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2018年09月26日 21:00 更新

防災訓練はどうして必要? セルフでできる防災対策

防災訓練というと、子どもの頃に学校でやったきりという方も多いのではないでしょうか。参加意識が低く、シナリオができあがっている訓練では意味がないといわれていますが、普段できないことは災害発生時もできないともいわれています。そこで今回は、防災訓練の種類や意義について解説。自分たちでできる防災対策とあわせてご紹介します。

防災訓練とは?

Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash

防災訓練の重要性

防災訓練は所詮、訓練。何回訓練したとしても実際の災害では想定外の事態にみまわれるから、役に立たないと思っていませんか? 確かに、災害時には思いもよらないことが起きるもの。しかし、例えば火災のとき、消火器の保管場所や、消火器の使い方を知っているかどうかで、災害時にできることが大きく変わってきます。

その意味で、防災訓練の重要な目的の一つとして、災害に関する基礎知識を得ることが挙げられるでしょう。災害には、津波や地震などさまざまな種類があります。起こりうる災害の特徴についてあらかじめ知っていれば、危険を回避することもできるのです。また、防災・救助用資機材は、使い方を間違えると二次災害を起こしてしまいかねません。安全に機材を使うことを学ぶのも、防災訓練に与えられた大切な役割です。

防災訓練では、避難場所や避難経路の確認も行われます。災害時の集合場所や避難場所、安全に移動できるルートを把握することにも大きな意味があるでしょう。

地域や組織における自分の役割を知ることも、防災訓練の目的の一つです。例えば、災害時にはお年寄りや病人を連れて避難したり、部下を誘導したりする可能性も。避難場所を把握し、実際に歩いてみることで、はじめて危険な場所を認識できるかもしれません。

また、大災害時には一人でできることは限られています。周囲の人々と助け合うことを学べるのも、防災訓練の利点といえますね。

防災訓練の種類

Photo by Braden Hopkins on Unsplash

防災訓練は、大きく以下5つに分けることができます。それぞれについて順に解説していきます。

・消火訓練
・避難訓練
・通報・伝達訓練
・応急救護訓練
・総合訓練

「消火訓練」の目的は、消火器や屋内消火栓などを実際に使用することで、使用法を習得することにあります。消防署に予約することで、訓練用の消火器を使って放射訓練をすることが可能です。

「避難訓練」では、安全な場所まで避難経路を利用して避難を試みます。避難器具の使い方を覚えるのも「避難訓練」の目的です。火災訓練であれば、想定される出火場所を変えて何度も実施します。

「通報・伝達訓練」は、119番に通報したり放送設備の使い方を習得したりするのが目的です。消防職員が立ち会うことで、訓練でも119番通報することができます。

「応急救護訓練」では、三角巾(二つ折りして三角形にした包帯用の布)やAED(自動体外式除細動器)の使用法、ケガ人などの搬送方法を習得します。詳しく学ぶ場合は、自治体や消防などが実施している救命講習を受講するのがおすすめです。

「総合訓練」では、火災の発見、初期消火活動、負傷者の手当、避難方向への誘導、消防隊への情報提供など総合的な活動を行います。

防災訓練をしたら、防災への備えもしよう

Lazy dummy

防災訓練では、災害が起こったときにどう行動すべきかを学べます。しかし、それだけでは準備が十分とはいえません。そこで、自分自身でも防災に関する準備や情報を取得するようにしましょう。災害は十分すぎるほどの備えがあってもいいくらい。準備することで、万が一災害が起こっても、落ち着いて行動できるきっかけになるかもしれません。

消防庁の防災情報をチェック

防災教育を行ううえで役に立つのが消防庁の防災教材です。「チャレンジ!防災48」「防災紙芝居」「わたしの防災サバイバル手帳」「eカレッジ」から構成され、いざというときに役立つ知識を習得できるようになっています。

「チャレンジ!防災48」は、災害時に身の安全を守り、初期消火や救助活動などを行うやり方を学習するためのマニュアルです。テキストや写真、映像などから構成され、地域や企業、自治会、学校などで、すぐに使うことができます。

「防災紙芝居」では、紙芝居形式で災害が起きた際の対処方法を楽しく学ぶことができます。無料でダウンロードして使うことが可能です。

「わたしの防災サバイバル手帳」は、火災や地震、風水害などへの備えについて学ぶことができるリーフレットです。非常備蓄品やライフラインが断たれた際のサバイバル法など、必要な知識が網羅されています。

防災教材|総務省消防庁
http://www.fdma.go.jp/syobodan/bousai/

防災備蓄を見直す

Lazy dummy

災害に備えて備蓄をしている方も多いと思いますが、備蓄品は定期的に内容を見直すことが必要だといわれています。以下のポイントをチェックして、正しく備蓄できているか確認しておきましょう。

・水や食料品は最低でも3日間を目安に
・備蓄品は家族構成や住居地域にあわせて必要なものを準備する
・賞味期限・消費期限をチェックし、古いものがあったら入れ替える
・いざというときに持ち出しやすいよう、備蓄品は玄関や寝室に置いておく
・備蓄品は手早く背負って両手がふさがらないリュックサックに入れる
・食料・日用品の備蓄はやや多めを心がけて、日常生活のなかで使いながら必要に応じて買い足しする「日常備蓄」を取り入れる

まとめ

防災訓練に参加することで、実際の災害時に起こりうる危険を回避したり、被害を小さくしたりすることができます。積極的に参加するほか、自分でもできる防災対策を行い、普段から防災意識を高めておくことが大切です。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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