ダイエット中にうどんは不向き? 効果的な取り入れ方とレシピ
ダイエット中には、糖質が多い「うどん」は控えないといけないと思っていませんか? 実は、ダイエット中に食べるメニューとしての良し悪しは「食べ方次第」。今回は、ダイエットにうどんを効果的に取り入れるためのポイントを紹介します。
- ダイエット中、うどんはいい?悪い?
- 糖質は“食べ過ぎ”が厳禁!「うどん」は量のコントロールがしやすい
- ダイエット中に知っておきたいうどんの知識
- うどんに含まれる栄養素
- 乾麺、生うどん、冷凍うどん、違いはある?
- 栄養価が高い「全粒粉うどん」
- ダイエット中におすすめのうどんの食べ方
- ダイエット中は冷たいうどんがおすすめ
- のど越しではなく「噛み応え」を楽しむ
- 主菜、副菜を合わせる
- ダイエット中に摂るときの注意点
- 1日に摂る量の目安
- GI値はそれほど低くない。食べ過ぎに注意
- つゆのつけ過ぎや飲み過ぎに注意
- ダイエット中におすすめの簡単で栄養たっぷりなうどんレシピ3選
- 鯖みぞれうどん
- 冷やし豆乳キムチうどん
- サンラータン風うどん
- まとめ
ダイエット中、うどんはいい?悪い?
ダイエット中、特に気になるのが、主食のこと。ダイエット中にうどんは食べても大丈夫なのでしょうか。
糖質は“食べ過ぎ”が厳禁!「うどん」は量のコントロールがしやすい
糖質を多く含む「主食」の“摂り過ぎ”がダイエットの妨げになるということは、良く知られています。そのため、ダイエット中にうどんは良くないのでは?と思うかもしれません。
しかし、糖質は身体に必要不可欠な栄養素なので、まったく摂らないのは体に良くないうえ、リバウンドを引き起こす可能性も。つまり、ダイエット中は主食の「量」に注意する必要があります。
うどんは主食の中でも食べる量のコントロールがしやすく、食べ方次第ではダイエットに効果的に活用することも可能なのです。
ダイエット中に知っておきたいうどんの知識
うどんをダイエットに上手に取り入れるうえで、知っておきたい基礎知識を詳しく解説します。
うどんに含まれる栄養素
うどんに含まれる栄養素のほとんどは糖質で、そのほか、ビタミンB群やカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルを微量に含みます。
エネルギー源である糖質をとるための主食として、ご飯と栄養価がよく似ています[*1]。
乾麺、生うどん、冷凍うどん、違いはある?
そば、中華麺、パスタなど、うどん以外の麺類では、複数の種類の粉を使う、つなぎが入るなど、製品によって原材料が異なります。しかし、うどんは、原材料が「小麦粉」「塩」「水」の3つというのが基本。重量が同じであればカロリーや含まれる栄養素はそれほど変わりありませんが、製品によって、太さやコシなどの食感に特徴があります。
ゆでうどんや冷凍うどんは手軽に食べることができ、弾力と歯切れの良さを両方持ち合わせた食べやすさが魅力です。一方で乾麺や生うどんは茹でるのに時間がかかりますが、強いコシがあり噛み応えがあります。生活や好みに合わせて好きなものを選ぶと良いでしょう。
栄養価が高い「全粒粉うどん」
穀類は、精製度の違う原材料を使うことにより、仕上がる食材の見た目や栄養素が変わります。例えば、ご飯では白米と玄米、パンでは白パンと全粒粉パンなどが代表的です。
うどんは精製した白い小麦粉を使用する場合が多いですが、最近では、「全粒粉うどん」をスーパーやインターネットなどで目にすることが増えてきました。全粒粉は、白い小麦粉に比べて、ビタミンB1、ビタミンB6、鉄、亜鉛、マグネシウム、食物繊維などが多く含まれます。そのほかにも、雑穀や海藻などが練り込まれたうどんもあります。
ダイエット中は食事量を制限することで、食事から取り入れる栄養素が少なくなりがちです。同じ量を食べるのであれば栄養価が高いものを選ぶ、というのは効率的な栄養摂取方法です。
ダイエット中におすすめのうどんの食べ方
ここまで、うどんダイエットを実践するための基礎知識をお伝えしました。次に、上手な食べ方を紹介していきます。
ダイエット中は冷たいうどんがおすすめ
うどんには、消化吸収されない糖質の一種である「レジスタントスターチ」と呼ばれる成分が含まれています。レジスタントスターチは、体内で食物繊維に似た働きをすると言われており、健康やダイエットへの効果が期待されています[*2]。
穀物(とくに全粒穀物)にはもともと多少のレジスタントスターチが含まれていますが、一度加熱して消化しやすい状態になったものを冷やすことでレジスタントスターチの量を増やすこともできます。温かいうどんか冷やしうどんか迷ったときには、ぜひ冷やしうどんを選びましょう。
のど越しではなく「噛み応え」を楽しむ
うどんをのど越しで楽しむ方も多いかもしれませんが、ダイエット中はNG。噛まずに早食いになってしまうと、満腹中枢がじゅうぶんに刺激されずに、つい食べ過ぎてしまったり、空腹感から間食をしてしまうことにもつながりかねません。
うどんを食べるときは、よく噛んで麺の噛み応えや香りを楽しむことを意識してみてください。また、具だくさんなメニューを選ぶようにすると、自然と噛む回数が増えます。
主菜、副菜を合わせる
ダイエット中はカロリーが気になって、「かけうどん」「ざるうどん」など具材のないものを選びがちです。しかし、先にもお伝えしたようにうどんは「主食」であり、これだけを食べると糖質に偏り栄養バランスがくずれてしまいます。噛み応えを出すためにも、具材のあるメニューを楽しむようにしましょう。
具材では、主菜となる「肉、魚介類、卵、大豆製品」と、副菜となる「野菜、海藻、きのこ」を意識して摂ります。その際に、天ぷらやから揚げなどの揚げ物は高カロリーになりますので避けましょう。
ダイエット中に摂るときの注意点
うどんをダイエット中に食べるときには、注意すべきポイントもあります。
1日に摂る量の目安
1回に食べる量が多くなってしまうとカロリーや糖質が多くなってしまいます。1食の適量を覚えておきましょう。成人女性が 1食で食べるご飯の適量は、100~150g(糖質量35.6~53.4g)です。この量に相当する糖質量から、うどんの適量をみていきましょう。
うどんの適量の目安
・ゆでうどん(チルド。ゆでる前): 170~250g程度(糖質量35.4~52g)
・冷凍うどん:150~200g程度(糖質量37.7~50.2g)
・乾麺(ゆでる前):50~80g程度(糖質量34.8~55.6g)
・生うどん(ゆでる前):70~100g程度(糖質量38.9~55.6g)
ゆでうどんや冷凍うどんは1玉200g程度で売られていることが多いのですが、乾麺の1人前はおよそ100g、生うどんは120g程度のことが多く、そのままだと少し食べ過ぎになります。自宅で調理する場合には量を調整することを心がけましょう。
外食でうどんを食べるときには小さいサイズを選ぶ、他の時間で主食量を調整するなど工夫して食べ過ぎにならないように気を付けましょう[*1,5]。
GI値はそれほど低くない。食べ過ぎに注意
GI値とは、食品ごとの血糖の上昇しやすさを表した数値です。つまり、GI値が高いほど食後に血糖値が上がりやすく、低いほど上がりにくい食品ということです。
70以上で高GI食品、56~69で中GI食品 55以下で低GI食品と定義されています。うどんのGI値は62程度なので、中GI値食品にあたります[*3,4]。
食べ過ぎや単品で食べることは避け、適量を野菜などと組み合わせてバランスよく食べることを守りましょう。
つゆのつけ過ぎや飲み過ぎに注意
つゆを含めたうどん1杯分の塩分は4~6g程度になります。女性の食塩摂取量の1日の目標は「6.5g未満」[*6]なので、つゆまですべて飲んでしまうと、1食で1日の塩分摂取量近くまで達してしまいます。
塩分を摂り過ぎると体に悪いばかりでなく、むくみから体重が増えることにもつながってしまいます。つゆを残せば塩分摂取量は半分程度になります。つゆのつけ過ぎや飲み過ぎは塩分や糖分の摂り過ぎにつながるため、全部飲まないように気を付けましょう。
ダイエット中におすすめの簡単で栄養たっぷりなうどんレシピ3選
ここからは、うどんを栄養たっぷりな1品にできる簡単レシピをご紹介します。
鯖みぞれうどん
エネルギー343kcal、糖質47.9g(ともに1人前)
材料(2人分):冷凍うどん200g、鯖水煮缶1缶、大根3cm、水菜50g、レモン1/2個、めんつゆ(ストレート)100ml
作り方:
【1】 冷凍うどんを電子レンジで解凍し、水洗いして冷蔵庫で冷やしておく。
【2】 大根はおろしてめんつゆと合わせておく。水菜はざく切り、レモンはくし形に切っておく。
【3】 盛り付けてめんつゆをかけてレモンを飾る。
ポイント:レモンの酸味と大根の辛みで、使うつゆが少なめでも風味が豊かな減塩メニューです。
冷やし豆乳キムチうどん
エネルギー328kcal、糖質48.2g(ともに1人前)
材料(2人分):冷凍うどん200g、ツナ水煮缶1缶、キムチ40g、小松菜1/2把、豆乳200㏄、めんつゆ(ストレート)50ml、すりごま大1
作り方:
【1】 冷凍うどんを電子レンジで解凍し、水洗いして冷蔵庫で冷やしておく。
【2】 小松菜をざく切りにして茹でて冷ましておく。ツナは水気を切ってキムチと和える。
【3】 盛り付けてめんつゆ、豆乳、すりごまを合わせたつゆをかける。
ポイント:豆乳は女性ホルモンの働きをサポートする「イソフラボン」が豊富 。女性におすすめの1品です。
サンラータン風うどん
エネルギー311kcal、糖質49g(ともに1人前)
材料(2人分):冷凍うどん200g、えのき1/2袋、ニラ1/2束、きくらげ(乾)4個、ささみ2本、卵1個、★鶏がらスープ400ml、★醤油大1、★砂糖小1、酢小1、水溶き片栗粉大2、ラー油お好みで
作り方:
【1】 冷凍うどんを電子レンジで解凍する。
【2】 きくらげを戻し、3等分に切る。ささみは筋をとり沸騰したお湯でゆでて水にとり、ほぐしておく。えのき、ニラをざく切りにする。
【3】 ★を合わせて火にかけて、沸騰したら全ての材料を入れる。
【4】 沸騰したら溶いた卵を入れて、酢と水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
ポイント:血糖値の上昇を緩やかにするなどの働きが期待されている「お酢」も一緒に摂れるメニューです。
まとめ
いかがでしたか?手軽に食べることができ、アレンジもしやすいうどん。ぜひ上手にダイエット生活に取り入れてみてくださいね。
(文:薦岡具代)
※画像はイメージです
[*1]文部科学省: 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
[*2]レジスタントスターチの栄養・生理機能
[*3]THE UNIVERSITY OF SYDNEY:Search for the Glycemic Index
[*4]THE UNIVERSITY OF SYDNEY:The Glycemic Index Foundation
[*5]農林水産省:食事バランスガイド早わかり
[*6]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)ミネラル(多量ミネラル)
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます