離乳食のしょうゆはいつから?後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
薄味が基本となる離乳食では調味料を使い始める時期に迷うものですよね。今回はしょうゆ(醤油)がいつからOKか時期の目安とともに、濃さはどのぐらいにすればいいかなどを解説します。しょうゆの香りを生かした赤ちゃん向けレシピもご紹介しますので、試してみてくださいね。
しょうゆ、離乳食ではいつから使っていいの?
・中期の調理:ほんの少し風味付け程度に
・後期・完了期の調理:大人の味付けの半分くらいを目安に
しょうゆはどんな調味料?
しょうゆは大豆、炒った小麦、塩、麹菌などから作られます。発酵させてからしぼったものがしょうゆです。
現在しょうゆの材料は主に、脱脂大豆を使っています。丸大豆しょうゆというものは、大豆を水戻しして蒸した大豆をそのまま使っています。丸大豆には多量の油が含まれているため、しょうゆの上に油が浮いてくるため、最初から油をとった大豆から作ることが主流になってきたようです。 丸大豆から脱脂大豆にするまでに得られるものが「大豆油」になります。
しょうゆの種類と塩分は?
しょうゆには大きく分けて薄口しょうゆと、濃口しょうゆがあります。これらは色が濃いか薄いかという差であり、薄口しょうゆのほうが塩分は濃いです(薄口しょうゆ 16%、濃口しょうゆ14.5%) 。
他にも魚から作られる魚醤などもあります。魚醤は塩分が20%以上と高いので使用量には注意が必要です。また、甘味を加えてあるのが特徴の九州の刺身しょうゆは、味が濃いので使いすぎには気を付けましょう。
しょうゆの離乳食、よくある疑問
離乳食でしょうゆを使用するときによくある疑問について、解説します。
しょうゆはどのくらい使ってもいいですか?
しょうゆは、1品に何g使ってもいいという基準はありません。例えばとろみがあるものやだしが効いているものであれば、しょうゆが少しであっても味をしっかり感じることができます。
例えば大人の食事からとりわける場合は、だいたい同量の出汁で薄めてみたり、煮汁は取らず具材だけ取り分けるなどを心がけるといいでしょう。離乳期は「なるべく薄味」を心がけましょう。
しょうゆに入っているアルコールが心配です
しょうゆには、アルコールが含まれていることがあります。これらはしょうゆにカビを生えさせないための工夫です。どのくらいかというと、だいたい2〜3%含まれます。低アルコール飲料などと同レベルと考えると赤ちゃんにあげてもいいのかと驚かれますが、そもそもしょうゆを使う量は数滴です。
その程度に含まれるアルコールは気にしなくても大丈夫です。
また、離乳食のあいだは加熱して食べることが多いでしょう。沸騰させればアルコールは飛ぶので気にしなくても大丈夫です。
しょうゆに含まれる添加物が心配です
しょうゆの食品表示ラベルみると、アミノ酸液などの添加物が目にとまります。このアミノ酸液は小麦や大豆などのたんぱくを分解したもので、しょうゆのうまみを作ります。こういうものを使う醸造方法であるかどうかは地方によっても異なります。しょうゆのJAS規格を満たしているものなので、過度な心配はいりません。
そもそもしょうゆは「たくさん飲む」ものではないことを念頭におきつつ、ご自身の好きなものを選んでいいでしょう。
離乳食のしょうゆをつかったレシピ! 後期・完了期
それでは最後にしょうゆの風味を生かした離乳食レシピをご紹介します。
<離乳後期のレシピ>鯛のソテー
材料(約1回量)
・鯛の刺身 2切
・油 小さじ1/3
・しょうゆ 数滴
・水 小さじ1
作り方
① フライパンに油をひき、鯛の刺身を焼く
② 両面しっかり焼き、水にしょうゆ数滴をまぜたものをまわしかけて、味をからめるようにして焼く
<離乳完了期のレシピ>ツナと切り干し大根の煮物
材料(作りやすい量)
・切り干し大根 10g
・水 100ml
・ツナ水煮缶 1缶
・みりん 小さじ1
・しょうゆ 小さじ1
作り方
① 切り干し大根は水100mlにつけて戻し、2cm程度に切る
② 小鍋に①の戻し汁と切り干し大根、みりん、しょうゆ、ツナ(缶の汁ごと)を入れて火にかけ、蓋をして約5分加熱する
まとめ
しょうゆは使ってもいいの? と気になるときは「しょうゆを使わなくても食べられるか」を基本として考えてみましょう。しょうゆがなくても食べられるようであれば、しょうゆは入れなくてもいいものです。1才ごろまでに少しだけ試しておけばいいでしょう。離乳食は今後いろいろな味に慣れていくための過程のようなものなので、薄味にしすぎたり、しょうゆを避けすぎる必要はありません。薄味すぎて食べないなと思ったら少しだけしょうゆを使った肉じゃがのようなものをわけてあげたりしてもいいでしょう。
しょうゆは「必要であれば少し使ってもいいもの」と考えておけば、多すぎたり避けすぎたりしなくて程よく付き合えるかもしれませんね。
(文:川口由美子 先生)
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