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【医師監修】妊婦のダイエットはOK?妊娠中の太り過ぎのリスクと対処法

【医師監修】妊婦のダイエットはOK?妊娠中の太り過ぎのリスクと対処法

妊娠中は赤ちゃんや胎盤・羊水の重さ、また血液の増加分などで体重が増えるのは当たり前のこと。しかし、肥満や妊娠中の体重増加が多すぎる人は、肥満によってかかりやすい疾患の発症リスクが高まったり、出産時のトラブルリスクに。妊娠中の太りすぎのリスクや、妊婦の体重をどうコントロールすれば良いのか、についてまとめました。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

太り過ぎによる出産のリスク

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妊娠中は太り過ぎに注意するように言われますが、それはどうしてなのでしょうか。体重増加で増える妊娠中のリスクについて見ていきましょう。

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になりやすい

妊娠高血圧症候群は、妊娠中に高血圧となる、あるいはそれに加え母体の血管障害やさまざまな臓器障害が生じる疾患です。この妊娠高血圧症候群になりやすい要因の一つとして、肥満があります。

また同様に、妊娠中に糖の代謝異常が判明する妊娠糖尿病も、肥満の人がなりやすい疾患として知られています。

いずれも、さまざまな要因で発症する疾患ですが、なるべく発症するリスクを下げられるよう、太り過ぎには注意したいものです。

出産時にトラブルが起こりやすい

出産のとき、赤ちゃんは自ら体を回しながら外へ出ようとし、子宮の収縮(陣痛)がその動きを助けます。

しかしママが太りすぎていると、十分な強さの陣痛が起きにくかったりする(微弱陣痛)可能性があります。

そのため通常よりもお産の進行が遅くなり、ママと赤ちゃんの安全を守るため、最終的には吸引分娩や帝王切開を行う可能性が高くなります。

体重4,000g以上の赤ちゃんが生まれる可能性がある

体重4,000g以上で生まれる赤ちゃんは巨大児と呼ばれますが、発達上、特に異常はありません。

しかし出産時に赤ちゃんの肩が母体の恥骨結合に引っかかったり(肩甲難産)、膣や会陰を損傷したりする可能性があるなど、難産のリスクが高くなります。

そのため、あらかじめ巨大児であることが分かっているときは、帝王切開での出産になることもあります。巨大児が生まれる要因はさまざまですが、肥満もそのひとつとなっています。

妊娠中の体重増加の⽬安

肥満による妊娠・出産時のリスクを避けるため、妊婦健診で厳しく体重管理が求められることもあります。

では具体的に、どれぐらいの体重増加が望ましいのでしょうか。

妊娠前のBMIから知る妊娠中の推奨体重増加量

妊娠中にどれぐらい体重が増えてもいいかは、妊娠前の肥満度がどの程度であったかによって変わります。そのため厚生労働省は、妊娠前のBMI別に妊娠中の推奨体重増加量を示しています。

BMIとは体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数のことで、「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 」で計算できます。

たとえば身長が159㎝で体重58㎏の人であれば、「58÷1.59÷1.59」と計算し、BMIは22.9です。

「ふつう」体型なら「7~12kg」の増加量が目安に

妊娠前のBMIによって区分される適切な体重増加量の目安は以下の通りです[*1]。

・妊娠前BMI18.5未満(やせ)→9~12kg
・妊娠前BMI18.5~25.0未満(ふつう)→7~12kg
・妊娠前BMI25.0以上(肥満)→個別に対応(25.0に近い場合はおよそ5kgが目安)

ただし、「ふつう」であってもBMIが“やせ”に近いときは体重増加の上限、“肥満”に近いときは下限を目指すことが望ましいとされています。また、肥満度が高いときは、目安となる数値にこだわらず個別に対応します。

“やせすぎ”にもリスク!

体重増加を気にするあまり妊娠中の体重を十分に増加させなかった場合、胎児発育不全や低出生体重児になるリスクが生じます。

特に、妊娠前に「やせ」体格だった人で、妊娠中の体重増加が5kg未満だった場合で40%以上、5~7kgの増加だった場合で約20%の確率で低出生体重児が生まれたというデータもあります [*1]。

胎児発育不全や低出生体重児の原因はママの体重増加量だけではありませんが、赤ちゃん自身へのリスクも高いので、注意が必要です。

妊娠中の太りすぎを抑える⼯夫

つわりが治まる妊娠中期以降は、食欲が増して体重が増えやすい時期。体重を増やさないよう注意されても、思うように増加を止められないこともあるでしょう。

難しい妊娠中の体重管理をうまく進める工夫についてまとめました。

「何を」「どれだけ」食べる?

妊娠中、1日に「何を」「どれだけ」食べたら良いのかは、厚生労働省から出ている目安「妊産婦のための食事バランスガイド」が参考になります。

これは食事を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5グループに分け、1日にどれぐらい食べるのが望ましいかを分かりやすく数字で表したものです。

非妊娠時と比較し、妊娠初期、中期、末期(後期)・授乳期のそれぞれで、どれぐらい食べる量を増やしていけばいいかも示されているため、食べすぎの防止でも参考になります。

例えば1日に摂取する主食量は、妊娠初期・中期では非妊娠時と変わらず、後期になれば「おにぎり1個」程度、追加するといいようです[*2]。

◆参考サイト「妊産婦のための食事バランスガイド - 厚生労働省」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

食事をとるときに心がけたいこと

生活のリズムを整えて、バランスのよい食事を1日3回しっかり食べることが大切です。特に、つわりが治まった妊娠中期以降は食欲が増すため、高カロリーの商品やお菓子、清涼飲料水などは控えましょう。

料理の工夫

同じ食材であっても「油」を多用する調理法より、「蒸す」「ゆでる」の方がカロリーを抑えられます。

例えば、魚であればフライではなく焼き魚にする、卵ならスクランブルエッグよりゆで卵にする、などです。

また、肉の場合は部位によって脂身の量が変わるため、豚肉なら「もも」や「ヒレ」、鶏肉なら「むね」や「ささみ」を選ぶと良いでしょう。

野菜や海藻といったカロリーの低い食材を多く取り入れ、薄味にすることや、網やグリルで焼いて脂肪を落とす、樹脂加工のフライパンで調理用の油を使わないようにするのもいいでしょう。

妊娠中にオススメな運動、NGな運動

妊娠中は週に2~3回の有酸素運動を行うと、早産率を増加させず、身体機能の維持・増進につながるとされています[*3]。有酸素運動のオススメはウォーキングや水泳、ヨガ、エアロビクスなどです。

ただし運動中、立ちくらみや頭痛、胸痛、呼吸困難、腹部の緊張、下腹部の重圧、子宮収縮、出血、胎動減少などがみられた時はすぐにやめ、医師に連絡してください。あくまで妊娠中であることを忘れず、無理なく行うことが大切です。

また、人と接触する危険があったり転びやすい運動は、妊娠中はやめましょう。具体的には、スキューバダイビング、乗馬、スキーなどです。

まとめ

妊娠前から肥満だった人や、妊娠中に太りすぎた人は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病にかかるリスクが高くなったり、難産になったりする恐れがあります。

そのため妊婦健診ではしっかり体重管理が行われ、体重増加が目立つときは食事内容について見直しが必要です。

一方で、体重管理は大事なことですが、過剰に気にしすぎるダイエットは禁物。適切な栄養を取り、目安となる体重増加量を目標にしましょう。

(文:剣崎友里恵、監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

[*1]中林正雄, 武田善治 他:至適体重増加について:産婦人科の実際55:1037-41, 2006
[*2] 厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf
[*3]日本産科婦人科学会『産婦人科 診療ガイドライン ―産科編 2017』(2019-4-10)p.115-7
http://www.jsog.or.jp/uploads/files/medical/about/gl_sanka_2017.pdf
日本産婦人科医会記者懇談会資料「妊娠と栄養 ~ちいさく産んでおおきく育てようとしないでください~」(2019-4-10)
http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/01/95_160210.pdf
母子衛生研究会「妊娠中の体重管理で知っておきたいこと」(2019-4-10)
https://www.mcfh.or.jp/jouhou/ninshin/weight_2.html

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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