カレーでダイエットの効果を引き出す食べ方とは?
「カレー」というと、ダイエット中には避けた方がいい料理と思う方も多いかもしれません。実は、カレーは選び方、食べ方次第でダイエットに役立つメニューになるのです。その理由や取り入れ方を詳しく解説します。
- カレーってダイエットにいい?悪い?
- カレーは選び方や食べ方によってはダイエットに役立つ
- ダイエット中に知っておきたいカレーの基礎知識
- ダイエット中に嬉しいスパイスの働き
- 1皿でバランスがとりやすい
- 糖質と脂質が多くなりがちという欠点も
- ダイエット中におすすめのカレーの食べ方
- よく噛んで食べる
- ナンよりも「ご飯」
- 朝や昼に食べるのがおすすめ
- ダイエット中に摂るときの注意点
- 1日に摂る量の目安
- 注意したい具材
- ルゥを使わなくても簡単!ダイエットカレーレシピ3選
- 糖質オフのチキンカレー(1人前:176kcal)
- 鯖と大豆のトマトカレー(1人前:236kcal)
- あっさりスープカレー(1人前:232kcal)
- まとめ
カレーってダイエットにいい?悪い?
カロリーが高く太りそうなイメージのカレー。ダイエット中には食べないほうがよいのでしょうか?
カレーは選び方や食べ方によってはダイエットに役立つ
カレーとひと口に言ってもその種類は様々で、具材や一緒に食べる主食などを選ぶことができるのも楽しみのひとつです。また、気になるのがカレーには欠かせないスパイスの働き。
ダイエットに役立つ選び方や食べ方ができるように、カレーの基礎知識からヘルシーレシピまで紹介します。
ダイエット中に知っておきたいカレーの基礎知識
まずは、カレーをダイエットに役立てるために知っておきたい基礎知識をお伝えします。
ダイエット中に嬉しいスパイスの働き
カレー粉は、何種類ものスパイスをブレンドしたもの。スパイスは日本語で言う「香辛料」のことです。その名の通り、香りや辛み、色みなどのもととなります。ダイエットに役立つスパイスの働きを紹介します。
ターメリックにはさまざまな働きが期待されている
「ターメリック(ウコン)」は、カレー粉の香りや色を出すのに大切なスパイスです。ターメリックには「クルクミン」という黄色い色素成分が含まれます。ポリフェノール類であるクルクミンは、抗酸化作用や抗炎症作用があると言われており[*1]、健康や美容へのさまざまな働きが期待され、研究が進められています。
カレー粉には満腹感をサポートしてくれる可能性も
ある研究では、複数のスパイスを合わせたカレー粉を含む食事を食べた男性は、対照の食事を食べた男性と比較して、食後の空腹感と食べたいという欲求が減少したと報告しています[*2]。この研究では、スパイスによる香りや味のアクセントが、満足感を増した可能性があるとしています。
1皿でバランスがとりやすい
栄養バランスのとれた食事をするのには、1食で主食(ご飯、パン、麺類など)、主菜(肉や魚介類、卵など)、副菜(野菜やきのこ)をそろえることが大切です。
肉や魚などに加え野菜類も入るカレーは、いわば主菜と副菜が一緒に摂れる料理。また、それに合わせるご飯やナンが主食になるので、1皿でバランスのとれた食事にすることが可能です。
糖質と脂質が多くなりがちという欠点も
ただし、カレーは、具材を炒める油や一緒に食べるご飯やナンによって、糖質と脂質が多くなりがちです。さらに、カレールゥのとろみのもとは油と糖質(薄力粉、でんぷんなど)です。
カレールゥ1かけで、砂糖大さじ1に相当する糖質8.9g、油大さじ1/2強に相当する脂質6.8gが含まれています。主食の摂り過ぎに気を付けるとともに、カレーを作る際は、野菜やきのこをできるだけたっぷり使い、油や小麦粉の使用量を控えたレシピにするとダイエット向きのカレーになります。
ダイエット中におすすめのカレーの食べ方
ここまで、カレーの特徴をお話しました。次に、ダイエット中の食べ方のポイントを紹介していきます。
よく噛んで食べる
「カレーは飲み物」と言う言葉もありますが、カレーには程よいとろみがあるので、意識しないとあまり噛まずに早食いになりがちです。よく噛み、食事に時間をかけることにより満腹中枢が刺激され、食べ過ぎる前に満足感を得ることができます。
早食いの人ほど肥満傾向があるという調査もあり[*4]、ゆっくりよく噛んで食べることはダイエットに効果的です。具材を大きくして噛み応えを出すと、自然と噛む回数を増やせるのでおすすめです。
ナンよりも「ご飯」
カレーと一緒に食べる主食はナンも人気ですが、ダイエット中には「ご飯」がおすすめです。理由は2つあります。
ひとつめは、ナンにはバターやサラダ油など脂質が多く使われていてカロリーが高くなりがちであること。
ふたつめは、ご飯の方が量の調整がしやすいことです。さらに、健康的なダイエットにつなげるために、ご飯を白米ではなく玄米や胚芽米に変えるのもおすすめです。白米に比べて噛み応えが増すだけでなく、ビタミンB1やマグネシウムなど、糖質をエネルギーに変えるのを助ける栄養素を多く摂取することもできます。
朝や昼に食べるのがおすすめ
市販のルゥを使ったカレーやレトルトカレーは糖質や脂質、塩分が多くなりがちです。ですから、食後に身体を動かす機会が少ない夕食ではなく、食後に活動するので消費エネルギーが高い「朝や昼」に食べるのがおすすめです。
なお、そもそも夜は活動量に関わらずカロリーを控えめにしたほうが良いと言われています。夜は消化管の機能が活発になり、食べたものの栄養がより消化吸収されやすくなっているというのです[*5]。このことからも、ダイエット中のカレーは、朝や昼に食べたほうが良いでしょう。
ダイエット中に摂るときの注意点
ダイエット中におすすめのカレーの食べ方をお伝えしてきました。ここからは、食べるときの注意点を解説します。
1日に摂る量の目安
カレーを食べる時の、ご飯やルゥ、具材の1回の適量を知っておきましょう。
主食であるご飯は100~150gが適量です。カレー皿に盛り付けるとご飯が多くなりがちなので、適量を守るようにしましょう。ご飯150gは252kcalです[*3]。
カレールゥのエネルギー量は材料や作り方によってかなり異なりますが、牛もも肉やたまねぎ、じゃがいも、にんじんを具材に市販のルゥを使った標準的なものであれば、1人前300~400kcal程度。これにご飯と合わせると550~650kcal程度になると考えられます。
成人女性の1日のエネルギー摂取量は、活動量が少ない人では1400~2000kcal、活動量が普通の場合は2200±200kcalを目安にすることが推奨されています[*6]。これを基本にダイエット中は控えめにします(極端なエネルギー制限は体によくないうえ、結局リバウンドしてしまうこともあるので避けます)。1日のその他の食事の量も考えて、カレーを食べる量を調節しましょう。
1食で摂る量の目安は、メインとなる具材(肉や魚介類、豆など)は片手に乗る量(厚みは手の厚さぐらい)、副菜となる野菜やきのこなどは両手に乗る量です(すべて生の状態)[*7]。
カレーに入れる具材で、メインとなる食材や副菜となる食材が少ない場合には、付け合わせとして豆のサラダや豆腐サラダなどをプラスしてもいいでしょう。
注意したい具材
カレーはいろいろな具材でアレンジできるのが楽しい料理ですが、ダイエット中にカレーの具材を選ぶ際には、脂質や糖質が多い食材はできるだけ避けましょう。
脂身の多い肉や揚げた野菜、じゃがいも、かぼちゃなど糖質が多い野菜はできるだけ控えたい具材です。
ルゥを使わなくても簡単!ダイエットカレーレシピ3選
ここからは、穀類を控えめの量にしても満足感の得られる栄養たっぷりレシピを紹介します。(以下に記載しているエネルギー量の目安は、ご飯やナンを含まないものです)。
糖質オフのチキンカレー(1人前:176kcal)
材料(2人分):鶏むね肉1/2枚、玉ねぎ1/2個、人参1/3本、にんにく1かけ、生姜1/2かけ、オリーブオイル大1/2、ヨーグルト大1、カレー粉大2、水200ml、コンソメ1個、トマトケチャップ大2、醤油小1
作り方:
【1】鶏むね肉をひと口大に切り、カレー粉大1とヨーグルトをもみ込む。玉ねぎは薄切り、人参は薄切り、にんにく・生姜はみじん切りにする。
【2】鍋に油をしいて、にんにく、生姜、玉ねぎを炒める。
【3】玉ねぎがしんなりしたら肉を加えて炒める。
【4】表面の色が変わったら残りの全ての材料を加え、弱火で20分ほど煮込む。
ポイント:かたくなりやすい鶏むね肉は、ヨーグルトにつけることでしっとりやわらかい仕上がりになります 。
鯖と大豆のトマトカレー(1人前:236kcal)
材料(2人分):鯖缶1/2缶、大豆水煮缶1/2缶、トマト缶1缶、玉ねぎ1/2個、にんにく1かけ、生姜1/2かけ、オリーブオイル大1/2、コンソメ小1、カレー粉大1、醤油小1
作り方:
【1】玉ねぎ、にんにく、生姜をみじん切りにする。
【2】鍋に油をしいて野菜を炒め、玉ねぎがしんなりしたら全ての具材を加える(鯖缶は汁ごと)。
【3】水気が半分になるくらい煮込む。
ポイント:たんぱく質や野菜をたっぷり摂ることができます。具材たっぷりで噛み応えがあるカレーです。
あっさりスープカレー(1人前:232kcal)
材料(2人分):鶏手羽元4本、玉ねぎ1/2個、人参1/3本、しめじ1/2パック(その他、季節の野菜何でも)、にんにく1かけ、生姜1/2かけ、カレー粉大1、トマトジュース200ml、鶏がらスープのもと大2、水400ml
作り方:
【1】玉ねぎ・人参は薄切り、にんにく・生姜はみじん切りにする。
【2】全ての具材を鍋に入れて20分くらい煮込む。
ポイント:油を使わないヘルシーなスープカレーです
まとめ
いかがでしたか?上手に食べればダイエットにも役立つカレー。ぜひ、栄養も満足感もたっぷりのカレーを、ダイエット中にも楽しんでくださいね!
(文:薦岡具代)
※画像はイメージです
[*1]Antioxidant and anti-inflammatory properties of curcumin.
[*2]Effects of Two Doses of Curry Prepared with Mixed Spices on Postprandial Ghrelin and Subjective Appetite Responses—A Randomized Controlled Crossover Trial
[*3]文部科学省: 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
[*4]eヘルスネット 速食いと肥満の関係
[*5]国立健康・栄養研究所:なぜ夜遅い時間の食事は太りやすいのですか?
[*6]農林水産省:食事バランスガイド早わかり
[*7]協会けんぽ岡山支部:1日の目安って? 手ばかりをマスターしよう!
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます