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2019年01月16日 13:00 更新

司法書士試験の難易度は? 資格取得のための試験概要や勉強量

法律の知識に基づいて裁判所に提出する書類を作成したり、登記や供託の手続きを行う司法書士。資格を取るためには難易度の高い試験に合格しなければいけませんが、一度取得すれば好待遇で就職できます。今回は、司法書士試験の合格率や就職後の進路について詳しく解説します。

司法書士試験は難しい?

Photo by Ksenia Makagonova on Unsplash

誰でも受験できる

司法書士試験は受験資格の制限がないため、誰でも受験できます。学歴や職歴、年齢、実務経験の有無などは関係ありません。受験回数の制限もないため、合格するまで何回でも受けられます。また、一度合格すれば更新試験などはなく、一生涯有効です。

資格のなかには受験資格が定められているものもあり、受験したくても受けられない資格があります。たとえば、社会保険労務士試験は、学歴または実務経験、厚生労働大臣が承認した国家試験(行政書士など)に合格していることのいずれかを満たさなければ受験できません。

一方、司法書士試験はこれらの条件がないため、高卒の人や再就職を目指している子育て中の主婦にもおすすめです。

合格率は?

司法書士試験の合格率は毎年3%台で、司法試験の次に難しいと言われています。司法試験は弁護士や裁判官、検察官になるための試験で、法曹界では最難関です。

平成25年度の司法書士試験の出願者数は27,400人でしたが、それ以降は年々減少し、平成30年度受験者数は17,668人でした。受験者数が減っても合格率は3%台で、合格点を満たせば受験者数に関係なく資格取得できます。

平成30年度司法書士試験の出願状況|法務省
http://www.moj.go.jp/content/001260293.pdf

試験内容は?

司法書士試験の試験科目は、憲法や民法、商法、刑法のほか、不動産登記法や商業登記法、民事訴訟法、司法書士法などが挙げられます。

試験方法は筆記と口述試験で、筆記試験は毎年7月上旬に年に全国47都道府県で実施されます。筆記試験に合格した人のみ、10月中旬の口述試験に進むことができ、両方合格することで司法書士の資格を手にすることができます。

筆記試験は午前と午後に分かれており、午前の部の試験範囲は憲法、民法、商法、刑法で、マークシート方式です。午後の部は不動産登記法、民事訴訟法、不動産登記法書式、商業登記法書式などが試験範囲となり、マークシート方式と記述式で出題されます。

口述試験の合格率はほぼ100%といわれており、筆記試験が合格すれば資格取得は目前です。試験範囲は不動産登記法、商業登記法、司法書士法の3科目で、万一落ちてしまっても、翌年の筆記試験が免除されます。

司法書士の資格を取得するメリットは?

Photo by Mike Tinnion on Unsplash

合格後の進路が恵まれている

司法書士は難関資格なのでハードルが高く感じられるかもしれませんが、合格後の就職先や収入が恵まれているため、目指す価値は大いにあります。

合格者の多くは司法書士事務所に就職して、アシスタントとして実務経験を積みます。事務所によって取り扱う案件が異なるため、実務経験を積んだ後は自分が希望する業務を行っている事務所に就職し、仕事の幅を広げます。ある程度実績ができたら、事務所を開業することもできますよ。

勤務司法書士の年収は、初年度だと250~300万円が相場のようです。事務所によってボーナスや昇給の仕組みが異なるので、事務所選びによって収入が大きく変わります。開業司法書士は携わった案件によって年収が異なります。勤務司法書士より安定性は保障されませんが、優良顧客を開拓していくことでより収入がアップする見込みあり。

世の中には取得したけど就職につながらないという資格がたくさんありますが、司法書士は資格保有者だからこそできる業務が多く、合格者数が少ないため重宝されます。

司法書士を目指すなら?

Photo by rawpixel on Unsplash

資格取得までの平均勉強時間は3000時間

法律の知識がまったくない状態から勉強をはじめて、資格を取るまでにかかるまでの平均勉強時間は約3000時間です。もともと知識がある人や、効率よく学習できる人はこれよりも短い勉強時間で合格できるかもしれません。しかし、難易度の高い資格なので時間をたっぷり取ることが合格への近道です。

学生や専業主婦など、1日の勉強時間をある程度確保できる場合は12~15カ月間ほど勉強期間を取る人が多いです。短期集中型で学習したい人は、8カ月ほどで合格することも。

フルタイムで働きながら勉強する人は平日の朝や夜、土日しか時間を確保できないため、2~3年ほどかけて取得を目指す傾向があります。

法務で働く道もアリ

独学で学んだり、資格学校などに通って学習するだけではなく、法曹業界で働きながら資格取得を目指すのもありです。法務に携わることで法律の知識が身について勉強になるほか、教科書だけでは分からない生きた知識や経験を習得することができます。法律に携わる仕事を通してモチベーション維持にもつながり、合格後は職場で大いに知識を生かせるでしょう。

働きながら資格取得を目指す場合、気長に学習を続けていく必要があるため、関係するところで就職先を探して、勉強に励むのもいいかもしれません。

まとめ

司法書士試験は合格率3%と狭き門ですが、資格取得後は好待遇で就職できるため、再就職を目指している人、独立開業したい人、年収をアップさせたい人、安定した職に就きたい人におすすめです。合格者が少ないからこそ、試験勉強で得た知識が重宝されます。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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