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2022年03月25日 09:10 更新

2022年の「昭和の日」はいつ?「昭和時代」を振り返ってみよう

毎年4月29日は「昭和の日」です。昭和は日本の元号のひとつで、64年という長い歴史を持っています。4月29日が、なぜ「昭和の日」になったのか、何にをお祝いする日なのか、令和生まれの子どもたちにきちんと説明できるでしょうか?「昭和時代」を振り返りながら、成り立ちの経緯を探ってみましょう。

国民の祝日「昭和の日」の成り立ち

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「昭和の日」は、祝日法で毎年4月29日と定められている、固定祝日です。そのため、2022年も4月29日が「昭和の日」になります。内閣府のHPでは、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日と説明されています。では、なぜ4月29日が「昭和の日」になったのでしょうか?

もともとは昭和天皇の誕生日

4月29日は、もともと昭和天皇の誕生日でした。昭和元年から昭和23年まで、4月29日は「天長節」という名称で、天皇の誕生日を祝うための国民の祝日でした。翌年の昭和24年からは「天皇誕生日」に名称変更されています。

呼び方が変わっただけで、「天皇の誕生を祝う国民の祝日」であることには変わりありません。毎年4月29日には、皇室の方々や内閣総理大臣、最高裁判所長官などから祝賀をお受けになる「祝賀の義」や国民が皇居に参入し、祝賀の意をあらわす「一般参賀」などの行事が行われていました。

昭和は、1926年から1989年までの64年間続いた、大変長い時代です。しかも、第二次世界大戦の敗戦を経て、復興を遂げた激動の時代と言えます。こうした時代を忘れず、これからも平和な国を築いていこう、と考える日として、昭和天皇の誕生日が「昭和の日」に制定されることになりました。

「みどりの日」から「昭和の日」へ

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4月29日は、はじめから「昭和の日」だったわけではありません。昭和天皇が崩御され、元号が平成に変わった当時、4月29日は「みどりの日」という祝日でした。昭和天皇が優れた生物学者であり、幼少のころから自然に親しんでおられたことに由来して、制定されたものです。この「みどりの日」も、後年になって日付を変更することになりました。

2007年に名称変更「みどりの日」は5月4日に

4月29日が「みどりの日」から「昭和の日」に名称変更されたのは、2007年になってからです。

そもそも、4月29日を「みどりの日」として国民の祝日にしたのは、2つの理由があります。ひとつは、4月29日が5月初旬のゴールデンウィークのはじまりにあたる日として、長年国民の生活に定着していたことです。大型連休に旅行へ出かけたり、帰省したり、家でゆっくりと過ごしたり、思い思いに休みを楽しんでいた多くの国民に影響が出ることを懸念して、4月29日を祝日として残そうという意見がありました。

もうひとつは、64年の長い間、天皇として公務をまっとうされ、長く国民に愛された昭和天皇を偲ぶ日を残したいという思いです。「みどりの日」という昭和天皇のご功績にちなんだ祝日としたことに、こうした国民の思いが表れています。

ところが、「みどりの日」ではこのような思いが年々薄れてしまうということで、多くの要望が集まり、4月29日は「昭和の日」という名称に改めることになったのです。

「みどりの日」も、大変意義のある祝日なので、5月4日に日付を変更し、国民の祝日として残すことになりました。

「昭和時代」ってどんな時代?

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では、「昭和の日」として多くの国民に祝われることになった「昭和時代」とは、どのような時代なのでしょう。「激動の日々」と言われる昭和時代について、少し歴史を振り返ってみましょう。

戦争から平和へ 64年の歴史

昭和が激動の時代と言われるのは、大きな戦争があったからです。日本は、1937年(昭和12年)から中国と戦争状態に入りました。当時は日本と中国にそれぞれの事情があり、宣戦布告が行われなかったのですが、この争いがのちの第二次世界大戦へと発展していきます。

第二次世界大戦で、日本は広島・長崎に原子爆弾を投下され、1945年(昭和20年)に終戦を迎えます。日本の大都市の多くは空襲被害によって焼け野原になり、人々は経済的にも困窮しました。しかし、生き残った人々が大変な努力をして、徐々に生活を立て直し、経済を復興させ、日本は高度成長化時代へと突入します。科学技術の発展や国の経済政策により、戦後の日本経済は大きく成長し、戦争のない平和な時代を迎えることになりました。

1964年(昭和39年)には、「平和の祭典」と呼ばれるオリンピックが東京で開催され、1970年(昭和45年)には大阪で万国博覧会が催されるなど、国民の多くが文化やスポーツを楽しめる社会が形成されたのが、昭和という時代です。平成、令和と元号が変わった今でも、当時の文化は「昭和レトロ」と呼ばれ、愛されています。

こうした社会の移り変わりに思いをはせ、国の将来について考える日が、「昭和の日」という国民の祝日です。

「平成の日」はある?

「昭和の日」は国民の祝日として祝われていますが、「明治の日」や「大正の日」はありません。「昭和」の次の元号である「平成」は31年続きましたが、「平成の日」もまだ存在していません。

歴代の天皇誕生日のその後

「昭和の日」は、昭和天皇の誕生日である4月29日に制定されています。さきほど「明治の日」や「大正の日」はない、とご説明しましたが、実は名称が異なるだけで、明治天皇の誕生日は、祝日として残っています。

明治天皇の誕生日は、11月3日です。11月3日は、「文化の日」という国民の祝日になっています。「文化の日」は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日として、日付が毎年変わらない固定祝日です。

大正天皇の誕生日は、8月31日です。こちらは平日で、祝日としては残っていません。大正時代は15年とごく短いものであったことと、国民の強い要望がなかったことが原因でしょう。

平成時代の天皇は、生前退位されて上皇となり、天皇の位を譲位されました。上皇さまのお誕生日は12月23日ですが、現在は退位にともない平日になっています。

まとめ

「昭和の日」は、昭和天皇の誕生日であり、激動の昭和時代を振り返り、国の将来を考える日です。毎年4月29日が「昭和の日」になっています。4月29日は過去に「みどりの日」という祝日だった期間もあるため、混乱しないように、これを機会に覚えてくださいね。4月29日には、昭和の時代について家族で歴史を学んでみることをおすすめします。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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