーマに“若者”が選ばれました。

「結婚を望んでいる若者たちに、一歩踏み出せない理由があるとしたら何か?」を考えるため、専門家による講演や若者たち自身によるトークイベントを行います。

続いて、全国地域結婚支援センター代表の板本洋子さん(以下、板本さん)からもあいさつがありました。

全国地域結婚支援センター代表の板本洋子さん

板本さん:本日お集まりのみなさまは、地域の未来を若い人に託そうという思いもあり、結婚支援に関わっていらっしゃるのだと思います。ただ、結婚支援事業は、成果などが具体的には得にくいなど、むずかしい事業でもあります。

特にこの時代は、かつてないほどのスピードで変化しているわけです。この進み方の中で、若者の意識を変えようというより、私たちが持ち合わせている固定観念や価値観を見直すということが重要な時期になったのではないかと思います。

全国からお集まりになった皆さんで、“若者”を基軸にしながら楽しく交流し学び合う。支援者である私たちが何かに気づいていく、そんなセミナーにしていけたらと思います。

講演「未婚化・晩婚化する若者をどう理解し、応援すればいい?」 若者研究家・マーケティングアナリスト 原田曜平さん

若者研究家・マーケティングアナリスト原田曜平さん

若者の消費行動を研究している原田曜平さんより、“若者”をテーマにした講演が始まりました。

広告業界で長年「消費・購買」という側面から若者たちの価値観や行動をウォッチしてきた原田さんは、「婚活」という一面を理解するために、今どきの若者の全体像を把握するところから始めたいと語ります。

まず前提として、「近頃の若者はよくわからない」と言われる原因は何かを探るため、「若者の5つの変化要因」を挙げました。

  1. 不景気が前提で生まれてきた
  2. ケータイの普及と一緒に育ってきた
  3. ①過剰な気づかい、②監視社会、③既視感
  4. 若者たちの間で「現代版村社会」が生まれた
  5. 「スモールライフ」を楽しむ風潮

原田さん:ここ10年くらい、スマホ(ケータイ)に依存する若者というのがメディアで取り上げられています。「SNS疲れ」や「インスタ映え」など。

また、欲や見栄、モテのための消費がだいぶ減ってきていて、車離れなどもよくいわれる。恋愛では、男性からではなく女性から告白することが多くなりました。今の若者たちが「これまでの世代とちがっているぞ」と感じる、ひとつ目の要因は「不景気が前提で生きている世代」だということです。

ついバブル世代の方は、「高いお金を払っても後で返ってくるんだから、若いうちは経験のために使うといいぞ」と言ってしまうんですが、今の若者たちには給料が下がるかもしれない、高齢化が進むし年金は心配だし、という感覚があります。実際に学生の一日の平均生活費も20年ほどで大幅に下がっていて、奨学金も背負っている。その結果、「自分の将来イメージは暗い」と感じる若者がじわじわ増えてきています。

ふたつ目が「ケータイ化」です。子どもの頃からケータイを持っている人と、大人になってから持った人とでは価値観・考え方・ライフスタイルがちがいます。今の学生では、スマホユーザーの9割くらいはLINEを使っていると思います。そして、彼らがLINEで何をするかというと、同じクラス内でつながります。学校から家に帰ってきても、友だちと連絡したり「タイムライン」というブログのようなページを見て、お互いが今何をしているかが常にわかる状態。みんなと24時間つながりあうようになった結果、「過剰な気づかい」という特徴が出てきました。

悪評が立つとネットで情報が広がっちゃうから、今の子たちは本当に、表面上とてもいい子というか。ほぼ同世代の間できらわれないようにと、横方向の気づかいをしています。

でも、「LINE疲れ」というのもよく言われていて、「私からLINEしたのに、返事もしないでインスタグラムで遊んでる」とか、「自分だけコミュニティに入れてもらえないし、悪口を言われてるみたい」とか、人間関係でイヤな思いもすることがあるようで、完璧に人を信じるといった感覚は減ってきているんではないかなと思います。

未婚化・晩婚化する若者をどう理解し、応援すればいいのか?

原田さん:また、「誰かに会っちゃうので渋谷が嫌い」という傾向もあります。

かつては渋谷といえばイケてる街でしたが、今はSNSでみんなつながっているので、センター街を女の子と歩いていると、翌朝学校で「彼女じゃない女の子と一緒にいたよね」なんて言われる。すごく「監視社会」的で面倒くさくて、繁華街にはあまり行かなくていいやと考える若者も出てきています。

あと、ネットやSNSの影響として「既視感」というのもあります。「体験したことがないのに体験した気持ちになる」ということで、例えばカップルでハワイに行きたいという話になっても、「ハワイなんていい場所じゃない」と相手が文句を言う。「行ったことがあるの?」と聞くと「行ったことはないけど、『情報がある』」と。

要するに、ハワイに行った人がSNSや動画で様子をアップしているので、それを見てたら「大体わかった」という気になってしまうという現象が起こっています。このように、日本では、ケータイ・SNSの普及が消費行動を、行動範囲・行動力をうばってしまっている面が強いなと感じています。

このように社会情勢やケータイ化などの影響を受けて、今の若者たちは「将来に明るいイメージを持てない」「24時間つながりあう中でコミュニケーションの作法を変えてきた」といった特徴を持つようになったといいます。

加えて、彼らの意識・行動の傾向として、

  • 節約志向で、いいものをリペアしながら長く使う
  • 「安いのに高品質なもの」に価値を感じる、『のに消費』
  • 高級ブランドを持つことより、目利きや人脈といった「自分のすごさ」を自慢する

といったポイントが挙がりました。

高度経済成長期には、「成人したらこれを買う」「結婚したらこんなマイホームを建てる」など、世代間共通の憧れがあり、ライフステージに合わせて買い換えるのが普通でした。

しかし今はそうした感覚は薄れており、婚活においても「そろそろ結婚したほうがいい年齢ですよ」という言葉が意味を持たなくなってきているようです。

参加者からの「若者たちに『結婚や恋愛する人はすごい』という意識が生まれれば、結婚したいという気持ちは出てくるものでしょうか」という質問に対しては、原田さんは「結婚が魅力的というものにまだなっていない。恋愛リアリティショーなどを通じて、そういうムーブメントが作られるというのはあり得ると思います」と答えました。

講演の後は、当事者である若者たちによるトークセッションが続きます。

原田曜平氏×独身男女トークセッション「婚活時代の若者の本音……不満、不安、そして希望」

トークセッション「婚活時代の若者の本音」

原田さんが進行役として、4名のパネリストを壇上に招きました。若い男性2名、女性2名が登場。

婚活中の人もいれば、それほど結婚願望がないという人もおり、結婚支援に携わる多くの参加者は興味深そうに耳を傾けています。

・パネリスト
中野さん:群馬出身、新宿で勤務している30歳男性。4年間同棲した彼女と別れて、現在はフリーの生活を適度に楽しんでいる。
藤原さん:長野在住、桜守という仕事に就いている37歳男性。婚活中で、結婚支援のサポートセンターを利用している。
滝本さん:小学校教員の27歳女性。仕事をがんばってきたが、最近結婚を意識して婚活を始めた。
鈴木さん:大阪出身、東京在住の27歳女性。結婚願望は薄いとのこと。
※全員仮名です。

原田さんからの質問を受けて、4名がそれぞれ答えるという形式でトークセッションは進められていきます。ここでは、その様子と要約をご紹介します。

・中野さんの場合

原田さん:彼女とはどんな理由で同棲を始めて、また別れてしまったんですか?

中野さん:同棲を始めたのはノリと勢いでした。好きという気持ちが前提としてあるので、楽しく生活していたのですが、生活のルールなどで次第に主導権を握られていく感じで。「たぶん結婚ってこういうものなんだな」と思って、価値観のちがう2人が一緒になるわけですから、折り合いをつけて生きていくのだとは思っていました。ただ、相手のほうの色恋沙汰で破局してしまいました。

原田さん:今はフリーということですが、どんなふうに楽しんでいるんですか?

中野さん:スマホゲームをしてひとりの時間を楽しんでます。ゲームだと全国の人と密につながれるので、さみしいという気持ちもあまりないです。人のつながりという面で満たされているので、異性とのつながりは、しばらくいいかなって。

原田さん:結婚だけじゃなくてもいいのですが、将来のプランはどんなイメージがありますか?

中野さん:いろいろな情報が社会に出ていて、子育てに2000万円、老後にも2000万円かかると聞くと、今の自分の生活もいっぱいいっぱいなので。「何だかきつくない?」と思っています。不安だけ煽っておいて「子どもは産め」というのは、お金かかるのになぁと。

・藤原さんの場合

原田さん:どのような婚活をされているのですか?

藤原さん:自治体のセンターに登録して、そこから紹介していただいたり、イベントに参加したりというのが主です。

お見合いでは1時間ほど話して、終わったらセンターを通じてYes、Noを聞き、お互いの気持ちが一致すれば2回目のお見合いに……というかたちです。長くやっていると就職試験の面接みたいな感じになっちゃって。

女性の方がお相手に求める条件も、年齢・身長・血液型・年収などそれぞれ高くて、ふるいにかけられているかなと感じることがありました。

原田さん:専業主婦希望の女性とマッチングして、うまく行かなかったというお話がありましたが、このミスマッチは日本でよく言われますね。男性は共働きを望むようになっているけど、女性は専業主婦になりたい方がまだ多い

・滝本さんの場合

滝本さん:第1次結婚ブームが25歳くらいのときに周囲で起こって、少し婚活を始めたところはあったのですが、面倒くさいという気持ちが勝っていました。

原田さん:面倒くさいというと?

滝本さん:典型的な「趣味は何ですか?」みたいな会話の流れが面倒くさいですね。今は仕事に余裕ができたので、マッチングアプリを始めました。合コンは地方だと顔見知りに会ってしまったりするのですが、アプリで範囲が広がったなと思います。

原田さん:マッチングアプリは会ったことのない人とのやり取りになりますが、「会いましょう」というきっかけやポイントはありますか。

滝本さん:社会人になって恋愛にためらいができる要因のひとつは、学生時代とちがってお互いのバックグラウンドがわからないことかなと。既婚者かもしれないし。たまたま大学が一緒だったりして、共通点があると「信用できる相手かな」と思える。

どうしてこの大学を選んだのとか話している中で、今までどんなふうに生きてきたかというのが見えたら、お付き合いしてもいいかなと踏み出せるようになりました。

原田さん:結婚のことはどんなふうに考えてますか。

滝本さん:結構自信がないです。自分のことも相手のことも、子どものこともちゃんとしなくてはと思うと。憧れはあるのですが。

原田さん:たくさんのタスクを自分がこなせていけるかという、真面目に考えすぎちゃっているのかもしれないですね。

・鈴木さんの場合

鈴木さん:私はあんまり子どもが欲しいと思ったことがないので、結婚する必要がないというふうに思っています。家庭を持つ必要がないなら、焦って彼氏やパートナーを欲しがることにもなりませんし。

原田さん:子どもがいなくても夫婦2人で、みたいなカップルも多いと思うんですけど、それもいやだ?

鈴木さん:はい。友だちにも恵まれていて、ひとりが寂しいと思うことがあまりないですね。絶対に結婚したくないわけではなくて、いい方と出会って「どうしても結婚したい」と言われたらします。

原田さん:条件が合えばとか、いい人が現れたとか「条件付きでの結婚したい」という気持ちを持っている人が増えているのかもしれないですね。

トークセッションが進む中で、インターネットを介してつながりあえる時代、「孤独だから結婚したい」と思う人は少なくなっているようだとの意見が出ました。

ある程度満たされている人たちにとって、結婚はリスクやコストが大きいものという意識があるようです。

「自分にとってプラス」と感じられなければ、なかなか結婚には一歩踏み出せないのかもしれません。

また、今の若者は「自分の個性を大事にする」価値観と「自己責任で生きていかなくてはならない」感覚が強いために、他人を幸せにすることで豊かな気持ちを得るというよりも、自分自身がレベルアップするような生き方を志向しているのではないか、という考察も出ました。

最後に、原田さんから「結婚支援に関する行政の取り組みやサポートで、こういうものがあったらいいのにということはありますか?」という質問が4人に投げかけられました。

中野さん:ただ出会いの数を増やすだけではあまり意味がない。どうやって結婚にたどり着けばいいか導いてくれるサポートが重要だと思います。女性との接し方や自分磨きに関して、コンシェルジュのように教えてくれるものがあればいいですね。

藤原さん:結婚までじゃなくて、結婚したその先に魅力があることを発信できれば、「結婚したいけど、ためらっていた」という人にとっていいきっかけになるのかなと思います。

滝本さん:信頼や安心感がないと恋愛にはいかないと思うので、その人の人柄・生き方・考え方がわかるようなサービスがあると嬉しいです。

鈴木さん:上辺だけじゃなくて、相手のもっとネガティブなところや過去の内容なども知ることができたら、婚活サービスにも興味を持つかなと思います。

若手4人の率直な意見と価値観を、聴講している参加者たちは身を乗り出すように聞いていました。結婚支援の取り組みに反映できそうなひらめきが、この場で生まれたかもしれません。

東京都の結婚支援施策の紹介

東京都の結婚支援施策の紹介

東京都でもここ数年、さまざまな結婚支援の取り組みを始めています。

50歳時未婚率は男性が全国3位、女性が全国1位と特に高い現状ですが、都内の未婚者に行った昨年の意識調査では「いずれ結婚するつもり」と回答した人が8割近くいるということが明らかになりました。

内閣府が発表した『令和元年版 少子化社会対策白書』(2019年7月)によれば、結婚の意向がある未婚者が独身でいる理由は、男女ともに「適当な相手にめぐり会わない」が最多です。

一方で、このように回答した人の約6割が、相手探しのための具体的な行動を「特に何も行動していない」と答えています。

こうした現状を受けて、都としては「結婚を希望しながらも一歩を踏み出せない人を後押しするために、結婚に向けた気運を醸成していく」ことを基本的な姿勢としているとのこと。

東京都生活文化局都民生活部の田中正之さんから、都の結婚支援施策についての発表が行われました。

田中さん:結婚支援の取り組みとしては、

(1)営利目的ではない立場からの情報提供

(2)婚活に踏み出せない人へのきっかけ作り

を行っています。

情報発信は、結婚支援ポータルサイト『TOKYO ふたり STORY』が主な基盤です。さまざまな個人の価値観や多様性が尊重される時代で、「自分らしい結婚」について考えてもらいたいというのがすべてに通底しています。

tokyofutaristoryキャプチャ

『TOKYO ふたり STORY』のコンテンツには、たとえば次のようなものがあります。

 

  • 東京のふたり:多様な夫婦のあり方が感じられるコラム
  • 東京人生デザイン:10年後、20年後、30年後……の「なりたい自分」を考えるプランニングツール
  • ふたりスタートガイド:これから婚活をはじめる人に役立つコラム
  • イベントカレンダー:自治体・非営利法人などによる婚活イベントの紹介
  • 行政による支援施策:結婚、就職、子育てなど幅広い行政支援事業の紹介

 

また、2019年2月には結婚応援イベント「TOKYO FUTARI DAYSを開催し、結婚やライフプランニングを考えられる機会を提供しました。

さらに、庁内連携によって、各局の施策を活かして出会いの場もつくる試みも行っています。

これまで、東京の島をめぐる婚活ツアーへの支援を産業労働局で、奥多摩の水道水源林を見に行くダム婚活ツアーを水道局で、銭湯経営者の婚活イベント「浴コン」への支援を生活文化局で行うなど、各局と連携して、結婚支援をさまざまな行政課題の解決と結びつけながら展開してきました。

ダム婚活

連携する相手は、ほかの道府県や民間にも及びます。

田中さん:各道府県の課題として関係人口を増やしたいという声を聞いておりますが、そうした各県が都内で開催する婚活イベントを、ポータルサイトのイベントカレンダーに掲載させていただいています。

私たちも一緒にPR協力させていただくので、ぜひご連絡いただきたいなと思っています。

 

令和に入ってから、新たな施策により前向きに取り組んでいるといいます。

tokyofutari100stories

自分らしい結婚や婚活のヒントとなるよう、自分らしさを大切にしている夫婦のエピソードを「TOKYOふたり 100 Stories~いろんな夫婦、集まれ~」として募集しました。

応募作品をもとに、その夫婦のイラストを作成。出会い方、結婚の決め手、夫婦の関係もひと通りではない、「自分らしくある」東京の結婚について、ほほえましいエピソードとともに公式サイトで見ることができます。

また、2020年2月22日(土)に、二子玉川ライズで「TOKYOふたり未来会議」という一大イベントを開催します。結婚や婚活にまつわるヒントを学べる場であると同時に、さまざまな世代や立場の人が参加して楽しめるようなコンテンツを用意するとのこと。

さらに、東京都のオリジナル婚姻届も誕生。社会全体で結婚について前向きに考えられるような気運の醸成が期待されます。

結婚のあり方、結婚支援のあり方も、時代とともに多様かつ柔軟なものになっていくことが予想されます。

東京都もよりよい結婚支援のあり方を常に模索しており、各道府県とも連携できるようなアイディアを提案いただけたら、という言葉で締めくくられました。

結婚応援イベント「TOKYOふたり未来会議」

トークショーやセミナー、体験型コンテンツなどを通じて、結婚や自分の未来について考えることができるイベントを開催。

いつか結婚したい、ライフプランを考えてみたい、独身の子を持つ親など、さまざまな思いや立場の人が参加できる内容が盛りだくさんです。

・日時:令和2年2月22日(土)13時から18時まで(予定)

 

・会場:二子玉川ライズ(東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」下車)

 

・参加費:無料

 

・内容:

「ステージエリア(二子玉川ライズ ガレリア)」

どなたでも気軽に参加でき、楽しみながら結婚について考えることができるオープンエリア

トークショー、“TOKYO ふたり 100 Stories” チョコ・エントランス、TOKYO ふたり図書館

 

「セミナー&体験エリア(iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ)」

落ち着いた雰囲気の中で、恋愛や結婚、婚活などについて学べるエリア

専門家によるセミナー、スキルアップレッスンや婚活個別相談などの体験

-『今日からでも始められる婚活・恋愛はじめの第一歩』

-『未婚の原因は実は親!? 未婚の壁を打ち破る』

–  婚活アドバイザーによる個別相談

–  プロによる婚活フォト撮影、デートメイク・ファッション など

※セミナー参加にはそれぞれ事前申込が必要です

 

▼TOKYOふたり未来会議

https://www.futari-story.metro.tokyo.lg.jp/event2020/

次回開催県からのメッセージ(2020年10月、茨城県にて)

茨城

1日目の最後のプログラムは、次回のセミナーが開催される茨城県からのメッセージです。

茨城県保健福祉部子ども政策局少子化対策課長の滝睦美さんから挨拶がありました。

滝さん:人口減少問題というのは茨城県だけでなく各県の課題かと思います。茨城県では平成30年で初めて出生数が2万人を切ってしまう状況。結婚適齢期とされている20歳から35歳くらいだと男性140人に対して女性が100人しかいません。うちの県の特徴は、男性が多くて女性が少ないんです。

茨城県では、県レベルで全国で初めて、出会いサポートセンターを開設しました。その出会いサポートセンターをはじめとする県の支援による成婚数が2000組以上を達成しました。サポーターさんも300人あまりが日々活動してくださっています。

このように茨城県としては結婚支援策を先駆的に走ってきたつもりです。

もうひとつ、いばらき新婚夫婦等優待制度として、いばらき結婚応援パスポート「iPASS」という優待カードの配布を始めました。カードを協賛店で提示すると割引や粗品進呈など、お得に楽しめるというものです。これは協賛店や地域を挙げて、結婚する人たちの支援をしていきたいと思って進めております。

今日のパネルディスカッションでも、「結婚すると自由がなくなっちゃうのかな」「子育ては大変なのかな」と、ネガティブなイメージが強いという印象がありました。

これ自体を真っ向否定することはしませんが、結婚したい人を応援すると同時に、もう一歩踏み込んで結婚をためらっている人にも「もう一回結婚について考えてみようかな」「出会いの場に出てみようかな」と感じられるところまで、しっかり支えていけるようになればいいのかなと思いました。

出会いの機会づくりにはマッチングシステムなどを使って効率化を進め、マンパワーは悩んでいる方たちに寄り添う形でサポートしていく、そうした支援策にしていきたいと考えております。

今、そしてこれからの時代の結婚支援はどうあるべきか。結婚したいと考えている若者たちは何を求めているのか、そして若者たちが幸せになるためには何が重要なのか。

こうした問いを見直す機会となった、セミナーの1日目が閉会しました。

全国各地の結婚支援の事例紹介

2日目は、全国の都道府県や自治体、および結婚支援の取り組みを行っている団体の事例紹介を行います。4つの県から発表者が登壇しました。

◇福井県
「地域と密着してお寺が縁結びに一役」
杉本成範さん(高野山真言宗 深山 飯盛寺 副住職)

◇兵庫県
「『神戸で愛を育みませんか?』で住宅支援を広報した結果とは」
向井久雄さん(神戸市 建築住宅局 住宅政策課)

◇長野県
「結婚登録者の個性を生かす『個人の魅力発見型イベント』」
八幡善弘さん(いなし出会いサポートセンター)

◇福島県
「企業と連携~5年間の活動経過とこれから」
鎌田温子さん(いわき市 市民協働部 地域振興課 地域振興係)

最後に


以上をもって、二日間にわたる全国結婚支援セミナーが終了となりました。

結婚適齢期と一般的に考えられている「若者」の年齢層は、生まれたときからインターネットに慣れ親しんでいるデジタルネイティブであり、また、SNSを駆使して日常的な交流関係を築き上げている世代です。

そんな現在の若者たちは、結婚や子育てを「コストパフォーマンス」、つまりメリット・デメリットを考量して損か得かを考える傾向があるのではという見方がありました。

このことの背景として、

①「結婚して家庭を築く」のは経済的に厳しいと考える若者が増加したこと

②「いい結婚」や「結婚の正解」があると信じて「自分はそういう理想の結婚ができるだろうか」と躊躇してしまうこと

など、さまざまな理由が考えられます。

また、今回のパネルディスカッションを通じて、若者たちが結婚支援サービスに対して求めるものも浮かび上がりました。

「出会いの場だけ用意するよりも、結婚というゴールに導いてくれるコンシェルジュのような存在があって欲しい」

「ただシステマティックにお見合いを続けるより、相手の人柄や考え方を理解することで信頼感・安心感が持てるようなサービスが欲しい」

今の結婚支援にできていること、あるいは、これから取り組むべきことなどが明らかになってきたと、参加者の多くは感じたのではないでしょうか。

 

(取材:マイナビライフサポート編集部)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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