ダイエット中の夜ごはんのコツと簡単レシピ3選
「ダイエット中の夜ごはんに何を食べればいいのかわからない」「効率よく痩せるための夕食のレシピを知りたい」そんな人のために、スムーズな減量に役立つ、おすすめの食材や調理法、ダイエットの明暗を分ける注意点などを解説します。
- ダイエットで重要なのは夜ごはん!
- 夜は太りやすい時間帯
- 夜ごはんのときにとりたい栄養とは
- 体を構成する成分「たんぱく質」
- 体の調子をととのえる「ビタミンやミネラル」
- エネルギー源になる「糖質」
- ダイエット中の夜ごはんにおすすめのメニュー
- ダイエット中の夜ごはんの食材選びのポイント
- ダイエット中の夜ごはんの調理法のポイント
- ダイエットの明暗を分ける?!夜ごはんの注意点
- 寝る直前には食べない
- 脂質の多い食材は控えめにする
- 糖質を含む食材のとりすぎに気をつける
- ダイエットがスムーズに進む♪夜ごはんのおすすめレシピ
- 大豆入り発芽玄米ごはん
- ハーブ香る!たらのハーブソテー
- 山椒でピリッと!具沢山たまご入りみそ汁
- まとめ
ダイエットで重要なのは夜ごはん!
夜ごはんに注意してダイエットに成功しましたか?
※マイナビ子育て調べ 調査期間:2020年12月21日~2021年1月3日 調査人数:123人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋
※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。
ダイエットを効率よく進めるために重要なポイントのひとつが、「夜ごはんに何を食べるか」です。
夜は太りやすい時間帯
ダイエット中の夜ごはんがなぜ重要なのかというと、夜は脂肪をため込みやすい時間帯だからです[*1]。
そのため、普段夕食のときに、糖質や脂質の多い、ボリュームのある食事をとる習慣がある人は、夜の食べ過ぎを控えると、減量が効率よく進む可能性が高まりますよ。
しかし、だからと言って夜ごはんを完全に抜くのはNG。食事を抜くと、食事と食事の間隔が長くなります。そうすると、食べた栄養がより吸収されやすくなってしまいます。1日の総摂取エネルギー量が同じでも、食事回数の少ないほうが太りやすくなると言われています[*2]。
夜は、太りにくい食材や調理法を選び、早食いを避けることで、脂肪蓄積を防止していきましょう。食べる順番に注意する方法もおすすめです。
ダイエット中におすすめの食べる順番
【1】最初に食物繊維が豊富なおかず(野菜やきのこ、海藻、こんにゃく)から食べる
【2】次にたんぱく質豊富なおかず(肉や魚、大豆製品、卵など)を食べる
【3】野菜や肉・魚などを食べ始めて5分経ってから、炭水化物(米、パン、麺類、かぼちゃや芋、大豆以外の豆類、果物など)を食べる
この順序で食べることは、スムーズな減量に役立つと考えられています[*3]。
夜の時間帯に食べるものや食べ方を間違えないようにして、ダイエットの成功を目指していきましょう。
夜ごはんのときにとりたい栄養とは
夜ごはんのときにどんな栄養をとるとダイエットに良いのか、解説します。
体を構成する成分「たんぱく質」
たんぱく質は、筋肉や髪の毛、爪、肌などの材料となる、人体にとって非常に重要な成分です。さらにそれだけでなく、酵素やホルモンなどの材料にもなり、体の機能を調節する重要な働きを担っています。
たんぱく質が不足すると、免疫機能を低下させることで、病気にかかりやすい状態を招いてしまうとも言われています[*4]。夜ごはんのときにもしっかりとるようにしましょう。
体の調子をととのえる「ビタミンやミネラル」
体の機能を健康な状態に保つために必要な成分である、ビタミンやミネラルも、夜ごはんでとりたい栄養素です。体内ではほとんど合成することができないので、食事から補給しないといけません[*5,6]。
特に、ビタミンCやビタミンB群などの水溶性のものは、体に貯めておくことができないので、こまめに摂取する必要があります。
エネルギー源になる「糖質」
ダイエットの敵とみなされがちな糖質ですが、減らし過ぎによりエネルギー不足を招くと、体内でたんぱく質の利用効率が悪くなってしまうと考えられています[*7]。
また、糖質からのエネルギーが不足すると、体は筋肉を分解してエネルギーを生み出そうとします。その結果、筋肉量が落ちるので基礎代謝が落ちやせにくくなったり、リバウンドを招くことになってしまいます。
そのため、健康的に痩せるためには、糖質も適量はとり入れるようにしましょう。年齢や体格にもよりますが、身体活動量が「普通」の標準的な体型の成人女性の場合は、1食あたりお茶碗1杯分(約150g)くらいの量がおすすめです。
ダイエット中の夜ごはんにおすすめのメニュー
ダイエット中の夕食でとるべき栄養についてはお分かりいただけたと思いますので、次は具体的に、どんな食材を選び、どんな風に調理をするとダイエット向きか、お伝えしていきます。
ダイエット中の夜ごはんの食材選びのポイント
食事の基本である、主食、主菜、副菜の3つのカテゴリに分けて解説します。
主食は「食物繊維を含むもの」を選ぶ
まず、主食として選ぶべきなのは、食物繊維を多く含む、発芽玄米や雑穀米、蕎麦、ライ麦パンなどです。
主食に多く含まれる糖質は、体内に入ると分解されてブドウ糖になります。それが血中に移動して血糖値が上がると、余分な糖は中性脂肪に変換されて、脂肪細胞に蓄えられてしまいます。そのため、糖質を多く含む食品を摂り過ぎると太りやすくなってしまうのです[*8]。
そこで、主食には、食後の血糖値の上昇をおだやかにしてくれる、食物繊維を多く含む食材を選ぶようにしましょう[*9]。
主菜は脂質の少ないものを選ぶ
主菜とは、肉や魚、卵、大豆製品などの、たんぱく質を多く含む食材を使ったおかずのことです。脂身の多い肉など、コレステロールや飽和脂肪酸を多く含むものは控えて、脂質の少ないものを選ぶと、脂質異常症の予防になり、カロリーオーバーも防止しやすいのでおすすめです[*10]。具体的におすすめの食材は以下の通りです。
・肉類:鶏肉(皮なし)など
・魚介類:タイやタラ、スズキ、カレイなどの白身魚、エビ、イカ、タコ、カニ、貝類など
・卵
・大豆製品:大豆、納豆、豆腐、豆乳など
副菜は野菜やきのこ、海藻類を中心にする
副菜とは、野菜やきのこ、海藻などを使ったおかずのことです。これらの食材は低カロリーで、さらに食物繊維を多く含み、満腹感を得られやすいというメリットがあります。小皿(70g)2皿分くらいの量を毎食食べるようにしましょう。
ただし、じゃがいもやさつまいも、里芋、山芋などの芋類や、かぼちゃ、とうもろこしなどは糖質が多い食材なので、食べ過ぎには注意してください[*11]。
ダイエット中の夜ごはんの調理法のポイント
食材選びと同じくらい重要なのが、調理法です。
油は大さじ1杯(12g)で111kcalもある、非常に高カロリーな食品なので、油の使用量を減らすということは、ダイエットを成功させるために大切なポイントです。
揚げ物や炒め物など、油を多く使う料理は1日1~2品にして、特に夜は控えるのがおすすめです。夜は、煮る、蒸すなどの、油の使用量が少ない調理方法を選びましょう[*11]。
ダイエットの明暗を分ける?!夜ごはんの注意点
夜ごはんの食べ方を間違えると、日中にいくら頑張って食事調整や運動をしても、ダイエットがスムーズに進まない……という事態を招いてしまうことがあります。ダイエットの成否に影響を与える、夜ごはんの注意点をお伝えします。
寝る直前には食べない
遅い時間(就寝の2~3時間前)に夕食をとる生活が習慣になっていると、過食しやすくなってしまうと言われています。その原因の一つと言われているのが、レプチンという食欲抑制ホルモンの働きが悪くなること[*12]。
このホルモンの効きが悪くなると、満腹感を得られにくくなってしまうのです。遅い時間の夜ごはんはできるだけ避けて、早めの時間帯に済ませるようにしましょう。
脂質の多い食材は控えめにする
前の章でも説明した通り、脂質は高カロリーな栄養素なので、とりすぎるとカロリーオーバーにつながりやすくなります。
特に、牛肉や豚肉の脂身、鶏肉の皮、ひき肉、生クリーム、バターなどは、夜に食べるのは避けると良いでしょう。
糖質を含む食材のとりすぎに気をつける
糖質は、とりすぎると脂肪蓄積につながりやすいので、過剰摂取に注意しましょう[*8]。特に甘い飲み物は脂肪になりやすいため、夜は控えるのがおすすめです。
清涼飲料水や果汁などの糖分が含まれる飲み物は、腸から吸収されやすいため、血糖値を急上昇させやすく、脂肪蓄積を招きやすいのです。ダイエット中の水分補給には、お水や麦茶、ハーブティーなどの、糖分が入っていない飲み物を選ぶのが鉄則です[*11]。
ダイエットがスムーズに進む♪夜ごはんのおすすめレシピ
効率的なダイエットに役立つ、夜ごはんのおすすめレシピを紹介します。
大豆入り発芽玄米ごはん
エネルギー236kcal、糖質42.8g(ともに1人分)
・材料(2.5人分):
発芽玄米1合、大豆缶詰(水煮)40g
・作り方:
【1】発芽玄米は洗って吸水させておく
【2】炊飯器のお釜に、発芽玄米と大豆を入れて、水を1合の目盛りまで入れる
【3】通常通りの炊飯する
【4】炊き上がったら軽く混ぜる
・ポイント:
脂肪燃焼をサポートしてくれる働きが期待されている成分を含む大豆[*13]をプラスすることで、ダイエット効果を高めたレシピ。噛み応えも増すので食事の満足感もアップします。
ハーブ香る!たらのハーブソテー
エネルギー89kcal、糖質1.1g(ともに1人分)
・材料(1人分)
タラ1尾、冷凍いんげん4本、オレガノ 少々、塩 少々、オリーブオイル 小さじ1/2
・作り方:
【1】冷凍いんげんは食べやすい長さにカットしておく
【2】タラの両面に、オレガノと塩を振って10分ほどなじませておく
【3】フッ素加工のフライパンにオリーブオイルを熱し、タラといんげんを入れてソテーする
・ポイント:
脂質含有量が少ない白身魚であるタラを使用した、低カロリーなメニュー。淡白な食材なので、ハーブで香りをつけることで満足感を高めました。
山椒でピリッと!具沢山たまご入りみそ汁
エネルギー 133kcal、糖質 8.7g(ともに1人分)
・材料(1人分)
人参20g、玉ねぎ1/8個、かぶ1/2個、卵 1個、山椒 少々、味噌 小さじ2、だし汁150ml
・作り方:
【1】人参はいちょう切りに、玉ねぎとかぶはくし切りにする
【2】小鍋にだし汁と野菜を入れて加熱する
【3】卵を割り入れて、鍋にフタをして弱火で4~5分煮る
【4】一度火を止めて味噌を溶き、再度火をつけて弱火で1~2分加熱する
【5】お椀によそって山椒を振る
・ポイント:
東洋医学の食養生の考え方では、山椒は体温を上げると考えられています。そんなピリリと辛い山椒で寒い時期も体温維持を目指すスープです[*14]。
まとめ
ダイエット中の人が知っておきたい、夜ごはんにおすすめの食材や調理法、注意点について解説しました。夜は脂肪蓄積が進みやすいので、この時間帯に食べるものを間違えると、体重が減りにくくなってしまいます。ダイエットを効率よく進めやすい夜ごはんの食べ方を実践し、スムーズに減量を進めていきましょう。
(文:猪坂みなみ)
※画像はイメージです
[*1]国立健康・栄養研究所:なぜ夜遅い時間の食事は太りやすいのですか?
[*2]国立健康・栄養研究所:減量のため、1日2食でもいいですか?
[*3]関西電力医学研究所:保健指導における「食べる順番」に重点をおいた食事指導の有効性を証明
[*4]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
[*5]e-ヘルスネット ビタミン
[*6]e-ヘルスネット ミネラル
[*7]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2015年版)総論 たんぱく質
[*8]e-ヘルスネット ブドウ糖
[*9]e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康
[*10]e-ヘルスネット 糖尿病の食事
[*11]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「肥満治療の食事レシピ」
[*12]e-ヘルスネット:過食
[*13]日本食生活学会誌:大豆食品と健康
[*14]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「低体温」体を温める食品
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます