【医師監修】5歳児に必要な睡眠時間は? 小学生までに身に着けたい睡眠習慣

【医師監修】5歳児に必要な睡眠時間は? 小学生までに身に着けたい睡眠習慣

3歳~5歳の子供に必要な睡眠時間は10時間以上といわれていますが、小学校入学が近づいてきた5歳児は心身の発達に伴い、睡眠習慣が少し変わる時期でもあるでしょう。5歳児を持つ親が気をつけておきたい睡眠のポイントを紹介します。


5歳児の理想的な睡眠時間とは

5歳児の理想的な睡眠時間とは
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「5歳児」の睡眠の特徴、そして理想と平均の睡眠時間について見てみましょう。

5歳児の睡眠の特徴

生まれたばかりの赤ちゃんは1日あたり16時間以上を眠って過ごしていましたが、年齢が上がるとともに必要な睡眠時間はだんだん減っていきます。

睡眠のとり方も成長とともに変化します。赤ちゃんのころは昼夜問わず短時間の睡眠と起きている時間を繰り返しますが、だんだん昼夜の区別がつくようになり、夜にまとめて眠るようになってきます。5歳ごろになると昼寝の時間がだいぶ減ったり、しなくなってくるでしょう。

また、赤ちゃんのころは多かったレム睡眠の割合も成長とともに減少していきます。5歳ごろになると睡眠中のノンレム睡眠・レム睡眠の繰り返しも大人と同様、約90分のサイクルになっています[*1]。

加えて、成長ホルモンが分泌されるタイミングも整っていきます。新生児のころは起きているときも寝ているときも差がなく分泌されていましたが、4~5歳ころになると夜間の睡眠中に集中して分泌されるようになると言われています[*2]。

5歳児の理想的な睡眠時間は

幼児期の理想の睡眠時間については、アメリカにあるNational Sleep Foundation(国立睡眠財団)が2015年に発表したデータが、ひとつの目安となるでしょう。それによると3~5歳の幼児の理想の睡眠時間は「10~13時間」とされています[*3]。

睡眠時間は短いと睡眠不足になり、子供の心身の発達に悪影響を与えるおそれがあります。そのため、どんなに短くても8時間を下回らないようにすることが推奨されています。

また長ければ良いというものでもなく、長くても14時間以内におさめることが推奨されています[*3]。「寝る子は育つ」という言葉がありますが、長すぎる睡眠は「睡眠時無呼吸症候群」などによって実はよく眠れていないために引き起こされることもあります。

5歳児の平均睡眠時間、起きる時間、寝る時間は

では、実際の5歳児はどれくらいの睡眠時間をとっているのでしょう。

幼児の健康状態について継続的に調査した比較研究の中に、子供の年齢ごとの起床時間と就寝時間をたずねる質問がありました。それによると、5~6歳では半数以上が「夜9時に就寝」し、「朝7時に起きている」と回答しています。このことから5~6歳でもっとも多い夜間の睡眠時間は「約10時間」だと推測できます[*4]。

小学校生活に向けた睡眠の整え方・5歳児に昼寝は必要?

5歳児では、来る小学校入学に備えてそろそろ睡眠を整えていくことも大切です。そこで気になるのが「お昼寝」ではないでしょうか。

保育園では昼寝の時間があるけれど、幼稚園に通っている子は昼寝をしないことも多々あります。5歳児にお昼寝は必要なのでしょうか。

昼寝は何歳まで?

最初にもお伝えしたように、必要な睡眠時間は年齢とともに減少していきます。同時に、成長にともなって夜にまとまった睡眠をとれるようになるため、年齢が上がると昼寝の必要性がなくなってきます。一般的には、6歳までにほとんど昼寝をしなくなるといわれています[*5]。

なお、先ほど紹介した、幼児の健康状態について継続的に調査した比較研究によると、5歳になると昼寝は「しない」と答えた家庭が6割以上でした。4歳では昼寝を「する」という家庭が半数以上いたため、5歳までに昼寝をする子供は大きく減るようです[*4]。

保育園児は昼寝がやむを得ないことも

なお「一般的には6歳までにほとんど昼寝をしなくなる」とはいうものの、保育園の間は園の方針で午睡(昼寝)の習慣が続くことも少なくありません。

保育園によっては、卒園が近づくと小学校での生活に備えて昼寝の時間を調整するケースもあります。もし、子供が夜なかなか入眠できず、昼寝の影響が考えられる場合は、昼間の生活態度の確認も含め、一度保育園の先生に相談してみると良いでしょう。

大切なのは昼夜の生活リズムを整えること

昼夜の生活リズムが整っている子供のイメージ
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最後に、規則正しい生活リズムが大切な理由と、その整え方を紹介します。

不規則な生活リズムは心身に影響する

睡眠不足が子供の発達に悪影響を及ぼすことは、これまでに説明した通りですが、睡眠時間をしっかり確保するには、まず生活のリズムを整えることが大切です。入眠や起床といった昼夜の生活のリズムが不規則な子では、例えば以下のような問題が見られたという研究報告があります。

〈不規則な昼夜の生活リズムが子供の発達に与える影響の例〉[*3]
・図形をうまく模写できない
・話を集中して聞くことができない
・話を理解していない
・ひとつのことをやり続ける持続力がない
・姿勢が悪い
・手足をふってきちんと行進できない
・突然攻撃を仕掛ける

大人でも、生活リズムが不規則だと仕事や家事のパフォーマンスが落ちるというのは覚えがあるのではないでしょうか。不規則な生活のリズムは、子供の心身にも悪影響を与えます。

なお、乳幼児期の睡眠不足は、将来的に以下のようなさまざまな問題を長期にわたって引き起こす可能性もあるといわれています[*2]。

・イライラや気持ちの落ち込み
・長期にわたる成績の低下
・慢性的な眠気や倦怠感(だるさ)
・肥満

乳幼児期に適切な睡眠時間を確保することは、その後の人生の長きにわたって大切だということを覚えておきましょう。

生活リズムを整えるポイント

生活リズムを整えるためには、環境を整えることが大切です。そのためのポイントをいくつか紹介します。

寝る前は部屋を暗くして、眠るための準備をする

光は睡眠と覚醒のリズムに影響を及ぼします。寝る前に明るい光を浴びてしまうと目がさえてしまうことがあるため、寝る前は部屋を暗くするなどして、明るい光を浴びないよう注意しましょう。

保護者の睡眠習慣にも要注意

保護者が夜ふかしだと子供も夜ふかしになるなど、保護者の睡眠習慣が子どもの睡眠習慣に影響を与えることがあります。特に親子が同じ部屋で寝ている場合は注意しましょう。

子供がいつも夜ふかししてしまうという場合は、子供だけでなく親も自身の睡眠習慣を見直してみるとよいかもしれません。

スマートフォンやタブレット端末の使い方にも注意を

テレビやスマートフォン、タブレット端末などから発せられるブルーライトは、睡眠の質に影響を与えるといわれています。とくに寝る前に明るい光が目に入ると、寝つきが悪くなることもあるようです。

子供の入眠の妨げにならないよう、寝る前はなるべくテレビを消し、スマートフォンやタブレット端末も見ないようにするなど、親子で気を付けていきましょう。

まとめ

5歳になると身体の発達が進み、個人差はあるものの、多くの子供が夜間にしっかりとまとまった睡眠をとれるようになっています。子供の様子を見ながら、昼寝をやめたり、就寝や起床の時間を調整したりして、学校生活に向けて生活のリズムを整えていけるとよいですね。

この記事の監修ドクター
順天堂大学医学部付属練馬病院 小児科 丘 逸宏 先生
北里大学医学部卒業後、順天堂医院小児科、もりおかこども病院、国立成育医療研究センター消化器科を経て現職に至る。小児消化管を専門に日々超音波や内視鏡などを駆使して診療にあたっています。

(文:山本尚恵/監修:丘 逸宏 先生 )

※画像はイメージです

参考文献
[*1]愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター「未就学児の睡眠指針」2018.3
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
[*2]茨城県立健康プラザ健康づくり情報部「いばらき睡眠プログラム 6.睡眠に関する基礎知識」
http://www.hsc-i.jp/05_chousa/doc/suimin_program/no5.pdf
[*3]「乳幼児の睡眠と発達」Japanese Psychological Review 2017, Vol. 60, No. 3
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/60/3/60_216/_pdf
[*4]平成22年度厚生労働科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基板研究事業「幼児健康度に関する継続的比較研究 平成22年度 総括・分担研究報告書」平成23(2011)年3月
https://www.jschild.or.jp/wp-content/themes/jschild-html/dist/pdf/2010_kenkochousa.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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