【医師監修】赤ちゃんの泣き声がつらい……赤ちゃんが泣く理由と対処法

【医師監修】赤ちゃんの泣き声がつらい……赤ちゃんが泣く理由と対処法

「赤ちゃんは泣くもの」と聞いてはいても、実際に泣かれるとママ・パパとしては落ち着いてはいられないですよね。ここでは、赤ちゃんはなぜ泣くのか、泣くことで心配はないのか、泣いたときはどうすればいいのかなど、赤ちゃんの「泣き」について解説します。


赤ちゃんは泣くのが仕事!?

Lazy dummy

「赤ちゃんは泣くのが仕事」とよく言われますが、たしかにこれまでの研究によると、ママやパパがどのようなかかわり方をしていても赤ちゃんは泣くものであり、とくに生後1~2ヶ月ごろは1日のうちで泣いている時間がもっとも多いということがわかっています。しかも、その時期は、一度泣き出したら何をしても泣き止まないことが多いというのもわかっています[*1]。

でも、赤ちゃんが1日のうちで泣いている時間は、生後5ヶ月ごろまでにはだんだん少なくなってきます。赤ちゃんがよく泣くのは、決してママ・パパや周囲の人のせいではなく、当たり前のことで、赤ちゃんが成長しているからこそです。赤ちゃんは、時期や理由によってさまざまな泣き方をするので、まずはその特徴を知っておきましょう。

時期別 泣き方の特徴と原因は?

赤ちゃんの泣く理由はその子によって、またそのときの状況によってさまざまですが、月齢や時期などによっても少しずつ変わってきます。また、心が発達するにつれて泣く理由も複雑になっていきます。

以下では、その月齢の赤ちゃんの泣きの原因でよくあるものを解説します。実際の理由はひとつとは限りませんが、赤ちゃんの気持ちを想像するときの助けになるかもしれません。

0~3ヶ月 不快を訴えて泣く

この時期の泣きは、赤ちゃんからの「信号」と思ってください。赤ちゃんは唯一のコミュニケーションの手段として、言葉の代わりにママ・パパに何かを伝えたくて泣くのです。

たとえば、「おなかがすいた」「眠い」「暑い」「寒い」「おむつが汚れて気持ち悪い」など、赤ちゃんはおもに不快感を感じたときに、泣いてママ・パパに知らせます。

1~4ヶ月 たそがれ泣きをする

はっきりした理由がわからず健康に問題もないはずなのに、赤ちゃんは夕方~夜にかけて激しく泣いたりぐずったりすることがあります。これが俗にいう「たそがれ泣き」です。

また、「コリック」という言葉もあり、たそがれ泣きと同じような意味で使われることもありますが、そのまま訳せば「疝痛(せんつう)」のことです。

「疝痛」は要するに、「発作的にお腹が痛くなること」で、大人の場合は、結石や胃潰瘍などの内臓の病気が疑われますが、赤ちゃんの場合ははっきりした原因がなくても疝痛を起こすことがあるのではないかと言われています。そのために空腹や不快感などのはっきりした理由がなさそうに見えるとき激しく泣くことを指して「コリック」と呼ぶことがあるのです。

コリックが赤ちゃんになぜ起こるのかははっきりとわかっていませんが、神経系が未熟で自分自身でうまく制御できないことも原因のひとつではないかと言われています。コリックは、一般には生後1ヶ月以内に始まり1ヶ月半ごろひどくなりますが、生後3~4ヶ月ごろまでに突然おさまることが多いとされています[*2]。

5〜6ヶ月ごろ 人見知りをして泣く

このころになると、赤ちゃんはママ・パパが特別な存在だとわかるようになり、よその人と区別がつくようになってきます。すると、知らない人に会ったり知らない場所に行ったりしたときに警戒したり不安になったりして、泣くことがあります。これが「人見知り」です。

人見知りの程度は赤ちゃんによって個人差があり、まったく人見知りしない子もいれば不安そうな表情をするくらいの子もいますし、ちょっと知らない人の顔が見えただけで大泣きする子もとさまざまです。

誰かに会ったときに泣かれたりすると、ママは困ってしまうかもしれませんね。でもこれは、赤ちゃんの心が健全に成長しているという証拠で、大事な発達過程の一つでもあります。

6ヶ月〜 夜泣き

1歳ごろまでの赤ちゃんは、睡眠のリズムやパターンの変化が著しい時期なので、夜泣きが始まることもあります。

夜泣きの原因は、空腹やおむつの汚れ、暑い、寒い、騒がしい、明る過ぎるなど、眠るには不快なことがあった場合をはじめ、昼間に遊びなどで興奮した、生活が夜型になっている、などさまざま考えられますが、はっきりしないことも多いのです。

夜泣きをするのは生後6~11ヶ月ごろの赤ちゃんが多く、生後3~12ヶ月の赤ちゃんの約20%が1週間に3日以上夜泣きをするというデータもあるほどです。夜泣きはそれほど、赤ちゃんにとってはよくあることなのですね。ただ、1歳を過ぎると夜泣きは急激に少なくなり、3歳すぎにはほとんどがしなくなるとも言われています[*3]。

1歳半~2歳ごろ 甘えて泣く

自分でできることが増えてきて、何でも自分でやりたがるようになる時期でもあります。その反面、気分によっては転んでも自分で起き上がらずママ・パパに助けを求める、などといった場面で泣くこともあります。

これは、できることでもママやパパにやってもらいたい、やさしくしてほしい、などの甘えたい気持ちから。自分が泣いたらママやパパがどうするのか、親の反応を試している面もあります。

赤ちゃんが泣いたときの対処法は?

Lazy dummy

泣く理由や原因によって、泣いたときの対応も少しずつ違ってきます。一般的な方法では効き目がないこともありますが、あれこれ試して“うちの子に合った泣き止ませ法“を見つけましょう。

ただ、泣き止ませ方のヒントを紹介する前に、知っておいて欲しいことがあります。赤ちゃんには「何をしても泣き止まないことがある」ということです。

理由なく泣くのは普通のこと

赤ちゃんが明らかな原因なしに泣くのは普通のことです。もちろん、ママ・パパのことを「悪い親」だとか「嫌いだ」と思って泣いているのでもありません。新生児は1日に合計1〜4時間泣くと言われています[*4]。これは子宮の外の環境に慣れるために必要なことなのです。

少しぐらい泣いていてもいい。完璧を目指さない

赤ちゃんが泣くたびに完璧になぐさめられる親はいません。何をしても泣き止まない……そんなときは安全な場所に寝かせるなど赤ちゃんの安全をしっかり確保したうえで、思い切ってその場を少し離れてみましょう。

そしてリラックスするために、3~4回ゆっくりと深呼吸をしてみてください。気持ちが落ち着いたら赤ちゃんのところに戻りますが、すぐにやさしく対応できないときには、少し黙って赤ちゃんの様子を見ていましょう。できれば「別の人に世話を代わってもらう」などして、自分自身がリフレッシュできるようにしましょう。

普段からママ・パパが協力して世話したり、地方自治体の保育サービスを利用するなどして、十分な休息を取るのはとても大切なことです。育児はこれからも続きます。くれぐれも無理しすぎないでください。

なお、赤ちゃんがよく大きな声でギャン泣きし、周囲に迷惑がかかっているのではと気になるときには、ご近所に声をかけておくといいですね。「子どもがよく泣くので、ご迷惑をおかけしていませんか?うるさかったら言ってくださいね」などと言い、顔を合わせたら欠かさずあいさつをして配慮や気づかいを伝えます。ご近所とコミュニケーションがとれていれば、気持ちが少しは楽になるのではないでしょうか。

月齢の低い赤ちゃんにしてあげること

赤ちゃんが泣いたときの基本の対応は、まず声をかけて、抱っこをすることです。抱っこしても泣き止まないときには、以下のことも試してみてください。

・おむつをチェックする
おむつが汚れていると、不快感でほとんどの赤ちゃんは泣くものです。

・おっぱいやミルクを飲ませる
おなかが空いているときだけでなく、口さみしい、眠い、甘えたいなどのときにも授乳は効果バツグンです。

・ゲップさせてみる
 赤ちゃんはゲップが出ない不快感で泣いている可能性もあります。

・赤ちゃんが落ち着く音を聞かせてみる
「ガサガサ……」というビニールの不思議な音に気をとられ、泣き止む赤ちゃんも多いものです。また、やさしく「シー」とささやく方法もあります。

・おくるみで包んであげる
ただし、おくるみは「乳幼児突然死症候群(SIDS)」のリスクがあるので、寝返りができるようになったら使ってはいけません。寝返りは突然できるようになることもあるので、おくるみは生後2ヶ月までをめどに卒業しましょう。

また、足が伸びた状態でおくるみをしてしまうと股関節脱臼を起こすリスクがあります。おくるみを使用する場合は、脚はM字に開いた状態で包んであげてください。

・違う部屋に移動するか外に出て、気分転換する
移動して環境が少しでも変われば、赤ちゃんにはいい気分転換に。特にベランダでもいいので外に出ると泣き止む赤ちゃんは多いでしょう。

6ヶ月~の赤ちゃんにしてあげること

・人見知り泣きの場合は、無理に突き放そうとすると不安が増して泣き方が激しくなることもあります。抱っこして声をかけながら、安心させて慣れるのを待つことが大切です。また、ママやパパがいつもと同じように話したり楽しそうにしていると、赤ちゃんも安心するでしょう。

・夜泣きには、布団の上からトントンしたり声をかけたりして安心させてあげましょう。抱っこすると泣き止むことも多いものです。

また夜泣きの予防には、日中や寝る前に興奮させないようにして、昼間はたっぷり遊べるようにすることが大切です。お風呂は早めの時間にぬるめのお湯に入るといいでしょう。毎晩のように泣かれるとお世話する方は大変ですが、たいていは一時的なもので、1歳を過ぎると急激におさまり3歳過ぎごろまでにはほとんどしなくなるようです。

・1歳以降で甘えて泣くのは、自分の主張が通るか試していることもあります。「いい加減にしなさい!」などと頭ごなしに叱ったりせず、「〇〇したいんだね」「自分でできるけど、ママにしてほしいの?」などと気持ちをくんだ言葉をかけてあげることが大切です。

絶対にしていけない泣き止ませ方は?

赤ちゃんが抱っこをしたり何をしても泣き止まず、イライラすることがあっても、激しく揺さぶるのは絶対やめましょう。

赤ちゃんは体の大きさに比べて頭が大きいので、特に首すわり前の時期は揺さぶられると首がガクンガクンとしなってしまい、強い衝撃を受けて頭がい骨と脳が大きくずれ、脳の周りの血管や神経がひきちぎられて命にかかわることもあるからです。

命を落とさないまでも、激しく揺さぶられることで、言語障害、学習障害、歩行困難、失明などの重大な後遺症が残る心配もあります。ただし、横抱きだっこでやさしくユラユラする程度なら、赤ちゃんの頭が激しくゆすられる心配はありません。

病気で泣いているときの見極め方は?

抱っこをしたり、外へ出るなど何をしても赤ちゃんがなかなか泣き止まず、原因もまったく心あたりがないときには、一度赤ちゃんの体を詳しくチェックしてみましょう。

「発疹ができている」「熱がある」「便秘でおなかが張っている」「下痢をしている」など、明らかな症状がある場合はそれが原因で泣いている可能性が高いです。

生後3ヶ月以上の子で元気があり、哺乳などの水分摂取が可能な場合は、診察時間内に受診します。ぐったりしている、水分摂取も出来ずに半日以上尿が出ていないなどの場合は救急受診を考えましょう。また、生後3ヶ月未満の発熱は、活気や哺乳が保てていても救急受診をしましょう。

まとめ

子育てをしていると、「赤ちゃんがよく泣く」「泣き出したらなかなか泣き止まない」などで、困ったりイライラしたりする場面は珍しくないことでしょう。でも、赤ちゃんは泣くことで周囲に何かを訴えたり、伝えようとしています。

泣いたときには「これはどうかな?」「あれはどうかな?」とあれこれ対応していくうちに、うちの子が泣くときの理由や原因、効果的な泣き止ませ方がだんだんわかってくるはずです。よく泣く時期には必ず終わりが来ますから、自分自身がイライラしないように工夫しながら赤ちゃんに接してあげてくださいね。

この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

(文:村田弥生/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省:赤ちゃんが泣き止まない
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000030731.pdf
[*2]仙痛 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/23-%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E4%B9%B3%E5%85%90%E3%81%A8%E5%B9%BC%E5%85%90%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6/%E4%BB%99%E7%97%9B
[*3]厚生労働省:子どもの心の健康問題 ハンドブック, 124p
http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/pdf/sinsin.pdf
[*4]アメリカ小児科学会:Responding To Your Baby's Cries
https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/crying-colic/Pages/Responding-to-Your-Babys-Cries.aspx

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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