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2021年02月25日 10:33 更新

【医師監修】着床出血で生理並みに出血することはあるの? 着床出血の特徴、生理との見分け方は?

妊娠したかどうかが気になって、待ちきれない……!! そんなとき、気になるのが「着床出血」があるかどうか。でも着床出血がある時期は、生理が起こるころでもあります。ここでは着床出血の量と特徴、生理と見分けるときのポイントについて紹介します。

着床出血で「生理並みに出血する」ことはある?

生理の出血のイメージ画像
Lazy dummy

そもそも起こる時期がほとんど同じで、まぎらわしい「着床出血」と「生理」。着床出血で生理ほど出血することはあるのでしょうか。

着床出血は「軽い出血」

着床出血は、一般的に「出血」と聞いて想像するほどの量の血液は出ないとされています。ですから、たとえ着床出血があったとしても、生理並みに出血することはほとんどないと考えられます。

そもそも生理の出血量ってどのくらい?

ただし、生理の量はもともと人によってさまざま。生理期間中の出血量の合計は、正常範囲自体20~140mLと幅があり、多い人では少ない人の7倍も出血しています[*1]。

自分が生理でどのくらい出血しているのか、数字ではなかなかわかりづらいものですが、海外の研究では、ふつうの日用の生理用ナプキンに少しだけ経血が付いていた場合で1~2mL、半分ぐらいなら3mL前後、全体的に広がっていたら5mLぐらいとしているものがあります[*2](実際の量は、ナプキンの大きさや吸収力などによって異なります)。

話を戻すと、もともと生理の量が少ない人では着床出血を生理と勘違いすることもあるかもしれませんが、これは珍しいでしょう。着床出血で生理用ナプキンやタンポンが必要なほど出血することはあまりないようです。

着床出血なしに妊娠する人のほうが多い

着床出血をいまかいまかと待っている人に、もうひとつ知っておいて欲しいことがあります。それは「着床出血は必ずあるものではない」ということ。

むしろ、着床出血なしに妊娠する場合のほうが多いのです。着床出血があるのは、妊娠した女性のうち8~25% [*3]とされています。

着床出血と生理を見分ける方法は?

着床出血は普通、軽い出血であることを説明しましたが、そのほかの特徴などから生理と見分ける方法はあるのでしょうか。

着床出血の特徴まとめ

一般に、着床出血は以下のような特徴があるとされています[*3, 4]。

・生理開始予定日またはその数日前ごろから起こる
・「出血」というほどの量はなく、淡いピンクや茶色のおりもののようなものがトイレットペーパーや下着に少し着く程度
・生理の経血に混じるような血の塊はない
・着床出血がある期間は生理より短く、数時間~3日間程度

※個人差が大きいので、上記の特徴が必ずあるわけではありません

生理と見分ける方法

さきほど紹介した特徴があって、着床出血のような気がする場合、それを確かめる方法はあるのでしょうか。

妊娠検査薬を使ってみる

一番簡単なのは、妊娠検査薬を使ってみることです。陽性が出れば着床出血であった可能性が高いでしょう。ただし、妊娠検査薬は通常、生理開始予定日から1週間後以降の使用が推奨されています。それより早く使用すると、「実際は妊娠しているのに陰性と判定される(偽陰性)」の可能性があることに注意が必要です。くわしくは下記の記事を参照してください。

基礎体温が変化したか確認する

以前から基礎体温を記録していた人なら、高温期が17日以上続いているかどうか確認することでも妊娠の可能性を推測できます。もし、高温期が続いているようなら、妊娠検査薬を使ってみましょう。

その他の方法はないの?

妊娠検査薬と基礎体温の確認以外に、妊娠の可能性があるかどうか、自宅で調べる方法は、残念ながらありません。妊娠すると、着床出血以外にも下記の記事にまとめたような症状のみられる場合はありますが、生理前に起こるPMS(月経前症候群)の症状と見分けのつかないものが多いので、あくまでもそんなことがあるかもしれない、くらいに考えてください。

妊娠の可能性をできるだけ確実に知りたいのなら、やはり適切な時期に妊娠検査薬を使ってみるのが一番です。陽性が出たら、産婦人科を受診して超音波検査で確定してもらうことを忘れないでくださいね。

まとめ

着床出血で生理並みに出血することはあるのかどうか、解説しました。生理の量は個人差もありますが、同じ人でもその時々で多い月、少ない月があったりもします。いつもよりかなり出血量が多い、腹痛がひどいなどの症状もある場合は、できるだけ早く医療機関を受診するようにしてください。着床出血でみられるような軽い出血の場合は、はやる気持ちを少し抑えてから、適切な時期に妊娠検査薬を使ってみましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]病気がみえるvol.9婦人科・乳腺外科, p.26, メディックメディア, 2018 .
[*2]Magnay JL et al.: A systematic review of methods to measure menstrual blood loss, BMC Womens Health. 2018 Aug 22;18(1):142.
[*3]池ノ上克ほか「NEWエッセンシャル産科学・婦人科学」(医歯薬出版)p.327
[*4]American Pregnancy Association:What is Implantation Bleeding?

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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