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2020年04月23日 10:08 更新

外出自粛中のストレスはどうする?イライラ度チェックや親子での乗り越え方

先日、緊急事態宣言の対象が全国となりました。外出自粛に取り組む中で、不安になったり落ち込んでストレスがたまる方も多いことでしょう。ストレスへの対処法や子どもへの接し方のコツなどを紹介します。

まずはイライラ度チェックを

Lazy dummy

外出自粛で、家族みんなが家で過ごす時間が増えていることと思います。
親子でゆっくりと過ごすことができる反面、構ってほしがったり室内でバタバタと動いて遊んだりする子どもにイライラして、必要以上に強く叱ってしまったり感情的になってしまったりすることもあることでしょう。

そんなイライラを落ち着かせるために、まずは自分のイライラを自覚することが大切です。

感情温度計でイライラを自覚しよう!

感情の度合いを測れる温度計をイメージして、今の自分のイライラの度合いを自覚してみましょう。

感情温度計

0 安定

気持ちが落ち着いて安定した状態です。

1 少しイラ立っている

少しイラッとしているなら、まずはそれを自覚します。

2 中等度のイラ立ち

次にお話する「リラクセーション法」を使って、気持ちを落ち着けましょう。

3 はっきりとしたイラ立ち

気持ちを落ち着けるために、子どもが安全な場所にいるのを確認してから、子どものいない部屋に行くなど少しの間子どもから離れてみましょう。

前よりも落ち着いて子どもと向き合えるようになるかもしれません。

4 キレる間際

子どもが安全な場所にいるのを確認してから、少しの間だけ、子どものいない部屋に行ったり家の外に出てみましょう。
深呼吸したり少し歩き回って、気持ちが落ち着いてから戻るのがよいでしょう。

5 キレる

自分だけで解決しようとがんばらないで、もう一人の親や仲のいい子育て仲間など、誰かを頼りましょう。「よりそいホットライン」「いのちの電話」など、省庁や自治体が関わっている団体に電話やメールで相談するのもおすすめです。

●よりそいホットライン
https://www.since2011.net/yorisoi/

●日本いのちの電話連盟
https://www.inochinodenwa.org/

なお、目盛りが3や4になって子どもから離れた後には、子どもに
「さっき出て行ったのは気持ちを落ち着けるため。あなたを嫌いになったのではないので、心配しないでね」
と話して安心させてあげてくださいね。[*1]

リラクセーション法って?

イライラが少したまってきたな、と感じたら、イライラをため込まないために、リラクセーション法をやってみましょう。

深呼吸

できるだけ深く大きく息を吸い、時間をかけてゆっくりと息を吐き出します。気持ちが落ち着いていくまで、何度か繰り返してみましょう。

力を抜く

両肩を上げて力を入れたら、一気にだらりと力を抜きます。

パパとママで協力して

2人でゆっくりと、手をもみ合ったり背中をさすり合って気持ちを落ち着けます。[*1]

家族でイライラや不安を共有しよう

外出自粛が続く今の状況は、大人にとっても子どもにとっても、非日常の異常な事態です。
どんな人でも不安やイラ立ちを感じたり、不機嫌になったり、気持ちが不安定になって当然なのです。

夫婦で家にいる場合は、お互いのイラ立ちを感情温度計で測り合い、気持ちを共有しましょう。家族みんなでリラクセーション法をやるのも、気持ちを落ち着けるとともに家族の絆を強めてくれるはずです。

子どもへの接し方はどうする?

子どもも不安やストレスを感じています

年齢や発達によって1人1人違いはありますが、子どもの多くはいつもと違う生活に戸惑ったり、家の中ばかりで過ごすことにストレスを感じています。新型コロナのニュースや親たちの様子を見て、不安や恐怖感を感じたり心配になっている子もいることでしょう。

もしもお子さんが、乱暴な言葉づかいをし始めたり、兄弟げんかが増えたり、物を乱暴に扱っていたら、不安や恐怖心、心配な気持ちなどが原因かもしれません。

お子さんが困った行動をしたとしても、ただ叱りつけるのではなくて、そんな気持ちが根っこにあるのかもしれないと思いやってあげたいですね。

子どもの話を引き出そう

子どもの中には、今の異常な事態に対して
「自分が悪いことをした罰だ」
と感じていたり、
「親を守らなくてはいけない」
と思い詰めている子もいます。
これは子どもにはよく見られる考え方です。

子どもの話を否定しないで耳を傾けてあげることで、子どもは自分の気持ちを伝えやすくなります。わからなくて不安なことも、質問することで気持ちを落ち着けやすくなります。

新型コロナウイルス感染症について話しましょう

お父さんやお母さんから落ち着いて、新型コロナや外出自粛について話してあげるのもいいですね。
「世界中のお医者さんや看護師さん、色々な人たちがみんなで協力して、新型コロナウイルスの病気が広がらないようにがんばってるの。だから、今はしたいことができなくていやになっちゃうかもしれないけど、いっしょにがんばろうね!」
など、子どもの年齢に合わせてわかりやすく説明してあげましょう。

また、次のような子ども向けのお知らせや映像を親子で一緒に見るのもおすすめです。

●文章「がんばっているみんなへ 大切なおねがい」
http://jaspcan.org/wp-content/uploads/2020/04/tochildren200407.pdf

●映像「やってみよう!新型コロナウイルス感染症対策 みんなでできること」
https://www.youtube.com/watch?v=WRhp0ZGVh0U

子どもが不安を乗り越えるためにできること

子どもたちにとって、自分の力で「できた!」と感じることは不安を乗り越える力になります。
毎日の手洗いやお手伝いなど、できたことがあればたくさんほめてあげましょう。
手洗い歌を一緒に歌ったり、できた時にはシールを張るなど、楽しく続ける方法も取り入れていきたいですね。

兄弟げんかをしたり、部屋の中でバタバタと暴れたりしても、強く叱りつけるのは避けて、根気よく「どうすればいいか一緒に考えて決める」ことが大切です。そうすることで、「自分の力でできた!」を感じる瞬間を増やしてあげられます。

遊びも不安の解消に

子どもは遊びながら、不安な気持ちをほぐし乗り越えていきます。また、遊びは子どもの発達においても欠かせません。
休校中で外出自粛の状況でも次のことに気をつけながら、子どもが子どもらしく、室内遊びや外遊びなどを楽しめるようにしてあげましょう。

外出自粛要請が出た地域で外遊びや子ども同士で遊ぶ時の注意

日本小児科学会では、子どもが外出したり子ども同士で遊ぶ時には、「同居している兄弟や家族などと遊ぶ」「屋外では、他人との接触を避ける」の2つを守るように推奨しています[*2]。

屋外で遊ぶ時の注意

文部科学省では、子どもたちが健康を維持するために、外で適度な運動や散歩をすることは認めています(2020年4月21日現在)[*3]。
日本小児科学会では、屋外で遊ぶ時に次の3つを守るように注意しています(2020年4月21日現在)[*2]。

・のどの痛み、咳、発熱など風邪の症状があれば、外出は控える
・遊具や手すりなど、みんながよく触わる場所に触った後は手を洗う
・食べたり飲んだりする前にも手を洗う

手を洗う時には、ハンドソープや石けんなども持参するといいですね。

屋内で遊ぶ時の注意

日本小児科学会では、屋内で遊ぶ時には次の7つを守るように注意しています(2020年4月21日現在)[*2]。

・まわりに明らかに感染している人がいない
・遊ぶ場所に高齢者、基礎疾患のある人がいない
(「基礎疾患がある人」とは、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPDなど)、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている人を指します)
・本人や家族に、のどの痛み、咳、発熱など風邪の症状がない
・少人数で遊ぶ
・保護者同士で遊ぶことを了解し合っている
・遊具や手すりなど、みんながよく触わる場所に触った後は手を洗う
・食べたり飲んだりする前に手を洗う

ただし、これから先の流行状況やわかってきたことによって遊び方も変わってきます。文部科学省や日本小児科学会のウェブサイトなどを確認しながら、安全に遊びを楽しんでくださいね。

不安やストレスを感じるのは自然なこと

困った時には相談しましょう

新型コロナウイルスが流行し、緊急事態宣言が出た今の状況に、不安や恐怖感、ストレスなどを感じるのは自然なことです。家族の健康や経済的なこと、これから起こることなどが心配になる人もいることでしょう。

自分1人で不安やストレスなどを我慢しようとしても、不安やストレスは積み重なってしまいます。家族と気持ちを共有してリラックスする工夫をするとともに、時には前にあげた電話相談なども利用してみましょう。
子どものことや夫婦のこと、家族みんなのこと、自分自身のことなどを悩んだり疑問に思ったら、お住まいの市区町村にある子ども家庭福祉についての部署に相談するのもおすすめです。

子どもに発達の偏りやメンタルヘルスがある場合は

発達障害など発達に偏りのある子どもや、メンタルヘルスの上で問題を抱えた子どもは、特に不安が強くなってしまうことがあります。
そんな時には遠慮なく、かかりつけの先生に相談しましょう。また、地域の相談窓口でも相談に乗ってもらうことができます。

まとめ

新型コロナの流行や緊急事態宣言、外出自粛といった状況に、不安や恐怖、イライラを感じている人はたくさんいることでしょう。非日常の事態に気持ちが揺れてしまうのは、とても当たり前のことです。そんな気持ちを隠さずに、夫婦や親子、家族みんなで話し合いながら気持ちを共有していきましょう。リラクセーション方法を試してみるのもおすすめです。
また子どもたちの心と体の健康を守るために、今の気持ちに耳を傾け、新型コロナのことを説明したり一緒に考え、親子でできる遊びを楽しんでいきたいですね。
不安や悩み、問題を抱えた人のために、さまざまな相談窓口も開設されています。時には専門家の手も借りながら、みんなでこの状況を乗り越えていきたいですね。

(文:大崎典子 )

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「お子様と暮らしている皆様へ」公益社団法人日本小児科学会、一般社団法人日本子ども虐待防止学会、一般社団法人日本子ども虐待医学会
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200406_02.pdf
[*2]日本小児科学会「新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aについて」(2020年4月20日更新) 「Q 学校が休校となりましたが、子どもは外出や友達と遊ぶことを避けたほうが良いでしょうか?」
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326
[*3]「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び 特別支援学校等における一斉臨時休業に関するQ&A (令和2年3月9日時点)」文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/202000309-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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