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2020年12月22日 16:40 更新

【2020年】うるう年は4年に1回とは限らない? うるう年の豆知識

2020年は、2月29日が存在するうるう年。4年に1回めぐってくる特別な年です。1年が366日になる不思議な年ですね。しかし、長い歴史のなかでは4年に1回の計算ではあてはまらなかった年もあるそうです。オリンピックイヤーとも呼ばれるうるう年について、豆知識をまとめました。

うるう年ができるわけ

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うるう年は、漢字で「閏年」と書きます。「閏(うるう・じゅん)」は、平年よりも日数や月数が多いことを表す漢字で、本来あるもののほかにあるもの、あまりもの、などの意味を持っています。うるう年は、従来28日しかない2月が1日増え、2月29日ができる年です。4年に1回めぐってくるのは、なぜなのでしょうか。

地球の公転周期が関係している

私たちは、現在、グレゴリオ暦という暦を使って年月日を表しています。世界中、どこの国でも同じですので、外国にもうるう年があります。グレゴリオ暦では、次のようなルールが決められています。

・西暦年号が4で割り切れる年をうるう年とする

2020年は4で割り切れる年なので、うるう年ですね。ルールにのっとり、2024年、2028年と、4年ごとにうるう年がやってきます。

ただし、ひとつ例外があります。

・西暦年号が100で割り切れて400で割り切れない年は平年とする

そのため、たとえば2100年や2200年は、4で割り切れる年ですが、うるう年ではない普通の年になります。

ふたつのルールができた背景には、地球の公転周期があります。グレゴリオ歴では、地球が太陽の周りを1周する期間を1年(365日)に決めたのですが、正確には365.2422日という余分がある数字なのです。

小数点以下の余分は何年も経つとたまっていき、1日分のズレができてしまいます。そのため、4年に1回、1日増やして調整するわけです。地球の時計をリセットする感覚ですね。ただ、やはりピッタリの数字ではないため、4年に1回1日をプラスすると、多すぎてしまいます。このズレを再度調整するために、100で割り切れるけれど400で割り切れない年は、増やさないでそのままにしておくのです。

うるうは「年」だけじゃない!

じつは、うるうが必要なのは、年だけではありません。「うるう秒」というものが存在します。うるう秒が必要になったのは、科学が発達して、より正確に時間を計れるようになったからです。

もともとは、地球が自転する周期を1日として、その24分の1を1時間、1時間の60分の1が1分、1分の60分の1が1秒、というように時間が決まっていました。ところが、1秒の狂いもなく時間をはかれる原子時計が発明されると、地球の自転周期にはゆらぎがあることがわかりました。

ほんの少しですが、速くなったり遅くなったりするのです。そのズレをリセットするために挿入されるのが、うるう秒です。

2017年にもあったうるう秒

地球の公転周期は一定ですが、自転周期は遅かったり速かったり、一定ではありません。そのため、何日ごとに1秒、何カ月ごとに1秒などと、決めることができないのです。常に原子時計とのズレを記録して、臨機応変に対応していくしかありません。変化にもムラがありますから、「○○年にうるう秒を入れます」という長期予想も難しいです。

最初にうるう秒が挿入されたのは、1972年のことです。2020年現在までに、合計27回、うるう秒が挿入されています。2017年にも、1秒足されています。2021年は、挿入されないことは決まっています。次にうるう秒が挿入されるのはいつになるでしょうか。興味のある方は、日々のニュースに注目してみてくださいね。

2月を1日増やした理由

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それにしても、まだまだうるう年には謎がいっぱいです。1年に1日を足すだけでよいのなら、どうして2月に1日足すことにしたのでしょう? もともと2月が28日しかないので、バランスをとるため? それにしても2月が28日しかないことも不思議ですよね。

この不思議な決まりは、古代ローマ人の農耕の歴史に関係しています。

古代ローマ人の農耕の歴史

現在、世界はグレゴリオ暦にしたがって動いているということは、すでにご説明しました。グレゴリオ暦自体も、古代ローマの暦ですが、この暦が決まるまでは、ロムルス暦が使われていたのです。驚くことに、ロムルス暦は10月までしかありません。現在の3月から12月にあたる時期を、1~10月としていて、現在の1月2月には、月日が割り振られていなかったのです。

これは、古代ローマ人が、農耕を中心に月日を考えていたからです。種をまきから収穫を行うまでの農繁期の暦しか必要としていなかったのですね。

その後、空白の2ヵ月の暦を足したヌマ暦が作られましたが、農耕文化を中心としたローマ人にとって、2月は1年の終わりの年でした。この暦で、すでに2月は28日と決められていました。ヌマ暦では、1年が355日と考えられていて、ほかの月は29日か31日に決められていたので、年末に日程を調整したのでしょう。理由ははっきりとはわかっていません。

ただ、1年は355日ではありませんね。何年も経つうち、季節と暦がズレてきてしまうので、ヌマ暦では、うるう月を入れて調整していたようです。しかし、戦争の混乱により、調整が行われなかった年もあり、混乱の末、カエサルがユリウス暦を作り、暦を正しくしました。

その際も、2月は28日のままになりました。冬の終わり、農耕の季節が始まる前の月は、やはり「年末」という意識が強く、ズレは年末の2月で調整するというルールが引き継がれることになったようです。

うるう年に挑戦したいこと

うるう年といっても、2月が1日増えるだけのことで、私たちの生活が大きく変わることはありません。うるう年に、オリンピック・パラリンピックが開催されることは偶然で、うるう年を狙ったものではないのです。4年に1回のアメリカ大統領選挙も、うるう年になったのはたまたまです。

ただ、日本にはうるう年だからおこなわれる不思議な習慣がありました。

お遍路さんの「逆打ち」

四国の霊場を88カ所めぐる、「お遍路」という巡礼の旅をご存じでしょうか。日本の仏教、真言宗を開いた空海(弘法大師)というお坊さんゆかりの土地、88カ所をめぐる宗教的な意味を持つ旅のことです。かつては修行僧が歩く旅路でしたが、仏教を信仰する人々が同じように88カ所をまわるようになっています。

その昔、伊予の国のある長者が自分の悪行の許しを請うために、88カ所めぐりを行いました。しかし、どうしても弘法大師に会うことができず、88カ所の札所を逆の順番でまわることを思いつきます。逆の道順は、非常に困難な道のりだと言われていたからです。自分にさらなる試練を与えたのですね。その道程で、とうとう夢のなかに弘法大師があらわれ、罪を許されたのだそうです。

長者が弘法大師に会えたのが、うるう年だったことから、4年に1回のうるう年に逆の順番で札所をめぐると弘法大師に会える、という言い伝えが生まれました。逆の順番でめぐることを「逆打ち」といい、3倍の功徳があると言われているそうです。

まとめ

うるう年は、4年に1回、2月が1日増える特殊な年です。基本的には、4年に1回めぐってきますが、特別なルールも存在します。暦と地球の公転時間を調整するためのものなので、何かをお祝いするような行事もありませんし、特別な自然現象がおこるわけではありません。ただ、いつもなら存在しない日が突然あらわれるので、子どもは不思議に思うかもしれませんね。「どうして?」ときかれたら、きちんと答えてあげましょう。次のうるう年は2024年です。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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