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2021年01月18日 17:03 更新

【医師監修】赤ちゃんの平熱は何℃? 高すぎる・低すぎるときは?

赤ちゃんの平熱は大人より高いといわれますが、何℃くらいが正常なのでしょうか。赤ちゃんの平熱について、正常範囲や測り方、発熱の基準を紹介します。発熱したかどうかの目安にもなる平熱について正しく知っておきましょう。

赤ちゃんの平熱は何℃くらい?

赤ちゃんの平熱は何℃くらいかを手で測っている様子
Lazy dummy

まずは、赤ちゃんの平熱は普通何℃くらいなのか確認しておきましょう。

だいたい36℃後半~37℃前半くらい

平熱は、体調を崩していることもなく、食事や運動、入浴の直後でもない、普通の状態で測った体温の平均値のこと。平熱には個人差がありますが、赤ちゃんの場合、脇の下で測った体温の正常範囲は、新生児で36.7~37.5℃くらい、乳児で36.8~37.3℃くらいと言われています[*1]。つまり、赤ちゃんの体温は「36℃後半~37℃前半」程度が普通ということです。

37℃以上になると発熱というイメージがあるかもしれませんが、37℃台前半は正常な範囲なのです。赤ちゃんの体温は新生児の間が特に高めで、生後3~4ヵ月以降は少しずつ下がっていき、だいたい小学校に上がるころに落ち着くようです[*2]。

赤ちゃんの体温は環境に左右されやすい

赤ちゃんは大人よりも体重当たりの体表面積が大きいです。また保温効果のある皮下脂肪が大人よりも少なめ。つまり、赤ちゃんの体温は環境の影響を受けやすいということです。

また、人は周囲の温度が上がると体の末端の血管が拡がり、外に熱を逃がそうとします。逆に温度が下がると外に熱が逃げないように血管は縮まります。この変化は赤ちゃんでも起こりますが、大人と比べるとやはりその能力は低いのです。つまり、大人より体温調節機能が未熟なので、赤ちゃんの体温は環境に左右されやすいともいえます。

なお、赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのは、手足の血管に血液を多く流して外気によって血液の温度を冷やし、体温を下げて熟睡するためです。

このような放熱が衣服の着せすぎや布団のかけすぎなどによってうまくできなくなると、体温が37.5℃から38℃くらいにまで上がってしまうことも珍しくありません。また、周囲の気温や室温が高いことに影響されて体温があがってしまうこともあれば、逆に、夏場であってもエアコンや扇風機の風が直接あたっていることで体温が下がりすぎてしまうこともあります。気温・室温の変化や赤ちゃんが過ごす場所の風向き、服の着せ方によく気をつけてあげましょう。

平熱の測り方

平熱には個人差があるので、赤ちゃんごとの平熱を知っておく必要があります。正しい測り方を知って平熱を把握しておきましょう。

なるべくいつも同じ方法で測る

平熱を知るための体温測定は、脇と耳、どちらで測っても構いません。おでこで測定できる体温計もありますね。ただし、測定する場所や体温計の種類によって結果が変わってくるので、いつも同じ場所で、同じタイプの体温計で測るようにしてください。

体温は1日の中でも1℃近く変動します。「起床時」「午前」「午後」「夜」の4回測り、時間ごとの平熱を記録しておくのがいいでしょう[*3]。授乳直後や食事、運動のあと、外出から帰宅したときは、体温が高くなっている可能性があります。30分ほど時間をおいて測るようにしてください。

結果に影響が出ないように、計測時の室温にも気をつけて。冷房の風が当たる場所や暖房の前は避けましょう。平熱の測定は1日だけで終わりにせず、日をあけて何回か測ってみましょう。

赤ちゃんの発熱は何℃から?

赤ちゃんの発熱の基準についても知っておきましょう。

一般的には「37.5℃以上」が目安

発熱は体を守る防御反応のひとつ。ウイルスや細菌の感染、体温調節中枢機能の障害によって体の温度設定が通常より高くなり、体温の産生と放散が行われている状態です。

「何℃から発熱とするか」という定義は実はさまざまですが、一般的に「37.5℃以上が発熱」とされています。日本の感染症法では「発熱」は体温が37.5℃以上を呈した状態をいい、体温が38.0℃以上を呈した状態を「高熱」というと定められています[*4]。医学的には、38℃以上が意味のある発熱とされます。平熱より1℃高い状態のことを発熱とする考え方もあります。

発熱で病院に行くのはどんなとき?

受診する赤ちゃん
Lazy dummy

赤ちゃんが発熱したら、まずは衣服の着せすぎや部屋の温度など、環境によるものではないことを確認します。もし室温が高すぎるようならば温度を調整し、着せすぎのようであれば服を緩めるなどしてしばらくしてから測り直しましょう。

なお、脇の下で測る予測式の体温計で連続測定をすると、体温計が温まっているために誤差が生じてしまいます。正しく測定するには、体温計の先端を脇のくぼんでいる箇所に30°くらい斜めの角度から当てます。すぐに測り直したいときでも、1分以上は間隔をあけるようにしましょう。また、熱のほかに症状がないかもチェックし、下記を参考に受診を検討してください。

熱があるときの受診の目安

赤ちゃんが発熱していて次に当てはまる場合は、夜間や休日であってもすぐに受診しましょう。

診療時間外でもすぐに受診

・3ヶ月未満の赤ちゃんに38℃以上の熱がある
・何度も吐いている
・水分がとれず、半日以上おしっこが出ていない
・初めてけいれんした
・呼吸が苦しそう
・呼びかけてもぼんやりしている(眠ってばかりいる)。反対に、よく眠れず、ぐずついている
・顔色が悪い、元気がない、活気がない、ぐったりしている

診療時間内に受診

上記には当てはまらないものの、3~4日以上熱が続いている場合は、診療時間内に受診しましょう。

また、発熱以外に鼻水、咳、下痢、嘔吐など気になる症状があるときも受診しましょう。赤ちゃんは急に体調が変化することもあるので、診療時間になるまでの間もこまめに様子を見てください。

まとめ

ママに抱っこされている赤ちゃん
Lazy dummy

平熱は年齢によって異なり、1日の中でも時間帯によって変動しています。赤ちゃんの平熱は発熱かどうか判断するためにも大切なので、1日に4回測定して、時間帯ごとの平熱を把握しておきましょう。平熱がわかったら忘れないように記録しておくと同時に、成長に合わせて測り直しするのも忘れないようにしてください。

(文:佐藤華奈子/監修:梁 尚弘先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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