【医師監修】赤ちゃんの蕁麻疹(じんましん)の原因と間違えやすい症状・対処法

【医師監修】赤ちゃんの蕁麻疹(じんましん)の原因と間違えやすい症状・対処法

あるとき急に発症した蕁麻疹(じんましん)に驚き、慌てる親は少なくないでしょう。蕁麻疹のほとんどは数時間以内に消えるのが普通ですが、中には消えるまで半日~一日かかったり、アナフィラキシーの症状の一部として腹痛や息苦しさとともに現れるのこともあります。ここでは、蕁麻疹の原因や対処法を紹介していきます。


蕁麻疹ってどんな症状?

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蕁麻疹が出るメカニズム

蕁麻疹が出るメカニズムは以下のようになっています。私達の皮膚の真皮層という部位には、蕁麻疹の原因細胞となるマスト細胞が存在します。この細胞が何らかの刺激を受けるとヒスタミンという物質を放出します。このヒスタミンが身体の毛細血管に作用すると、血漿という血液の成分が血管外へ滲み出て、膨らみを起こすと同時に、血管を拡張させて赤みを生じさせます。また、ヒスタミンは真皮層の知覚神経に作用して痒みを引き起こします。

蕁麻疹の種類

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蕁麻疹にはいくつかの種類があり、原因も様々です。約7割が原因不明と言われていますが、いったん発症すると急激に悪化して対処が難しい場合もあるため、アレルゲンや物理的原因などを検査でできるだけ調べることになります。

■急性蕁麻疹
症状が出始めてから6週間以内のもの。とくに子供では、細菌やウイルスなどの感染がきっかけとなって起こることが多い。原因は特定できずとも適切な治療を行えば1ヶ月以内に治ることが多い。

■慢性蕁麻疹
症状が出始めてから6週間を超えたもの。原因が特定できないことが多い。

■物理性蕁麻疹
皮膚をこすったり、圧をかけたり、寒さや暑さ、日光や振動などといった物理的刺激が原因で起こる。

■コリン性蕁麻疹
入浴、運動、緊張などで汗をかくと現れるもの。膨疹(皮膚のふくらみ)は小さめ。

■アレルギー性蕁麻疹
食べ物などに含まれるアレルゲンに反応して起こるもの。

■アスピリン蕁麻疹
アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬などで起こるもの。

■血管性浮腫
唇やまぶたなどが突然腫れ、痒みはないこともあるが、2~3日続くことが多い。

赤ちゃんの蕁麻疹の原因になりやすいもの

赤ちゃんの蕁麻疹の主な原因は以下のものです。前述の通り原因不明のことも多いですが、卵などの食物等のアレルギーによるものもあれば、温度差や摩擦など、アレルギーが原因ではないものもあるでしょう。下記のような原因を参考にしつつ、子供に初めて蕁麻疹ができたときや何度も起きたり長く続いたりするとき、また蕁麻疹とともに息苦しさが出たときなど、小児科やアレルギー科の医師に相談するようにしてください。

食物アレルギー

食物アレルギーの症状にはさまざまありますが、蕁麻疹もそのひとつです。

乳幼児では鶏卵、乳製品、小麦などによる食物アレルギーが多く見られます。離乳食を開始する頃の1歳時以降は、そば、えび、魚介類などによる食物アレルギーを発症する事もあります。

温度差、食物以外のアレルギー、圧迫など

■温度差:寒暖の差によるものでお風呂に入った時などに生じることがあります。

■圧迫、摩擦:大人の場合ならば重いカゴやバックを持った時の圧迫によるもの、電動マッサージなどによる摩擦などが原因で生じるタイプです。こうしたアレルギー性でないタイプの蕁麻疹は痒みを生じない事も多いです。子供の場合はチャイルドシートの圧迫や衣類による圧迫や摩擦に注意しましょう。

■運動、発汗:運動などによる発汗で蕁麻疹が現れることがあります。コリン性蕁麻疹とも呼ばれています。子供は大人と比較しても汗をかきやすいため、部屋の温度などの調整に気をつけましょう。

■薬品、注射:抗生物質、解熱剤などの薬品による蕁麻疹もあります。薬品でおきる蕁麻疹は重症化するケースが比較的あるため、薬品投与後に蕁麻疹の兆候があれば、その薬品の使用をただちに中止し、医療機関へすぐに受診しましょう。

蕁麻疹が出たときの対応・注意点

蕁麻疹が発症すると、どうしようもない痒みが襲います。こうした痒みは、冷やすことである程度は緩和します。保冷剤をガーゼなどで包んだものを使用し、患部を冷やして様子を見て安定するようであればよいのですが、痒みが治らなかったり、息苦しさや嘔吐、腹痛、下痢などの症状も出てきたりした場合はアナフィラキシーを起こしている可能性もあるため、早急に医師の診察を受けましょう。

なお、6ヶ月未満の赤ちゃんには、患部を冷やすよりも、部屋の温度を下げたり、薄着にしたり、水分を多めにとるなどの対応をおすすめします。

また、ほとんどの蕁麻疹の痒みに対しては冷やすことが効果的ではありますが、寒冷による蕁麻疹に対しては逆効果となりますのでご注意ください。

血行促進を促してしまう入浴なども控えてあげた方がよいです。体を温めることで痒みは強くなってしまいます。また、肌に刺激を与える素材や締め付けるような下着や衣類は控えましょう。

蕁麻疹に似た症状が出るかもしれない皮膚疾患

蕁麻疹に似た症状の出る可能性がある皮膚疾患がいくつかあるため、各疾患の特徴をある程度理解しておくと、受診するかどうかの判断が付きやすく、受診したときにも医師へ説明しやすくなるでしょう。

新生児にきび(ざそう)

新生児期には活発に分泌される皮脂によりニキビもできやすくなります。これも余分な皮脂を石けんなどで丁寧に洗っていれば、皮脂の分泌が落ち着いてくるとともに良くなることが多いのですが、ひどい場合は小児科や皮膚科を受診しましょう。

脂漏性湿疹

生まれてまもなく~生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、皮脂の分泌が非常に活発です。この時期にできるのが脂漏性湿疹です。赤い湿疹とともにカサカサしたうす黄色のかさぶたのようなものが、頭や頭皮、首、脇、肘、膝の内側などにできます。入浴時、石けんなどで余計な皮脂をきちんと取り除き、入浴後は保湿することでケアします。成長とともに皮脂の分泌が落ち着くことでよくなっていくことが多いです。

接触皮膚炎

何かに触れた部分がかぶれて湿疹となるものを接触皮膚炎と言います。赤く腫れたり、かゆみ、ヒリヒリ感が出たり、水ぶくれができたりします。赤ちゃんでは、よだれや食べ物などがつくことで口の周りや下あごなどによく起こります。食事前にワセリンなどで保湿しておき、食事後はやさしく汚れをふき取ったあとまた保湿すると良いでしょう。口の周囲に限らず、手洗いや入浴のあとはしっかり保湿することが大切です。症状がひどい場合は皮膚科か小児科を受診しましょう。

あせも

大量の汗により汗腺が詰まって体の外に排出されず、汗が周囲の組織を刺激することでプツプツができるものを、あせもといいます。暑くて蒸れやすい夏場にできやすいものです。乳幼児の場合、汗の溜まりやすい首や腕、足の曲がる部位にできやすくなります。

虫刺され

媒介となる虫は蚊、ブヨ、蜂、ノミ、ダニなどです。刺されてから即時に痒みが出るケースや刺されてから数日経過してから反応が出るタイプがあります。

これらの皮膚疾患と比べて、蕁麻疹の場合は年齢関係なく発症し数時間で治まる事が多く、何事もなかったように綺麗に消失するのが特徴です。蕁麻疹の定義としては、一過性のアレルギーですぐに反応が出て数時間で改善するのが一般的ですが、持続する場合には蕁麻疹以外の原因が考えられるので病院を受診するようにしましょう。

突発性発疹

38度以上の発熱が3日間ほど続いた後、熱が下がるとともに赤く細かい発疹が胸やお腹から顔など全身へ広がっていきます。ヒトヘルペスウイルス6型が原因のことが多いと言われていますが7型により引き起こされることもあり、複数回かかる子もいます。この発疹は痛くもかゆくもなく、解熱後、2~3日で自然に消え、痕も残りません。発疹についてはとくに治療は必要なく、熱が続いて辛そうな場合などでは症状に応じた治療が行われます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は乳幼児・小児期に多くみられて、成長とともに良くなる傾向のある皮膚疾患です。湿疹が治るまでに時間がかかり、炎症を繰り返すために乾燥も伴うカサカサ肌になるのも特徴です。症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す傾向にあり、乳児では2ヶ月以上続く場合にアトピー性皮膚炎と診断されます。
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下しやすい傾向にあるため、外部刺激を受けやすくなります。

アトピー性皮膚炎の治療は病態に基づいて、①薬物療法、②乾燥した皮膚への保湿剤・保護剤の使用などによるスキンケア、③食物アレルゲン・ダニ・ハウスダストなど悪化因子の検索と対策、の3点が基本になるとされています。

【医師監修】「とびひ」の正しい治療と注意点

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まとめ

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「子供の蕁麻疹を見ていると辛くて見ていられない……」という親は多いでしょう。ですが、蕁麻疹はアトピー性皮膚炎のように治療が長期化するものではなく「数時間」「数日」で消失するという特徴を持っています。ですから、親は慌てずに子供に水分を多くとらせたり体を冷やすなどして痒みを和らげてあげましょう。また、蕁麻疹が半日以上、長く続いたり、何度も起きるときや、初めて蕁麻疹が出たり、蕁麻疹で息苦しくしているときにはすぐに小児科やアレルギー科を受診するようにしてください。

この記事の監修ドクター
なごみクリニック院長 武井智昭先生
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経てなごみクリニック院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.25)

※記事の修正を行いました(2019.06.11)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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