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2020年08月28日 15:40 更新

働く女性のためのプレママ教室も!? 3万円分の新生児誕生祝品がもらえる「中央区」の子育て支援

日本を代表するショッピング街「銀座」や東京駅がある「八重洲」など、東京都の中心ともいえる地域が集まっている中央区。都内でも家賃相場がトップクラスということもあり、住む場所としては人気があまりないのかと思いきや、実は年々共働きの子育て世帯が増えているそうです。なぜ中央区が共働き世帯から人気なのか調査してみました。

中央区ってこんなところ

中央区は面積10.115平方キロメートルと23区内で2番目に小さな区です。しかし、日本橋、銀座、八重洲などのエリアがあり、商業・金融・経済など都市機能が密集しています。そのため、区民16万人に対し、昼間の人口が60万人を超える特殊な地域となっています。区内はどこへ向かうにもアクセスが良く、JRはもちろん、東京メトロ銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、有楽町線、半蔵門線、そして都営は浅草線、新宿線、大江戸線と数多くの路線が走っています。また、東京駅が近いので、新幹線を利用した長距離の移動も簡単です。

そんなビジネスの街だと思われがちな中央区ですが「子どもも親も安心して輝ける子育て・教育の中央区」を政策に掲げて子育て支援に力を入れています。そして、実は共働き世帯から人気があり、転入や新生児の誕生が増加しているのです。

グロースリンクかちどき

グロースリンクかちどきは、小学2年生までの子供たちが思い切り遊べる会員制の子育て支援施設です。室内には大きなジャングルジムや2階の高さからすべる滑り台などの遊具、外へ出るとクライミングウォールやどろ遊びができる庭など、体を思い切り使って遊べます。子供や親子を中心にさまざまな年代の地域住民を巻き込み「地域コミュニティ」を作り出しているのもポイントです。

また「ポリスミュージアム」も小さな子供から人気があります。ここは、日本の警察の始まりから現代までの歴史、警視庁の活動について学んだり体験したりできる施設です。警察官の仕事を疑似体験できる「交番体験」や「指紋採取疑似体験」、パトカーや白バイなどの展示もあるので、大人も一緒に楽しむことができそう。

Daiichi Sankyo くすりミュージアム

中央区には多くの企業があることから、無料で楽しめる体験型施設や見学ツアーがあります。「Daiichi Sankyo くすりミュージアム」は、身近でありながら実は知らないことの多い薬について楽しく学ぶことができる施設です。また、新聞作りが体験できる朝日新聞東京本社の社内見学ツアー、国内唯一の発券銀行である「日本銀行」の本店見学など。なかなか見る機会がない舞台裏を覗けることは貴重な経験です。超高速の輪転機がフル回転する印刷工場や1億円の模擬券パックなど、知的好奇心を刺激することができるでしょう。

晴海臨海公園

中央区には都内で唯一海水の池がある「浜離宮恩賜庭園」など、約90の公園や児童遊園が存在しています。600mも続く水辺テラスや、遊具を設置した芝生広場がある「晴海臨海公園」、ドラえもんの世界のような土管が特徴の「あかつき公園」、バスケットゴールやデイキャンプ場で賑わう「浜町公園」などが人気です。花や緑にあふれる場所も多く、都心とは思えないほど豊かな自然を感じることができるため、区民の憩いの場として愛されています。また、毎年夏になると区内4ヶ所の公園に「じゃぶじゃぶ池」が開設されます。気軽に水遊びができる場所があるのは、子育て世代にとってうれしいですね。

東京の経済や金融の中心である中央区ですが、少し離れると江戸の下町情緒を残した街並みや、商店街が多い活気のある個性豊かなエリアが存在しています。子供が楽しめる施設や公園も数多くあり、子育て世帯にとって過ごしやすい街のひとつといえるでしょう。

中央区で子育て中の働くママに聞いてみました

◎S.Sさん(33歳)4歳、年中のママ
レインボーブリッジなど東京湾の眺望や、隅田川沿いには季節毎の美しい景色があるおかげで、大人も子供も楽しく散歩ができます。また、湾岸エリア(晴海、勝どき、月島)はどこも歩道が広く整備されていて、ベビーカーでの散歩や買い物もストレスが少ないです。ただ、人口増加が著しいせいか保育園や幼稚園が足りていない印象があります。待機児童を解消する取り組みを、今以上に進めてくれることに期待します。

中央区の魅力を徹底調査!

待機児童解消に向けて積極的に働きかけている

区内には認可保育園等が61園、認証保育園が12園と、数多くの保育施設が存在しています。しかし、子育て世代の転入や出生数の増加により、残念ながら未だ待機児童問題が解消されていません。中央区は待機児童問題を解消すべく、施設整備による定員拡大、新しい保育施設の設置、待機児童向けの居宅訪問型保育事業、宿舎借上支援や資格取得支援等による保育士の確保と資質向上など、さまざまな対策を進めています。その結果、平成29年には324人だった待機児童が、平成31年には197人まで減少しています。今後も「子どもも親も安心して輝ける子育て・教育の中央区」の政策通り、支援体制の強化や保育環境の向上を行うことで待機児童問題解消の期待ができるのではないでしょうか。

小学校と中学校の就学先が選択できる

中央区は新一年生を対象に、小学校の「特認校制」、中学校の「自由選択制」を導入しています。基本的には通学区域内の学校へ就学するのですが、この制度を使うことで通学区域外の学校を選択することが可能です。

特認校制度とは施設に余裕がある学校を「特認校」として指定し、その学校に限り通学区域を超えて選択することができる仕組みです。令和2年度は、城東小学校、泰明小学校、京橋築地小学校、常盤小学校、阪本小学校の5校が特認校に指定されています。

「自由選択制」は、区内すべての中学校から自由に就学先を選ぶことが可能です。それぞれ特色のある教育を行っており、子供たちにとって魅力的な学校づくりを目指しています。部活動や教育方針などが自分に合う学校を選ぶことができ、子供たちが先の進路を見据える際に役立ちます。

働く女性をしっかり支える「中央区」の子育て支援

(1)働く女性のためのプレママ教室

中央区では「働く女性のためのプレママ教室」を開催しています。初めて出産する妊娠安定期(20から36週未満)の方が対象です。働きながらの妊娠期の過ごし方や、育児などについて詳しく教えてくれます。働くママ限定の教室ということもあり、似たような環境のママ友達を作ることができるかもしれませんね。

(2)出産支援祝品および新生児誕生祝品

産前は産婦人科への通院等による経済的な負担を軽減するため1万円分のタクシー利用券が、産後は「新生児誕生祝品」として区内で利用できる3万円分の共通買い物券が支給されます。共通買い物券はコンビニやスーパーなどはもちろん、衣料品店、家電、ドラッグストア、飲食店などのさまざまな店舗で利用が可能です。

(3)産後ケア(宿泊型)事業

産後に家族などの手助けがない、体調がすぐれない、初めての子育て等で不安を抱えているお母さんと生後10週未満のお子さんは、宿泊型産後ケアの助成が受けられます。お母さんと赤ちゃんが一緒に宿泊し、助産師から母体や乳児のケア、育児相談、授乳指導を受けることが可能です。1泊2日から最大6泊7日まで利用できるので、産後の体をゆっくりと休ませながら過ごすことができます。
※住民税非課税世帯は利用者負担金の半額、生活保護世帯は全額免除

(4)子ども医療費助成

中央区に住所がある0~15歳(15歳到達後最初の3月31日まで)の子供が助成対象です。健康保険証を使って病院・薬局等で診療や調剤を受けた際に支払う医療費のうち、保険適用となる自己負担分を全額助成してくれます。
※区内に住所があり、健康保険に加入している義務教育修了前児童を養育する保護者が対象。所得制限はありません

(4)育児支援ヘルパー

出産前から産後6ヶ月までの乳児がいる家庭が支援を必要としている場合に、区が契約している事業者からヘルパーが派遣されます。育児に関すること(授乳、沐浴、おむつ交換、未就学児兄弟の世話等)や、食事の支度、掃除、洗濯等の日常的な家事を手伝ってもらうことが可能です。
※1回の妊娠・出産に対し合計15回まで利用可、利用者負担金は所得によって異なる

(5)認証保育所保育料の補助

認可保育園の入所基準を満たし、認証保育所に児童を預けている世帯が補助対象です。認証保育所へ支払う月額保育料と認可保育園に在園した場合の月額保育料の差額に応じて、区が一定の金額を補助してくれます。認証保育園は認可保育園と比べて利用料が高くなってしまうことが多いのですが、補助により経済的負担を軽減してくれるので助けられます。

(6)居宅訪問型保育事業(待機児童向け)

認可保育園の入園ができず待機児童になった0歳児(生後57日以上)から2歳児クラスまでの子供を対象に、利用者の自宅に保育者を派遣して1対1の保育を実施してくれる事業です。認可保育園の入園待機期間のみ利用が可能となっており、保育料は認可保育園と同額。この制度を利用することにより、待機児童になってしまった場合でも復職することが可能です。

居宅訪問型保育事業(待機児童向け)
https://www.city.chuo.lg.jp/kosodate/hoiku/tiikigata/kyotakuhoumon_taiki.html

(7)病児・病後児保育

病中または病気回復期にあり、保護者が出勤せざるをえない等の理由があり家庭で看護ができない場合に利用できます。小児科に併設している病児・病後児保育室が2ヶ所、回復期で症状が軽度と診断された子を預かってくれる病後児保育室が2ヶ所あります。事前登録をしている生後7ヶ月から小学校3年生までの児童が対象。利用対象を未就学児までとしている自治体が多いところ、中央区は小学3年生まで対象なのがうれしいポイントです。

(8)学童クラブ

保護者が仕事や疾病等の理由で保育できない児童を預かる学童クラブが区内に8ヶ所あります。各地域の児童館に併設されており、月曜から金曜までの下校時から午後6時まで、土曜日は午前9時から午後5時まで無料で利用が可能。
※午後6時以降の延長を希望する場合は延長利用料(1回400円、上限5,000円まで)の負担が発生

(9)子どもの居場所(プレディ)

プレディとは、保護者の就労状況に関わらず放課後や土曜日に児童が安心して過ごせる「子供の居場所」です。資格を有する指導員や地域サポーターの見守りの元、遊びやスポーツ、工作など自由に活動ができます。区内12の小学校に設置されており、登録のみで利用料金は無料。月曜から金曜は放課後から午後5時まで、長期休暇や土曜は午前8時30分から午後5時まで過ごすことが可能です。なお、学童クラブ待機者が多いこともあり、保護者就労等の特別な事情がある場合は有料で利用時間の延長が最大7時30分までできます。

子どもの居場所(プレディ)
https://www.city.chuo.lg.jp/kosodate/shien/puredy.html

まとめ

中央区は銀座や日本橋などの繁華街、兜町などの金融街を抱えながらも月島・勝どきなど育児環境も整っているエリアがあることから、共働き世帯から人気があります。子育て支援にもしっかりと力を入れていて、待機児童問題の解消に向けた動きや、小学生の放課後居場所事業に重点を置いていることは、働くママにとってうれしいポイントですよね。区内で利用できる新生児誕生祝品だけでなく、認証保育所保育料の助成、学童の利用が無料等、経済的にサポートしてくれていることも選ばれる理由のひとつかもしれません。


(文:安部美和)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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