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2023年01月31日 10:45 更新

【医師監修】ベビーナブで胎児の性別がわかる? 見分け方や正確性について

妊娠したことがわかったら、お腹の赤ちゃんの性別が知りたくなってきますよね。そんな妊婦さんの間で話題なのが「ベビーナブ」。ベビーナブでの性別の見分け方やどのくらい正確に当たるのかについて、お話しします。

ベビーナブって?

ベビーナブとは
Lazy dummy

通常、赤ちゃんの性別は妊娠中期以降の超音波検査でわかることが多いようです。ベビーナブではどうやって性別がわかるのでしょうか?

超音波画像でより早く性別を推測する方法のこと

赤ちゃんの性別は、妊娠した時からすでに決まっています。ですから、細胞レベルの男女の違いは最初からあるのですが、見た目ではわかりません。妊娠3ヶ月末(妊娠11週)ごろになると男の子の外性器が作られ、妊娠5ヶ月ごろに精巣が下りて来ます。同じころ、女の子も腟が管状になるので、性別による性器の形の違いがはっきりしてきます[*1]。

ただ、超音波検査時に赤ちゃんが性器を確認できる姿勢をとってくれるとは限らず、妊娠中期以降であったとしても、性別がはっきりわからなかったり、見間違えたりすることは珍しくありません。

「ベビーナブ(baby nub)」とは、直訳すると「赤ちゃんの突起」という意味です。このベビーナブは欧米で注目されるようになった方法で、欧米では「ナブセオリー(突起理論)」と呼ばれています。「赤ちゃんの突起」とは、「生殖器の元となるでっぱり(生殖結節)」のことで、胎児の脚の付け根あたりにあります。

超音波検査の画像を見るのは通常の方法と変わりませんが、ベビーナブでは注目する箇所が「赤ちゃんの生殖器の元になる“突起の角度”」で、この方法ではより早い段階で性別を推測することが可能と言われています。

「突起の角度」が男の子と女の子では違うことに注目

「生殖器の元になる突起の角度に注目する」とはどういうことなのでしょうか。はじめに説明した通り、赤ちゃんの性別は最初、外見ではわかりません。男の子も女の子も、妊娠早期の性器は同じような見た目です。

それが、成長とともに男の子では生殖ホルモンのテストステロンと抗ミュラー管ホルモンが作られるようになり、この2つのホルモンの刺激によって生殖結節はやがてペニス(陰茎)になります。生殖結節は「男の子ではお腹から少し立って付いている」ことがわかっています。

一方、女の子の生殖結節は、やがてクリトリス(陰核)になります。そして女の子の生殖結節は「立たずに、背中と平行に近い角度になって付いている」ことがわかっているのです。

ベビーナブではどちらのタイプの突起があるかチェックすることで、赤ちゃんの性別がわかるという考えのもと、性別の推測をしていきます。

ベビーナブのやり方って?

ベビーナブの方法とは
Lazy dummy

さて、ベビーナブでは、具体的にはどのようにして性別を見分けるのでしょうか? 一般的なやり方を説明しましょう。

横向きの超音波画像が必要

ベビーナブには、まずは「赤ちゃんが上を向いており、赤ちゃんの脊椎ができるだけ水平になって写っている超音波画像」が必要です。

この角度であれば、「脚のつけ根あたりにある突起」が見分けやすくなるからです。

男の子の見分け方って?

ベビーナブで注目する男の子の特徴
ベビーナブで注目する「男の子の特徴」。男の子の場合は、突起と背骨の角度が30°以上あることが特徴です

赤ちゃんがちょうどいい方向を向いた超音波画像が撮れたら、さっそくベビーナブを確認してみましょう。

男の子の場合は、「脚のつけ根あたりに、背骨に対して30°以上の角度になった突起が見える」と言われています。

超音波画像の背骨のラインに沿って、おしりのあたりを見てみましょう。そのラインからはっきりと30°以上の角度で上を向いた突起が見えたら、男の子の可能性が高いということになります。

女の子の見分け方って?

ベビーナブで注目する女の子の特徴
ベビーナブで注目する「女の子の特徴」。女の子の場合は、突起が「背骨と平行」または「少し背骨側に傾いて付いている」ことが特徴です

女の子の場合は、「背骨と水平に、または少し背骨側に傾いた突起がある」と言われています。

男の子と同じように、超音波画像の背骨のラインに沿っておしりのあたり、脚のつけ根付近をチェックしてみてくださいね。

ただ、超音波検査で撮った画像を素人が読み取るのは難しいものです。妊婦健診の際、確認してもらえそうなら主治医に聞いてみても良いでしょう。

そのほか、妊婦健診のエコー写真の見方については、以下の記事で詳しく解説しています。

ベビーナブなら赤ちゃんの性別が早く正確にわかるの?

ベビーナブなら赤ちゃんの性別が早く正確にわかるのか
Lazy dummy

ベビーナブでは、どのくらい正確に性別がわかるのでしょうか?どの程度信頼できるものなのかもチェックしておきましょう。

早い時期の正確性は低め

赤ちゃんの性別は受胎した時から決まってはいますが、妊娠週数が早いうちは性器が十分に発達していません。そのため、ベビーナブであっても赤ちゃんの体勢や突起の写り具合によっては、実際とは違う性別に見えることもあります。

チェコでは2012年に、胎児の性別判定についての大規模な調査が行われました。 それによるとベビーナブにより性別を見分ける精度は妊娠11週より早い段階ではそれほど高くなく、胎児の発育とともに上がっていくことがわかりました。

この研究では、胎児の頭殿長(CRL。赤ちゃんの頭の先からお尻までの距離)とベビーナブの精度の関係は以下の通りだったと報告しています[*2]。

頭殿長が50mmより小さい場合
(妊娠11~15週より早期)
男の子と見分けられる精度は40.9%
女の子と見分けられる精度は24.3%
頭殿長が50~54.9mm
(妊娠11~15週ごろ)
男の子89.1%、女の子66.7%
頭殿長55~59.9mm
(妊娠12~14週ごろ)
男の子99.1%、女の子93.5%
頭殿長が60mm以上
(妊娠12~14週以降)
ともに100%見分けられた

ベビーナブでは、理論上、赤ちゃんがちょうどいい方向を向いた超音波画像さえあれば、妊娠初期から性別を見分けられるとしています。でも、妊娠週数が早ければ早いほど、見分けたはずの性別が間違っている可能性もあります。

エコー検査で性別がわかる時期について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

性別を知る手がかりの1つと考えて

性別がわかると、妊娠中は会うことのできないお腹の赤ちゃんが少し身近に感じられる気がしてうれしいものです。でも、さきほど説明した通り、ベビーナブで性別判断をしても、間違っていることはあります。

ベビーナブは赤ちゃんの性別を知るための「手がかりの1つ」で、実際とは違う結果が出ることもある、ということは覚えておきましょう。

性別がどちらであっても、赤ちゃんが大切な存在だということは変わりないはず。ママやパパによっては、生まれてくるその日まで性別は聞かないでおくという人もいることでしょう。
あまり焦らずに、生まれてきた時を楽しみに、気長に待ってみてくださいね。

赤ちゃんの性別ジンクスについては、こちらの記事でお伝えしています。

まとめ

ベビーナブのまとめ
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ベビーナブは超音波検査に写った脚のつけ根の突起を手がかりに、赤ちゃんの性別を知る方法です。残念ながら妊娠週数が早ければ早いほど、赤ちゃんの性別はわかりにくく、見誤ることも珍しくありません。また、赤ちゃんが背骨を下にして横向きに写った超音波写真が撮れなければ、ベビーナブでは性別をチェックできません。

ベビーナブを意識しなくても、妊娠中期~後期ごろになると赤ちゃんの性別はわかりやすくなってきます。また、3Dや4Dの立体的な超音波検査では、よりはっきりと性器を確認できることもあります。

男の子でも女の子でも、赤ちゃんは大切な存在です。性別はあまり気にし過ぎないようにしながら、出産後に赤ちゃんと会える日を楽しみに、のんびりと妊娠生活を楽しんでくださいね。

(文:大崎典子/監修:齊藤英和先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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