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2021年01月27日 13:16 更新

【医師監修】赤ちゃんの寝かしつけに効果的な音楽と注意点

音楽をかけるだけで赤ちゃんがスヤスヤ眠ってくれたら……大人はとても助かりますね。そもそも赤ちゃんは音楽で寝かしつけができるのでしょうか。ここでは、子供の睡眠にくわしい森田麻里子先生のアドバイスとともに、寝かしつけに音楽をかける際に知っておきたいことをまとめました。

<森田麻里子先生からのアドバイス>
赤ちゃんの寝かしつけでは、音楽を流す方も多いですね。音楽は必ず必要というわけではありませんが、ママ・パパもリラックスできる音楽を流すと、寝かしつけの時間が楽しくなるかもしれません。赤ちゃんにとってもママ・パパにとっても心地よい音楽を、探してみてくださいね。

赤ちゃんは音楽で寝かしつけができる?

赤ちゃんは音楽で寝かしつけができるのか
Lazy dummy

「赤ちゃん 音楽」などと検索すると、数々の寝かしつけ用の音楽がヒットします。そもそも赤ちゃんは音楽で寝かしつけても良いのでしょうか。また、音楽は寝かしつけに効果があるのでしょうか。

肉声での子守歌に近い働きが

実は、新生児期の赤ちゃんはどんな音でも音がないより、何か音がある状態のほうが泣きが治まるといわれています。また生後1~2ヶ月ごろには、声や音に反応して泣き止んだり動作を止めたりするようになります。このように、音がすると小さな赤ちゃんが泣き止む、おとなしくなるという経験を経て、多くのママやパパがあやすだけでなく寝かしつけにも子守歌や音楽を利用するようになるのでしょう。

0~2歳児を対象に肉声による歌いかけとオーディオなどでの音楽に対する反応を比較した研究[*1]では、いずれも「おとなしくなる・寝る」(肉声55.2%、オーディオ47.5%)、「体を動かす・踊る」(肉声42.5%、オーディオ52.1%)、「声を出す・歌う」(肉声30.7%、オーディオ31.0%)という反応が多く見られました。

また両者のちがいとして、肉声の子守歌の方が笑顔になったり、うれしそうに笑う、声を出して笑うなど、聴いたことで「よく笑う」傾向が見られたという結果となっていました。

つまり、オーディオで音楽を聴かせることも、肉声での子守歌同様、寝かしつけに役立つことはあるようです。ただし、肉声/オーディオにかかわらず、体を動かしたり、声を出すようになってしまうことも。肉声にしてもオーディオにしても、聴かせて寝てくれたらラッキーくらいに考えておいたほうが良いのかもしれません。

寝かしつけにおすすめの音楽や音

寝かしつけにおすすめの音楽や音
Lazy dummy

赤ちゃんの寝かしつけにおすすめの音楽、音を紹介します。

オルゴール音楽

赤ちゃんの寝かしつけに定番なのが、「オルゴール音楽」ではないでしょうか。保育園の昼寝の寝かしつけにもよく使われているようです。ディズニー、ジブリ、アンパンマンなど、子供が親しみやすい曲が人気です。「きらきら星」「ゆりかごの歌」のような、幅広い世代でなじみのある曲のオルゴールバージョンもよく選ばれています。

ホワイトノイズ

「ホワイトノイズ」はテレビの砂嵐や換気扇、空気清浄機などの「ザー」「ゴー」という音です。赤ちゃんがママのお腹で聴いていた音に似ているといわれ、生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんを安心させる効果があるようです。

「ホワイトノイズ」で検索すると、スマホやタブレットから流すことができる音源が見つけられます。純粋なホワイトノイズは「ザー」という音だけですが、波や風の音など、変化がなく単調であれば別の音でも大丈夫。「環境音」や「胎内音」で検索しても近い音が探せます。ホワイトノイズを流す専用の家電もあります。ホワイトノイズは大人の安眠にも効果があるといわれています。

生後3ヶ月を過ぎた赤ちゃんなら、夜寝ているときに物音で目を覚まさないようにする目的での使用もおすすめです。もちろん赤ちゃんはなるべく静かな環境で寝かすものですが、家の外を通る救急車の音など、家族にはどうにもできない音もあるでしょう。シーンとしたところにいるより、ザワザワと音がしている方が多少の物音は気にならなくなるものです。物音に敏感で夜起きてしまう赤ちゃんは、とくにホワイトノイズを試してみると良いかもしれません。

この場合、いつ鳴るかわからない物音に備えて、昼寝や夜の就寝時、眠っているあいだはホワイトノイズをかけっぱなしにします。物音をかき消す効果を高めるために、少し大きめに感じるくらいの音量(「走行中の車内」くらい)がいいでしょう[*2]。タブレットやパソコンで流す場合、音量調節バーの真ん中くらいが目安となります。

ただし、24時間ほとんどホワイトノイズを聞かせていると、言葉を聞き取って学ぶことに影響する可能性も。ホワイトノイズを流しっぱなしにするなら、赤ちゃんが眠っている間だけにしましょう。

音楽をかけるときの注意点

音楽をかけるときの注意点
Lazy dummy

寝る前に音楽をかけるときは、次のことに気をつけましょう。

デバイスの発する光に注意

寝室で音楽を流すときは、タブレットやパソコンの画面の光に要注意。デジタル機器の液晶画面の光に含まれる「ブルーライト」を夜に浴びると、「メラトニン」というホルモンの分泌が妨げられてしまいます。

脳から分泌される「メラトニン」は夜に眠くなるよう働くので、この分泌を妨げると安眠から遠ざけることになります。スピーカーを使って流す、CDラジカセやオルゴールを使うなど、できるだけブルーライトを浴びない工夫をしてください。

音楽だけに頼らない

寝かしつけ用の音楽であっても、それだけですぐに寝つかせるのは難しいかもしれません。

快適な眠りのために、生活リズムを作ること、夜のルーティン・入眠儀式を作り守ること、寝室の環境(温度や湿度、照明など)を整えることも並行して行っていきましょう。

まとめ

寝かしつけ音楽のまとめ

心地よい音楽は赤ちゃんの気分を落ち着かせる効果が期待でき、赤ちゃんにねんねの時間を知らせる夜のルーティンとして使えます。ただ、夜の寝つきをよくするためには生活リズムや寝室の環境を整えることも大切です。日中できるだけ遊んであげるなど、日常生活にも気をつけたうえで、おすすめの音楽や音を寝かしつけに上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。

(文:佐藤華奈子/監修:森田麻里子先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「現代の家庭育児における子守歌の機能」小児保健研究 第67巻 第5号,2008
[*2]森田麻里子・星野恭子:医者が教える赤ちゃん快眠メソッド,ダイヤモンド社,2020

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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