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2020年12月30日 17:30 更新

【漫画】母みたいにはなりたくなかった……!? コミック『母親だから当たり前?』作者 龍たまこさん特別インタビュー! 第3回

平凡だけど幸せな主婦だったはずのあかりが、「母親ならフツウ」「女なら当たり前」という考え方に苦しみ、翻弄されるコミック『母親だから当たり前? フツウの母親ってなんですか』が話題です。主人公あかりと同じように、「母みたいになりたくない」と思っていたという作者の龍たまこさん。その心境と本音を、くわしくお聞きしていきます!

母親みたいになりたくなかった、かつての「娘」が「母」になる

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子どものころ「お母さんって大変そう」と思っていた、主人公のあかり。一人の「娘」として感じていたモヤモヤは、自分が「母親」になったとき、新たな葛藤へとつながっていく……。
――前回は、母親が苦しいように、父親も苦しんでいる。あらゆる世代の、あらゆる立場の人にとっての生きづらさを描きたかったという話をお聞きしました。

今回は、一人の「親」であると同時に「子」でもある、両方の立場からの「親子関係」について、お聞きしていきたいと思います。

コミック『母親だから当たり前?フツウの母親ってなんですか』の主人公のあかりは、子どものころ「お母さんみたいになりたくない」と思っていますね。ところが、気づけば自分が「母親」になっていて……目の前には、自分の娘がいる。

たまこさんも現在は、娘さんを含めた3人のお子さんのお母さんでいらっしゃいます。たまこさんご自身のお母さまがどんな方だったか、たまこさんはお母さまをどんな風に思ってらしたか、お聞きできますか?

仕事に家事に働きどおし、「犠牲的」に見えた母

龍たまこさん:わたしの母は、わたしの目から見たら「犠牲的な母」でした。

仕事をしていたので朝早くから夜遅くまでずっと動いていて、家事も一手に担っていましたので、いつも疲れている印象でした。

主人公のあかりが「お母さんみたいになりたくない」と言うシーンがありますが、まさにわたしも同じように思っていました。朝から晩まで休む暇もなく働き通しで、誰よりも早く起きて誰よりも遅く寝て、お風呂は一番最後で、ご飯は立ったまま、そんな生活はまっぴらだ、と。

母みたいになりたくなくて、でも、母みたいになりたかった

龍たまこさん:それなのに、同時に「お母さんみたいにならなきゃ」という気持ちもありました。それは、わたしのなかでの「フツウの母親」っていうのは、母の姿だったからです。

なので、「お母さんみたいになりたくない」と「お母さんみたいにならなきゃ」という両方の相反する気持ちがあったように思います。

作中では、あかりの夫・平太にも「父さんみたいにはなりたくない、でも父さんの影がずっとまとわりついてくる」と言わせています。わたし自身の母への葛藤が、あかりだけでなく、平太の父親への感覚にもつながってるように思います。

親子関係って本当に複雑で、ひと言では言い表せないですよね(汗)。
――親子関係はフクザツ、本当にそうですよね。

しかし、この複雑怪奇なナニカを、親になると今度は、自分と子どもとの間でも、どうにかこうにか築かなければならないわけです……。

母として、娘にどんな「背中」を見せたいだろう……?

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働きはじめたあかりは、仕事と「ママがいい」と泣く娘・未来への罪悪感との間で板挟みに。職場の先輩に相談したことをきっかけに、娘の目に映る自分の姿を意識する……。(下に続く)
――専業主婦だった主人公あかりは、働きはじめたことで人生を充実させていくのと同時に、一緒に過ごす時間が少なくなった娘との関係に悩んでもいますね。

「わたしは未来(娘)にどんな背中を見せたいだろう?」と自問自答するシーンが印象的でした。わたし自身にも娘がいるので、自分はどうだろうと考えてしまって。

たまこさんは、お子さんにどんな背中を見せたいと思われますか? とりわけ、娘さんには、どんな背中を?

子どもたちには、自分が人生を楽しむ姿を見せたい

龍たまこさん:ひとりの女性として、好きなことをして人生楽しんでる姿を見せたいです。娘には特に。

過去には、母親になったら自分を捨てて子どもや夫に尽くすことが美徳だった時代があったかもしれないけど、これからはちがう。母親になっても自分の人生を楽しんでいいし、好きなことを諦めなくていい。

娘が大人になったときに、自然とそう思えるといいな、と思ってます。

そりゃあわたしは、部屋は散らかっててだらしないし、料理も適当だし、「理想のお母さん」像には程遠いと思いますけどね(笑)。
――「母親」という立場を超えて、お子さんに、一人の女性として、一人の人間として示せるものがあるのは、すごくステキなことのように思います。

作中のあかりと未来ちゃんの親子関係も、たまこさんの想いが反映された、あたたかいものへと育っていきましたね。
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仕事へ行くときに、「ごめんね」と謝りながらでなく、「頑張ってくるね」と笑ってみた主人公のあかり。すると娘は……! ママの笑顔は子どもに伝染する……!
――次はいよいよインタビュー最終回。さりげなくも感動的な物語のラストにこめられた、たまこさんの真意をお聞きしちゃいます。

公開は、明日大晦日、12/31の17:30を予定しています!

書籍『母親だから当たり前?フツウの母親ってなんですか』について

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平凡だけど幸せな人生…の、はずだったのに。

「母親だったらそれくらい当たり前でしょ?」「妻ならこうするものだ」という目に見えない圧を感じ、苦しめられる、専業主婦のあかり。

令和になってもこびりつく昭和の価値観。女の幸せはどこに!?

「ママの求人」サイトで大反響を呼んだ話題作が書籍化されました。主人公のあかりと夫・平太のなれそめや、義両親のその後など、書籍オリジナルのエピソードも収録されています。

龍たまこさんのプロフィール

3人の子どもを育てる主婦マンガ家。ライブドア公式ブログ「規格外でもいいじゃない!!」をほぼ毎日更新中。著書に 強迫性障害の夫との日常を描いたコミックエッセイ『規格外な夫婦』(宝島社)、「フツウ」に苦しみつつ抜け出そうともがく母親と家族を描く創作コミック『母親だから当たり前?フツウの母親ってなんですか』(KADOKAWA)がある。

ブログ 規格外でもいいじゃない!!
Instagram @ryu.tamako2

(漫画:龍たまこ コミック『母親だから当たり前?フツウの母親ってなんですか』KADOKAWAより/取材・文:マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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